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#63 ツインドライヴで


「相変わらずチマチマ展開しかできないのかねェ、剣治君はァ」
「うちの京子もいつも通り大雑把で」

俺は京子を横目で見ながら言った。
”うちの”とか言える立場じゃないけどよ。

「そう言えば自己紹介がまだだったねェ。私は金田持継。名前の通り金持ちさァ」
「藤野武志です」

メガネのフレームを上げつつ言う金田さんに、俺は適当に相槌をうちつつ名乗った。
名前の通りってスゲーな。カードとかもたくさん持ってんのかな?

「そうか、武志君。金持ちキャラって性格アレな奴が多いけど…ホラ、見ての通り私は”マトモ”だから安心してくれ」
「…」

マトモ…ねえ。
まあいっか。さ、対戦しようぜ!

「じゃあ先攻後攻はジャンケンで!」
「そうだねェ」

俺は左手を出した。

「じゃあ先攻は私だねェ」
「はい」

俺はマリガンがないことを告げると、金田さんも「これで始められるよォ」と言った。
隣のテーブルの京子たちはもうゲームを進めているらしく、「”正義の女神”ガンダムアストレアッ!」とか「こういうときに限って基本Gしかない~」だのと言っているのが聞こえた。
京子の奴…なんだかんだ言って楽しそうにやってるじゃんかよ。

「緑基本Gをプレイするよォ」
「あ、はい。了解です」

こっちの注意が隣に向いていると思ったのか、金田さんは俺の顔をうかがいながら言った。
さて、俺もやりますかっ!

「まずはこのカード。ドップゥ!」

金田さんは設定画のドップをリロールで場に出した。テキストは確か戦闘配備とキャントリップ…のはずだけど、1ターン1枚の制限に含まれず~などと長いテキストが書いてある。
…なるほど。エラッタ前どころかルールが書いてあった時代のカードか!

「古いカード使ってるんですね」
「うん。まあね。全部のバージョンを集めて、かつ一番古いバージョンを使うのが私の”コダワリ”なんだよぉ」

俺は思わず感嘆の声を漏らす。
こんなん見たこと無いぜ!やっぱ集めてる人は集めてるんだな。俺なんて使えればどれでもいいやと思ってるのによ。

「ターン終了だよォ」
「ドロー。青基本Gをプレイしてターン終了です」

ターンをもらった俺は、初手から手札にあった青の基本Gを場に出す。
何のこだわりもないシローのカラーGだ。

「うん、じゃあターンを開始するよ。ドロー」

金田さんはドローするなり「よしよしよし。ディ・モールト」と言って緑の基本Gを出した。
ここからじゃエキスパンションマーク見えないけど…白黒柄のGだ。

「ザク2改《18》をプレイ。なかなか順調な動きができそうだよォ?イッレギュラー!」
「はい。ブースト+戦闘配備のような効果のオペかぁ…」

あのザクが出た時点でサイクロプス隊デッキと見るべきだよな。
まあ、俺のデッキも京子からダブルオー借りた時点でバレてるけどよ。

「青系はしぶといからねェ。早めに本国を削るとするよォ。イッレギュラーを起動、ハイゴック《18》を通常のコストを払い、リロールイン!」

順調な動き…確かに。
すでにユニットは3枚も並んでるし…手札にもありそうだ?

「地球に出撃してもいいかなァ?」
「はい」
「じゃあハイゴックとドップでアタック3点。そしてハイゴックのチームテキストを起動。今の2枚の捨て山をリムーブしてもらうよ」

やべ!
忘れてたぜ…このまま行くと除外されまくりで、回復じゃ挽回できなくなりそうだ。

「はい…」
「リムーブされたカードに赤基本G…青赤デッキか。ならば惹かれあう魂を早い段階から無力化できるこちらはすこし有利だねェ」

金田さんは除外されたカードをチラッと見てそう言った。

「ターン終了だよォ」

俺はターンを開始し、ドローし赤の基本Gと内部調査を出してターン終了を合図する。

「ふむ…ドロー。配備フェイズ、緑基本Gをプレイ。サイド3を出した後に、イッレギュラーを起動するよ」
「…はい」

やべーな…また戦闘配備でなんか飛んでくるぜ。

「ズゴックE《18》を場に」

少なくともGが4枚ないとこっちは動けねーのに本国はガリガリ減ってく。やっぱ緑がブン回るとこっちのスピードがスゲー遅く感じるぜ。
俺は公旗さんとの戦いを思い出しながら、金田さんの次のアクションを待った。

「攻撃ステップ、地球にズゴックEとハイゴック、さらにドップを出撃。宇宙にザク2改を出撃」

出撃する大量のユニット。
8点のダメージと捨て山を4枚除外して俺はターンを貰う。

「ドロー。配備フェイズ、赤基本Gとサラサ再臨」
「ここで引くべきは時間稼ぎかな…まだ3Gだし」

…無論だぜ。
5枚のカードの中に…あった、彼方からの来訪者!青1、赤1、合計3で本国の上へのユニットバウンス。
単純かつ強力。あるじゃんね、青赤にもスピードへの回答が!

「太陽炉をプレイしてターン終了。ドローします」
「了解~」

よし!行けるかも!

「配備フェイズ…ヴァリアブル宣言で破壊工作を4枚目の緑基本Gとして出してから、偽装工場!」
「ぎ…偽装工場?」

古いコマンドだ。
ケンプファー?らしきMSが書いてる。

「Gを切って本国からユニットをサーチできるコマンドさ。私は緑基本Gを切って本国から…これだ、本命・ケンプファー《18》!」
「了解です」

なるほど…3積されたユニットでもデッキの主軸なら絶対に手札に握りたい。その場合はこのカードは”4枚目”になりうる…か。
本命。そう言われるだけのユニットだな、あれは。

「ではそのまま手札からケンプファーをプレイさせてもらおうかなァ。場にサイクロプス隊が3枚だから合計国力2でプレイが可能だよォ」
「通しです」

…まずい。来訪者は次のターンまで待ってケンプに撃つ、で決定だな。それ以外の打点はどうにか凌ぐしかない…。

「さっきのターンと同じように出撃させてもらうよ」

さっきと同様に8点のダメージと捨て山を4枚除外して、俺はターンを始める。

「密約《1》をプレイします。で…3枚目の赤基本G」
「おや…青1に赤3とは。色事故気味だね」

密約を撃って尚色が偏ってしまった俺の場のGを見て金田さんが言った。
いかに工夫しようと、色事故が100%回避できる混色デッキは存在しない…と思う。そういう意味じゃ京子や勇にはない課題が俺のデッキにはあるんだよな…。

「それでも”コイツ”は出せるんですよ…ガンダムエクシアリペア!」

ナドレと同じコストでエクシアと同様の戦闘力。
そして…

「こちらにデュアルもない」

金田さんはリペアを見てそうつぶやいた。
このカードは、デュアルカードからダメージさえ受けなければ事実上ノンデメリットだ。

「いやはや…しかしダブルオーまであと2ターン。回復もロクにできない状況でつなぐことができるかねェ?その本国で」
「やって見なけりゃわかりませんよ!ターン終了」

俺はニヤリと笑ってターンを終了した。

「私のターン、配備フェイズに事情聴取をプレイさせてもらうよ」
「…あ」

ステップ指定のコマンド抑制カード!?

「危ない危ない。君のその余裕はどう考えても来訪者だ。これがなければどこにも出撃できないからね。防御ステップを指定させてもらうよ」
「はい」

金田さんは事情聴取をロールした。

「よーしよしよし。ディ・モールト攻撃ステップ!地上にケンプファー、ズゴックE、ハイゴック、ドップ。宇宙にザク2改」
「いや…まだまだッ!たかが来訪者が撃てなくなっただけだ!攻撃規定後!リペアを換装でセブンソードに!」

俺は手札からセブンソードを出す。
使えないならば、コイツのテキストで捨てるまでだ。それに…

「っ…!換装にコストが必要ではないわけですか、忘れてました。まァいいでしょう、チームテキストでセブンソードを狙い打てばいいだけのことですからねェ」
「ええ。その効果が”使えればの話”ですけどッ!」

俺は手札に目を落とす。
まだ攻撃ステップ。コマンド抑制までタイミングならあるぜ!

「…?」
「さらに政治特権!」

俺手札から青のコマンドをプレイする。

「今更何を探そうと…」

金田さんは思案顔をする。
たしかに赤が得意とする防御ステップのコマンドによるコントロールは封じられた。
だか俺のは赤単色じゃない…青赤00だ!

「探すんではなく”捨てる”んです。2ドロー後、手札1枚…ダブルオーガンダムを廃棄」
「…まさか!」

俺は悩むそぶりも見せず、手札に用意していたダブルオーを廃棄する。
京子から借りた奴だ。

「そして、空白の時を経て!これでジャンクヤードのダブルオーをマイナスコインを乗せた状態で場に!」
「これが…」

ダブルオーをジャンクヤードから場にリロール状態出だし

「俺の…」

俺は一瞬言葉に詰まる。
『俺と京子の…』と言おうとしたが、隣から壮絶な突っ込みが来るのは目に見えていたので「俺の」にしつつ、デッキケースから銀色のコインを出してダブルオーに乗せた。

「ガンダムだ!」

太陽炉コインを事前に得ていたから、ダブルオーは場に出ると同時にテキストを発揮する!

「戦闘修正の合計が4以上のキャラ戦闘エリアがいない限り、金田さんはチームテキストだろうがオペレーションだろうが自動以外のテキストを起動できません!」
「っ…!」

金田さんのこのデッキは、拠点とサイクロプス隊のユニット、それにサポートカードを大量に搭載したデッキ。焼きコマンドを搭載している余裕があるとも思えない。
ケンプファーを確実に出すことを目標とし、そのテキストに過信していたならばなおさらだ。

ダブルオー、サイクロプス隊を駆逐するぜ!


つづく


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txt:Y256

初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:09.03.25
更新日:10.04.14