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#80 強襲!阻止限界点


「中東国の支援。このカードを使いたいんだけど?」

彼方からの来訪者の効果でスピア付きのナイトガンダムが本国に戻ったところで、あたしはそのコマンドをプレイした。
4弾で白が新勢力として初参入してからこっち、基礎パーツとして使われ続けているコマンドだ。

あたしが最初に出会った白カードもこのカードだったっけな。

「それ、”今”なのかよ?」

武志が眉を上げる。

「もちろん。来訪者で戻るときにスピアを本国トップにしたから、このカードでナイトガンダムを回収よ」
「ふぅん…了解」
「おしおし♪アークエンジェルのテキストを適用した補給をプレイしてターン終了よ」

あたしはそう言って手札をトントンとした。
これで攻防一体。武志のデッキがサイズ不利を跳ね返すにはコマンドが鍵のはず。
枚数を使わせて消耗させてからゆっくり本国を攻撃するとしますか。

「よし、ドロー。密約をプレイするぜ、俺に」
「おっけー」

武志はドローしても何も言わなかったけど、チラッと自分の国力を見たのをあたしは見逃さなかった。
さっきのターン国力を配備しなかったから3枚4Gのままだ。
国力が必要なカードでも引いたのかな?

「配備フェイズ、赤基本Gを配備して戦闘フェイズに入るぜ!」
「いいよ」

なかなか強気な口ぶりにあたしは内心すこし考え込む。
キュリオス1枚で強気なわけないし…また来訪とか引いたんだったら嫌だなぁ。

「搭載キュリオスを宇宙に出撃させるぜ?」
「いいわ。高機動だから防御は出撃できないわ。」

武志はダメージ判定ステップにキュリオスを変形させ、あたしの本国に5ダメージを与えてターンを終えた。

「あたしのターンね」
「お、調整会かい?」

ガラガラと空き家の扉を空け、信ちゃんが入ってくる。
平日なのに珍しい。

「はい…まぁあたしのデッキは違うんですけどね」

あたしは微笑んで白Gとナイトガンダムをプレイする。

「俺はまじ調整ッス。白のユニットパワーを抑えられるかの検証も兼ねて」
「無理そうね♪攻撃ステップ、地球にバックホーム、ナイト、アークエンジェルを出撃させるわ」

そこで信ちゃんがクスクスと笑った。
バックホームのテキストでハンガーにGが行く。

「?」
「いや、お嬢さんらしい戦い方だと思ってね」
「そうですか?」

武志は防御のそぶりも見せず、本国を手にとって「15点か?」と言った。
そこであたしはピンと来た。惹かれあう魂だな、このダメージに対する余裕は。

「うん。攻撃ステップ中にナイトガンダムがテキストを使って15点ね」

武志が捨て山にカードを送るのを確認して、あたしはターン終了を宣言した。

「俺のターン…さっきと同じように搭載キュリオスを宇宙だ!」
「じゃあ、あたしもさっきと同じように5点受けるわ」

あたしはさっきと同じようにダメージを受ける。
6G目が来ないの?でも攻撃…か。防御のユニットがあると見た。

「ターン終了だ」
「あたしのターン、配備フェイズ。引いちゃったんだよね♪2枚目の電磁スピア!」

あたしはハンガーからGを出して、ナイトガンダムにバチッとカードをセットする。
チャンプブロッカーが手札にいようと、キュリオスは落として見せる!なんてね。

「攻撃ステップ、地球に出撃!ハンガーに1枚カードを送るわ…っしゃぁ!ウイングゼロッ」
「やべェな…」
「降参?降参?」

あたしはニッと笑ってナイトガンダムのテキストを宣言した。

「この程度の攻撃でへばるかよ…防御ステップ規定前、ダブルオーガンダム《SP》!」

武志は代替コストでジャンクのヴァーチェと配備のキュリオスを本国の上に戻し、ダブルオーを防御に出撃させる。
早めにハンガーの私兵でヴァーチェ除外しておくべきだったかな。

「いやーん、バックホームが落ちちゃう」

あたしは口に手をあててそう言った。
無論棒読みだけど。

「嫌味かよ。バックホームなんかとダブルオーが相打ちなんだぜ?」
「あ、バレた?」

あたしは意地悪く笑って。戦闘の応酬を終える。
そういえば、キュリオスとヴァーチェどっちを上に戻したのかな?見てなかったわ…まぁきっとキュリオスだろうけど。

「帰還ステップ規定後、ハンガーのウイングゼロ様をプレイしたいわ」
「いいや、カウンターするぜ。カリスマでな」
「…え?まあいいよ?」

手札からカウンターコマンドを表にする武志に、あたしはポカンとする。
ジャンクに落ちたってあんたの手札の枚数次第で復活してくるこのカードをわざわざカウンター?

「おい」
「ん?」
「カリスマで無効にしたんだから除外だっての」
「あ…そうね」

ジャンクにウイングゼロを落としたあたしに武志が言った。
なるほど、そうだった。

「ターン終了」
「俺のターン、トップドローのこいつを配備だ。ガンダムヴァーチェ」
「りょーかい」

「そっちかい」と内心突っ込みつつ、あたしは勝ちを確信した。
トップドローがヴァーチェってことは、さっきのターンと同じく6G目は無い。
あたしの本国はあと2回くらい攻撃を受ければ沈みそうだけど、ここでヴァーチェが出撃すればそれこそ防御がいなくなって武志の本国が終了だ。
ヴァーチェで守った本国からGを引いて惹かれあう魂で全回復しても、手札に戦力が無い時点であたしのナイトガンダムなら2ターンで本国を0にできる。

「ターン終了だぜ」
「ドロー…うん、このまま突っ切れる。カトル・ラバーバ・ウィナー《5》でジャンクのバックホームを!」
「了解」

これでまたユニットは3枚。
ユニットが破壊されても大丈夫なように手札に持っておいて正解だったわ。

「バックホーム、ナイト、エンジェルで攻撃に出撃するわ」
「了解」

この17点が通れば確実に本国は0だというのに、武志は「別に」という感じで構える。
たしかにヴァーチェでブロックすればいいだけだけど…違うわね。

雲散霧消。この状況でヴァーチェを本国のトップに戻したことと言い、このカードならありえる。
ナイトのテキスト宣言にカットインで無効、ヴァーチェの範囲兵器で全滅。きっとこうなんだ。

「あ」

だとしたらしまった!

あたしは無暗に出撃してしまったことに少し後悔しつつ本国を1枚ハンガーに送る。
…切り開く力。

「出撃後にハンガーの切り開く力をプレイしたいわ」

よし!
切り開けば安心してナイトのテキストを宣言できるし、防御ステップに介入される心配も無くなる。
雲散霧消をカットインで使おうとも、こっちもカットインでナイトのテキスト使えばいいわけだし。

「危ないカード引いてくるな…まあ出撃後だから俺はかまわないけどね。…カットインするぜ」
「雲散霧消は遅いのよッ」
「雲散…ってなんでだよ?このカードはな…ティアエリア・アーデだ!!」

えーと、あのキャラは範囲兵器+1と…”範囲兵器で本来の耐久を参照にするキャラ”ですと?

「なるほど…確かに”見かけしか”大きくないナイトガンダムはあのキャラのテキストはキビシイね」

信ちゃんが納得したように頷く。

「防御に出撃するぜ。おい、ナイトガンダムはテキスト使うのかよ?」
「ムカツクー」

あたしはテーブルをバシバシ叩く。
結局このターンで部隊は全滅。返しで本国7点ダメージ受けてドローキャラで負けを宣言した。
ちなみに、武志は手札に惹かれあう魂を持ってなかったそうな。

「ナイトガンダムの攻撃力を生かすためにロック機構を入れたらどうかな?」
「ロック…ですか?」

今しがたあたしが使ったデッキを見て、信ちゃんが言った。

「うん、Nジャマーや姑息な脅迫みたいなね」
「うーん、あたしイマイチそういうの苦手なんですよね~」

あたしは苦笑した。
だってロックしつつ戦う自分を想像できないしね。

「そういえば、二人とも予選会場には何で行くんだい?よければ公旗の車出すけど」

信ちゃんが思い出したように言った。
乗せていってくれるってこと?それは電車代的にラッキー。でも、公旗の車かぁ…。

「マジすか?お願いします!」

あたしがあーだこうだ考えてる間に武志が返事をした。


つづく


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初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:09.06.23
更新日:10.04.14