「#47」(2010/04/14 (水) 14:39:29) の最新版変更点
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*#47 エントリーパック
「ちわ~」
あたしたちはご飯を食べた後、公旗たちのいるほうの部屋に来た。
あたしたちの部屋より少し大きいかな?って感じの部屋。
「じゃあ順番は…」
信ちゃんがドラフトの座り順を決めようと口を開くが、煉さんは「テキトウ、だな」と言って、その場に座った。
「しょうがないな…じゃあ、この順番で」
「はい」
あたしから時計回りに「あたし→武志→松岡→詩織→菊池さん→煉さん→信ちゃん→公旗→あたし…」の順で座った。
世代で分かれた感じね…。
信ちゃんは荷物から新製品の「ブースタードラフト エントリーパック2」を人数分出して、配給する。
「お、エクシア!俺達がガンダムだ!」
「はぁ?また00のユニットぉ?」
エントリー2の上面に、目立つようにパッケージされた2枚のカード、今回の付属SP「ガンダムエクシア+GNアームズTYPE-E」と「GNアームズ」を見て武志が声を上げる。
エントリー1に引き続き、放送中の00のカードがオマケってわけね。5国で1枚制限なしの6/3/6。PS装甲でも同クラスこういうサイズは難しいのになぁ…。
ま、きつい指定を無理に払える人だけが使えるからいいのかな?
「今回は付属のSPは使わない方向でいいかな?」
信ちゃんは、エントリー2が皆に行き渡ったのを確認して言った。
確かにこんな・・・。
「当然だ。こんなものを全員が使えたら、白けるに決まってる」
煉さんがきっぱり言う。
そうよね。普通にSP引けるか引けないかの勝負になりかねない…。
「じゃ、まずは21弾『放たれた刃』からスタートで」
あたしはわざわざ座ってやるのも面倒だから、腹ばいになってパッケージを脇にどけた。
ブードラはまず、初手が大切。この状態なら、このカードたちはまだ”誰にも見られてない状態”だからね。
皆がパックを開ける。公旗がおとめ座がどうとか言ったけど、聞こえないフリをした。前から思ってたけど、誰も突っ込まないの?それとも、突っ込んだら負けなわけ?
あたしのパックのレアは…あれ?一瞬見落とすところだったけど、レアはユニットだ。ちょっと地味な感じかな?
煉さんだけは手早くピックを終えて、札を伏せていた。
詩織には直前にブードラがどういうルールなのかを教えたけど、今も松岡にルールをちょいちょい聞いてる。
「ドラフト!」
掛け声で公旗から11枚のカードがまわってくる。
「ちょ…」
「どうした?お嬢さん」
あたしは思わず声を上げる。
回ってきたカードの中にサイコMk-2(MA)が2枚…片方は金色の箔が押された「10thレア」だ。
サイズ、テキスト共に申し分ないレアカードで、合計国力が高いというデメリットもブードラではあんまり気にならないはずなのに…なんで?
「いえ、なんでも」
あたしは公旗にそう言って、もう一度カードを見る。
もしかしたら、どちらにしろ取られてしまう同じカードよりも、”それらに勝つことができるカード”を取ったのかも…。なんだろ?
「…ドラフト!」
半信半疑のまま、あたしは10枚のカードを武志に渡す。
公旗から来たカードは信ちゃんが開けたパック。2人も仲介されてるから、微妙感はぬぐえないけど、あたしはザウートをピックした。
なんだかんだ、後半適当にやってるうちに4パック目が終わり、最後の『エクステンションブースター2』に手をかける。
この時点で、あたしのピックしたカードは相当意味不明だ。強いて言えば3色デッキ?エクステだけ緑の引きが強かったのが原因だ。
最後のエクステ2で2色に絞れるかどうか…!
「ふぅ…」
あたしはため息をつきながら出たカードを見る。
裁きとドアンザク、そしてこのアンコモン。さて、どうするか…ね。さっきからのパターンで妨害してもいいんだけど、それするとあたしのがデッキじゃなくなる…。
ブードラはユニット戦ユニット戦!
あたしはピックしてカードをまわした。
×××
「さて、じゃあ詩織ちゃんのデッキもできたことだし、皆完成したかな?」
信ちゃんがあたしたちを見回す。
当然!何とか2色に押さえてやったわ!
「じゃ、この割り箸で対戦の組み合わせを決めるよ」
「相変わらず準備がいいな」
菊池さんが言った。
信ちゃんが出した8本の割り箸を皆が引く。青、緑、赤、紫がそれぞれ対になるように2本づつあり、色が合った相手が最初の対戦相手。というわけらしい。
あたしは引いた後、すかさず煉さんの色を確認する。あたりたいのかそうじゃないのか自分でもよくわからないけど。煉さんの箸の色は青。あたしの赤とは違う。
「あ」
詩織があたしの箸を見て声を上げる。
あ?詩織の箸、赤?
「良かった、京ちゃんで。あの怖い人だったらどうしようかと思っちゃった」
「あはは。聞こえるって…」
ニッコリ笑ってこの娘はなんて危ないこと言うんだw
度胸があるのか、抜けてるのか…。
「「おねがいします」」
お互いに手札をチェックする。
Gを多めに入れたから大丈夫っぽいね。
「えっと…ここまでやったら普通のルールと同じでいいんだよね?」
じゃんけんしながら詩織が聞く。
「うん。普通でいいよ。覚えた?」
「まあまあ。細かいとこは聞くね」
対戦相手だけどね…。
さ!勝ったあたしの先攻!
「配備フェイズ、赤基本Gを出して…このカード!」
1パック目で手元に舞い込んで、あたしのデッキの道しるべ的な役割を果たしたカード。
まさか初手とはねっ!
「スピードキング!」
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:10.10.14
更新日:10.04.14
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*#47 エントリーパック
「ちわ~」
あたしたちはご飯を食べた後、公旗たちのいるほうの部屋に来た。
あたしたちの部屋より少し大きいかな?って感じの部屋。
「じゃあ順番は…」
信ちゃんがドラフトの座り順を決めようと口を開くが、煉さんは「テキトウ、だな」と言って、その場に座った。
「しょうがないな…じゃあ、この順番で」
「はい」
あたしから時計回りに「あたし→武志→松岡→詩織→菊池さん→煉さん→信ちゃん→公旗→あたし…」の順で座った。
世代で分かれた感じね…。
信ちゃんは荷物から新製品の「ブースタードラフト エントリーパック2」を人数分出して、配給する。
「お、エクシア!俺達がガンダムだ!」
「はぁ?また00のユニットぉ?」
エントリー2の上面に、目立つようにパッケージされた2枚のカード、今回の付属SP「ガンダムエクシア+GNアームズTYPE-E」と「GNアームズ」を見て武志が声を上げる。
エントリー1に引き続き、放送中の00のカードがオマケってわけね。5国で1枚制限なしの6/3/6。PS装甲でも同クラスこういうサイズは難しいのになぁ…。
ま、きつい指定を無理に払える人だけが使えるからいいのかな?
「今回は付属のSPは使わない方向でいいかな?」
信ちゃんは、エントリー2が皆に行き渡ったのを確認して言った。
確かにこんな・・・。
「当然だ。こんなものを全員が使えたら、白けるに決まってる」
煉さんがきっぱり言う。
そうよね。普通にSP引けるか引けないかの勝負になりかねない…。
「じゃ、まずは21弾『放たれた刃』からスタートで」
あたしはわざわざ座ってやるのも面倒だから、腹ばいになってパッケージを脇にどけた。
ブードラはまず、初手が大切。この状態なら、このカードたちはまだ”誰にも見られてない状態”だからね。
皆がパックを開ける。公旗がおとめ座がどうとか言ったけど、聞こえないフリをした。前から思ってたけど、誰も突っ込まないの?それとも、突っ込んだら負けなわけ?
あたしのパックのレアは…あれ?一瞬見落とすところだったけど、レアはユニットだ。ちょっと地味な感じかな?
煉さんだけは手早くピックを終えて、札を伏せていた。
詩織には直前にブードラがどういうルールなのかを教えたけど、今も松岡にルールをちょいちょい聞いてる。
「ドラフト!」
掛け声で公旗から11枚のカードがまわってくる。
「ちょ…」
「どうした?お嬢さん」
あたしは思わず声を上げる。
回ってきたカードの中にサイコMk-2(MA)が2枚…片方は金色の箔が押された「10thレア」だ。
サイズ、テキスト共に申し分ないレアカードで、合計国力が高いというデメリットもブードラではあんまり気にならないはずなのに…なんで?
「いえ、なんでも」
あたしは公旗にそう言って、もう一度カードを見る。
もしかしたら、どちらにしろ取られてしまう同じカードよりも、”それらに勝つことができるカード”を取ったのかも…。なんだろ?
「…ドラフト!」
半信半疑のまま、あたしは10枚のカードを武志に渡す。
公旗から来たカードは信ちゃんが開けたパック。2人も仲介されてるから、微妙感はぬぐえないけど、あたしはザウートをピックした。
なんだかんだ、後半適当にやってるうちに4パック目が終わり、最後の『エクステンションブースター2』に手をかける。
この時点で、あたしのピックしたカードは相当意味不明だ。強いて言えば3色デッキ?エクステだけ緑の引きが強かったのが原因だ。
最後のエクステ2で2色に絞れるかどうか…!
「ふぅ…」
あたしはため息をつきながら出たカードを見る。
裁きとドアンザク、そしてこのアンコモン。さて、どうするか…ね。さっきからのパターンで妨害してもいいんだけど、それするとあたしのがデッキじゃなくなる…。
ブードラはユニット戦ユニット戦!
あたしはピックしてカードをまわした。
×××
「さて、じゃあ詩織ちゃんのデッキもできたことだし、皆完成したかな?」
信ちゃんがあたしたちを見回す。
当然!何とか2色に押さえてやったわ!
「じゃ、この割り箸で対戦の組み合わせを決めるよ」
「相変わらず準備がいいな」
菊池さんが言った。
信ちゃんが出した8本の割り箸を皆が引く。青、緑、赤、紫がそれぞれ対になるように2本づつあり、色が合った相手が最初の対戦相手。というわけらしい。
あたしは引いた後、すかさず煉さんの色を確認する。あたりたいのかそうじゃないのか自分でもよくわからないけど。煉さんの箸の色は青。あたしの赤とは違う。
「あ」
詩織があたしの箸を見て声を上げる。
あ?詩織の箸、赤?
「良かった、京ちゃんで。あの怖い人だったらどうしようかと思っちゃった」
「あはは。聞こえるって…」
ニッコリ笑ってこの娘はなんて危ないこと言うんだw
度胸があるのか、抜けてるのか…。
「「おねがいします」」
お互いに手札をチェックする。
Gを多めに入れたから大丈夫っぽいね。
「えっと…ここまでやったら普通のルールと同じでいいんだよね?」
じゃんけんしながら詩織が聞く。
「うん。普通でいいよ。覚えた?」
「まあまあ。細かいとこは聞くね」
対戦相手だけどね…。
さ!勝ったあたしの先攻!
「配備フェイズ、赤基本Gを出して…このカード!」
1パック目で手元に舞い込んで、あたしのデッキの道しるべ的な役割を果たしたカード。
まさか初手とはねっ!
「スピードキング!」
つづく
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初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.10.14
更新日:10.04.14
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