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霧天狗銀雨二次創作


テーマ:隠密衆-夜天-の日常

登場人物                       
  • 蘇芳(当人)
  • 白(もとい珀琵のこと)

  • 特別出演:未定

その他(所謂…-夜天-裏設定)
  • 姫巫女(夜天所属の運命予報士:蘇芳の妹…綾華)
  • 羅輝/琉輝(本来は蘇芳の双子の兄たち/銀誓館は蘇芳が編入する前に卒業)
  • 迅(蘇芳の幼馴染という設定)


―タイトル:蘇芳帰省する…―の巻(仮

 ここは何処かの山間にある隠れ里。蘇芳の故郷でもある。
12の時に里を出て6年ぶりの帰省である。もちろん蘇芳を追い里をでた白と人狼の銀も一緒だ。
「ここは変わらないじゃな」
「…そう、ですね」
 愛用扇子を手に蘇芳は呟く。それに応じるように白も頷く。白にしてみれば3年ぶりの故郷の地だった。
「…くん・くん、懐かしい匂い♪」
 銀は鼻をひくつかせて初めてくる土地なのに懐かしいと嬉しそうにする。それもそのはず此処はかつて日本が倭の国と呼ばれていた雰囲気を今も色濃く残す場所なのだから。
 すると、蘇芳たちの目の前を一陣の風が吹き抜ける。そして―!
「イグニッション!」
 蘇芳が叫ぶと、扇子が詠唱銀へと姿を変えた。一緒にいた白は梵字が書かれた札を手にする。銀は何事?といった感じにきょとんとする。お前も起動しろ、と言いたいところだがあえて無視。(ちょっw
「…何のつもりで、ござ――」
 ガッ!言うや否や重なりあう鋼の音、蘇芳はそれを忍者刀で受け止める。見ればそれは鎖鎌…を弾き返す蘇芳。続けざまに放たれる水の刃! 構えを取り前方に練り上げた水のエネルギーを展開する。もっとも…爆水拳は、本来はこんな使い方はしないのだが。場所が場所だから許せ。(ぉぃ
「ったく、出会い頭に襲ってくるなんざ、相変わらずだな…」
 蘇芳の持つ忍者刀がみるみるのうちに氷結する、そして
「これで、頭を冷やすで…ござるよ」…忍者刀を返し、身ね打ちを当て、愛刀を鞘に納める。
「ん?これ…だぁれ?」
 其処には氷漬けにされた人型のオブジェを見上げつつ銀が蘇芳に訪ねると…蘇芳は何時の間に元のスタイルへと…。
「…迅さんだ」代わりに白が答えた。
「ふぅ…白、元に戻してやれ」
「無理です」
 蘇芳の問いに白はきっぱと答えた。当然だ、彼は魔氷を回復する術は持っていないのだから。
「そうじゃったな。んじゃ、ほっとけ」
 すたすたと一行はその場を、何もなかったように通り過ぎて行った。

「…相変わらずデカイじゃな」
 呆れたようにため息をつく蘇芳。―此処は蘇芳の生家である。今時珍しい萱葺き屋根の旧家。そして遠方に見えるのは幾つもの層に分かれている試練の回廊と呼ばれるモノ。それはさておき、たったったた…と足音が次第に大きくなると
「兄様!」と蘇芳に飛びつく華奢な少女。―蘇芳の妹だ。
「ぉっと、久しいな…綾華」
「お帰り…蘇芳」
「琉輝…?」蘇芳の3つ上の双子の兄だ。彼も…そしてもう一人の兄も実は、蘇芳が銀誓館に編入する以前に銀誓館を卒業している。もちろん蘇芳は知らない…6年ぶりの再会だし(汗)
 すると突如、地鳴りが…もとい人の唸り声が聞えてきた。
「――!?」
 地下の方からだ。地下にあるのは座敷牢のはず…蘇芳は琉輝を見やる。その表情は硬い―。ふと、ある事を思い出す―。
「見えざる狂気…」そう呟く蘇芳。いったい誰が?琉輝は答えない。でも…会いに行くか?と訪ねてきた。…頷く蘇芳。お前達はここで待っていろ…その言葉に白と銀は素直に頷き、綾華に二人を任せた。

 地下へと続く階段を下りると其処には幾つかの座敷牢が並んでいた。場所的に一番奥になるだろうか、一箇所だけ奇怪な檻が…幾多の札が施された牢屋―。
『あひゃっ!あっひゃっひゃ…わしは最強じゃ、最強なのじゃぁああああ』
 カツッ!カツッ、カツッ、カツッ…。蘇芳は足を止めた。
「…潤柴の爺様」―蘇芳の曾祖父(そうそふ)つまり祖父の父親に当たる人物だ。
「…何時から?」
「一昨年の3月下旬あたりからだよ。それまでは自我を保っていたけど…」
 一昨年の3月…覚えがあるのは土蜘蛛戦争―!
「そう言えば…この時期は銀誓館で大きな戦があったよね…蘇芳」
「…!」
「…ふふ、そう驚かないでよ。僕も兄貴も実は銀誓館の卒業生だよ」
「…ぇ」
「まぁ、蘇芳が里を出て6年だもんね(苦笑する兄)」
『…―!』
『…す…おう?………蘇芳?』
「―!」名前を呼ばれて、思わず振り返る蘇芳
『…ふふふ、蘇芳坊…でかくなったのぉ。昔はこーなんじゃった…のに……ぶつぶつ。ぐふっ、貴様もわしを殺しにきたか!そんなことはさせんぞぉぉおお』
一瞬、その瞳に光が宿る。しかし数秒立たぬうちに、その瞳は狂気を帯びていた。
「…どう、いうことだ?琉輝…」
 動揺する蘇芳の肩に手を置き、稀に自我が戻る時があるんだよ。と―。そしてその場をあとにする。

その頃、里の入り口付近―

「―――。…―――ん。……―迅!さっさっと起きろぉお!!!!」
「はっ?!」
「……のれぇーーーー!?蘇…っ!」
「やかましい!このアホ!!」
 ごっ!と鈍い音が地味に響いたのである。
「…ん?……蘇芳?―あいつ戻って来ているのか?!」
「~~~ッ! 痛いっすよぉ~~羅輝さん。へっ?…蘇芳が戻って来てるんですか?」
「はっ?」
「…――あ、確か…里の結界を抜けてきた輩が居たんで、追い出そうと思って……あれ?」
 迅は足元の落ちている、何かを拾った。チリーン…小さな蓮の形をした風鈴だった。そして、僅かに香る匂い…
「―あれ、この匂い…前に―?」
 羅輝も香りに気づき…そして気づいた。
「迅、屋敷に戻るぞ。お前も来い」
「ぁ、はい!」訳が解らず迅と呼ばれた若者は羅輝と呼ぶ青年のあとを追う。
 リーン…チリーン……その鈴の音が優しく辺りを包んだ。そして、仄かな香りを残していく。

―夕刻半。

 ガラッ!と引き戸を開くと…お帰りなさいませ羅輝様。お勤めご苦労様です。
「ぁ、羅輝様。蘇芳さまが…」
「知っている」
「…しかし、蘇芳は久ぶりだな。今まで何処におったのだ?」
「父上も元気でなにより…俺は―まぁ、それなりに」
「白も久ぶりだな」
「…はい、旦那様もお元気で。あの時、わたしめの我がままを聞いて下さりありがとうございます」
「うむ」
 どたどたどたっ!と廊下蹴る音が近づいてくると…。パッシーン!と襖を開ける。
「蘇芳が戻ってきているそうだな!」
「…ぁ、羅k…」
 彼は目的の者を見つけ、思いっきり抱きついてきた。ぎゅぅ~~~と!
「…あ~あ、鬼の羅輝も…所詮は弟馬鹿だね」
 所謂ブラコン・ツンデレ属性の羅輝は、他人に厳しく・自分にも厳しい…次期頭領は弟には甘いのであった。

「あーお取り込み中申し訳ないのですが…」
 リーン…チリーン…と風鈴の音がする
「まぁ、綺麗な音ね。癒しの効果が施されているようですわ…それにこの香り」
 物陰から…ふと、物静かな大人の女性がほぅーと呟きつつ現れた。何処と無く蘇芳に似ている。それもそのはず―蘇芳の母なのだから。
「あ、はい…奥様。里の入り口に落ちていまして…」
「そうか、どこかで落としたなと思ったのじゃが…あの時か。おぬしがイキナリ襲ってきたんで、紐が切れてしまったのじゃな…迅」
「…!?…あの時、俺を氷漬けにした輩!」
 迅は鎖鎌を構え、襲って来た。かと思いきや…そのまま寝に堕ちた。白が導眠符を投げつけたのであった。
「ったく…」
 蘇芳は迅の胸倉を掴みあげ、片手を振り下ろした!パッシーン!パッシーン!往復ビンタが炸裂する。
 ふと気づく迅、しかし…導眠符の余韻が残っていたのか意識がはっきりしない。
 ―そして、徐に蘇芳の頬に手を添えつつ………。スパコーン!