ATAGUN@Wiki
#56
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#56 フリプレなんだよ
「配備フェイズ、白基本Gを配備でターン終了」
あたしは宣言した。
さあ、相手に不足はあるけど…あたしの新しいデッキの披露よ!
内心バシッと決めるあたしの気など知らず、羽鳥は緑基本Gを出した。
さあ、相手に不足はあるけど…あたしの新しいデッキの披露よ!
内心バシッと決めるあたしの気など知らず、羽鳥は緑基本Gを出した。
「そうかい…俺を知らない。ならじっくり教えてやるぜ!俺はフリプレでも負け知らずの、スペシャル様なんだよーッ!!」
サイド3を出し、ターンを終了する羽鳥。
あたしはドローする。
あたしはドローする。
「配備フェイズ、白基本Gを出してターン終了よ」
あたしは2枚目の白基本Gを出してそう告げる。
…この羽鳥って少年、デッキケースに付けている星の数だけの勝率と言ってたけど、逆に言えば”それだけしか勝ったことのない初心者”。
…この羽鳥って少年、デッキケースに付けている星の数だけの勝率と言ってたけど、逆に言えば”それだけしか勝ったことのない初心者”。
「ドロー!緑Gを出してエンドだぜ」
「はいはい。あたしのターンね」
「はいはい。あたしのターンね」
ドローする。
このターン出すこのGだけで、あたしのデッキがバレるだろうか?
このターン出すこのGだけで、あたしのデッキがバレるだろうか?
「配備フェイズ、赤基本Gを出すわ」
あたしは何事もないように、そのGを出す。
チラッと羽鳥の反応を見る…別段不思議そうではない。
チラッと羽鳥の反応を見る…別段不思議そうではない。
「さらに民意の獲得を配備。起動するわ」
「かまわないぜ」
「かまわないぜ」
あたしは本国の上のカード2枚を見て、赤基本Gを表にして手札に加える。
「ターン終了よ」
「へっ!白赤ぁ?よくわかんねェけど、このターンから仕掛けるぜ!」
「へっ!白赤ぁ?よくわかんねェけど、このターンから仕掛けるぜ!」
羽鳥はドローする前からそう息巻く。
「リロールフェイズ、制圧作戦!今日も絶好調ッ!!」
「露払いこのカードでカウンターさせてもらうわ」
「露払いこのカードでカウンターさせてもらうわ」
ここで出足をくじかれてたまるもんですか!
「ふん…まぁいいさ。ドロー!緑Gを配備して、AEUイナクト(デモカラー)を配備!すぐさま攻撃に移るぜ!」
羽鳥はそう言って、ビシッとユニットを地球エリアに出す。
破壊時に2ドローのテキストと破格の戦闘力を持つ、緑の優秀なユニット。
破壊時に2ドローのテキストと破格の戦闘力を持つ、緑の優秀なユニット。
「いいわ。その4点は通しよ」
「ターンエンドだぜ」
「ターンエンドだぜ」
あたしはドローする。相手が少々早くても問題ない。
煉さんがウィニー含めどんなデッキを使うかわからない以上、一種の”万能性”が必要だったからね。この程度でわーわー言わないわ。
煉さんがウィニー含めどんなデッキを使うかわからない以上、一種の”万能性”が必要だったからね。この程度でわーわー言わないわ。
「配備フェイズ、民意の獲得を起動…Gは”ない”わ」
あたしは小さく首を振り、手札から赤の基本Gを出す。
「ここは…こっちのカードね。中東国の支援」
あたしは手札からドローカードを出す。
手札に2枚カードを加えて…うん、見てなかった1枚もこれならOK。
手札に2枚カードを加えて…うん、見てなかった1枚もこれならOK。
「ターン終了よ」
「ああん?悪いけどよぉ…動かないなら一方的に殴っちまうぜ?」
「どうぞ♪”できるなら”だけどね」
「ああん?悪いけどよぉ…動かないなら一方的に殴っちまうぜ?」
「どうぞ♪”できるなら”だけどね」
あたしはニコッと笑って、手で「どうぞ②」とジェスチャーする。
「ドロー!緑Gを配備して、イナクト(コーラ機)をプレイするぜ!」
また高性能ユニット。テキストが焼きになっただけで、それ以外のスペックはデモカラーと変わらない。
緑もいいユニットを得たもんね。
緑もいいユニットを得たもんね。
「宇宙にデモカラー、地球にコーラ機を出撃させるッ!」
「そんな安易に攻撃していいの?防御ステップ!」
「そんな安易に攻撃していいの?防御ステップ!」
あたしは手札のカードをチラッと見て、このターンの相手の動きを予想する。
このターンはあくまで露払い。相手もこのカードなら本気を出してくるかしら?
このターンはあくまで露払い。相手もこのカードなら本気を出してくるかしら?
「宇宙…デモカラーのエリアにガンダムエクシア《19》を介入させるわ」
あたしはそう言って手札からユニットを出す。
羽鳥は小さく舌打ちし、手札と相談する。観戦してた栗田は、「そんなカード持ってたのかよ!?」という顔であたしを見る。
煉さんを倒すために戦術上必要なパワーカード。バイトしてやっと手に入れたんだ…それくらいの活躍はしてくれないと困る!
羽鳥は小さく舌打ちし、手札と相談する。観戦してた栗田は、「そんなカード持ってたのかよ!?」という顔であたしを見る。
煉さんを倒すために戦術上必要なパワーカード。バイトしてやっと手に入れたんだ…それくらいの活躍はしてくれないと困る!
「さらに、過去との邂逅。このカードで地球エリアのコーライナクトをロールさせるわ」
「ちぃッ!」
「ちぃッ!」
邂逅で反対エリアのイナクトをロールさせたあと、エクシアをのテキストを起動してデモクトの格闘を*に。
これで、この交戦では落ちない。
これで、この交戦では落ちない。
「ダメージ判定規定いい?」
「お…おう」
「デモカラーを破壊。そして邂逅を回収」
「お…おう」
「デモカラーを破壊。そして邂逅を回収」
過去との邂逅は、戦闘ダメージでユニットが落ちれば手札に戻るサイクルカード。
白や00のユニット戦で強いユニットとは相性がいいわ。
白や00のユニット戦で強いユニットとは相性がいいわ。
「こっちはデモカラーの効果でドロー…お!」
手札に2枚カードを加えるのと同時に、小さく声を上げる羽鳥。
さぁ、何を引いたのかしら?
さぁ、何を引いたのかしら?
「ダメージ判定ステップ規定後!エクシアに赤い彗星《20》をプレイ。まず4点だぜ!」
「オーケイ。次は何?」
「試作ケンプ!これで3点。赤い彗星をカウンターしなかった時点であんたのエクシアは落ちてた!」
「オーケイ。次は何?」
「試作ケンプ!これで3点。赤い彗星をカウンターしなかった時点であんたのエクシアは落ちてた!」
…使った。
緑中に採用できる焼きカードは、枚数も種類も想像が付く。ならば、ここで使用させるのが吉。
緑中に採用できる焼きカードは、枚数も種類も想像が付く。ならば、ここで使用させるのが吉。
「ターンエンドだぜ」
ドローするあたし。
もう邂逅のギミックは成立したんだ。相手は焼きカードで挽回するしかない。あとは…
もう邂逅のギミックは成立したんだ。相手は焼きカードで挽回するしかない。あとは…
「配備フェイズ、民意の獲得起動。さらに密約《EB1》」
あたしは民意で白Gを表にして手札に移し、自分を対象に密約を使う。
さて、あんまり痛手を被ったわけじゃないけど…もう反撃タイムといきますか。
さて、あんまり痛手を被ったわけじゃないけど…もう反撃タイムといきますか。
「白基本Gをプレイして、フリーダムガンダム(ハイマットモード)」
「回復できるユニットか!でも、PS装甲(5)で毎ターン手札に戻るそいつがなんだってんだ?」
「回復できるユニットか!でも、PS装甲(5)で毎ターン手札に戻るそいつがなんだってんだ?」
あたしは黙って、サイド3がいない地球にハイマットを出撃させる。
おそらくこの攻撃は通る。手札の枚数、羽鳥の表情…カスタムフラッグも焼きも十分な枚数手札にはないハズ。
おそらくこの攻撃は通る。手札の枚数、羽鳥の表情…カスタムフラッグも焼きも十分な枚数手札にはないハズ。
「6点だな?その程度、受けるぜ」
「じゃああたしは6点回復して、ターン終了」
「じゃああたしは6点回復して、ターン終了」
あたしは手札にハイマットモードを戻してターン終了を宣言する。
「ドロー!へっ6点ずつの回復量じゃ追いつけないほどのダメージを与えてやんよ!サイド3とライデンギャンをプレイ」
「うん」
「うん」
あたしはそっけなく返す。過去との邂逅を突破できるってわけ?
荒熊かな。
荒熊かな。
「さらに、ライデンギャンにマネキン大佐をセット!コーライナクトに魅了コインを乗せるぜ」
ん?
確かあれは…こっちのユニットが魅了コインが乗ったユニットと交戦中になると、ターン終了時に相手に奪われるカード。
つまりエクシアとかがいくら介入して圧倒しようが、奪取するぜ!みたいな?
確かあれは…こっちのユニットが魅了コインが乗ったユニットと交戦中になると、ターン終了時に相手に奪われるカード。
つまりエクシアとかがいくら介入して圧倒しようが、奪取するぜ!みたいな?
「このまま攻撃に出撃ッ!エクシアでも何でも来やがれ!」
「とりあえず過去との邂逅でイナクトをロール」
「いや、ロシアの荒熊でカウンター!」
「とりあえず過去との邂逅でイナクトをロール」
「いや、ロシアの荒熊でカウンター!」
対抗策引いてたか。プレイを無効にし取り除くことでエースの奮闘とかサイクル系に確実な死を与えるカードだ。
あたしはがっかりした様子も見せず、さらに手札のカードを触る。
悪いわね、エクシアは確かに苦労して手に入れし、強力。でも、赤白で”これ”を警戒しないなんて…素人!
あたしはがっかりした様子も見せず、さらに手札のカードを触る。
悪いわね、エクシアは確かに苦労して手に入れし、強力。でも、赤白で”これ”を警戒しないなんて…素人!
「キラ《DB5》とハイマットをひとつのグループでイナクトのエリアに!」
「!?」
「交戦でイナクトを破壊。さて、どこに3点行きたい?」
「!?」
「交戦でイナクトを破壊。さて、どこに3点行きたい?」
あたしは確信を持って聞く。
手札にハイマットに1点与えるカードがあれば別だけど…たぶん本国ね。
手札にハイマットに1点与えるカードがあれば別だけど…たぶん本国ね。
「本国…だ」
「了解」
「了解」
羽鳥の顔には「そんなカードがあることなんて知らなかった」と書いてある。
ちょっとばっかし古いカードだからね。でも、白を知っていれば知っているレベルのカードよ?
ちょっとばっかし古いカードだからね。でも、白を知っていれば知っているレベルのカードよ?
「い…いや!イナクトには魅了コインがあった!だからハイマットはターンエンドで俺のものだ!」
「あ…ゴメン、ターン終了時にそっちに移るんだけど、その直後にPS装甲の『ターン終了時の最後に起動する効果』であたしの手札に戻っちゃうんだ」
「あ…ゴメン、ターン終了時にそっちに移るんだけど、その直後にPS装甲の『ターン終了時の最後に起動する効果』であたしの手札に戻っちゃうんだ」
羽鳥は「?」を出すが、そこはすかさず栗田がルールブックを開いて説明する。
ちょっと意地悪い口調過ぎた。反省。
ちょっと意地悪い口調過ぎた。反省。
「ふ、ふーん…ターンエンドだぜ」
羽鳥はがっかりした風にエンドドローする。
このまま押し切るかな。
このまま押し切るかな。
「配備フェイズ、白Gとハイマットモードを配備。地球に出撃させるわ」
「防御ステップ、シャア専用ゲルググをプレイ!」
「防御ステップ、シャア専用ゲルググをプレイ!」
さっき引いたカードはそれ?
「ライデンギャンを防御に。交戦中になったからジャンクから赤い彗星を回収!」
「はいよ。こっちは何もないわ。このまま交戦したけど?」
「いいぜ!」
「はいよ。こっちは何もないわ。このまま交戦したけど?」
「いいぜ!」
そして交戦後に赤い彗星を撃つ羽鳥。
ハイマットは格闘5のギャンと交戦して、減殺不能な4ダメージを赤い彗星で受けたんだ。
たとえキラ・ヤマトがセットされてても落ちてたわ。そう、キラがセットされててもね。
ハイマットは格闘5のギャンと交戦して、減殺不能な4ダメージを赤い彗星で受けたんだ。
たとえキラ・ヤマトがセットされてても落ちてたわ。そう、キラがセットされててもね。
「ターン終了」
「よっしゃ!反撃だぜ、ドロー!」
「よっしゃ!反撃だぜ、ドロー!」
気付いていないのか、羽鳥の本国はなかなか薄い。
資源の払いすぎが大きな原因だろう。さて反撃の手はあるかしら?
資源の払いすぎが大きな原因だろう。さて反撃の手はあるかしら?
「…ついてる!ブリーツクリーク!!」
ここでこのカード!エース云々も伊達じゃないかな?
あたしは少し笑い、許可を出す。
あたしは少し笑い、許可を出す。
「7枚見て…って7枚ピッタリしかないッ」
羽鳥は拍子抜けしながらも本国”全部”を見るて、その中から2枚のユニットを出す。イナクト(デモカラー)とイナクト(コーラ機)だ。
まだいたんだ。
まだいたんだ。
「フリーダムもエクシアも倒したんだ…とっとと幕を引きな!」
羽鳥は宇宙にデモクト、地球にコラクトを出撃させた。
…確かに羽鳥の本国がなくなるまでの3ターンで、イナクト2枚のみで24点。こっちの本国を削れる値ね。
でも、それだけで勝てると思う?シャアゲルググは保険として残してあるみたいだけど、そこじゃないんだって。
…確かに羽鳥の本国がなくなるまでの3ターンで、イナクト2枚のみで24点。こっちの本国を削れる値ね。
でも、それだけで勝てると思う?シャアゲルググは保険として残してあるみたいだけど、そこじゃないんだって。
「防御ステップ…」
あたしは手札からカードを出す。
残しておいて正解だった。
残しておいて正解だった。
「宇宙エリアに再びキラ《DB5》と…ストライクフリーダム!」
「な…何ぃ~!」
「な…何ぃ~!」
あたしは交戦中のデモクトにサイコミュ(3)の起動を宣言する。
デモクトの2ドローは強制。そして羽鳥の残り本国は3枚。
デモクトの2ドローは強制。そして羽鳥の残り本国は3枚。
「さ、2ドローしてね♪」
「俺はスペシャルで!20勝で!フリプレなんだよぉー!」
「俺はスペシャルで!20勝で!フリプレなんだよぉー!」
つづく
txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.12.05
更新日:10.04.14
掲載日:08.12.05
更新日:10.04.14