「#24」(2010/04/14 (水) 14:19:52) の最新版変更点
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*#24 待ってたのよ
「ま…まだだ!配備フェイズに、惹かれあう魂をプレイ…!」
少ない捨て山をとりあえず回収する藤野。足りない…?
「では、攻撃ステップ」
コインが3枚乗ったタイムリミットは起動し、全てのユニットを吹き飛ばした。
そして、藤野の本国もラストシューティングの効果で”回復の効かない”大ダメージを受ける…。
「ん?残ったのかな?」
菊池は計算外という風に言った。
確かに、20点超ものダメージだ…ターン数的に考えても生きてるほうが奇跡。
「残り5枚…」
藤野はドローして、そのままユニットをプレイする。
「ガンダムエクシア(セブンソード)!」
戦闘配備で場に出たエクシアを、そのまま宇宙に出撃させる藤野。5点のダメージを受ける菊池の本国。
「ターン終了」
「ほう…まだ粘るんだな?俺は配備フェイズ、このカードを出させてもらおう!ビルケナウ(17)」
ターン終了時にジャンクからユニットを釣る、黒の変なMA…!?もちろん対象はラストシューティングだろう。
藤野は黙っている。何もないなら投了しなさいよ…。
「そしてこのカード、方針転換」
「…?テキストを確認させてください」
藤野はカードを手に取り、テキストを確認する。あたしも身を乗り出してそれを確認する。
古いカードだ。手札からオペレーションを捨てて、本国からオペレーションをサーチするカード…ってまさか!
「どうぞ」
「ではコストとして手札からミリタリーバランスを。本国のカードすべてを見て…タイムリミットを抜き出すよ♪」
やっぱり…。
完全にタイムリミットでラストシューティングすることしか考えてないデッキ…。逆に言えば、それさえ阻止すれば勝てそうだけど…藤野の本国は3枚。
「タイムリミットを出してターン終了。ターン終了時にジャンクヤードからラストシューティングを出す。大人気ないとは思うけどね、やらせてもらうよ。投了しないということは、何か策があるのかもしれないしね」
「はい、どうぞ。俺の本国は”3枚”いくぜ!」
そう言って藤野はドローする。なんか余裕な雰囲気…さっきまで動揺してたのに、本国が残り「3枚」って強調してるけど…?
「ってあれ?マジかよ!?下に送ったはずなんだけどなぁ…!」
藤野はドローしたカードを見てそう言った。
ははーん。内部調査が割られる前にコントロールしてたわけね。失敗したみたいだけど…。
「内部…調査か。しかし、ここから逆転する札?どんなものか見てみたかったな」
菊池は静かに笑った。藤野も笑う。
「じゃあこれで…予想外の行動!」
「!?」
本国の下のカード2枚を見て、1枚を手札に移すカードだ…。なんでそんなカードが入ってるわけ??
藤野は本国の下…と言っても残り2枚の本国。それの全てを見た。
「あー。下から2番目だったか…よし!」
「引いたか…!」
「YES!YES!YES!配備フェイズ、星の鼓動は愛!」
星の鼓動は愛?…たしか、ジャンクからカードを回収できるコマンド…?相性がいいってこれのことだったのね!?でもギリギリすぎ!
「G以外の任意の枚数のカードを、本国に戻せるこのカード…」
「しかし、同一名称のカードは2枚回収できないはずだよね?」
ジャンクヤードのカードに手をかける藤野に、菊池がそう言った。カードの効果を細かく覚えてないあたしは、流れにおいてけぼりだ。
「えぇ。だから、同じカードは最低限のもの以外は入れないようにしてみました。転向、邂逅、予想外の行動…全部1積みです」
そんなバカデッキで大会出るな!
菊池も驚いた顔をしている。カードを本国に移し終えた藤野のジャンクヤードには、基本G、ヴァリアブル、基本ドローカードだけと言っていいほどの少ないカードしか残らなかった!
「攻撃ステップ、エクシアを宇宙に出撃!」
藤野は勢い良く言った。次のターンでタイムリミットが起動しても、藤野の本国は残る。そして菊池はラストシューティングとタイムリミットを2枚ずつ使った後…何かできるかしら?
藤野がこのまま勝てそうね…。
「遅れましたー」
息をついたあたしの耳に、聞きなれた声が聞こえる。
…松岡!
藤野の戦いは途中だけど、もう藤野の勝ちペース…。
あたしは藤野の机を離れ、入り口に立った松岡の腕をつかみ、「ちょっと来て」と言ってあたしたちの名前が書かれたスコアシートがある机に行く。
「あのねぇ!」
「あぁ悪い。風邪は治ったんだが今日は寝坊だ。さ、始めるか。何?俺の相手お前なの?」
松岡は普通に言った…。
あたしは「うん…」と言った。どうしよう…なんて言ったらいいんだろ?
しどろもどろするあたしを尻目に、松岡はデッキを出す。遅れを取り戻そうとしてるんだ。
「カット頼む」
松岡があたしにデッキを渡す。
…あーあたしのバカ!なんで言えないのよ!
ゲーム始めちゃっていいのかなぁ…先に言うべきだけど、言葉が出ない…。
悩んだ挙句、あたしは松岡のデッキを受け取り、自分のデッキを渡す。
「「お願いします」」
頭を下げるあたしと松岡。
なんで言えなかったんだろ…自分に腹が立つ…!
あたしは髪を留めていたゴムを取る。
ゲームが終わるまでに言いたいことまとめなきゃ。
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:
更新日:10.04.14
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*#24 待ってたのよ
「ま…まだだ!配備フェイズに、惹かれあう魂をプレイ…!」
少ない捨て山をとりあえず回収する藤野。足りない…?
「では、攻撃ステップ」
コインが3枚乗ったタイムリミットは起動し、全てのユニットを吹き飛ばした。
そして、藤野の本国もラストシューティングの効果で”回復の効かない”大ダメージを受ける…。
「ん?残ったのかな?」
菊池は計算外という風に言った。
確かに、20点超ものダメージだ…ターン数的に考えても生きてるほうが奇跡。
「残り5枚…」
藤野はドローして、そのままユニットをプレイする。
「ガンダムエクシア(セブンソード)!」
戦闘配備で場に出たエクシアを、そのまま宇宙に出撃させる藤野。5点のダメージを受ける菊池の本国。
「ターン終了」
「ほう…まだ粘るんだな?俺は配備フェイズ、このカードを出させてもらおう!ビルケナウ(17)」
ターン終了時にジャンクからユニットを釣る、黒の変なMA…!?もちろん対象はラストシューティングだろう。
藤野は黙っている。何もないなら投了しなさいよ…。
「そしてこのカード、方針転換」
「…?テキストを確認させてください」
藤野はカードを手に取り、テキストを確認する。あたしも身を乗り出してそれを確認する。
古いカードだ。手札からオペレーションを捨てて、本国からオペレーションをサーチするカード…ってまさか!
「どうぞ」
「ではコストとして手札からミリタリーバランスを。本国のカードすべてを見て…タイムリミットを抜き出すよ♪」
やっぱり…。
完全にタイムリミットでラストシューティングすることしか考えてないデッキ…。逆に言えば、それさえ阻止すれば勝てそうだけど…藤野の本国は3枚。
「タイムリミットを出してターン終了。ターン終了時にジャンクヤードからラストシューティングを出す。大人気ないとは思うけどね、やらせてもらうよ。投了しないということは、何か策があるのかもしれないしね」
「はい、どうぞ。俺の本国は”3枚”いくぜ!」
そう言って藤野はドローする。なんか余裕な雰囲気…さっきまで動揺してたのに、本国が残り「3枚」って強調してるけど…?
「ってあれ?マジかよ!?下に送ったはずなんだけどなぁ…!」
藤野はドローしたカードを見てそう言った。
ははーん。内部調査が割られる前にコントロールしてたわけね。失敗したみたいだけど…。
「内部…調査か。しかし、ここから逆転する札?どんなものか見てみたかったな」
菊池は静かに笑った。藤野も笑う。
「じゃあこれで…予想外の行動!」
「!?」
本国の下のカード2枚を見て、1枚を手札に移すカードだ…。なんでそんなカードが入ってるわけ??
藤野は本国の下…と言っても残り2枚の本国。それの全てを見た。
「あー。下から2番目だったか…よし!」
「引いたか…!」
「YES!YES!YES!配備フェイズ、星の鼓動は愛!」
星の鼓動は愛?…たしか、ジャンクからカードを回収できるコマンド…?相性がいいってこれのことだったのね!?でもギリギリすぎ!
「G以外の任意の枚数のカードを、本国に戻せるこのカード…」
「しかし、同一名称のカードは2枚回収できないはずだよね?」
ジャンクヤードのカードに手をかける藤野に、菊池がそう言った。カードの効果を細かく覚えてないあたしは、流れにおいてけぼりだ。
「えぇ。だから、同じカードは最低限のもの以外は入れないようにしてみました。転向、邂逅、予想外の行動…全部1積みです」
そんなバカデッキで大会出るな!
菊池も驚いた顔をしている。カードを本国に移し終えた藤野のジャンクヤードには、基本G、ヴァリアブル、基本ドローカードだけと言っていいほどの少ないカードしか残らなかった!
「攻撃ステップ、エクシアを宇宙に出撃!」
藤野は勢い良く言った。次のターンでタイムリミットが起動しても、藤野の本国は残る。そして菊池はラストシューティングとタイムリミットを2枚ずつ使った後…何かできるかしら?
藤野がこのまま勝てそうね…。
「遅れましたー」
息をついたあたしの耳に、聞きなれた声が聞こえる。
…松岡!
藤野の戦いは途中だけど、もう藤野の勝ちペース…。
あたしは藤野の机を離れ、入り口に立った松岡の腕をつかみ、「ちょっと来て」と言ってあたしたちの名前が書かれたスコアシートがある机に行く。
「あのねぇ!」
「あぁ悪い。風邪は治ったんだが今日は寝坊だ。さ、始めるか。何?俺の相手お前なの?」
松岡は普通に言った…。
あたしは「うん…」と言った。どうしよう…なんて言ったらいいんだろ?
しどろもどろするあたしを尻目に、松岡はデッキを出す。遅れを取り戻そうとしてるんだ。
「カット頼む」
松岡があたしにデッキを渡す。
…あーあたしのバカ!なんで言えないのよ!
ゲーム始めちゃっていいのかなぁ…先に言うべきだけど、言葉が出ない…。
悩んだ挙句、あたしは松岡のデッキを受け取り、自分のデッキを渡す。
「「お願いします」」
頭を下げるあたしと松岡。
なんで言えなかったんだろ…自分に腹が立つ…!
あたしは髪を留めていたゴムを取る。
ゲームが終わるまでに言いたいことまとめなきゃ。
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.06.18
更新日:10.04.14
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