「#58」(2010/04/14 (水) 14:44:06) の最新版変更点
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*#58 最終決戦開始
「2回戦を始めてください」
信ちゃんが時計を合わせながら言った。
「「お願いします」」
あたしと煉さんは、互いに頭を下げる。
じゃんけんはあたしのグーが煉さんのパーに負けた。
煉さんのパー…久しぶりに見る火傷に、あたしは反射的に目をそらす。
「私が先攻だな」
「はい」
お互いにマリガンがないことを確認すると、煉さんは黒基本Gを出してターンを終了した。
「あたしのターン、ドロー」
温泉の日の決意からここまで…バイトがない日は家でこのデッキをちゃんと使いこなせるように特訓してきたんだ。いくよ、最終決戦開始だ!
「配備フェイズ、白基本Gを配備」
あたしは、7枚になった手札から白基本Gを出す。
初めて出た大会でもらった、アカツキの柄の白十字勲章だ。
「ターン終了です」
「ドロー。配備フェイズ、黒のジェネを出してターン終了だ」
煉さんはそう言ってドローする。
2枚目も黒のGカードだ。…黒単色だろうか?
「ターン終了だ」
「ドロー、赤基本Gを配備します」
「赤…ふぅん」
煉さんは置かれたばかりの赤基本Gに目をやる。
確かに、今までずっと白中を使ってきたあたしが赤白では驚くでしょ?
「内部調査を出して、ターン終了です」
「はいよ。さて、赤白…カウンターフリーダム」
煉さんの言葉は、あたしに向けられたものではないらしい。独り言だろう。
確か菊池さんと戦ってたときも、青1Gで「ガンダムデッキ」って言ったっけ…。反応見てるのかな?
「…」
…ご名答、カウンターフリーダムよ。
でも、知られたからってどうということはない。簡単にとめられるほどヤワじゃないのよこのデッキはっ!
「ターン終了だ」
煉さんは3枚目の黒基本Gを出した後に、シャクティ《女神2》をセットしてターン終了を宣言する。
新しいドローカードかぁ…攻撃が通ると相手のGに行ってしまうデメリットが大きいような気がしてたけど、実際あと数ターンこっちは攻撃できない。
「ドロー、白基本Gを出してこのカード」
あたしは内部調査を使いつつ、ターンを開始する。
手札から中東国の支援をプレイし、カード2枚を手札に加える。
「ターン終了です」
「さて…このターン動く」
煉さんは静かに言って、ドローする。
「配備フェイズ開始時に、シャクティのドローが起動。宇宙が呼ぶ声をヴァリアブルで展開だ」
煉さんは手札から青の国力を発生するヴァリアブルを出す。
青黒?いやあれは黒のコマンドとして入ってるだけかも。
「ゼク・アイン(トッシュ機)を出して、効果でゼク・アイン(2種兵装)を出すぞ」
「ニュー…ディサイズ?」
あたしは展開されたユニットに口を開ける。
トッシュ機の展開・回復力、ジョッシュ機の除去力、ファスト機の交戦力などからなる黒のデザイナーズデッキ。ただし、サイズが旧世代機とほぼ同等で、1枚1枚だけを見るならたいした脅威じゃない。
…いける。煉さんがこのデッキを選択した時点でデッキ的優位は取った!
「そうだ、我が”隊士達”は優秀だぞ?」
「そう…ですかぁ?」
あたしは明らかに拍子抜けした声を出してしまった。
だってせっかくバカ真面目にデッキ考えて来たのに、これじゃあんまりだわ。
「だからなんぜそういう顔をする?油断してると案外ニューディサイズに食われるぞ?」
煉さんはターン終了の合図をする。
食われるったって…。
「ドロー。配備フェイズ、赤基本Gを出してターン終了です」
これで白2赤2。
相手が先攻でも、ゼクがロールインだから、本国はここまで無傷だ。
「ドロー、配備開始でシャクティドロー。戦場の鈴音をプレイしたいが?」
「はい、オッケーです」
煉さんは本国の上のカード2枚をハンガーに送る…!
「お?面白いな」
「黒基本Gと…内部分裂」
あたしはハンガーに移ったカードを見てつぶやく。
混色殺しのあのカード…デッキ1枚制限の制裁を受けても、やっぱり強力すぎるよ…。
「あらゴメンなさい。なんか卑劣なのが見えちゃってるけど、まだ配備フェイズね」
煉さんはニッと笑い手札からカードを出す。
「ハンガーの黒ジェネとゼク・アイン(ジョッシュ機)をプレイ。そして、このカードをトッシュ機にセットするぞ…アムロ・レイ《19》」
「はい。全部通しです」
展開をサポートするアムロ…前のターンからやられてたら危なかったかも。
「攻撃ステップ。では、お待ちかねのハンガーの内部分裂だ」
「…させませんよ、作戦の看破《BB1》!」
あたしは表情を変えず、手札からカウンターカードを出す。
内部調査と中東でどうにか手繰り寄せたんだ。ここを通すわけには行かない。
「やっぱり?まぁそうでなくては面白くない。今のが通ったらつまらなすぎて逆に私が投了してたかもね」
煉さんはおかしそうに言った。この妙な女言葉はふざけてるときに使う口調。
この余裕は?いや、これがこの人。
「えぇ、もちろん。あたしはさっきも言いましたけど、あたしは”倒す気満々”ですから♪」
「ふん。アムロの効果で本国から…このユニットだ」
あたしの軽い挑発を無視して、煉さんはアムロの効果で本国からユニットを出した。
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:
更新日:10.04.14
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*#58 最終決戦開始
「2回戦を始めてください」
信ちゃんが時計を合わせながら言った。
「「お願いします」」
あたしと煉さんは、互いに頭を下げる。
じゃんけんはあたしのグーが煉さんのパーに負けた。
煉さんのパー…久しぶりに見る火傷に、あたしは反射的に目をそらす。
「私が先攻だな」
「はい」
お互いにマリガンがないことを確認すると、煉さんは黒基本Gを出してターンを終了した。
「あたしのターン、ドロー」
温泉の日の決意からここまで…バイトがない日は家でこのデッキをちゃんと使いこなせるように特訓してきたんだ。いくよ、最終決戦開始だ!
「配備フェイズ、白基本Gを配備」
あたしは、7枚になった手札から白基本Gを出す。
初めて出た大会でもらった、アカツキの柄の白十字勲章だ。
「ターン終了です」
「ドロー。配備フェイズ、黒のジェネを出してターン終了だ」
煉さんはそう言ってドローする。
2枚目も黒のGカードだ。…黒単色だろうか?
「ターン終了だ」
「ドロー、赤基本Gを配備します」
「赤…ふぅん」
煉さんは置かれたばかりの赤基本Gに目をやる。
確かに、今までずっと白中を使ってきたあたしが赤白では驚くでしょ?
「内部調査を出して、ターン終了です」
「はいよ。さて、赤白…カウンターフリーダム」
煉さんの言葉は、あたしに向けられたものではないらしい。独り言だろう。
確か菊池さんと戦ってたときも、青1Gで「ガンダムデッキ」って言ったっけ…。反応見てるのかな?
「…」
…ご名答、カウンターフリーダムよ。
でも、知られたからってどうということはない。簡単にとめられるほどヤワじゃないのよこのデッキはっ!
「ターン終了だ」
煉さんは3枚目の黒基本Gを出した後に、シャクティ《女神2》をセットしてターン終了を宣言する。
新しいドローカードかぁ…攻撃が通ると相手のGに行ってしまうデメリットが大きいような気がしてたけど、実際あと数ターンこっちは攻撃できない。
「ドロー、白基本Gを出してこのカード」
あたしは内部調査を使いつつ、ターンを開始する。
手札から中東国の支援をプレイし、カード2枚を手札に加える。
「ターン終了です」
「さて…このターン動く」
煉さんは静かに言って、ドローする。
「配備フェイズ開始時に、シャクティのドローが起動。宇宙が呼ぶ声をヴァリアブルで展開だ」
煉さんは手札から青の国力を発生するヴァリアブルを出す。
青黒?いやあれは黒のコマンドとして入ってるだけかも。
「ゼク・アイン(トッシュ機)を出して、効果でゼク・アイン(2種兵装)を出すぞ」
「ニュー…ディサイズ?」
あたしは展開されたユニットに口を開ける。
トッシュ機の展開・回復力、ジョッシュ機の除去力、ファスト機の交戦力などからなる黒のデザイナーズデッキ。ただし、サイズが旧世代機とほぼ同等で、1枚1枚だけを見るならたいした脅威じゃない。
…いける。煉さんがこのデッキを選択した時点でデッキ的優位は取った!
「そうだ、我が”隊士達”は優秀だぞ?」
「そう…ですかぁ?」
あたしは明らかに拍子抜けした声を出してしまった。
だってせっかくバカ真面目にデッキ考えて来たのに、これじゃあんまりだわ。
「だからなんぜそういう顔をする?油断してると案外ニューディサイズに食われるぞ?」
煉さんはターン終了の合図をする。
食われるったって…。
「ドロー。配備フェイズ、赤基本Gを出してターン終了です」
これで白2赤2。
相手が先攻でも、ゼクがロールインだから、本国はここまで無傷だ。
「ドロー、配備開始でシャクティドロー。戦場の鈴音をプレイしたいが?」
「はい、オッケーです」
煉さんは本国の上のカード2枚をハンガーに送る…!
「お?面白いな」
「黒基本Gと…内部分裂」
あたしはハンガーに移ったカードを見てつぶやく。
混色殺しのあのカード…デッキ1枚制限の制裁を受けても、やっぱり強力すぎるよ…。
「あらゴメンなさい。なんか卑劣なのが見えちゃってるけど、まだ配備フェイズね」
煉さんはニッと笑い手札からカードを出す。
「ハンガーの黒ジェネとゼク・アイン(ジョッシュ機)をプレイ。そして、このカードをトッシュ機にセットするぞ…アムロ・レイ《19》」
「はい。全部通しです」
展開をサポートするアムロ…前のターンからやられてたら危なかったかも。
「攻撃ステップ。では、お待ちかねのハンガーの内部分裂だ」
「…させませんよ、作戦の看破《BB1》!」
あたしは表情を変えず、手札からカウンターカードを出す。
内部調査と中東でどうにか手繰り寄せたんだ。ここを通すわけには行かない。
「やっぱり?まぁそうでなくては面白くない。今のが通ったらつまらなすぎて逆に私が投了してたかもね」
煉さんはおかしそうに言った。この妙な女言葉はふざけてるときに使う口調。
この余裕は?いや、これがこの人。
「えぇ、もちろん。あたしはさっきも言いましたけど、あたしは”倒す気満々”ですから♪」
「ふん。アムロの効果で本国から…このユニットだ」
あたしの軽い挑発を無視して、煉さんはアムロの効果で本国からユニットを出した。
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.12.15
更新日:10.04.14
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