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報道された戦争が撃たれる。
そのXの値は…お互いの手札の枚数でもある『2』―。

「これがこのデッキの勝ち筋だ。あきらめろ」

「お前の負けだ」と突きつけられる、言葉。
常冶がジャンクヤードに投げ捨てたのはGNセファーと紫基本G。対するミキオはローズガンダム(ローゼスハリケーン)とギンガナム軍をジャンクヤードに静かに置いた。
攻撃規定前に、最後の照準でカプル(コレン機)が破壊され、ラジエルは無人の戦闘エリアに駆けた。
効果でGNアーチャーと紫基本Gが表になり、手札に加わったのはGNアーチャー。それでターンは終わった。

「ドロー…ACEでGとディアナ帰還をロールして、追加ドロー」

宝物没収をプレイし、3枚に増える手札。4枚目のGに続いてプレイされたのは、共闘戦線だ。
さすがに盤面は苦しいな…とミキオは1枚きりの手札を握った。


第46(52)話 既存系をブチ破れ



勝てるデッキというのは、環境にそう多くあるものではない。
それを踏まえた上で勝てるデッキの構造を理解し、きっちり動かすことによってのみ勝利を手にすることが出来るのだ。
的場常冶はそう考えている。

「赤中に速度的に有利であり、緑ウィニーよりも汎用性がある黒紫ラジエルデッキを俺は選んだ」

ハナヨをロールして本国の上のカード2枚を見た彼は、入れ替えないことを宣言する。
手札のほうが良いカードだと考えるのが妥当…先ほど効果で加わったGNアーチャーか、とミキオは――入れ替わらなかった――相手の手札見る。

「だがお前には…お前のデッキには何がある?この場に立つことができた”運”か?」

常冶はGNアーチャーをプレイしながらミキオに問う。
現在の黒紫デッキには配備エリアを射程に収める3点火力を持つユニットが2種類採用されており、GNアーチャーはその1枚だ。
最後の照準と合わせて敵軍ユニットを簡単に焼き払うこのユニット郡は、中速ユニットですら破壊できる性能を持っている。

「戦闘フェイズ、ガンダムラジエルを宇宙に出撃させる」
「4ダメージ受けるぜ」

ミキオは本国のカードを捨て山に移し、常冶は本国と捨て山のカードを表にした。…どちらも、紫基本G。
捨て山のカードはハナヨで見て資源として支払ったいわば”いらないカード”であるが、本国も同様のだったようだ。

「ターン終了」
「待ってろ、これからだ」
「フン」

ミキオは未だ強気に返すが、常冶は気にも留めない。
ACEの効果でオペレーション2枚をロールし、カードが加わったミキオの手札は3枚。
配備フェイズに移り、まず場に加えたのは5枚目の茶G。

「ガンダムシュピーゲル(シュツルム・ウント・ドランク)をプレイする!」
「…」

そのまま戦闘フェイズを宣言するミキオ。
いつもであれば、ウント・ドランクを配備したところからミキオは強気の攻めに転じるのだが、このゲームばかりはそういった風ではない。
既に展開された強力な敵軍ユニットのせいではなく、報道された戦争の”余波”によってウント・ドランクがどうなるかが目に見えているからである。

「それでも、オレは攻めなきゃならねーよな…攻撃規定前、5枚のGをロールしてACEは地形適正を得る。さらに、ウント・ドランクをリロール」
「ではこっちも規定前だ。最後の照準をウント・ドランクに4回使用する」

取り除かれたのは、常冶のジャンクヤードにある紫基本GとGNセファー、ミキオのジャンクヤードの茶Gと、――最後の照準で撃墜された――カプルだ。
ミキオはカットインもせずにウント・ドランクをジャンクヤードに移す。
コマンド以外のカードでれば除外することが出来るこのカードの火力は…破壊したユニットもまたコストに出来るため連鎖するのだ。

「それで?」
「攻撃規定…ゴッド&ドモンが地球に出撃だ!」
「6ダメージ受ける」

常冶は本国のカードを6枚捨て山に移す。このダメージで、お互いの本国は同じくらいの厚さになる。
報道された戦争で手札は大きな損害を出したが、打点は緑ウィニーほどではない。

もっとも、ディアナ帰還も迂闊に使用することが出来ない現状で打点を受け続ければ、間違いなく負けるのはミキオだ。

「ハナヨを宣言する…この2枚はチェンジだ」

手札を入れ替えながら、そう宣言する常冶。
本国へ送ったのは先ほど引いてしまった紫基本Gだろう。

「配備フェイズ、アルベオ・ピピニーデン《17》をガンダムラジエルに。戦闘フェイズ」
「問題ねーぜ」

速攻とドロー効果を持ったキャラクターがセットされラジエルが強化されると、宇宙にGNアーチャー、地球にガンダムラジエルが出撃した。
もちろんミキオには防ぐ余力は無い。9ダメージだ。

「表になったのは…本国のセファーラジエル(第一形態)と、捨て山の紫基本G」

名前を呼び上げ終わる前に、セファーラジエル(第一形態)を手札に加える常冶。ピピニーデンの効果が起動し、さらに本国のカードをさらに引く。

効果で表になったセファーラジエルは、ハナヨの効果で沈めたもの。
紫基本Gをあわせればこのターンに配備可能だったはずだが、ドローのあるピピニーデンを選んだということか、とミキオは考える。

「ターン終了だ」
「ドローとACEドロー。配備フェイズ、戦場の鈴音をプレイ…ハンガーにギンガナム軍と御大将」

相変わらず出撃できるのはACEのみというミキオの場。
次に配備されたのはハンガーからの6枚目の基本G。これでゴッドガンダム&ドモンは防御にも出撃が可能となった。
御大将で捨て山から3枚のカードを引き…黙るミキオ。

「こっちは以上だぜ?」
「攻撃規定後、セファーラジエル(第一形態)に換装だ」

既に解っていたが、どうすることも出来ない。
それに、換装の存在を知らずともハナヨの第2効果でリロールすることが出来るラジエルを前に、ゴッドガンダム&ドモンが出撃するということはありえないのだ。

「ターンエンド。御大将の待機中の効果、Gとボルジャーノンを廃棄だ」

ドローしてハナヨの効果を宣言した後、ラジエルを再配備する常冶。

「宇宙にセファーラジエル。地球にラジエルとGNアーチャーを出撃させる」

常冶は坦々と、そして正確にユニットカードを動かした。
そのダメージは12。ミキオの本国にトドメを刺すには十分だ。

「オレが取れる選択肢は…ふたつ」

ミキオは場のカードに目配せする。
地球をACEで守りACEでラジエルと相打ちするか、ディアナ帰還で6枚本国を回復し耐え切るか。
どちらの選択肢もギリギリのもので、どちらを選んでもこのゲームを凌げるかは、怪しい。

「いや…3つだ」
「教えてくれんのかよ?」
「フン、投了を忘れてると言っている」

短く舌打ちをしながら、ミキオはGカード手にした。選んだのは…ディアナ帰還。
シャイニングガンダム《16》、ドモン・カッシュ《EB2》、宝物没収、出土品、ニュータイプの排除、Gカードがジャンクヤードに落ちる。

「12ダメージを受けて、残りは6枚」
「ターン終了」

ミキオはカードを引くも、ほどなくターンの終了を告げる。
最後の照準は6回使用可能な状況で、さらに火力ユニット2枚。
常冶の場は完成しつつあった。

「何に強いのか即答できないようなデッキを使ってよくここまで来れたものだ!」

常冶は強くそう言うと、3枚のユニットカードをそれぞれの戦闘エリアに移動させた。
先ほどと同じ攻撃。12ダメージ…今回はディアナ帰還で耐え切れる量ではない。

「オレのデッキが何に強いか、だって?」

ミキオは手札のカードを1枚引き抜きながらそう言う。
口元には笑みに、常冶は「あぁ」と静かに返す。

「”んなこと”はどーでもいいんだよ」
「どうでもいい?」
「数え切れないカードからデッキを構築する…”自分だけの50枚”をな。それって最高にワクワクするじゃねーか!」

彼が表にしたのは、昨日の敵は。
そのカードを確認しながら常冶は息を呑む。
ミキオのジャンクヤードには合計国力4を持つ、シャイニングガンダムが見えていた。

「だろ?」

シャイニングガンダムがジャンクヤードから常冶の配備エリアに出て、出撃中だった常冶のセファーラジエル(第一形態)がミキオの手元に移る。
攻撃側の部隊は、事実上1つ無くなった。
セファーラジエルにはピピニーデンもセットされており、シャイニングガンダムとはセットグループの出来が違う。と、常冶は下唇を噛む。

「…く!」

常時はミキオのジャンクヤードを確認する。
セファーラジエルとの交戦は避けなくてはならない。

「さ、」
「Gカード5枚とピピニーデンをロール。ゴッド&ドモンは地形適正を得るぜ!」
「…?」

常冶が最後の照準を宣言しようとしたとき、ミキオが口を開いた。
恐れていた交戦は発生しない…?と改めて場のカードを見るが、そこで彼は息を呑んだ。

「オレのロールコストは、まだ”3枚残ってる”」

ミキオはスッとゴッドガンダム&ドモンをラジエルとGNアーチャーの向かい側に出す。
姉さんから貰ったシリコンリングが目に入る。

「テンプレデッキでキッチリ勝つ?オレはそんな面白味がないのは…御免だね。好きなカードを使うし、それで勝つ!」

ミキオは、オペレーション2枚と残った1枚のGカードをロールした。
ゴッドガンダム&ドモンの第3の効果…高コストゆえ無いも同然だったその効果が発動した。

「これが、オレのゴッドフィンガーだッ!!」


つづく


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txt:Y256

初出:mixi(10.07.23)
掲載日:10.07.23
更新日:10.07.27