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「一年の計は元旦にアリ」(2009/04/15 (水) 22:55:16) の最新版変更点
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目覚ましの音であたしは布団から飛び起きる。
明けましておめでとうございます。本田京子です。
あたしの家はあたしと親父の二人家族だけど、正月はおばあちゃんちに停まるのが恒例になってるんだ。
まぁ、おばあちゃんちって言っても、自転車で15分もしない同じ府釜だけどね。
「おや京子、早いね」
廊下に出たあたしに、おばあちゃん…本田トミが声をかけた。
おばあちゃんは親父の母だけあって気分屋で適当なところがあるけど、怒ると結構怖い人。
「うん。友達と初詣なんだ」
「そうかい②気をつけて行って来るんだよ。武志によろしくね」
おばあちゃんはそう言って台所のほうに歩いていった。
ちなみにこの「武志によろしくね」って台詞は、あたしが中学のときにこの家に武志を連れてきた時以来、おばあちゃんがあたしの彼氏だと思い込んでいう台詞だ。
なかなか時間がヤバイことに気付き、あたしは急いで支度をして家を出る。
「あけおめ~」
あたしはでかいあくびをひとつして待ち合わせ場所に行く。
「相変わらす品がねぇな」
待ち合わせ場所にはすでに三人がいて、あたしのあくびを見た武志がそう言った。
今日は4人で待ち合わせして府釜神社だ。
「揃ったし、行こうぜ?」
松岡がそう言って歩き出す。その隣に武志が並び、あたしと詩織が後ろを歩く格好になった。
「初詣二人で行けばよかったのに」
「また京ちゃんそういうこと言う~」
あたしがひやかすと、詩織はそう言ってあたしの顔を見る。
「毎年3人で行ってたんでしょ?私はそれに混ぜてもらうだけでいいんだから」
「そう?ただの腐れ縁だよ?」
あたしは「こだわるほどのことじゃない」という風に手を小さく振る。
日の出前の町は暗く、そして寒い。しばらく歩いたところで、車道を封鎖しているパトカーが見えた。
府釜神社は何気に付近じゃ大きいほうで、元旦は毎年のように混むから車道を封鎖してるんだよね。
あたしはそんなことを考えながら、自分が吐いた白い息を見上げた。
「なんか食うか?」
前を歩いていた武志たちが振り返って言った。
どうやら出店を指差して言っているらしい。太陽が昇る前の道に、ほんわかとした出店のライトが灯り、なんか祭りの夕方を思い出した。よくわかんないけど。
「はいはい。食い意地はらない。最初に神社でしょうが」
「まぁそうだけどよ…なんだよ急に。いつも食い意地はってんの京子のほうじゃんか」
武志の台詞に詩織がクスクスと笑う。
あのー…その笑いは何でしょうか?
「今年は上品に行くの!」
あたしはキッパリ行って、神社の石段を先に登り始める。
夜中と昼間の混む時間を避けただけあって、神社はいい感じの人気(ひとけ)のはず。
「はぁ?じゃあ、さっきのでかいあくびなんだよ。口くらい隠せや!」
「はい?何のことでしょう?」
声を上げて、後ろから追う武志に、あたしはとぼけてみせる。
武志のさらに後ろでは、松岡と詩織が一緒に石段を登り始めるのが見えた。手なんかつないじゃって。
『あぶないぜ?詩織』
『うん、ありがと。勇くん』
とかやってんだろうか。
「俺たちもやるか?」
あたしから何を察したのか、武志が口を開いた。
「バーカ。だれがあんたとっ。はーい、本田京子一番乗りー!」
「あ、クソ。やられた」
あたしは残り数段だった石段を登りきり、仁王立ちで石段を見渡して言った。
「どうする?あいつら待つか?」
石段の中ほどをゆるりと上るカップルを指差して武志が言った。
ちょうど二人はなにやら談笑している。
…ふむ。
「いいんじゃない?待たなくて。二人っきりにしてあげましょ」
あたしは神社に向き直り、そう言った。
あたしたちに遠慮して無駄に集団行動とかしなくてもいいんだけどなぁ…まあ、詩織の気遣いということで。
「…この時間なのに結構人いるな」
「だね」
手水舎を通った後、あたしたちは本殿の前に立った。
木製の本殿は無駄に大きく、古い。でもなんだかしっかりしてる感じ。
あたしと武志は、財布から5円を出し黒い賽銭箱に投げ入れ、手を合わせた。
今年も家族や友達が健康ですように。
あたしのテストの点数もう少し上がりますように。
あ、あとカッコイイ彼氏も欲しい…
「長すぎだろ」
そこで武志の突っ込みが入った。
「いや、だってこの際たくさんお願いしたほうが良くない?」
「二兎を追うものは一兎も得ずってのがあるだろ」
「ないわよ」
あたしたちはああだこうだ言いながら、おみくじ売り場に着く。
何種類かのおみくじと小さい賽銭箱が置いてあるテーブルが何卓か出ていた。
「いいなー巫女さん」
武志は、白と赤の装束に身を包んだ売り場の巫女さんを見てそう言った。
よくそういう台詞を聞くけど、なにがいいんだろ?まああの巫女さんは美人だけど。
…あ、赤と白のコントラスト?
「はいはい」
あたしはそう言って賽銭箱に100円を入れておみくじを引く。
『中吉』
健康も学業も問題ない。縁談は待人と来る。取引はまだ早い。
みたいな内容だ。
「どう?凶?」
「なんで凶かきくんだよ…ほら大吉だぜ。悪いな、今年は俺の年だ」
「嘘だー」
日の出時間を知らせるアナウンスがなる。
もうそんな時間か…まぁどうせ山ばっかで見えないから仕方ないけどね。
「京子、行こうぜ!」
「どこによ?」
「放送で言ってるじゃねーか。日の出だって」
「はぁ?どうせ山しか見えないでしょーが…ってうわッ!」
武志はあたしの手を引いて急に走り出す。
その間に放送がもう1回流れた。
×××
結局、山の間から顔を出した初日の出をしぶしぶ見ることになったけど、これはこれで良かったかな。
あたしたちは神社を降りて、出店を見てまわることにした。
「おっちゃん、ビール二つ~」
「やめい!」
あたしは武志をはたき倒し、玉こんにゃくを二つ注文しなおした。
おじさんは苦笑してこんにゃくを手渡してくれた。
「ん?ねえさんと藤野先輩じゃないすか~」
あたしたちの後ろから声がした。
「おう栗田」
武志が口を動かしながら言った。
栗田は、こないだの大会で見かけた羽鳥とかって男子と、見たこと無いポニーテールの女子とで3人組っぽかった。
むかしのあたしたち3人にそっくりだな。とか思ったけど、恥ずかしいから言わなかった。
「あんたらドリカムみたいね」
「は?なんすか、ねえさん?」
「おい、京子。…なんだ?その時代錯誤」
…あ、今ドリカム二人か。
妙に納得したあたしは、あたまに「?」を出して去っていく栗田たちに小さく手を振った。
一番後ろを歩いていたポニーの女の子が振り返り、あたしをチラっと見た。
「あれ?待ってたのか?」
松岡たちが神社の下り坂を降りてくる。
結構遅かったわね。
「まあな。先に帰るのもあれじゃん?」
武志がこんにゃくを食べる手を止めて言った。
いや、うん。待ってたんじゃなくて、ただ出店を物色してただけなんて言えないわね。
「そっか、この後どうする?帰るか?」
「今何時?あたしカキヨ行くけど」
あたしはそう言って携帯を開く。
元旦から営業するって言ってたから、とりあえず新年の挨拶くらいはしなきゃね。
「じゃあ俺も行く。勇たちはどうする?」
「別に帰るだけだったから付き合うぜ。いいか?」
「うん」
詩織はにこっと笑って松岡に返す。
朝のように4人で歩き出すあたしたち。
「「あけましておめでとうございます!」」
あたしたちはドアを開きながら口々に言った。
開店したばっかりだからか、店内は客はいなかった。
「あら、あけましておめでと~」
カキヨ婆は空調のリモコンをいじりながら言った。
信ちゃんは今日はいないのかな?
「よっしゃ!今年一発目の運試しだ」
武志はそう言うと、売り場のパックを指差した。
去年末に再販された17thと19thが一番手前に出ていた。
「いいわ!さて、何を買おうかしら」
「これいけよ、戦場のフォトグラフ」
「はぁ?それ買うくらいなら不敗の流派買うわよ」
あたしはパックの柄を見ながら言う。
「いーじゃんかよ。俺もこれ買うからさ」
「どうせ地球への贖罪とかあたるんだから~」
でも、まあいっか。
武志が欲しいのあたればトレードしてあげればいいことだし。
「いいわ、フォトで」
あたしは茶色のパッケージの戦場のフォトグラフを3つ持って、1000円札と一緒にガラスケースの上に出す。
詩織と松岡はなにやらスリーブのコーナーで談笑していた。
「はい、お釣りね」
「さーて、何かいいのでますように」
あたしは一つ目をあける。
地球への贖罪
はいきたー…。
二つ目は
運命の交錯
定番のクソレアだわ。白なだけましだけど。
あたしが渋い顔してる脇で、武志が赤いパックをレジに出すのが見えた。
え?赤?
「ちょっと、何買ってんの?」
「やっぱ俺変革の反旗にしようと思って」
「ちょ…なによその裏切り!」
あたしはむっとして手元の地球への贖罪を見た。
ふん、いいもんね。あたしはこのカードで何か悪いこと考えてやるんだから!
「あれ?」
あたしは最後の1パックめのレアを見て手を止める。
「なんだよ?って慈愛じゃん!」
「そ・・・そうだよね!?これ慈愛だよね?」
あたしは信じられない気分でその紫レアを見た。
あれ?もしかしてこれ武志のおかげじゃね?
と自分で思ったときにはすでに武志をぎゅっとしていた。
「ありがと」
「感謝のキスくらい欲しいところだぜ」
「いや、それはナシで」
あたしは手を離して苦笑いする。
ちなみに武志のパックからはアムロ、ドム(ガイア機)、エネルギー吸収が出たみたい。
おわり
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>作者から
現在は場違いしすぎてHPには掲載してないも物です。
正月に携帯で作成。ドリカムの件や京子の内心などSeason3やミキオの外伝への布石にしようかと思ったのですが…回収しきれてないです。
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目覚ましの音であたしは布団から飛び起きる。
明けましておめでとうございます。本田京子です。
あたしの家はあたしと親父の二人家族だけど、正月はおばあちゃんちに停まるのが恒例になってるんだ。
まぁ、おばあちゃんちって言っても、自転車で15分もしない同じ府釜だけどね。
「おや京子、早いね」
廊下に出たあたしに、おばあちゃん…本田トミが声をかけた。
おばあちゃんは親父の母だけあって気分屋で適当なところがあるけど、怒ると結構怖い人。
「うん。友達と初詣なんだ」
「そうかい②気をつけて行って来るんだよ。武志によろしくね」
おばあちゃんはそう言って台所のほうに歩いていった。
ちなみにこの「武志によろしくね」って台詞は、あたしが中学のときにこの家に武志を連れてきた時以来、おばあちゃんがあたしの彼氏だと思い込んでいう台詞だ。
なかなか時間がヤバイことに気付き、あたしは急いで支度をして家を出る。
「あけおめ~」
あたしはでかいあくびをひとつして待ち合わせ場所に行く。
「相変わらす品がねぇな」
待ち合わせ場所にはすでに三人がいて、あたしのあくびを見た武志がそう言った。
今日は4人で待ち合わせして府釜神社だ。
「揃ったし、行こうぜ?」
松岡がそう言って歩き出す。その隣に武志が並び、あたしと詩織が後ろを歩く格好になった。
「初詣二人で行けばよかったのに」
「また京ちゃんそういうこと言う~」
あたしがひやかすと、詩織はそう言ってあたしの顔を見る。
「毎年3人で行ってたんでしょ?私はそれに混ぜてもらうだけでいいんだから」
「そう?ただの腐れ縁だよ?」
あたしは「こだわるほどのことじゃない」という風に手を小さく振る。
日の出前の町は暗く、そして寒い。しばらく歩いたところで、車道を封鎖しているパトカーが見えた。
府釜神社は何気に付近じゃ大きいほうで、元旦は毎年のように混むから車道を封鎖してるんだよね。
あたしはそんなことを考えながら、自分が吐いた白い息を見上げた。
「なんか食うか?」
前を歩いていた武志たちが振り返って言った。
どうやら出店を指差して言っているらしい。太陽が昇る前の道に、ほんわかとした出店のライトが灯り、なんか祭りの夕方を思い出した。よくわかんないけど。
「はいはい。食い意地はらない。最初に神社でしょうが」
「まぁそうだけどよ…なんだよ急に。いつも食い意地はってんの京子のほうじゃんか」
武志の台詞に詩織がクスクスと笑う。
あのー…その笑いは何でしょうか?
「今年は上品に行くの!」
あたしはキッパリ行って、神社の石段を先に登り始める。
夜中と昼間の混む時間を避けただけあって、神社はいい感じの人気(ひとけ)のはず。
「はぁ?じゃあ、さっきのでかいあくびなんだよ。口くらい隠せや!」
「はい?何のことでしょう?」
声を上げて、後ろから追う武志に、あたしはとぼけてみせる。
武志のさらに後ろでは、松岡と詩織が一緒に石段を登り始めるのが見えた。手なんかつないじゃって。
『あぶないぜ?詩織』
『うん、ありがと。勇くん』
とかやってんだろうか。
「俺たちもやるか?」
あたしから何を察したのか、武志が口を開いた。
「バーカ。だれがあんたとっ。はーい、本田京子一番乗りー!」
「あ、クソ。やられた」
あたしは残り数段だった石段を登りきり、仁王立ちで石段を見渡して言った。
「どうする?あいつら待つか?」
石段の中ほどをゆるりと上るカップルを指差して武志が言った。
ちょうど二人はなにやら談笑している。
…ふむ。
「いいんじゃない?待たなくて。二人っきりにしてあげましょ」
あたしは神社に向き直り、そう言った。
あたしたちに遠慮して無駄に集団行動とかしなくてもいいんだけどなぁ…まあ、詩織の気遣いということで。
「…この時間なのに結構人いるな」
「だね」
手水舎を通った後、あたしたちは本殿の前に立った。
木製の本殿は無駄に大きく、古い。でもなんだかしっかりしてる感じ。
あたしと武志は、財布から5円を出し黒い賽銭箱に投げ入れ、手を合わせた。
今年も家族や友達が健康ですように。
あたしのテストの点数もう少し上がりますように。
あ、あとカッコイイ彼氏も欲しい…
「長すぎだろ」
そこで武志の突っ込みが入った。
「いや、だってこの際たくさんお願いしたほうが良くない?」
「二兎を追うものは一兎も得ずってのがあるだろ」
「ないわよ」
あたしたちはああだこうだ言いながら、おみくじ売り場に着く。
何種類かのおみくじと小さい賽銭箱が置いてあるテーブルが何卓か出ていた。
「いいなー巫女さん」
武志は、白と赤の装束に身を包んだ売り場の巫女さんを見てそう言った。
よくそういう台詞を聞くけど、なにがいいんだろ?まああの巫女さんは美人だけど。
…あ、赤と白のコントラスト?
「はいはい」
あたしはそう言って賽銭箱に100円を入れておみくじを引く。
『中吉』
健康も学業も問題ない。縁談は待人と来る。取引はまだ早い。
みたいな内容だ。
「どう?凶?」
「なんで凶かきくんだよ…ほら大吉だぜ。悪いな、今年は俺の年だ」
「嘘だー」
日の出時間を知らせるアナウンスがなる。
もうそんな時間か…まぁどうせ山ばっかで見えないから仕方ないけどね。
「京子、行こうぜ!」
「どこによ?」
「放送で言ってるじゃねーか。日の出だって」
「はぁ?どうせ山しか見えないでしょーが…ってうわッ!」
武志はあたしの手を引いて急に走り出す。
その間に放送がもう1回流れた。
×××
結局、山の間から顔を出した初日の出をしぶしぶ見ることになったけど、これはこれで良かったかな。
あたしたちは神社を降りて、出店を見てまわることにした。
「おっちゃん、ビール二つ~」
「やめい!」
あたしは武志をはたき倒し、玉こんにゃくを二つ注文しなおした。
おじさんは苦笑してこんにゃくを手渡してくれた。
「ん?ねえさんと藤野先輩じゃないすか~」
あたしたちの後ろから声がした。
「おう栗田」
武志が口を動かしながら言った。
栗田は、こないだの大会で見かけた羽鳥とかって男子と、見たこと無いポニーテールの女子とで3人組っぽかった。
むかしのあたしたち3人にそっくりだな。とか思ったけど、恥ずかしいから言わなかった。
「あんたらドリカムみたいね」
「は?なんすか、ねえさん?」
「おい、京子。…なんだ?その時代錯誤」
…あ、今ドリカム二人か。
妙に納得したあたしは、あたまに「?」を出して去っていく栗田たちに小さく手を振った。
一番後ろを歩いていたポニーの女の子が振り返り、あたしをチラっと見た。
「あれ?待ってたのか?」
松岡たちが神社の下り坂を降りてくる。
結構遅かったわね。
「まあな。先に帰るのもあれじゃん?」
武志がこんにゃくを食べる手を止めて言った。
いや、うん。待ってたんじゃなくて、ただ出店を物色してただけなんて言えないわね。
「そっか、この後どうする?帰るか?」
「今何時?あたしカキヨ行くけど」
あたしはそう言って携帯を開く。
元旦から営業するって言ってたから、とりあえず新年の挨拶くらいはしなきゃね。
「じゃあ俺も行く。勇たちはどうする?」
「別に帰るだけだったから付き合うぜ。いいか?」
「うん」
詩織はにこっと笑って松岡に返す。
朝のように4人で歩き出すあたしたち。
「「あけましておめでとうございます!」」
あたしたちはドアを開きながら口々に言った。
開店したばっかりだからか、店内は客はいなかった。
「あら、あけましておめでと~」
カキヨ婆は空調のリモコンをいじりながら言った。
信ちゃんは今日はいないのかな?
「よっしゃ!今年一発目の運試しだ」
武志はそう言うと、売り場のパックを指差した。
去年末に再販された17thと19thが一番手前に出ていた。
「いいわ!さて、何を買おうかしら」
「これいけよ、戦場のフォトグラフ」
「はぁ?それ買うくらいなら不敗の流派買うわよ」
あたしはパックの柄を見ながら言う。
「いーじゃんかよ。俺もこれ買うからさ」
「どうせ地球への贖罪とかあたるんだから~」
でも、まあいっか。
武志が欲しいのあたればトレードしてあげればいいことだし。
「いいわ、フォトで」
あたしは茶色のパッケージの戦場のフォトグラフを3つ持って、1000円札と一緒にガラスケースの上に出す。
詩織と松岡はなにやらスリーブのコーナーで談笑していた。
「はい、お釣りね」
「さーて、何かいいのでますように」
あたしは一つ目をあける。
地球への贖罪
はいきたー…。
二つ目は
運命の交錯
定番のクソレアだわ。白なだけましだけど。
あたしが渋い顔してる脇で、武志が赤いパックをレジに出すのが見えた。
え?赤?
「ちょっと、何買ってんの?」
「やっぱ俺変革の反旗にしようと思って」
「ちょ…なによその裏切り!」
あたしはむっとして手元の地球への贖罪を見た。
ふん、いいもんね。あたしはこのカードで何か悪いこと考えてやるんだから!
「あれ?」
あたしは最後の1パックめのレアを見て手を止める。
「なんだよ?って慈愛じゃん!」
「そ・・・そうだよね!?これ慈愛だよね?」
あたしは信じられない気分でその紫レアを見た。
あれ?もしかしてこれ武志のおかげじゃね?
と自分で思ったときにはすでに武志をぎゅっとしていた。
「ありがと」
「感謝のキスくらい欲しいところだぜ」
「いや、それはナシで」
あたしは手を離して苦笑いする。
ちなみに武志のパックからはアムロ、ドム(ガイア機)、エネルギー吸収が出たみたい。
おわり
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>作者から
2009年の元旦を書いた代物なんですが…現在は場違いしすぎてHPには掲載してないも物です。
正月に携帯で作成。ドリカムの件や京子の内心などSeason3やミキオの外伝への布石にしようかと思ったのですが…回収しきれてないです。
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