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第43(49)話 クイックトリガー



「対ガンダム調査隊をプレイ」

じゃんけんで先攻を手にしたタンサン。
一番最初にプレイしたのは、やはり緑のGカード。
彼は緑と黒のカードを集めていたが、対戦となれば緑のデッキを使うことが多かった。
最初に集まった勢力だから、というのも大きな理由だが、3、4ターン目に打点を出しやすいデッキであるところが好きだったのだ。

「ホワイトベース隊を」

ターン終了を告げるタンサンの前に座っているのは、スキンヘッドにあごひげを生やした筋肉質な大男。
手に持ったカードを今にも折り曲げそうな勢いだったが、それはさすがにないよな、とタンサンは内心苦笑した。
だが、人と言うのは見かけ通りではないものだ。と思い直す。
髪を金色に染めたミキオが面倒見が良い奴だったり、一見大雑把そうに見えるナツキが器用だったり、という感じである。

「ターン終了」
「ドロー、配備フェイズ。特別隊員をプレイ」

相手の太い声に諭されて、タンサンは第2ターンを開始する。手始めにプレイしたのはドップ(ガルマ・ザビ機)。
ターン終了時にドローする効果…俗に言うキャントリップが付いた戦闘機ユニットだ。
手札を減らすことなくプレイできるユニットである以前に、今の緑勢力ではその”名称”も重要な採用要素となっている。

「ターン終了。1ドロー」
「俺のターン。ドロー」

配備されたのは、黄色いシンボルマークが付いた茶基本G。絵柄はジャミル・ニートだ。
『青』と『茶』…一見関連性の無いような色同士に見えて、相性の良いカードが多い組み合わせである。

「攻撃ステップ、換装するぜぇ?」
「”シャルマ”か」

場のユニット…ドップ(ガルマ・ザビ機)から換装できるのユニットの俗称を口にする相手。
タンサンは頷き、シャア専用ザクII&ザクII(ガルマ・ザビ機)のカードをドップと置き換える。
このカードが持つ換装の対象はは「名称:シャア専用」と「名称:ガルマ・ザビ機」なのである。
よって、ザク同士のコンビでありながら、シャア専用ズゴックやドップ(ガルマ・ザビ機)などからの換装が可能なデザインなのだ。

「ターン終了だが」
「帰還に再びドップ(ガルマ・ザビ機)を」

相手は許可し。ドローを促すような口調で再びターン終了を宣言した。
タンサンはカードを加えて自らのターンを開始する。

「紫基本Gを配備」
「緑紫00…」

モノクロの紫基本Gを見て、初めて相手は「そっちか」という顔になる。
現在の緑デッキは流行のデッキタイプだけでも数種類あり、中核を担うパーツは多くが共通であるため対戦中に判断するのが難しい。
当の対戦相手も、さすがに”動きの悪い緑ウィニー”だとは考えてはいなかったが、緑中あたりだろうかと当たりをつけていたのだ。

「予想外っすか?」
「想定内だ」

つまり予想外だろう?とタンサンは次のカードを手にする。
相手には場の準備も心の準備もさせない。それがこの”先攻3ターン目”の特権。

「アドヴァンス箔押し…スローネヴァラヌスを配備!」
「しかもジンクス。3ターンから高打点が特徴」

概論を述べるような喋り方で相手は口に手を当てる。
外見とは違って結構インテリなのか?とタンサンは相手の視線を覗う。
手札への視線の移動はない。打てる手は無いのだろう。

「ブーストでジンクスIII(ルイス機)を配備して、エリク・ブランケをヴァラヌスにセット。戦闘フェイズ!」

畳み掛けるタンサン。攻めるときには一気に攻めるのも大切だ。
ジンクス系2枚が持つ特殊兵装をそれぞれ宣言するも、擬似太陽炉は見つからない。
しかし、打点が伸びなかったとしても現有戦力の攻撃力は先攻3ターン目にして驚異的だった。

「ヴァラヌス、コンビザク、ドップを地球エリアに出撃させる。コンビの効果でサイズと速攻を得る」

タンサンが一列で戦闘エリアに移したユニット郡。
やはり相手はまったく触れない様子で、「オーケー、いいだろう。防御ステップにでもいってくれ」と手を振る。

「エリクの効果を使用!11ダメージだ」
「むう…」

タンサンは資源を払い、エリクの後ろに並んでいたユニット2枚を手札に戻す。
エリク・ブランケは、部隊にいるセットされたユニット以外のユニットを手札に戻して部隊戦闘力ぶんのダメージを敵軍本国にあたえるキャラクター。
多くの緑デッキの切り札キャラクターとして採用されているカードだ。

「ダメージ判定ステップ規定はそのヴァラヌスから6ダメージ受ける」
「帰還して、ターン終了」

タンサンは高揚した表情を見せつつ、スローネヴァラヌスを手元に戻す。
5回戦にしてやっと、本日最高の動きができたのだ。無理も無い。
相手はカードを引いて少し考える。手札は7枚に増えていた。

「ホワイトベース隊を起動、茶基本Gを本国の下へ。ユニコーンガンダム&バナージを配備」

相手の手は鈍い。
常に考えながらカードを置いているかのようだった。
考える局面ではない、持っているカードでこっちの攻撃を阻止できなければ、次の攻撃で確実に負ける。とタンサンは思う。

「戦闘フェイズ」
「…了解。ドップ(ガルマ・ザビ機)をクイック配備、コンビザクに換装」
「ターン終了だ」

今度はタンサンが覗う番だ。
相手の残りの手札は5枚。そして、タンサンの攻撃が全て通れば相手は致命傷。
この「戦う気」は、絶対に”致命傷を逃れる何か”を持っている。と彼は確信する。

「配備フェイズ…。戦闘フェイズ」

タンサンは考えながらも口を動かす。
特殊兵装はまたも発見できず、ドップを加えて前のターンと同じ部隊が組めるようになる。

「攻撃規定でヴァラヌス、コンビザク、ドップを地球エリアに、ルイスジンクスは宇宙に出撃させる!」

エリクの部隊は前のターンと同じく合計で17ダメージ。ルイス機単機の3ダメージも加えると、20打点。
前のターンと合わせて37ダメージ…回復もなしに生き残ることは不可能だ。

見せてもらおうか、「戦う気」の正体。
タンサンは相手の手札を見据える。

「ボウス、先に動いたほうが勝つってモンじゃない」
「…確かに」

相手はタンサンが組んだ部隊を見ながらそう口にし、手札のカード1枚を抜き取る。
感じていた「戦う気」が露になる。
考えていたのは、このカードで防げるかどうか、か?とタンサンは頷く。

「攻撃ステップ規定後…一時休戦をプレイする」


つづく


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初出:mixi(10.07.19)
掲載日:10.07.19
更新日:10.07.20