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#91 - (2010/04/14 (水) 15:13:04) のソース
*#91 ロック対ロック! ユニットを魂の輝き、GNドライヴをカテジナシャッコー《20》によって落とされてしまった俺の場にはGと内部調査だけが残っていた。 対して相手は、件のシャッコーに加えハンガーにOガンダムで奪ったリペアと2枚目の輝き…。 シャッコーの攻撃力は決して高いわけじゃない…だがこのまま野放しも不味い。 いっそユニットを出して輝きで一緒にリセットしてもらうか? 俺は手札のカードを見て考える。 いや。そんなことをすれば、今度は今の今までハンガーで待機していたリペアが牙を剥く…まずはユニットの絶対数の差を何とかしないと。 「内部調査で、これは下…いやいや上で」 俺は相手の配備エリアをチラっと見て、下に送りかけたカードを慌てて本国の上に戻す。 「戦闘フェイズ、行きます」 「何か打開策が見つかったようですな…?」 「ええ…空白の時をプレイ!ジャンクヤードにある…ダブルオーガンダムを-1修正で場に!」 俺はジャンクヤードに重なっているカードの下のほうからダブルオーを場に引っ張る。 世界の再編で落とされたがこういう使い方ができるから結果オーライだ! 「こっちの宣言型効果の封殺…月面で緑が出せず輝きも撃てない。やられたね…」 相手は厳しい顔をする。 これで輝きを封じた。基本Gを引かれなければだけどな。 「ダブルオーを宇宙に出撃させます」 「6点…通しますか」 よし!戦闘力なら-1修正中でもシャッコーを圧倒してる! 俺はダブルオーを帰還させ、ターンを終了した。 「ドロー。仕方がないですね…戦闘フェイズ」 「はい。4点で」 俺は手早く本国のカードを捨て山に送る。 相手はシャッコーを帰還させ、ターン終了を宣言した。 「リロール、ドロー」 俺は手札にカードを加え、少し考える。 こっちの本国は残り10枚程度。カテシャッコーの攻撃を2回受けただけで負けだ。 攻めなきゃ勝てないのはわかってるが…本国が薄すぎる。 「ターン…終了です」 「了解です。ドロー」 ハンガーの輝きが腐っている今、何をする? 「ダブルオー…強力なロックです。しかし、ゲームを支配する能力ではありませんね」 相手はまた「面白くなってきました」と言って手札のカードを表にした。 「ゲームを支配するロック…マスターガンダム《17》を配備します」 「…!?」 マスターガンダムはジャンクヤードにあるカードに応じて、こっちのカードプレイを制限するカード。 場のテキストを抑制するダブルオーとは対局のような能力だ。 現状だと、ナドレやヴァーチェ、来訪者に赤のドローサーチ…か。なかなかキツイぜ。 「さらに、ブースト使用でハンガーのリペアを。盗難品で申し訳ないんですが」 「いえいえ。了解です」 そこで相手はターンを終了した。 このままにらみ合おうってのかよ? だが、そうなれば本国、ユニットの枚数で劣る俺がいずれ負ける。 「ターン終了です。あ、本国確認させていただいても?」 「はい。3、4、5…8枚ですね」 案外少ない。こっちのユニットの攻撃力が高いおかげで、数回の攻撃で本国は一気に減ったんだな。 攻撃は凌げる。いや上手くすれば、次に相手が総攻撃してくれば逆に勝機はある。 4点を受けつつ敵を全滅。返しに10点強の打点でな。 「私のターンを開始します」 相手はドローする。ユニットは3枚ともリロール、3面パンチが可能。 さぁ…来い! 「戦闘フェイズ、リングにマスター、地球にシャッコーを出撃させます」 「…了解です」 総攻撃ではなかったが、これは勝てる! 手札にはガンダムエクシア《19》のカード。シャッコーには一方的に勝てるし、リングはダブルオ… 「…あれ?」 俺はそこまで考えて疑問に声を上げる。 マスターはなんでリング宣言したんだ?素じゃダブルオーに圧倒されるのに。 「あ、お気づきですか?さすがです。出撃後、最終兵器をプレイします」 「げっ…」 相手は手札のカードを表にする。またユニットリセットコマンドだ。 3枚以上ユニットをコントロールしているプレイヤーはユニット1枚の破壊を無効にできる効果。 そうか…リングに出撃したマスターは破壊されないし、3枚コントロールしているからシャッコーの破壊を無効にできる…か。やられた。 いまからエクシアを追加しても、”3枚”にはできない。 ダブルオーは落ちる。リングを防御できるカードはない。 俺はあきらめて首を縦に振った。 「では解決を。こちらは結果的に、配備エリアのリペアが落ちるだけです」 「こっちは…ダブルオーが破壊されます」 俺はおとなしくダブルオーをジャンクに送った。 同時に、こっちのジャンクにエクシアリペアも戻ってきた。 「さて…ダブルオー、ヴァーチェ、ナドレ、リペアに加えて、GNドライヴと空白もロックされてますね」 相手はこの攻撃で終わると確認するようにそう言った。 「ええ…あとは”この1枚”だけです。防御ステップ!」 「…エクシア?」 「ガンダムエクシア!」 俺はカテジナシャッコーのいる戦闘エリアにエクシアを出す。 ××× 俺は、京子が煉さんに負けた日の帰り道を思い出した。 「いらないの?」 秋の風にはためくスカートを押さえながら、彼女はもう一度そう言った。 スカートを押さえたほうとは違う手にガンダムエクシア《19》のカード。 「いらねー訳じゃねーよ。でもマジでいいのかよ?」 俺は自転車を押しながらそう言った。ちなみにこの自転車は京子の。 その日のあいつは「歩いて帰ろう」の一点張り。少し後ろに勇としおりんがいたっけな。 「いいの。もう使わないし」 バイトしてまで買ったのに?と続ける俺に、京子はケロッとした顔でそう言った。 「じゃあ借りることにするぜ」 「まぁ、なんでもいいわ。とりあえず使ってあげて♪」 京子は笑った。 「まかしとけ」 俺はニッと笑い返し、拳を握り締めた。 ××× 「キュリオスじゃなくてよかったです」 相手はそう言いながらシャッコーをジャンクに移す。 「はは…確かに」 俺はリングの5点分の本国を捨て山に送る。 俺の本国の正確な枚数は5枚だ。 「ターン終了です」 「はい。ドロー…」 相手の本国は6枚。 エクシアで攻撃すれば終わる?いや、魂の輝きでリセットされたら、ドロー負けするのは俺だ。 「ターン終了」 「了解です。ドロー…」 相手は「キャラ…引きませんな」と言った。 「何もなければターンを終えたいのですが」 このままターンを重ねることでも、俺の本国はドローで尽きる。 一か八かだ! 「いえ、配備フェイズ」 「…?」 俺はニッと笑い返し、拳を握り締める。 一勝が欲しいとかそういんじゃない。京子のこのカードに報いる戦いを…。 「宿命の螺旋のカードをプレイします!」 つづく ---- [[前へ>#90]] / [[SeasonTOP>あたしのガンダムウォーSeason3]] / [[次へ>#92]] ---- txt:Y256 初出:あたしのガンダムウォー 掲載日:09.07.23 更新日:10.04.14 ----