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「…防御するかい?フルバーニアン」

ミキオは、場に出されたガンダム試作1号機フルバーニアンを見て東にそう問う。
ノーベルガンダム(バーサーカーモード)がいるのは宇宙エリア。北極基地が防御できないエリアを選んだが、ちょうどフルバーニアンの適正エリアに躍り出た形となった。

「いや、まだ俺の本国は耐えられる」

東は言いきる。ダメージを1度も受けていない彼の本国は30枚以上ある…単純計算でバーサーカーモードの攻撃を2回は受け流せる枚数だ。
速攻ユニットを使って追い詰めた相手本国を前に、むざむざフィニッシャーを手放すわけにはいかない。
ノーベルガンダム(バーサーカーモード)の前に生贄とばかりに差し出されたのは、ボール改修型。

「一応…守らせてもらう」
「そうかい。じゃあ強襲で本国に13ダメージだ!」

ボールは簡単に撃破され、13ダメージを受ける東の本国。
防御をケチった代わりに、場にはプロトタイプガンダム、ガンダムMk-II、フルバーニアン、手札にマシンガン装備という戦力を残していた。

「ターンエンド」


第3(59)話 ビハインド・アタック



東は4度目の自軍ターンを始めた。
ドローフェイズ規定の効果でカードを引き、本国は残り17枚になる。

「相手の本国は残り14…このターンでいけるか?」

自問するように、東は換装で手札に戻っていたガンダム試作1号機ゼフィランサス(マシンガン装備)を配備した。
ミキオは場にあるカードの戦闘力を計算する。格闘力が高いユニットは多いが、どれも射撃力は1だ。

「マシンガン装備にロン・コウをセット」

東がプレイしたのは、ウィナーズブースターにも再録されている国力を発生するキャラクターだ。射撃修正が2であるなど、戦闘の面でも侮れない。
ミキオの目測ははずれ、マシンガン装備は一気に射撃もこなせるユニットとなる。

「これは…」
「いくぞ、戦闘フェイズ!地球にガンダムMk-IIとマシンガン装備、宇宙にフルバーニアンを出撃させる!」

これで終わりだ、と言わんばかりの攻撃力。
シロー・アマダの効果を使用すると考えて、地球エリア8ダメージ、宇宙エリア7ダメージの合計15ダメージだ。

「…」

東は丁寧に戦闘エリアにユニットを並べる。
もしミキオの手札にカプル(コレン機)が握られていたとしても、速攻を持たないためフルバーニアンを弾くことはできず、資源を合わせて10枚は本国を削れる。
次ターンのバーサーカーの攻撃をプロトタイプガンダムで減殺して、もう一度フルバーニアンで攻めれば…。
そこまで読んで、東は目を見開いた。

「いける!」
「甘いぜ!」

かぶせるようにミキオが口を開いた。
どちらのプレイヤーも、まだ防御ステップの開始を宣言していない…そのタイミングだ。

「地球エリアにウォルターガンダム(アタックモード)を出すぜ!」
「ハリソン機…モドキみたいなっ」


東が出撃させた地球エリアの部隊…その先頭であるガンダムMk-IIの前に立ちはだかったのは、球体のMF。
ウォルターガンダム(アタックモード)は本来5国力のユニットであるが、4国力発生していれば、攻撃ステップにユニットがいる戦闘エリアに出すことが出来る奇襲能力を持っていた。
その効果は、さながらガンダムF91(ハリソン機)のようであった。

「ちょっと待ってくれ」

変化した状況に東の頭には別の計算がめぐる。地球の部隊はもう虫の息だが、フルバーニアンの7ダメージは通る。
ということは、カプル(コレン機)を出された場合とそう差は無い。さっきの計算で大丈夫だ、相手はフルバーニアンを防御できない!
そこまで考えて東はミキオを見る。

「…?」

フルバーニアンを防御できたはずのウォルターガンダムをなぜ地球に…?と。
疑問が顔に出たのか、ミキオは「答えはこれだぜ」と手札を1枚表にする。

「ウォルターガンダム(アタックモード)をウォルターガンダムに換装だ!そして…」
「!…まずい」
「今度は宇宙エリアにウォルターガンダム(アタックモード)!」

介入と換装、そして介入。ミキオのユニットは一気に増え、そのどれもが東のユニットを凌駕する性能であった。
東はお手上げとばかりにダメージ判定ステップ規定の効果まで何も出来ないことを宣言する。

地球エリアは、水で東のユニットのテキストが消え、――自らの効果で攻撃力を増した――ウォルターガンダムの一方的な勝利。
対して宇宙エリアは、フルバーニアンとウォルターガンダム(アタックモード)の速攻同士の対決となり、相打ち。

「帰還ステップ。ウォルターガンダムが帰還」
「…そうだな」

勝利を目前に戦力が一気に減衰する東の場。
残存戦力は、1ターン目から存在している北極基地とプロトタイプガンダムの2枚だけだ。

「ターンもらうぜ!」

カードを引くミキオ。
序盤のダメージに耐えた…というよりは東のデッキが仕留め損ねたというべきか。
ともかく形勢は逆転し、ノーベルガンダム(バーサーカーモード)とウォルターガンダムを並べたミキオが圧倒的に有利だ。

「戦闘フェイズ。地球にウォルター、宇宙にバーサーカーノーベルだっ!」
「地球に水部隊…北極基地は動けないか。プロトタイプガンダムが地球を防御だ」

ノーベルガンダム(バーサーカーモード)の打点がウォルターガンダムで補正され、東の本国をえぐる。
捨て山に移すまでもなく本国が無くなることが分かっていた東は、投了を宣言した。

「いやー、飛び出す能力も強いけど、水は厄介だな」

スコアシートを記入しながら東はそう言った。
マシンガン装備のテキストが消え、拠点が防御に出られなかったという今対戦の内容以外にも、相手の速攻を消しつつ自分は速攻でダメージを与えられる点を言っているようだった。
ミキオは「っすね」とウォルターガンダムを手にとって同意する。

「まだ1回戦終了まで時間があるな。フリプレしないか?」

スコアシートを記入し終えた東は、そう言いながらぱっと笑う。
取り出したのは、今の対戦で使用したのとは別のデッキのようだ。

「まだ試行錯誤中だが、絶対戦力の試作3号機&弩級デッキがあるんだが」

ミキオは「おもしれぇ。是非!」と答えると同時に、鞄から別のデッキケースを取り出す。
こうして1回戦の対戦時間は過ぎていった。


つづく


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初出:Yの遺伝子-Y256の創作置き場-
掲載日:11.06.27
更新日:11.06.27