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「手加減はモチロンいらないぜ」
「…承知しています」
「…承知しています」
軽いカットを終えたデッキは、お互いの手元に戻る。
ゴッドガンダムがプリントされたスリーブを装着したミキオのデッキ。
対する真理のデッキには、使い込まれた紫色のスリーブが装着されている。
ゴッドガンダムがプリントされたスリーブを装着したミキオのデッキ。
対する真理のデッキには、使い込まれた紫色のスリーブが装着されている。
「さぁ、ゲーム開始だ!」
姉さんは、観戦するためにテーブルの脇に座った。
それとほとんど同時に、力強く握られた少年の手と、しっかりと広げられた繊細な手が、テーブルの上に出された。
それとほとんど同時に、力強く握られた少年の手と、しっかりと広げられた繊細な手が、テーブルの上に出された。
第22(28)話 挑戦者ミキオ
「赤Gを配備します」
先攻となった真理はそう宣言し、そのままターンを終了した。
出された赤基本Gは翼のマーク…第4弾「新しき翼」のものだ。
出された赤基本Gは翼のマーク…第4弾「新しき翼」のものだ。
「オレのターン、ドロー!」
ミキオは威勢よくカードを手札に加える。
7枚になった手札から、すぐにこのターンに使うカードを決めた。
7枚になった手札から、すぐにこのターンに使うカードを決めた。
「特殊G、ギンガナム軍を配備。さらに、ボルジャーノン《15》も配備!」
「了解です」
「ターンエンドだぜ」
「了解です」
「ターンエンドだぜ」
今引いたばかりのユニット展開し、そう宣言するミキオ。
出だしは悪くない。
出だしは悪くない。
「私のターンです」
「ミキオのMFはすっごく強いんだよ~☆」と、ナツキがまるで自分のことのように自慢していたのを思い出し、真理は隣で対戦する彼女をチラリと見て、カードを引く。
配備フェイズに入り場に出したカードは、2枚目の赤基本G。
ターンエンドを告げる真理。ミキオは頷いてカードを引いた。
配備フェイズに入り場に出したカードは、2枚目の赤基本G。
ターンエンドを告げる真理。ミキオは頷いてカードを引いた。
「お互いに、本格的に動き出すのはたぶん、4ターン目…それまでにこのボルジャーノンでちょっとばかし”小遣い稼ぎ”させてもらうぜ」
「解体ユニットの特権です。どうぞ」
「解体ユニットの特権です。どうぞ」
配備フェイズに茶基本Gを出したミキオ。
真理は戦闘フェイズを許可し、出撃したボルジャーノンから本国に2ダメージを受ける。
真理は戦闘フェイズを許可し、出撃したボルジャーノンから本国に2ダメージを受ける。
「ターンエンド」
「私のターン。配備フェイズ、故障《23》のカードをヴァリアブルで場に」
「オッケー。リングには届かないコマンドだしな」
「私のターン。配備フェイズ、故障《23》のカードをヴァリアブルで場に」
「オッケー。リングには届かないコマンドだしな」
ミキオは逆さまで場に出されたカードを確認し、そう言う。
真理は「そうですね」とターンを終了した。
真理は「そうですね」とターンを終了した。
「よっしゃ!配備フェイズだ!」
ターンを貰ったミキオは、3枚目となるG…エネルギー吸収をヴァリアブルで宣言する。
相手はタメGの1枚も出していないし、こうすることでボルジャーノンはあと1回攻撃できる。
相手はタメGの1枚も出していないし、こうすることでボルジャーノンはあと1回攻撃できる。
「戦闘フェイズ、地球にボルジャーノンを出撃!」
真理はこのターンも2ダメージを受け、ターンを貰う
カードを引き、配備フェイズに赤Gを配備する。
カードを引き、配備フェイズに赤Gを配備する。
「これで4国力…」
ミキオは先攻を取れなかったことを今更ガッカリしつつも、アレを引いてなければいいなと思った。
しかし、そんな彼の願いも虚しく真理は「資源2を支払い…」と手札のカードを表にする。
しかし、そんな彼の願いも虚しく真理は「資源2を支払い…」と手札のカードを表にする。
「ハンマ・ハンマ&R・ジャジャのプレイは?」
「了解…平気な顔でエグいユニット使うんだもんなぁ」
「了解…平気な顔でエグいユニット使うんだもんなぁ」
ミキオは頭をぐしゃぐしゃとしてそう愚痴る。
真理は「では、笑いましょうか?」と冗談をひとつ言って、もう1枚の手札を取る。
真理は「では、笑いましょうか?」と冗談をひとつ言って、もう1枚の手札を取る。
「ブーストでギラ・ズールも配備」
「…ギャッシマー対策?」
「…ギャッシマー対策?」
出されたユニットに、ミキオは物珍しげにそうコメントする。
天敵であるギャプラン&アッシマーのマイナス修正からハンマ・ハンマ&R・ジャジャを守れるユニットであることは確かだ。
真理は「そんなところです」と返して戦闘フェイズを宣言し、ハンマ・ハンマ&R・ジャジャの効果でユニットを2枚ともリロールする。
天敵であるギャプラン&アッシマーのマイナス修正からハンマ・ハンマ&R・ジャジャを守れるユニットであることは確かだ。
真理は「そんなところです」と返して戦闘フェイズを宣言し、ハンマ・ハンマ&R・ジャジャの効果でユニットを2枚ともリロールする。
「宇宙にギラ・ズール、地球にハンマ・ハンマ&R・ジャジャを出撃させます」
「7ダメージか…受けるぜ」
「ターン終了です」
「7ダメージか…受けるぜ」
「ターン終了です」
ここまでは想定の範囲内だ。ハンマ・ハンマ&R・ジャジャは、どの道必ず越えなければいけない壁。
そう内心で己を鼓舞し、ミキオはカードを引く。
そう内心で己を鼓舞し、ミキオはカードを引く。
「ボルジャーノンを解体。ローズガンダム(ローゼスハリケーン)を配備だ!」
「”ダメージのほう”のローズガンダムですね」
「”ダメージのほう”のローズガンダムですね」
ギラ・ズールは前記の通り”マイナス修正のみ”を抑止する。
同じローズガンダムでも、ローゼススクリーマーはマイナス修正効果で、ローゼスハリケーンはダメージ効果。
こちらのローズならば、この状況でもハンマ・ハンマ&R・ジャジャを牽制できる。
同じローズガンダムでも、ローゼススクリーマーはマイナス修正効果で、ローゼスハリケーンはダメージ効果。
こちらのローズならば、この状況でもハンマ・ハンマ&R・ジャジャを牽制できる。
「ターンエンド!」
ミキオは「これでどうだ!」と言わんばかりにハンマ・ハンマ&R・ジャジャを指差す。
真理はカードを引くも、黒の部隊を配備した後は手を動かすことなくターン終了を宣言した。
ミキオは無表情を保つ真理の顔をうかがうも、赤毛の向こうの黒い瞳は何も語らない。
真理はカードを引くも、黒の部隊を配備した後は手を動かすことなくターン終了を宣言した。
ミキオは無表情を保つ真理の顔をうかがうも、赤毛の向こうの黒い瞳は何も語らない。
姉さんや武志センパイとは違いリアクションが最低限なぶん、こっちが優勢なのかの判断がつかねぇ。
と、ミキオは彼女の顔をうかがうのを止め、カードを引いた。
と、ミキオは彼女の顔をうかがうのを止め、カードを引いた。
「配備フェイズ、サイ・サイシー《24》をハリケーンローズにセットッ!」
サイ・サイシーは資源1を払うことによって、自身に+1/+1/-1コインを1個乗せることが出来るキャラクター。
1ターン中に2回まで使用でき、さらに速攻もあるため交戦はかなり有利となる。が、防御力が下がるので思わぬところで撃破されてしまう側面も持っている。
1ターン中に2回まで使用でき、さらに速攻もあるため交戦はかなり有利となる。が、防御力が下がるので思わぬところで撃破されてしまう側面も持っている。
「戦闘フェイズ、リングに攻撃だ!」
「通した場合、ハンデスと最大で8ダメージ…」
「通した場合、ハンデスと最大で8ダメージ…」
真理が思考したのは数秒だった。
ギラ・ズールのカードを手に取り「防御に出撃させます」と一言。
ギラ・ズールのカードを手に取り「防御に出撃させます」と一言。
「防御出撃後、ハリケーンローズの効果で5ダメージを与えて、ギワ・ズールを撃破!」
「了解。ダメージ判定までどうぞ」
「オッケー。規定前にコインを2枚乗せるぜ…攻撃力8だ!」
「了解。ダメージ判定までどうぞ」
「オッケー。規定前にコインを2枚乗せるぜ…攻撃力8だ!」
真理は本国のカードを8枚捨て山に送る。
これでローズガンダムは格闘8、耐久4の速攻持ちとなった。
コインであるため、修正は継続される。つまり、耐久が足りないと思ったときに元に戻すことは出来ないのだが、ミキオに迷いはない。
これでローズガンダムは格闘8、耐久4の速攻持ちとなった。
コインであるため、修正は継続される。つまり、耐久が足りないと思ったときに元に戻すことは出来ないのだが、ミキオに迷いはない。
「ターンエンド」
「配備フェイズ、密約をこちらにプレイ」
「配備フェイズ、密約をこちらにプレイ」
カードが増える。
真理の場の国力は順当に並んでいるため、引いたカードは即戦力化できるだろう。
観戦していた姉さんは、ぼんやりとそんなことを考えた。
真理の場の国力は順当に並んでいるため、引いたカードは即戦力化できるだろう。
観戦していた姉さんは、ぼんやりとそんなことを考えた。
「クシャトリヤを配備」
「…オーケー。コイツは厳しい」
「…オーケー。コイツは厳しい」
ミキオは身構える。
テキストを無効にすることが出来る能力を有した大型ユニット。
これで、ローズでは場が持たなくなったのは明白。
テキストを無効にすることが出来る能力を有した大型ユニット。
これで、ローズでは場が持たなくなったのは明白。
「攻撃ステップ、クシャトヤのテキストを起動」
「ハリケーンローズのテキストは無効か…オッケー」
「ハリケーンローズのテキストは無効か…オッケー」
攻撃規定で、宇宙にクシャトリヤ、ハンマ・ハンマ&R・ジャジャを地球に出撃させる真理。
今の赤中速帯デッキの黄金コンビ。コイツらを超えるためには…。ミキオは手札のカードを見ながらそう考える。
今の赤中速帯デッキの黄金コンビ。コイツらを超えるためには…。ミキオは手札のカードを見ながらそう考える。
「きわどいな…防御規定前。ハンマ・ハンマ&R・ジャジャにコマンドカード、ローゼスビットを使いたいッ!」
「ダメージカード…仕方ありません。了解です」
「ダメージカード…仕方ありません。了解です」
2ダメージと威力は低めだが、耐久の低さが弱点としてデザインされているハンマ・ハンマ&R・ジャジャは十分落とせる。
本来ならローズの効果で潰しきれない大型ユニットへのダメージ増量用だったが、こういう使い方も出来る。
ミキオが本国に5ダメージを受けたのを確認した真理は、クシャトリヤを帰還させる。
本来ならローズの効果で潰しきれない大型ユニットへのダメージ増量用だったが、こういう使い方も出来る。
ミキオが本国に5ダメージを受けたのを確認した真理は、クシャトリヤを帰還させる。
「ターン終了」
「おっと、そっちの帰還ステップ!ドラゴンガンダァム(真・流星胡蝶剣)をクイックで配備するぜッ!」
「おっと、そっちの帰還ステップ!ドラゴンガンダァム(真・流星胡蝶剣)をクイックで配備するぜッ!」
ミキオはペチリと音を立てて、そのカードを場に配備した。
破壊されれば交戦中の敵を相打ちに仕留め、リングで落ちれば手札に戻ることが出来るテキストを持ったドラゴンガンダムのバリエーションユニットだ。
破壊されれば交戦中の敵を相打ちに仕留め、リングで落ちれば手札に戻ることが出来るテキストを持ったドラゴンガンダムのバリエーションユニットだ。
「クシャトリヤがテキストを無効に出来る対象は1枚…数で押すぜ!数でッ!」
ミキオはターンを開始し、2枚のユニットを起こした。
クシャトリヤがローズのテキストを封じたところで、ドラゴンを倒せば相打ち。
逆に、ドラゴンのテキストを消せば、今度は「待ってました!」とばかりにローズのテキストが火を噴く。
クシャトリヤがローズのテキストを封じたところで、ドラゴンを倒せば相打ち。
逆に、ドラゴンのテキストを消せば、今度は「待ってました!」とばかりにローズのテキストが火を噴く。
「攻撃ステップ、真・流星ドラゴンがリングッ!ハリケーンローズが地球だーッ!」
手早くカードを移動させるミキオ。
真理は黙ってそれを見ていたが、彼が出撃を宣言したところでやっと口を開いた。
真理は黙ってそれを見ていたが、彼が出撃を宣言したところでやっと口を開いた。
「…私のここでの判断は、これ以外ありません」
真理はすっと手を出す。
つづく
txt:Y256
初出:mixi(10.05.11)
掲載日:10.05.11
更新日:10.05.11
掲載日:10.05.11
更新日:10.05.11