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第18(24)話 一掃
「青基本Gを配備してターン終了」
武志は場に3枚目のGカードを配備してそう宣言した。
発生する国力は、赤が2と青が1。
発生する国力は、赤が2と青が1。
「おれっちのターン…配備フェイズ」
タンサンは引いたばかりのカードを場に出す。
対ガンダム調査隊…いわゆる”緑タメG”だ。
対ガンダム調査隊…いわゆる”緑タメG”だ。
「これで緑2と紫1…10thレア、AEUイナクト(デモカラー)をプレイ!」
場に出る緑の3国力ユニット。
タンサンが愛用する10thレア仕様のものだ。
タンサンが愛用する10thレア仕様のものだ。
「3国力で、戦闘配備に格闘4。さすがにイナクトは優秀だな…」
武志は手札に視線を移し、そうつぶやく。
先攻の彼の場にはまだカードはなく、タンサン側が先制するチャンスだ。
先攻の彼の場にはまだカードはなく、タンサン側が先制するチャンスだ。
「さらに。SCS優勝プロモ、ジンクス3(コーラサワー機)をブーストプレイ」
「了解」
「了解」
優勝者にのみ与えられる箔付きのそのカードは、姉さんの家に行った時に貰ったものだ。
3国力を皮切りに、場に並ぶ箔付きのユニット2枚。
3国力を皮切りに、場に並ぶ箔付きのユニット2枚。
「攻撃ステップ、デモイナクトを攻撃に出撃」
「受けるぜ、4ダメージ」
「受けるぜ、4ダメージ」
ユニットを帰還させ、ターンを譲るタンサン。
武志はカードを引き、Gカードを場に出した。
武志はカードを引き、Gカードを場に出した。
「地球連邦政府高官?」
「あぁ。ターン終了だ」
「あぁ。ターン終了だ」
紫の特殊G…地球連邦政府高官だ。このカードは自軍ターン中、発生する国力を青か黒に変更することが出来る国力だ。
紫指定デュアルカードのルール改定後も「青赤00」という形でデッキを組む彼にとって3色目は絶対に必要なもの。
今回のデッキでは、この特殊Gが発生する紫国力と黒国力がその3色目にあたる。
紫指定デュアルカードのルール改定後も「青赤00」という形でデッキを組む彼にとって3色目は絶対に必要なもの。
今回のデッキでは、この特殊Gが発生する紫国力と黒国力がその3色目にあたる。
「おれっちのターン、ドロー」
タンサンは頷いて、ターンを開始する。
引いたのは…ドローカードだ。
引いたのは…ドローカードだ。
「王留美を紫基本Gにセットで、2ドロー。さらに世界の歪みを追加でプレイ」
緑Gに加え、その2枚を出したタンサンは、戦闘フェイズを宣言する。
このターンはジンクスもリロールしているため、攻撃力は前のターンの倍!
彼はそう息巻いてカードを手に取る。
このターンはジンクスもリロールしているため、攻撃力は前のターンの倍!
彼はそう息巻いてカードを手に取る。
「攻撃ステップ。地球にデモイナクト、宇宙にコーラジンクスを出撃!」
「…防御ステップに入ってもいいか?」
「ん?いいっすよ」
「…防御ステップに入ってもいいか?」
「ん?いいっすよ」
タンサンは武志の配備エリアの国力をもう一度確認してから許可する。
エクシアを出すには指定が足りない。
エクシアを出すには指定が足りない。
「ガンダムナドレ。このカードをプレイする」
「…デュアルユニットキラーの00ユニット!」
「…デュアルユニットキラーの00ユニット!」
タンサンはぽんと手を打つ。
指定1-1であるナドレは、あの国力でも出せる。が、今はアレ1枚でひっくり返る場じゃない!
指定1-1であるナドレは、あの国力でも出せる。が、今はアレ1枚でひっくり返る場じゃない!
「当然、相性のいいジンクスのほうを防御」
「へへっ!このジンクスも対デュアルカード戦は得意なんすよ!」
「へへっ!このジンクスも対デュアルカード戦は得意なんすよ!」
タンサンはコーラジンクスを指す。
確かにそのカードにはデュアルカードのテキストを無効にするテキストはあるが…。
確かにそのカードにはデュアルカードのテキストを無効にするテキストはあるが…。
「そのテキストは防御ステップ限定だぜ?戦闘フェイズ中に使えるナドレのほうが汎用性は上」
「…あ」
「…あ」
ダメージ判定ステップまで黙っていれば、ジンクスはテキストを使えなくなってしまう。
かといって、先にジンクスが宣言してしまうと、カットインでナドレの破壊テキストが起動する。
この状況では、もうジンクスは逃げられないのだ。
かといって、先にジンクスが宣言してしまうと、カットインでナドレの破壊テキストが起動する。
この状況では、もうジンクスは逃げられないのだ。
「つーことで。ダメージ判定ステップに入り、規定前にナドレのテキストでジンクスを破壊だ」
武志はコーラジンクスを指す。
タンサンは諦めたように「りょーかい」と宣言する。
タンサンは諦めたように「りょーかい」と宣言する。
「廃棄にカットインでコーラジンクスを廃棄して、世界の歪みにコインを2枚」
「オーケー…あと1回乗せればナドレは落ちるか?」
「オーケー…あと1回乗せればナドレは落ちるか?」
計算するようにそう聞く武志。
ダメージ判定ステップの規定では、イナクトが武志の本国に4ダメージを与えた。
ダメージ判定ステップの規定では、イナクトが武志の本国に4ダメージを与えた。
「いやいや、このターンで撃破します。衛星ミサイルでナドレに3ダメージを!」
「お家芸のダメージコマンド…了解だ。3ダメージ受ける」
「さらに世界の歪みのコインを1枚取り除いて1ダメージを!」
「お家芸のダメージコマンド…了解だ。3ダメージ受ける」
「さらに世界の歪みのコインを1枚取り除いて1ダメージを!」
武志は頷いてナドレを廃棄する。
それを見て、タンサンは満足そうにターン終了を宣言した。
それを見て、タンサンは満足そうにターン終了を宣言した。
「俺のターンだな」
武志はカードを引き、密約《20》カードをプレイする。
3枚カードを引き、手札1枚を本国の上に戻した。
3枚カードを引き、手札1枚を本国の上に戻した。
「よし、周辺警護をヴァリアブルで展開して…このユニットを配備だ」
「お。箔付きレア!」
「お。箔付きレア!」
武志が表にしたユニットは、24弾収録アドバンスレアのセラヴィーガンダム。
自軍カードをロールすることで、マイナス修正を複数の敵ユニットに振り分けたり、ダメージ減殺を選ぶことが出来る00ユニット。
自軍カードをロールすることで、マイナス修正を複数の敵ユニットに振り分けたり、ダメージ減殺を選ぶことが出来る00ユニット。
「ヴァーチェの穴はこいつが埋める」
藤野武志は、20弾「流転する世界」に収録されて以来、その高い攻撃力と耐久性からガンダムヴァーチェを愛用していた。
しかし、ルールの改正により自分のデッキでは4ターン目に配備することは難しくなり、やむなくデッキから外していたのだった。
そんな彼にとって、このカードの登場はある意味待ち焦がれたものだったのである。
しかし、ルールの改正により自分のデッキでは4ターン目に配備することは難しくなり、やむなくデッキから外していたのだった。
そんな彼にとって、このカードの登場はある意味待ち焦がれたものだったのである。
「でも、ロールインなんだよな」
そう言って手をひらひらと振り、ターン終了を宣言する武志。
確かに4ターン目に戦闘配備で出せる可能性が高かったヴァーチェに比べれば、5ターン目にロール状態で配備のこのカードはずいぶん遅い。
交戦での戦闘力は強化されたが、一方的な制圧力はヴァーチェに一歩及ばないといわざる終えないカードなのだ。
確かに4ターン目に戦闘配備で出せる可能性が高かったヴァーチェに比べれば、5ターン目にロール状態で配備のこのカードはずいぶん遅い。
交戦での戦闘力は強化されたが、一方的な制圧力はヴァーチェに一歩及ばないといわざる終えないカードなのだ。
しかし、そのテキストから来る威圧感は、向かい側に座ったタンサンからするととんでもないものだった。
彼のユニットは耐久が低いものばかりで、セラヴィーと戦闘すれば間違いなく負ける。
彼のユニットは耐久が低いものばかりで、セラヴィーと戦闘すれば間違いなく負ける。
「むしろ、リロールインじゃないのがこっちには唯一の救い…あ、帰還に王留美を廃棄して世界の歪みに2コインを」
「オーケー。これで3コインだな?」
「オーケー。これで3コインだな?」
タンサンは「ドロー」と勢い良くカードを引く。
守り一辺倒のセラヴィーを突破できるカードを引くまで、場を持たせなくてはならない。
そう考えながら、タンサンは緑Gを配備し「今のうちに攻撃だっ!」と宣言する。
守り一辺倒のセラヴィーを突破できるカードを引くまで、場を持たせなくてはならない。
そう考えながら、タンサンは緑Gを配備し「今のうちに攻撃だっ!」と宣言する。
「AEUイナクト指揮官型(コーラサワー機)をプレイ。さらに、手札2枚を捨てて衛星ミサイルを回収っす」
「了解だぜ」
「攻撃ステップ」
「了解だぜ」
「攻撃ステップ」
ユニットを出撃させるタンサン。
宇宙にデモカラー、地球にコーラ機という布陣だ。
双方の攻撃力は前のターンと同じ4。まだ奇襲ユニットがいる可能性は否定できないが、セラヴィーと交戦するよりはマシだ。
宇宙にデモカラー、地球にコーラ機という布陣だ。
双方の攻撃力は前のターンと同じ4。まだ奇襲ユニットがいる可能性は否定できないが、セラヴィーと交戦するよりはマシだ。
「攻撃規定後、再結集をプレイ!」
「!?」
「!?」
武志はタンサンの焦りを見透かしたように、コマンドを表にする。
互いの捨て山を見て、自軍ユニットにキャラを接収するデュアルカードだ。
互いの捨て山を見て、自軍ユニットにキャラを接収するデュアルカードだ。
「密約で”本国の上にカード移し、その後に資源を払った”俺にとって、そっちのキャラクターはいらないけど…見せてもらうぜ」
武志はタンサンの捨て山を確認する。
「枚数は少ないが、ヒントは得られた」と言う顔で、捨て山をシャッフルする。
「枚数は少ないが、ヒントは得られた」と言う顔で、捨て山をシャッフルする。
「そして、俺の捨て山から…フォン・スパークがセラヴィーにセットされる」
「黒のキャラ…?」
「黒のキャラ…?」
フォン・スパークは黒のデュアルキャラクターで、3国力ながら単色の合計4国力キャラクターに匹敵する戦闘修正とテキストを持ったカード。
特に敵ユニットがいる戦闘エリアへの飛び込みは、セラヴィーのテキストを使うのにも相性がいいのだ。
特に敵ユニットがいる戦闘エリアへの飛び込みは、セラヴィーのテキストを使うのにも相性がいいのだ。
「コイツの足が遅いのは俺だってわかってる。なら、使い方で変えてやるまでだ。コストを支払い、セラヴィーは宇宙エリアに飛ぶ!」
「おわっ…なんだ、コイツはっ!」
「おわっ…なんだ、コイツはっ!」
一番嫌な交戦が起こっちまった。まさかセラヴィー自身が奇襲ユニットになるとは…。
と、タンサンは手札をテーブルに置き、頭を抱える。
と、タンサンは手札をテーブルに置き、頭を抱える。
「Gを2枚ロールし、そっちのユニット2枚は耐久-3を得る」
「…つまり?」
「あぁ。両機撃破だ」
「…つまり?」
「あぁ。両機撃破だ」
つづく
txt:Y256
初出:mixi(10.04.19-20)
掲載日:10.04.20
更新日:10.04.20
掲載日:10.04.20
更新日:10.04.20