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「正義さす左指!ユーリディス・シニストラ・ディキトゥスっ!」

と言って対戦相手の少年はユニットを出す。
ミキオの場にはGの他にはガンダムシュピーゲル(シュツルム・ウント・ドランク)だけ。
ハンマ・ハンマ&R・ジャジャも揃えた相手の場には少々押され気味に見える。

「でたな…でぃきとぅす」

対戦を後ろから観戦していたタンサンが呟く。
その彼の隣で「なにあのゴチャゴチャしたイラスト」とナツキが首をかしげた。強そうなイラストではないという意味らしい。

「なに言ってんだよナッちゃん。クロボンスペシャリスト、Koma先生のイラストだぜ?」

ナツキは「しらないよーそんなの」ともう一度そのユニットを見るが、いまいちどこがどうなっているのか理解できなかった。

「睦月のアレは強いよ」

後ろから声がして、2人は振り返る。
1回戦のナツキの対戦相手だった、谷本総矢だ。

「あ、オッサン」
「だからオッサンはやめてくれよ。…あのMFの子は連れ?」
「うん。ウチのカレシ☆」

Vサインで笑うナツキ。
タンサンは「知り合いなんすか?」と谷本に聞いた。

「諏訪部睦月…連続優勝中のチャンプ。ここの新星さ」
「ふーん。ガキなのにね」
「君らがそれ言っちゃう?」


第12(18)話 指指指



「ユーリディスを攻撃に出撃させるよっ」
「…防御は出ないぜ」
「じゃあダメージ判定前に変形して6ダメージだよ」

ミキオは本国のカードを捨て山に送る。
ユーリディス・シニストラ・ディキトゥスはMS形態の「戦闘ダメージ以外では破壊されない」テキストと、MA形態の「戦闘ダメージでは破壊されない」テキストを変形で使い分けることが出来る大型ユニットだ。

「ターン終了」
「ドロー、配備フェイズ。月のマウンテンサイクルをプレイ!」

ミキオは5枚のカードから迷わず1枚を手札に加え、「ウント・ドランクにシュバルツ・ブルーダーをセット!」と宣言する。

「5枚見てそれかぁ。やっぱドモン以外は敵じゃないね」
「今はサイズだけで十分だ!攻撃ステップ」

ミキオはウント・ドランクをリングに出撃させる。
格闘と防御は8と場にあるカードの中ではひときは大きいユニットだが、睦月は表情も変えずにハンマ・ハンマ&Rジャジャのリロールテキストを宣言した。

「ユーリディスを防御に出撃だ」
「…あぁ」
「あ、こっちのコンビで来ればいいのに、とか思ってる?こっちのはもうリロールオペレーション扱いさ。ユーリディスは変形を使用っ」

睦月はハンマ・ハンマ&R・ジャジャをトントン叩きながら、そう宣言した。
彼は、後半戦でのハンマ・ハンマ&R・ジャジャの役割は、危険な戦闘エリアには出ずに半不死身のディキトゥスを毎ターンリロールさせる事であると考えている。
現にディキトゥスだけで叩ける敵は多い。

「速攻、強襲で6点貫通だ!」
「変形後の耐久は2だからね、仕方ない」

「ターンエンド」と告げるミキオ。
睦月はカードを手札に加えた。

「ユーリディスに光のカリストをセット。専用機だっ」
「ああ、構わないぜ」

光のカリストは全ての捨て山の上のカード1枚ずつを廃棄し、廃棄したカード1枚と同じ値の戦闘修正を得ることが出来るキャラクターだ。

「宇宙に出撃だよっ」

「…ちょっと待て」とミキオは考え込むようにそう言った。
光のカリストがセットされたユーリディスは、変形することで格闘力8…ウント・ドランクと同等、戦闘ダメージを受けない分一方的に勝利することが出来る。
だが、防御せずに本国にダメージが通る場合、廃棄されたカードしだいでは一撃で致命傷を受ける可能性もある。

「防御は出ない!」

思い切ってそう言ったミキオに、睦月はダメージ判定ステップ規定前に光のカリストを宣言した。
廃棄されたのはカードは…ミキオ側は、コマンドカード月光蝶。睦月側は、密約。
どちらも修正を得られないカードだ。

「うーん、失敗。変形だっ」

本国へのダメージは8点で済んだ。
ターン終了を告げる睦月、ミキオはターンを開始した。

「細かいことは面倒だ!このターンで流れを決める!」
「お、張り切ってるね」
「攻撃規定前、明鏡止水をウント・ドランクに攻撃力は12に!」

ミキオはウント・ドランクとシャバルツのカードが重なった部分をつかみ、前に出す。

「リングに出撃だ!」
「こっちはモチロン、コンビのテキストでリロールしたユーリディスを防御に出撃だ!」
「いいぜ。かかってきな」

睦月は「光のカリストを宣言」と言ってお互いの捨て山を指差す。
廃棄されたのはカードは…ミキオ側は、オペレーションカード豪熱マシンガンパンチ。
睦月側は、ユニットカードリーベルダス・デクストラ・ディキトゥス!

「よし、成功。戦闘修正5/2/5を得るよ。これで明鏡止水のウント・ドランクと張り合える」
「ああ…じゃあこっちはロール、リロールで速攻!」
「ならこっちは変形だ。これで一方的に勝てるっ」

ミキオは「だよな」と手札のカードを見る。

「だが、もう変形形態から戻ることが出来ない!」
「そうだねっ」
「どんなに修正があろうとも、ここはぶち抜く!シャイニングッフィンガーッ!」

交戦中の敵ユニットを破壊するコマンドだ!
通常形態のユーリディスならば効かないのだが、交戦で負けないように変形した後は効いてしまうのだ。
やったか?とミキオは相手の表情を確認する…が。

「なんだ、そんな程度かぁ…」

と、睦月は少し残念そうにそう言ってため息をついた。
ミキオは相手の手札になにかあると悟るが、遅い。

「そのカードは完封だよ」

シャイニングフィンガーはプリベントを持つコマンドだったが、その影響を受けないカウンターコマンドである完封には無力だった。
これで状況がミキオに不利なまま戦闘ダメージの応酬が解決される。

「強襲の3点を貰うから、ウント・ドランクは負けてよね」
「っ…破壊状態でゴッドガンダムに置き換えだ」

ミキオは、ディアナ帰還でジャンクヤードに落ちていたゴッドガンダムをウント・ドランクと入れ替わりで出す。

「あ。そういえば、そんなの落ちてたね」
「ターンエンドだ」

ゴッドガンダムが残ったのは幸いだった。ユニットが残っている限り、勝ち目はある。
ミキオは本国を目算し、打てる手を探す。

「いや、もう終わりだよ」

睦月はつまらなそうに、カードを引きながら言った。

「戦闘フェイズに入るよ。捕獲兵器《24》…これでリーベルダスをジャンクから場に」
「くそ…っ」
「ダメージ判定ステップに変形して、光のカリストのテキストだ」

ミキオの捨て山からボルジャーノンが落ちる。
ダメージの総量は、15ダメージ。

「じゃあリーベルダスのテキストが起動して…」

そこまで言って、思い出したかのように睦月は続けた。

「あ。そっちの本国がなくなってたねっ」
「オレの…負けだ」


つづく


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txt:Y256

初出:mixi(10.03.31)
掲載日:10.03.31
更新日:10.04.01