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「藤野武志に天使再臨?」(2010/04/14 (水) 14:49:01) の最新版変更点
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<1>
英語の先生が「ぐっばい」と言ったのとほぼ同時に、俺はノートを閉じた。
よっしゃ~!これで午前中の授業終・了!!
「あ、京子ー?」
俺は思い出したように京子の名前を呼んだ。
京子の席は廊下側の後ろから2番目。前回の席替えで前列の席に飛ばされた俺の席からは、かなり振り返らないと彼女の席は見えない。
「…って」
まだ寝てるし…。
俺は、朝にコンビニで買ってきた昼飯の袋を片手に、あいつの机のところまで行く。
「いつから寝てんだ?」
「さぁ?気付いたときにはぐっすりだったよ?」
壱場はそう言って、昼の部活の練習に行ってしまった。
京子はまだ机に突っ伏して寝ている。
「おーい、朝だぞー?」
俺は京子の前の席である壱場の椅子に座り、京子の机のの足をトントンと小さく蹴る。
京子は肩をビクりとさせ、少し間を空けてノロノロと頭を上げる。
「…どしたの?授業…終わったわけ?」
「とっくにな。しかし、お前最近よく寝てるな。前からこんなに寝てたっけ?」
「うーん…最近ちょっと疲れててね」
京子はそう言うと、頬を小さく叩いてから弁当を取り出した。
俺は「ふーん」と言いつつ、コンビニおにぎりの袋を破る。また海苔の端が上手くいかなかった。
「あ」
目を擦りながら弁当箱を開けた京子が、手を滑らせて蓋を落とす。
”京子が疲れている理由”に少し考えを巡らせていた俺は、落ちた弁当蓋を――寝起きの鈍い動きで――拾う京子の無防備な後姿に目が行く。ラッキー、見えた。
「何?」
俺の目線に気付いたのか、京子が弁当蓋掃いながらを首をかしげる。
「…いや、なんでも」と言いながら俺は慌てて目を逸らす。
「はーん、どうぜヤラシイことでも考えてたんでしょ」
京子はそう言って再び席に着く。
俺は反論せずにおにぎりを口に運ぶ。
「お前、今日放課後空いてる?カキヨ寄ってかない??」
「そうだ」と切り出し、忘れかけていた話題を口にする俺。
あの温泉以降、京子とまともにガンダムウォーした記憶がない。数週間しか経ってないからかもしれないが、なんだか妙な気分だ。
「あーゴメン、今日は部活。明日の大会は出られるからさ」
「そっか~」
気のせいだな。
現に明日の大会には出れると言ってるわけだし。
「あ、そうだ。今日朝コンビニでよォ―
俺はコンビニの新製品の話題に話を変えた。
<2>
俺は自転車を止めて、空き家のほうを覗いてみる。
中には、平日にしては珍しくガキ以外の人がいた。
「ちわーっす」
俺はガラス戸を空け、空き家に入る。
中の人物は菊池さんだ。
「どうしたんすか?こんな時間から?」
俺は時計を見ながら言う。
17:00を回ろうかというところだ。
「いやね、今日は公旗たちと飲みの約束さ。それまでの時間つぶしに、と思ったんだけど。平日はいつもこんな感じなのかい?」
菊池さんは空き家の人の少なさのことを言っているようで、辺りを少し見回した。
いつもは、他のカードゲームやなんかをやってるガキが溜まってるのを見かけるけど、今はこの空き家には俺たちを除いて誰もいない。
まぁ、時間が時間だからかな?と思いつつ、俺は荷物をイスに置く。
「フリプレいいすか?」
「あぁ。いいよ?」
菊池さんはデッキを取り出して机に並べる。
全部で3つのデッキだ。全部青いスリーブに入ってる。
…なんだ?
「どれがいい?全部今調整中の青デッキだけど」
全部青中?青好きっすね…。
「じゃあこれで」と俺は真ん中のデッキを指差して言う。
菊池さんは青系のデッキが好きなのは知ってたけど、こんなにたくさん…いったいどうするんだ?
「じゃんけんっ!」
お互いにデッキをシャッフルし終え、じゃんけんをする。
「よし、じゃあ俺が先攻だな」
「オッケーっす」
菊池さんは”パー”にした手を引っ込め、青色の基本Gを配備した。
「リボーコロニーをプレイ。ターン終了だよ」
「はい」
俺は菊池さんがリボーコロニーのエンドドローをしたのを確認して、ターンを開始する。
「じゃあ、こっちも配備フェイズに青基本Gを出してターン終了です」
俺のデッキは青赤00…19弾「変革の反旗」で初登場した00ユニットを多用した中速デッキだ。
俺は元々赤中が好きだったんだけど、放送中のガンダム00の影響でこのデッキを使って。
影響されやすいたちと言うか、新しいもの好きなんだよ。
「ターン終了」
菊池さんは2ターン目も青基本Gを出してターン終了した。
ここまでリボーコロニーしか出してない…。7小隊ジムやアストナージが見えないのは単純に引けてないだけだろうか?
「ドロー、赤基本Gをプレイして内部調査!ターン終了です」
よし。赤基本Gが来れば、あとは問題ないぜ!
なぜか赤Gが来ない(青Gしか来ない)事故が多発する俺のこのデッキも、今日は順調に…?
「おっと」
菊池さんは、俺のターン終了宣言に待ったをかける。
手札から1枚のカードを引き抜いて俺に見せる。
「配備フェイズに周辺警護で内部調査を破壊」
「っと…カットインで一番上見ます」
「了解」
俺はジャンクヤードに内部調査を送ってターンを終了した。
せっかくこれから本国操作というところだったのに…いや、本国の一番上が赤Gだったから、次のターンにダメージを受けない限り、”最低限必要なG”は早くもそろえられたことになる!
「リロール、ドロー前に急ごしらえをプレイするよ?」
「はい」
「ハンドが3枚だから2ドロー。そしてドローフェイズ規定の効果で1ドロー」
菊池さんはあっという間に、手札を倍にする。
「配備フェイズ、戦いに戻る理由をヴァリアブルプレイ。そして北極基地を追加、反撃準備をセットして効果を起動。ターン終了だよ」
「はい」
戦いに戻る理由…黒Gを発生することができるヴァリアブルだ。
ということは青黒?報道ガンダムとかビルケナウとかしか想像できないが…菊池さんはそんなタイプを作る人だったか?
そして反撃準備によるドロー加速。未だ拠点型が全盛?な青中にぴったりのカードだ。
「ドロー。赤基本Gを配備してターン終了です」
「なかなか順調にGが並ぶね、内部調査を割って”してやったり”と思ったけど」
「いえ、結構ギリギリですよ~」
俺は本国をつついてそう言った。
ドローカードが撃ててない以上、ギリギリはしょうがないか…。
「ドロー。配備フェイズ、ガンダム(スーパーナパーム装備)を配備、コインを1枚乗せるよ」
「…?はい」
菊池さんは、あらかじめそうする予定だったように手札から青基本Gとそのカードを出した。
ジャンクか同じ戦闘エリアのユニットを除外する、防御特化の青ユニット…エクステンション2に収録されたきり、あんまり見なかったが…ここで見るとは。
「ターン終了」
菊池さんは、そのままターンを終了する。
「ドロー、うーん。配備フェイズ、周辺警護をヴァリアブルで出してガンダムヴァーチェ!」
俺は手札から00ユニットを出す。
20弾「流転する世界」で収録されたこのガンダムヴァーチェは、俺の愛用カード。
京子のインパルスが突如現れても落ちないサイズと、勇のユニットなら戦闘エリアからでも破壊することができる優秀さが好きだ。
「青国力が双方の場で3以上あるんで、戦闘配備を」
「やっぱりか…了解だよ」
俺はヴァーチェを地球に出撃させる。
ナパームがロール状態の今の内に、とりあえず攻撃だ!
…そうか、前のターンに菊池さんが反撃準備を使わなかったのは…ロール状態のナパームが起きる時間を稼ぐため。
「北極基地で防御。さて…なにかあるかな?」
「ありませんよ~」
俺は手をひらひらさせて、そのままヴァーチェを帰還させた。
来訪者があれば速攻で使ったのに…。さーて、ナパームをどう攻略するか…。
「じゃあ、北極基地が廃棄されたからナパームにコインを」
菊池さんは、またコインを出した。
よく見ると15弾のコインだ。ガンダムが書いてある奴。
「ターン終了です」
「リロール、ドロー。…ターン終了、かな」
菊池さんは首をかしげ、ターンを終了する。
俺はそれを見てドローするが、赤基本Gだ。
「配備フェイズに赤基本Gを出してターン終了です」
「了解…ということは、まだ来てないかな?」
菊池さんは、動きのない俺の手札を見て言った。
確かに。ナパームを突破する手段がない。雲散霧消に刹那、GNアームズ…デッキ内に対抗できるカードはずいぶんあるのにな…。
でも、菊池さんは菊池さんでヴァーチェを無視して攻撃できるユニットもなさそうだ。つまりは均衡状態。
「ドロー。ボール改をプレイ。ターン終了だよ」
「はい」
ターン終了時にドローした菊池さんは「お、いいカード」と言った。
何か引かれた…?
俺は眉をひそめながらドローする…いや、俺も引いた”かも”しれないっ!
「配備フェイズ、サラサ再臨!このカードで対抗策をっ!」
「了解。面白くなってきた」
5枚の中から俺は即決で1枚のカードを手札に加える。
「密約《20》をプレイします!」
俺は手札に3枚のカードを加え、1枚を本国に戻す。
よしよし。俺もギリギリで対抗策を引いたぜ!これがハマれば、青で対処するのはかなり難しいはず。
「ガンダムヴァーチェにGNアームズを!」
「…来たかっ!」
俺はさらに補充用の基本Gを配備して、ヴァーチェを地球に出撃させる。
ナパームと交戦しなけりゃ問題ないぜ!
「GNアームズ起動!ナパームの防御力を-6します」
「了解。マイナス修正はガンダム始め、青のユニットは少々苦手なんだよね…」
菊池さんはそのまま本国に手をかけてダメージを…?
いや、違う。5ダメージが通ったのではなく、1資源だ。何か来る!
「ガンダムナドレ。防御ステップ、このカードをプレイする」
「な…ナドレ…!?」
<3>
放課後。
駐輪場で勇”たち”と会った。
「お、今日もアツいね」
おれはヒューヒューと言って、勇としおりんの同じ柄のマフラーへの突っ込みもそこそこに自転車のロックを解除した。
「え~もう冬だよ?」
詩織さんが信じられないという風に言う。
待て!その暑いちゃう!
「あれ?今日部活は?」
俺は”今から帰るとこ”といった雰囲気のしおりんに思い出したようにきく。
今日は出ないのかな?勇、優先度高いな…羨ましいぜ。
「え?今日はうちの部活ないよ?」
「え!?ない?」
予想してない返答に、俺は思わず聞き返す。
「なんだよ、大声出して。お前”いつも通り”変だぞ?」
勇が言う。
余計なお世話だ!
”あーゴメン、今日は部活なん。明日の大会は出られるからさ”
京子の昼間の台詞が蘇る。
嘘…ってことになるよな?嘘をつくってことは、”何か言えないコトがある”ってことだ。
「邪魔して悪かったな!じゃあな」
俺は自転車を出して二人に別れを告げる。
今日は一人だから、直接帰ろうかと思ってたけど…なんかイライラするから、やっぱしカキヨよっていくかな…。
<4>
…ガンダムナドレ
最新弾「戦場の女神2」収録の、対00ユニットの00ユニット(ややこしい…。
自分の首を絞めるからと、俺はバインダーに入れっぱなしだったけど…そうか、ヴァリアブルで他の色の国力を発生できれば単色でも?
「防御に出撃して、テキストを使いたいが…?」
「オッケーです。ヴァーチェは破壊で」
俺はヴァーチェを廃棄してターンを終える。
いいカード…これか。ユニット戦であれを倒せるのは…俺のデッキではあいつしかいない。
ナドレやばくね?あんなん流行したら、00使いは痛い目見るじゃん…メーカーは何を?
「ドロー。さっきのエンドドローのいいカード、見せてあげるよ」
菊池さんはそう言って手札からカードを出す。
ナドレのことじゃなかったのかっ!?
「G3ガンダム《21》、そしてカミーユ《BB1》!!」
菊池さんはユニットを出してキャラクターをセットする。
「これで…?」
「このセットグループは敵軍コマンド、ユニットの効果の対象にならない。さてGNアームズはあと何枚採用してるのかな」
とんでもねえ…。ナパームちらつかせてナドレで狩り、フィニッシャーはやはり青ユニット。
カミーユがなければヴァーチェとかの敵じゃないが、カミーユセットで…サイズ、テキスト、全てが変わる。
GNアームズは事実、今ので最後。おまけ程度に考えてたからな…。マズイぜ。
「ターン終了だよ」
俺は合図を受けてドローする。
何でもない札だ…。
「こっちもターン終了です」
「ドロー、特にないね…G3ガンダムを宇宙に出撃させるよ」
ここはただ7点通しだ…。
菊池さんはG3を帰還させてターンを終了する。
「ドロー…ターン終了です」
俺は今引いたばかりのカードを手札に加えて宣言する。
本国的にそろそろピンチだぞ?俺のデッキ。
「こっちのターンは前と同じ。宇宙にG3」
「防御ステップ…!」
「…ガンダムエクシア?」
「Yes!」
菊池さんは問題ないという風に言う。
確かにな…介入後に何をしても、このカードは速攻7に勝てる構成にはならない。つまりチャンプブロック確定だ。
「しかし、そうしなければ本国が終わりに等しかった…だよね」
「そうっすね…」
俺は苦笑いでエクシアをジャンクヤードに送る。
菊池さんはターンを終了した。
「ドロー…まだいけるか?密約をプレイ!」
「了解」
俺は手札にカードを2枚加える。
手数勝負はできそうだが…菊池さんの手札も結構多い。
まぁ…負けたら負けただ!
「ターン終了です」
「ドロー。配備フェイズにGとニュータイプの勘をプレイ」
「…はい」
菊池さんはターンを開始し、オペレーションを配備した。
何の準備だ?これは?
「その顔、何か来たのかもしれないけど…G3ガンダムを宇宙に出撃させる!」
「…」
さあ、勝負っ!!
「防御ステップ!ダブルオーガンダムをプレイ!追加コストでジャンクのエクシアと菊池さんのナドレを本国トップに戻します!」
「了解。…大きい、しかしまだ速攻の分G3が有利!守らなければ本国が危ないけど、さすがのダブルーもチャンプにしか」
俺は一呼吸置く。
詩織さん相手には、あっさりカウンターで散ったんだから…たまにはいいところ見せろよな!
「いえ、守らないと本国が危ないからじゃあありません…この交戦、勝つ見込みがあるからコイツを出したんですっ!ダブルオーにディジェ《19》!」
「青のカード…!てっきりこっちのカードに何か仕掛けてくると思っていたが…。速攻を受け流したか!」
青は守るのが得意。ならばこっちも青赤としてその能力を使う権利があるハズ!
菊池さんは追加で何もないようで、G3のグループを廃棄した。
あとは本国に戻ったナドレを倒して終わり。危ないところだったけど、いけそうだ!
「ドロー。攻撃ステップ、ダブルオーを地球に出撃させます」
「了解…」
これで7点。次に菊池さんがユニットをロールインさせても十分間に合う。
勝った!
「防御はなしだ…しかし、俺はこのカードを使う!」
菊池さんは手札からカードを出す。
コストそして3G廃棄…まさか!
「光の翼ッ!君はここで攻撃するしかなかった…だから撃たせてもらう!」
「宇宙を統べる者!」
「赤最強のカウンター…しかし、忘れているのかい?俺の場にはニュータイプの勘がある。起動させて光の翼を再プレイ!さっきプレイしておいたからGはちょうど6枚ある!」
7点が通ったらさすがに俺の本国はない。
でも…!
「さっき俺は”守らないと本国が危ないからじゃない”っていいましたよね。そう、守るだけなら別のカードがあったんですよ!」
「…まさかっ?」
「一時休戦!これでこのターン、俺の本国はいかなるダメージも受けません!」
菊池さんは小さく笑って手札をテーブルに置いた。
「負けたよ。さすがに光の翼2枚撃ったからGがない。それに次のドローはナドレ。完敗だ」
「っしゃあ!」
俺は大きくガッツポーズを取る。
「お、藤野少年どうしたのかな?」
ガラガラと扉を開け、公旗さんが来た。
外には黒塗りの車が停まっている。
「ちょっと暇だったんで、菊池さんにフリープレイしてもらってました~」
「ほう、今日はお嬢さんと一緒じゃないのか?」
「はぁ…」
いつも一緒にいる訳じゃないんで…。
カノジョとかそういいうんじゃないし。
「あ、京子ちゃんといえば…」
菊池さんが急に声を上げる。
…?
「町浦のHotto Mottoでバイトしてたよ。府釜高校ってバイトOKだっけ?」
「いえ、ありがとうございます」
「?」
俺はカキヨを出た。
<5>
「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ」
店員の女の子は、俺の顔を見ないでそう言った。
黒茶のショートヘアーは似合っているが、客の顔を見ないとは何事か。
「…スマイルひとつ」
「あ゛?ここはマックじゃ…ってなんだ、武志か。脅かさないでよ」
店員、本田京子は目を見開いてひとしきりびっくりしたかと思うと、ため息をついた。
「何?誰から聞いたわけ?」
「菊池さんから」
「あー、そういや来たわね。役場からここまで結構離れてるのにね」
京子は、別段変わったことはないというように話し続ける。
Hotto Mottoの制服が似合ってるだとか、そういう話は抜きにして…。
「…なんで嘘ついたんだよ?」
俺は京子の話を遮って言う。
俺たちそんなに気を使う仲だったのか?
いや、フッた側からすると気を使う相手なのか。
「いや…その…秘密のほうがかっこいいじゃん」
「なんだそれ?」
京子は悪戯したガキみたいに口を尖らせて答える。
「心配してくれたんだ?」
京子は誤魔化すように笑う。
俺は納得してないが、その笑顔に押された。
「…んなわけあるか」
「あっそ!いいよ、しなくて。さぁ買わない人は帰った帰った」
違う客が自動ドアの向こうに見えたからから、京子はそう言って俺の背中を押した。
煮え切らない俺に、彼女は俺の背中に小さく「明日話すから、さ」と付け加えた。
「…わかった」
俺は頷いて一人で自動ドアに向かって歩き出す。
ドアが閉まる直前、気のせいか京子がつぶやいたのが聞こえた。「煉さんを倒すためには必要なんだよ…」と。
俺は一人自転車を押して帰った。
弁当…買ってやればよかったかな?
おわり
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英語の先生が「ぐっばい」と言ったのとほぼ同時に、俺はノートを閉じた。
よっしゃ~!これで午前中の授業終・了!!
「あ、京子ー?」
俺は思い出したように京子の名前を呼んだ。
京子の席は廊下側の後ろから2番目。前回の席替えで前列の席に飛ばされた俺の席からは、かなり振り返らないと彼女の席は見えない。
「…って」
まだ寝てるし…。
俺は、朝にコンビニで買ってきた昼飯の袋を片手に、あいつの机のところまで行く。
「いつから寝てんだ?」
「さぁ?気付いたときにはぐっすりだったよ?」
壱場はそう言って、昼の部活の練習に行ってしまった。
京子はまだ机に突っ伏して寝ている。
「おーい、朝だぞー?」
俺は京子の前の席である壱場の椅子に座り、京子の机のの足をトントンと小さく蹴る。
京子は肩をビクりとさせ、少し間を空けてノロノロと頭を上げる。
「…どしたの?授業…終わったわけ?」
「とっくにな。しかし、お前最近よく寝てるな。前からこんなに寝てたっけ?」
「うーん…最近ちょっと疲れててね」
京子はそう言うと、頬を小さく叩いてから弁当を取り出した。
俺は「ふーん」と言いつつ、コンビニおにぎりの袋を破る。また海苔の端が上手くいかなかった。
「あ」
目を擦りながら弁当箱を開けた京子が、手を滑らせて蓋を落とす。
”京子が疲れている理由”に少し考えを巡らせていた俺は、落ちた弁当蓋を――寝起きの鈍い動きで――拾う京子の無防備な後姿に目が行く。ラッキー、見えた。
「何?」
俺の目線に気付いたのか、京子が弁当蓋掃いながらを首をかしげる。
「…いや、なんでも」と言いながら俺は慌てて目を逸らす。
「はーん、どうぜヤラシイことでも考えてたんでしょ」
京子はそう言って再び席に着く。
俺は反論せずにおにぎりを口に運ぶ。
「お前、今日放課後空いてる?カキヨ寄ってかない??」
「そうだ」と切り出し、忘れかけていた話題を口にする俺。
あの温泉以降、京子とまともにガンダムウォーした記憶がない。数週間しか経ってないからかもしれないが、なんだか妙な気分だ。
「あーゴメン、今日は部活。明日の大会は出られるからさ」
「そっか~」
気のせいだな。
現に明日の大会には出れると言ってるわけだし。
「あ、そうだ。今日朝コンビニでよォ―
俺はコンビニの新製品の話題に話を変えた。
<2>
俺は自転車を止めて、空き家のほうを覗いてみる。
中には、平日にしては珍しくガキ以外の人がいた。
「ちわーっす」
俺はガラス戸を空け、空き家に入る。
中の人物は菊池さんだ。
「どうしたんすか?こんな時間から?」
俺は時計を見ながら言う。
17:00を回ろうかというところだ。
「いやね、今日は公旗たちと飲みの約束さ。それまでの時間つぶしに、と思ったんだけど。平日はいつもこんな感じなのかい?」
菊池さんは空き家の人の少なさのことを言っているようで、辺りを少し見回した。
いつもは、他のカードゲームやなんかをやってるガキが溜まってるのを見かけるけど、今はこの空き家には俺たちを除いて誰もいない。
まぁ、時間が時間だからかな?と思いつつ、俺は荷物をイスに置く。
「フリプレいいすか?」
「あぁ。いいよ?」
菊池さんはデッキを取り出して机に並べる。
全部で3つのデッキだ。全部青いスリーブに入ってる。
…なんだ?
「どれがいい?全部今調整中の青デッキだけど」
全部青中?青好きっすね…。
「じゃあこれで」と俺は真ん中のデッキを指差して言う。
菊池さんは青系のデッキが好きなのは知ってたけど、こんなにたくさん…いったいどうするんだ?
「じゃんけんっ!」
お互いにデッキをシャッフルし終え、じゃんけんをする。
「よし、じゃあ俺が先攻だな」
「オッケーっす」
菊池さんは”パー”にした手を引っ込め、青色の基本Gを配備した。
「リボーコロニーをプレイ。ターン終了だよ」
「はい」
俺は菊池さんがリボーコロニーのエンドドローをしたのを確認して、ターンを開始する。
「じゃあ、こっちも配備フェイズに青基本Gを出してターン終了です」
俺のデッキは青赤00…19弾「変革の反旗」で初登場した00ユニットを多用した中速デッキだ。
俺は元々赤中が好きだったんだけど、放送中のガンダム00の影響でこのデッキを使って。
影響されやすいたちと言うか、新しいもの好きなんだよ。
「ターン終了」
菊池さんは2ターン目も青基本Gを出してターン終了した。
ここまでリボーコロニーしか出してない…。7小隊ジムやアストナージが見えないのは単純に引けてないだけだろうか?
「ドロー、赤基本Gをプレイして内部調査!ターン終了です」
よし。赤基本Gが来れば、あとは問題ないぜ!
なぜか赤Gが来ない(青Gしか来ない)事故が多発する俺のこのデッキも、今日は順調に…?
「おっと」
菊池さんは、俺のターン終了宣言に待ったをかける。
手札から1枚のカードを引き抜いて俺に見せる。
「配備フェイズに周辺警護で内部調査を破壊」
「っと…カットインで一番上見ます」
「了解」
俺はジャンクヤードに内部調査を送ってターンを終了した。
せっかくこれから本国操作というところだったのに…いや、本国の一番上が赤Gだったから、次のターンにダメージを受けない限り、”最低限必要なG”は早くもそろえられたことになる!
「リロール、ドロー前に急ごしらえをプレイするよ?」
「はい」
「ハンドが3枚だから2ドロー。そしてドローフェイズ規定の効果で1ドロー」
菊池さんはあっという間に、手札を倍にする。
「配備フェイズ、戦いに戻る理由をヴァリアブルプレイ。そして北極基地を追加、反撃準備をセットして効果を起動。ターン終了だよ」
「はい」
戦いに戻る理由…黒Gを発生することができるヴァリアブルだ。
ということは青黒?報道ガンダムとかビルケナウとかしか想像できないが…菊池さんはそんなタイプを作る人だったか?
そして反撃準備によるドロー加速。未だ拠点型が全盛?な青中にぴったりのカードだ。
「ドロー。赤基本Gを配備してターン終了です」
「なかなか順調にGが並ぶね、内部調査を割って”してやったり”と思ったけど」
「いえ、結構ギリギリですよ~」
俺は本国をつついてそう言った。
ドローカードが撃ててない以上、ギリギリはしょうがないか…。
「ドロー。配備フェイズ、ガンダム(スーパーナパーム装備)を配備、コインを1枚乗せるよ」
「…?はい」
菊池さんは、あらかじめそうする予定だったように手札から青基本Gとそのカードを出した。
ジャンクか同じ戦闘エリアのユニットを除外する、防御特化の青ユニット…エクステンション2に収録されたきり、あんまり見なかったが…ここで見るとは。
「ターン終了」
菊池さんは、そのままターンを終了する。
「ドロー、うーん。配備フェイズ、周辺警護をヴァリアブルで出してガンダムヴァーチェ!」
俺は手札から00ユニットを出す。
20弾「流転する世界」で収録されたこのガンダムヴァーチェは、俺の愛用カード。
京子のインパルスが突如現れても落ちないサイズと、勇のユニットなら戦闘エリアからでも破壊することができる優秀さが好きだ。
「青国力が双方の場で3以上あるんで、戦闘配備を」
「やっぱりか…了解だよ」
俺はヴァーチェを地球に出撃させる。
ナパームがロール状態の今の内に、とりあえず攻撃だ!
…そうか、前のターンに菊池さんが反撃準備を使わなかったのは…ロール状態のナパームが起きる時間を稼ぐため。
「北極基地で防御。さて…なにかあるかな?」
「ありませんよ~」
俺は手をひらひらさせて、そのままヴァーチェを帰還させた。
来訪者があれば速攻で使ったのに…。さーて、ナパームをどう攻略するか…。
「じゃあ、北極基地が廃棄されたからナパームにコインを」
菊池さんは、またコインを出した。
よく見ると15弾のコインだ。ガンダムが書いてある奴。
「ターン終了です」
「リロール、ドロー。…ターン終了、かな」
菊池さんは首をかしげ、ターンを終了する。
俺はそれを見てドローするが、赤基本Gだ。
「配備フェイズに赤基本Gを出してターン終了です」
「了解…ということは、まだ来てないかな?」
菊池さんは、動きのない俺の手札を見て言った。
確かに。ナパームを突破する手段がない。雲散霧消に刹那、GNアームズ…デッキ内に対抗できるカードはずいぶんあるのにな…。
でも、菊池さんは菊池さんでヴァーチェを無視して攻撃できるユニットもなさそうだ。つまりは均衡状態。
「ドロー。ボール改をプレイ。ターン終了だよ」
「はい」
ターン終了時にドローした菊池さんは「お、いいカード」と言った。
何か引かれた…?
俺は眉をひそめながらドローする…いや、俺も引いた”かも”しれないっ!
「配備フェイズ、サラサ再臨!このカードで対抗策をっ!」
「了解。面白くなってきた」
5枚の中から俺は即決で1枚のカードを手札に加える。
「密約《20》をプレイします!」
俺は手札に3枚のカードを加え、1枚を本国に戻す。
よしよし。俺もギリギリで対抗策を引いたぜ!これがハマれば、青で対処するのはかなり難しいはず。
「ガンダムヴァーチェにGNアームズを!」
「…来たかっ!」
俺はさらに補充用の基本Gを配備して、ヴァーチェを地球に出撃させる。
ナパームと交戦しなけりゃ問題ないぜ!
「GNアームズ起動!ナパームの防御力を-6します」
「了解。マイナス修正はガンダム始め、青のユニットは少々苦手なんだよね…」
菊池さんはそのまま本国に手をかけてダメージを…?
いや、違う。5ダメージが通ったのではなく、1資源だ。何か来る!
「ガンダムナドレ。防御ステップ、このカードをプレイする」
「な…ナドレ…!?」
<3>
放課後。
駐輪場で勇”たち”と会った。
「お、今日もアツいね」
おれはヒューヒューと言って、勇としおりんの同じ柄のマフラーへの突っ込みもそこそこに自転車のロックを解除した。
「え~もう冬だよ?」
詩織さんが信じられないという風に言う。
待て!その暑いちゃう!
「あれ?今日部活は?」
俺は”今から帰るとこ”といった雰囲気のしおりんに思い出したようにきく。
今日は出ないのかな?勇、優先度高いな…羨ましいぜ。
「え?今日はうちの部活ないよ?」
「え!?ない?」
予想してない返答に、俺は思わず聞き返す。
「なんだよ、大声出して。お前”いつも通り”変だぞ?」
勇が言う。
余計なお世話だ!
”あーゴメン、今日は部活なん。明日の大会は出られるからさ”
京子の昼間の台詞が蘇る。
嘘…ってことになるよな?嘘をつくってことは、”何か言えないコトがある”ってことだ。
「邪魔して悪かったな!じゃあな」
俺は自転車を出して二人に別れを告げる。
今日は一人だから、直接帰ろうかと思ってたけど…なんかイライラするから、やっぱしカキヨよっていくかな…。
<4>
…ガンダムナドレ
最新弾「戦場の女神2」収録の、対00ユニットの00ユニット(ややこしい…。
自分の首を絞めるからと、俺はバインダーに入れっぱなしだったけど…そうか、ヴァリアブルで他の色の国力を発生できれば単色でも?
「防御に出撃して、テキストを使いたいが…?」
「オッケーです。ヴァーチェは破壊で」
俺はヴァーチェを廃棄してターンを終える。
いいカード…これか。ユニット戦であれを倒せるのは…俺のデッキではあいつしかいない。
ナドレやばくね?あんなん流行したら、00使いは痛い目見るじゃん…メーカーは何を?
「ドロー。さっきのエンドドローのいいカード、見せてあげるよ」
菊池さんはそう言って手札からカードを出す。
ナドレのことじゃなかったのかっ!?
「G3ガンダム《21》、そしてカミーユ《BB1》!!」
菊池さんはユニットを出してキャラクターをセットする。
「これで…?」
「このセットグループは敵軍コマンド、ユニットの効果の対象にならない。さてGNアームズはあと何枚採用してるのかな」
とんでもねえ…。ナパームちらつかせてナドレで狩り、フィニッシャーはやはり青ユニット。
カミーユがなければヴァーチェとかの敵じゃないが、カミーユセットで…サイズ、テキスト、全てが変わる。
GNアームズは事実、今ので最後。おまけ程度に考えてたからな…。マズイぜ。
「ターン終了だよ」
俺は合図を受けてドローする。
何でもない札だ…。
「こっちもターン終了です」
「ドロー、特にないね…G3ガンダムを宇宙に出撃させるよ」
ここはただ7点通しだ…。
菊池さんはG3を帰還させてターンを終了する。
「ドロー…ターン終了です」
俺は今引いたばかりのカードを手札に加えて宣言する。
本国的にそろそろピンチだぞ?俺のデッキ。
「こっちのターンは前と同じ。宇宙にG3」
「防御ステップ…!」
「…ガンダムエクシア?」
「Yes!」
菊池さんは問題ないという風に言う。
確かにな…介入後に何をしても、このカードは速攻7に勝てる構成にはならない。つまりチャンプブロック確定だ。
「しかし、そうしなければ本国が終わりに等しかった…だよね」
「そうっすね…」
俺は苦笑いでエクシアをジャンクヤードに送る。
菊池さんはターンを終了した。
「ドロー…まだいけるか?密約をプレイ!」
「了解」
俺は手札にカードを2枚加える。
手数勝負はできそうだが…菊池さんの手札も結構多い。
まぁ…負けたら負けただ!
「ターン終了です」
「ドロー。配備フェイズにGとニュータイプの勘をプレイ」
「…はい」
菊池さんはターンを開始し、オペレーションを配備した。
何の準備だ?これは?
「その顔、何か来たのかもしれないけど…G3ガンダムを宇宙に出撃させる!」
「…」
さあ、勝負っ!!
「防御ステップ!ダブルオーガンダムをプレイ!追加コストでジャンクのエクシアと菊池さんのナドレを本国トップに戻します!」
「了解。…大きい、しかしまだ速攻の分G3が有利!守らなければ本国が危ないけど、さすがのダブルーもチャンプにしか」
俺は一呼吸置く。
詩織さん相手には、あっさりカウンターで散ったんだから…たまにはいいところ見せろよな!
「いえ、守らないと本国が危ないからじゃあありません…この交戦、勝つ見込みがあるからコイツを出したんですっ!ダブルオーにディジェ《19》!」
「青のカード…!てっきりこっちのカードに何か仕掛けてくると思っていたが…。速攻を受け流したか!」
青は守るのが得意。ならばこっちも青赤としてその能力を使う権利があるハズ!
菊池さんは追加で何もないようで、G3のグループを廃棄した。
あとは本国に戻ったナドレを倒して終わり。危ないところだったけど、いけそうだ!
「ドロー。攻撃ステップ、ダブルオーを地球に出撃させます」
「了解…」
これで7点。次に菊池さんがユニットをロールインさせても十分間に合う。
勝った!
「防御はなしだ…しかし、俺はこのカードを使う!」
菊池さんは手札からカードを出す。
コストそして3G廃棄…まさか!
「光の翼ッ!君はここで攻撃するしかなかった…だから撃たせてもらう!」
「宇宙を統べる者!」
「赤最強のカウンター…しかし、忘れているのかい?俺の場にはニュータイプの勘がある。起動させて光の翼を再プレイ!さっきプレイしておいたからGはちょうど6枚ある!」
7点が通ったらさすがに俺の本国はない。
でも…!
「さっき俺は”守らないと本国が危ないからじゃない”っていいましたよね。そう、守るだけなら別のカードがあったんですよ!」
「…まさかっ?」
「一時休戦!これでこのターン、俺の本国はいかなるダメージも受けません!」
菊池さんは小さく笑って手札をテーブルに置いた。
「負けたよ。さすがに光の翼2枚撃ったからGがない。それに次のドローはナドレ。完敗だ」
「っしゃあ!」
俺は大きくガッツポーズを取る。
「お、藤野少年どうしたのかな?」
ガラガラと扉を開け、公旗さんが来た。
外には黒塗りの車が停まっている。
「ちょっと暇だったんで、菊池さんにフリープレイしてもらってました~」
「ほう、今日はお嬢さんと一緒じゃないのか?」
「はぁ…」
いつも一緒にいる訳じゃないんで…。
カノジョとかそういいうんじゃないし。
「あ、京子ちゃんといえば…」
菊池さんが急に声を上げる。
…?
「町浦のHotto Mottoでバイトしてたよ。府釜高校ってバイトOKだっけ?」
「いえ、ありがとうございます」
「?」
俺はカキヨを出た。
<5>
「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ」
店員の女の子は、俺の顔を見ないでそう言った。
黒茶のショートヘアーは似合っているが、客の顔を見ないとは何事か。
「…スマイルひとつ」
「あ゛?ここはマックじゃ…ってなんだ、武志か。脅かさないでよ」
店員、本田京子は目を見開いてひとしきりびっくりしたかと思うと、ため息をついた。
「何?誰から聞いたわけ?」
「菊池さんから」
「あー、そういや来たわね。役場からここまで結構離れてるのにね」
京子は、別段変わったことはないというように話し続ける。
Hotto Mottoの制服が似合ってるだとか、そういう話は抜きにして…。
「…なんで嘘ついたんだよ?」
俺は京子の話を遮って言う。
俺たちそんなに気を使う仲だったのか?
いや、フッた側からすると気を使う相手なのか。
「いや…その…秘密のほうがかっこいいじゃん」
「なんだそれ?」
京子は悪戯したガキみたいに口を尖らせて答える。
「心配してくれたんだ?」
京子は誤魔化すように笑う。
俺は納得してないが、その笑顔に押された。
「…んなわけあるか」
「あっそ!いいよ、しなくて。さぁ買わない人は帰った帰った」
違う客が自動ドアの向こうに見えたからから、京子はそう言って俺の背中を押した。
煮え切らない俺に、彼女は俺の背中に小さく「明日話すから、さ」と付け加えた。
「…わかった」
俺は頷いて一人で自動ドアに向かって歩き出す。
ドアが閉まる直前、気のせいか京子がつぶやいたのが聞こえた。「煉さんを倒すためには必要なんだよ…」と。
俺は一人自転車を押して帰った。
弁当…買ってやればよかったかな?
おわり
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初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.12.02
更新日:10.04.14
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