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天高く犬肥ゆる秋。
「おっとそれは通りませんよ」
「あっちょっ! 待ったです!」
「天狗様ともあろうお方が往生際が悪いですよ」
これで何度目だろうか…このいぬ…哨戒天狗が待ったをかけるのは…
待ったをかけられた彼女は深い溜息を一つ吐き出してその相手を見る。
方やもう一方はというと…
「そっそもそも私はこのゲームのルールをまだ把握してないのですよ!」
ふさふさとした尻尾をピンと立て上目使いでその相手に抗議の意思を伝えてい

た。

 深まる秋、ここ妖怪の山は日々是平穏に過ぎて行く。神様が引っ越して来た

あの事件以来めっきり異変らしい異変は起こらず、侵入者の類も無く…滝の裏

では暇を持て余した彼女たちは外来からやってきたという絵合わせゲームで暇

を潰す日々…
「あっそれ貰いです」
「うぅ~ですからぁ…」
彼女は尻尾を股の間に回し涙目で河童を睨みつけ、睨みつけられた河童はとい

うと…
「駄目だ落ち着け私! 私落ち着け!」
「あわわわ…ちょ! 待った! 待ったです!」
岩壁に何度も額を打ち付けていた。


「落ち着きましたかこのクソ河童」
「さらっと爽やかな笑顔で言わないで下さい」
冷や汗と額から赤い汗を垂らしながら河童はこれはこれで有りなのかなぁ…と
か自分が少し変な道に入り始めてるのかなぁ…とか思い始めていた。そのとき
「椛~~~~!」
いつも忙しない彼女の上司である烏天狗が滝を文字通り切って現れた。些か興

奮しているのか頬が紅潮しているのがみて取れた。
「えっと…どうしたのですか?」
彼女から嫌な汗が頬を伝って行く。この烏天狗がこのような様相で現れる時は

大抵…
「白黒が紅白のドロワの中身を…いいから早く行きますよ!」
「えっあの…ちょっと!」
彼女の思考がまとまる前に一気に捲くし立て哨戒天狗の手を引っ張り空高く舞

い上がって行った…。

「それはそうと…」
一人取り残された河童は空高く舞い上がる二人を見ながら遠く…本当に遠くを

見つめながらぽつりと呟いた
「文さん…パンツ見えてますよ」