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第23(29)話 のびしろ



真理がデッキを取りに戻っている間に、ナツキと武志はテーブルの右端を対極に陣取って、対戦の準備を始めた。

「さっき使ってたのとは違うデッキ?」

ナツキは細い指で器用にデッキをシャッフルしながら、今しがた武志が荷物から出したばかりのデッキを見てそう言った。
機嫌がいいのか、どこかノリがいい彼女に、武志は「ん?あぁ」と手を止めてデッキを見る。

「さっきのデッキがいい?」

武志は、テーブルの端に置いてあったデッキを手元に引き寄せてそう聞く。
エクシアのイラストが描かれたブルーのデッキケースに入ったデッキだ。

「どっちでもいいよ♪武志っちの好きなほうで~☆」
「なら、今回はこっちだな」

と、ちょうど10枚切りのシャッフルを終えたばかりのデッキを指す。
青赤タッチ黒00(武志命名)はミキオとタンサンを相手に、十分な使用感を得た後だったので、持ってきている他のデッキも試したかったのだろう。即答だ。

「はい、じゃーんけーん!」

ナツキはぶんぶん手を振ってそう言う。
武志も「おう」と腕をまくって答える。

真理が帰ってきたようで、ミキオが何かを彼女に言っていたが「ぽん!」と強い口調のナツキの声にかき消される。
じゃんけんの結果、先攻はナツキに決まった。

「青基本Gを配備ー」

ナツキは手札のカードを1枚場に出す。
彼女が青デッキだとお互いに最初から解っていただけに、武志も無駄にコメントはしない。
「Gの色はいい。どんなカードを使ってるのかに興味がある」といった顔である。

「ターン、エンド」
「俺のターンだな。配備フェイズまでいって、黒の部隊を配備」

武志は、カードが加わった手札から1枚のGカードを出す。赤の特殊Gだ。
青赤じゃないデッキだとは想像していたが、こっちも赤絡みのデッキか。とナツキは少し思う。

「ターン終了だぜ」
「よし。じゃあウチはぁ…」

ナツキは――2枚目となる――青基本Gを出し、そのままターン終了を告げた。
武志の後ろには、ああでもない、こうでもない、とデッキを構築するタンサンが見えた。

「俺は従属者を配備」
「ウチはホワイトベース隊を配備」

お互いにGカードを並べ、ナツキは青3国力、武志は赤2国力となる。
武志は3ターン目を開始し、カードを手札に加えた。

「紫基本Gを配備」
「あ、赤紫デッキかー!」

ナツキは「おぉ」とモノクロ柄の基本Gを指した。
これでデッキのタイプは絞られたかな?とナツキの顔を見る武志だったが、当のナツキはそんなに多くのカードを知らないためか、無垢な笑みを浮かべて「よーし、ガンバるぞ~」と拳をグッと握った。

「サラサ再臨をプレイして…手札からGNアーチャーを配備!」

GNアーチャーは、3国力としては破格の戦闘力とダメージテキストを持ったユニットで、ルール改定後の00ユニットらしいパワーカードだ。

「ターン終了だ」
「ウチのターンね☆」

ナツキは手札にカードを加え「惜しいなぁ…」とアナハイム・エレクトロニクスのカードを表にして、ホワイトベース隊の効果を宣言した。
「4国力目か」と口に手を当てる武志の前に、間髪いれずにナツキはユニットカードを出す。

「リゼルをプレーイ☆本国のカード7枚からのサーチは…ZZガンダム&Zガンダム!」
「いきなりあたりかよ…了解だ」
「んじゃ、攻撃いっくよ~!」

ナツキは宇宙にリゼル、地球にZZガンダム&Zガンダムを出撃させる。
GNアーチャーの脅威がある中でZZ&Zを防御に使わないのはなかなか攻撃的だな、と思いつつ手札のカードを確認する武志。

「武力による戦争の根絶をプレイ。せっかく引いたところ悪いけど、ZZ&Zは本国の下に戻ってもらうぜ」
「あ~インチキ臭~」

ナツキはテキストを読んで頬を膨らませる。
武力による戦争の根絶は2つの効果がある汎用コマンドで、今回使ったのは第1テキストである「プレイ以外の方法で場に出た敵軍ユニット1枚を、本来の持ち主の本国の下に移す。」だ。
このターンの攻撃は、リゼルの3点のみが通った。

「ターン、エンド」
「よし、俺のターンだ」

火力をメインに考えていた武力による戦争の根絶が上手い具合に刺さったな。とジャンクヤードにあるそのコマンドを眺めながら武志はカードを引く。

「赤基本Gを配備。攻撃ステップ、GNアーチャーを宇宙に出撃させるぜ」
「本国に4ダメージね」
「ロールして、リゼルに3ダメージで撃破!」

ナツキは前のターンから覚悟していたためか、小言も言わずリゼルをジャンクヤードに移す。
それを見た武志は、GNアーチャーを帰還させターンを終えた。

「ドロー…あはっ☆ニュータイプの再来引いた~!2ドロー!」

ナツキは手札に加わったカードから「青基本Gを配備するね」とGカードを場に出す。
さらにこの5ターン目はこれだけでは終わらない。

「ユニコーンガンダム!」

手馴れた感じで『箱』をセットし、カットを願い出るナツキ。
多くのカードが姉さんを通し武志から貰ったものである彼女のデッキにおいて、自分自身でパックから引き当てた数少ないカードの1枚だ。
武志は手渡されたカードの束を軽くシャッフルし、元の場所に戻す。

「箱オープン!…ジュドー・アーシタ《EB3》をセットして、戦闘フェイズ!」

ナツキは、ユニコーンガンダムに裏向きでセットされていたそのカードをユニコーン自身にセットする。
移動せずロールしないテキストに加え、5国力の戦闘修正とバルチャー…青屈指の強キャラクターだ。

「宇宙に出撃するよ!」
「6ダメージ通しだぜ」

「おっし、俺のターンだね。ドロー」と武志はターンを開始した。
手札に加わったカードをすぐにGNアーチャーにセットする。…マリー・パーファシーのカードだ。
キャラクターか、ユニット以外のデュアルカードを指定することで、1ドローすることが出来るデュアルキャラクター。
この状況であれば、ナツキ側のジュドーを指定することでカードを引くことが出来る。

「ジュドーを指定してドロー…やっと来たぜ、紫G!…ガンダムエクシア(トランザムモード)を配備!」
「…赤っ」
「宇宙にGNアーチャー、地球にトランザムエクシアで出撃だぜ!」

特殊兵装の効果を宣言し、捨て山を見た後に出撃を宣言する武志。打点は一気に10点まで伸びる。
ナツキの本国は一気に大量のカードを捨て山に送ることになった。
ターン終了を宣言する武志の顔をうかがいながらも、ナツキは「負けないもん!」と自分の本国に手をかける。

「ドロー…こ、このカードは!」

「なんだよ、その定番の台詞」と武志は面白がって笑う。
ナツキは、かまうことなくそのカードをプレイする。

「量産型νガンダムを…配備!」


つづく


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txt:Y256

初出:mixi(10.05.12)
掲載日:10.05.12
更新日:10.05.17