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1回戦の全ての対戦が終わり、ほどなくして2回戦の対戦組み合わせが発表された。

「わぁー!2回戦、赤音ちゃんとだね☆」

ナツキが声を上げた。
タンサンはちらりと彼女たちのほうを見て、自分のスコアシートが置かれた席に着く。

既に着座していた対戦相手はクリムゾンレッドのロングTシャツを着た細身の男で、面識は無い。
丁寧な感じのシャッフルに合わせて、タンサンもデッキを取り出した。


第4(60)話 彷徨うジンクス



「Gカードが無いからマリガンっす」

ジャンケンで後攻となったタンサンは、そう言って手札を表にして見せた。
ジンクス《23》2枚、スローネヴァラヌス、エリク・ブランケ、双極の閃光、修羅を生きる漢の6枚。
ユニットのうち1枚がジェネレーションだったなら、早々に勝負をモノにできそうな手札だったのに。とタンサンはカードをデッキに戻す。

「ジンクス…だね」

タンサンが見せたユニットに、相手は自分の手札を確認する。
どうやら相手の主力はジンクスよりもテンポが遅いユニットなのだろう。と思いながら、タンサンはデッキを再度シャッフルした。

「んー」

引きなおした6枚に、タンサンは唸る。Gカードはあるが、”色”が微妙なのだ。
しかし次の引き直しは手札が減ってしまうし…それに、ドローで色さえ揃えば!
そこまで考えたところでタンサンは「やれます」と口を開いた。

「黒の部隊を配備します」

赤のタメGを配備してターンを終える対戦相手。
タンサンはカードを引き、紫基本Gを配備する。

「ドロー。2枚目の黒の部隊と内部調査を配備します」
「ドロー。修羅を生きる漢をヴァリアブル」

タンサンの帰還ステップに内部調査を宣言する相手。
お互い順調に2ターン目が終わる。

「茶基本Gを配備します」

リロールフェイズの内部調査で本国の上にカードを戻した相手。配備されたのは茶Gだ。
赤と茶。二つの勢力の共通点で真っ先にタンサンが思い浮かべたのは『サイコミュ』。
パトゥーリア《EB1》など出されれば、ジンクスはことごとく破壊される。早期にゲームを決めねばならないのだ。

「ターン終了」

ターンが再びタンサンにまわる。
彼が出したのは、双極の閃光。ヴァリアブルで紫基本Gだ。
これで最初から握っていたG要素は出し切ったことになる。ジンクスデッキが動くための緑2国力目が足りないのだ。

「ジンクス(ルイス機)を配備」

タンサンはそう宣言してユニットを出す。指定国力の縛りが軽いジンクスだ。
あと緑1枚…。と内心呟いてターンを終える。

「赤Gを配備して…密約《20》です」

内部調査で本国を操作しているためか、相手は安定性のあるプレイを続ける。
カードが3枚手札に加わり、本国の下へ1枚。

「…ターン終了です」

お互いに展開力が鈍い。
タンサンはそれでも「緑を引ければおれっちの勝ちに等しい!」とカードを引いた。

「対ガンダム調査隊!」
「2国力目の…緑ですか」
「手始めに理想に仇名す者を配備。そして、」

タンサンはさらにコマンドカードを手札から引き抜く。
かつて、その能力のあまりデッキ1枚制限になったカード―。

「ブリッツクリーク!」
「よくもまぁ」

「緑1Gでもこれなら始めるっしょ」とタンサン。
相手の許可をしっかりと確認した後、本国のカード7枚を見る。

「ジンクス《23》とジンクスIV、そしてジンクスIV(コーラサワー機)!」

資源を5払い、3枚のユニット展開する。
ジンクスIVの能力が直ちに起動し、3国力のジンクス2枚もジンクスIVと同様の戦闘力となる。

「ジンクスIV(コーラサワー機)かぁ…」

タンサンは自分が出したユニットを見る。
自分のデッキのカードであるにもかかわらず、テキストを確認している風だ。

「買ったら出てきた。あげる」

大会が始まる直前、赤音がそう言って手渡してきたユニットだった。
28弾『絶対戦力』をまだ買っていないタンサンにとっては、まだテキストを正確には把握していないカード。
弱いことは書いて無さそうだったので、一応入れてみたのだった。

「戦闘フェイズ!」

ジンクスIV(コーラサワー機)は、破壊されても手札に戻ってくる、まさに不死身のユニット。
これなら、パトゥーリアの破壊コンボが決まっても手札に戻ってこれる。

「コーラジンクスIV、ジンクス、ルイスジンクス、ジンクスIVを1つの部隊として宇宙に出撃だ!」
「!?」

一列に並んだ、4枚のジンクス。
格闘力が高いユニットをわざわざ1つの部隊にする必要は無いんじゃないか、という表情の相手だったが、その疑問はすぐに解決する。

「迫撃!トリプル・ドム!」
「これは…」
「ユニット3枚以上で編成されているこの部隊の全てのユニットは、格闘力と射撃力の合計値を使用して戦闘ダメージの計算を行うのさ」

一様の戦闘力を持つジンクスたちは1枚につき8の戦闘力となる。
4枚で合計32ダメージ。まさにゲームエンド級だ。

「これがおれっちのジンクス!」

赤のお家芸の一つであるユニットバウンスを警戒するタンサンに、相手は本国を手に取ることで対抗策が無いことを示す。
32ダメージ!と宣言してもさほど驚かなかったのは、計算してまだ生き残れると思ったからだろうか?とタンサンはターンを終えた。
相手の本国は一気に減り、残りは7枚となっている。

「内部調査、下に送ります」

相手はカードを引く。
全回復カードがある赤勢力にとって、残り本国が5枚というのはまだ負けではない。

「エネルギー吸収ををヴァリアブルで配備し、5国力」

赤国力3、茶国力2。
まさに何でも出来そうなG構成となる。

「配備フェイズ、コスモ・バビロンです。全回復です」
「バビ…ロン?」

出された赤のオペレーションカードに、タンサンは裏声気味で聞き返す。
元祖全回復カードの代名詞であり、場から離れると敗北するという強烈なデメリットを持つことでも有名な代物。
デメリットをより軽減した司令部の移送が普及した現在、その存在は過去の物になりつつある。
相手は意に介さず捨て山を本国を合わせると、次のカードを手札から引き抜く。

「サラサ再臨をコストに、休日の出来事をプレイします」

相手がプレイしたのは、本国から好きなコマンドカードを手札に移すことが出来るコマンド。
コマンドカードを探すことにおいては、コストとして廃棄されたサラサ再臨よりもより確実なサーチといえる。

「手札に加えるのは、暴かれた秘密です」
「…あ?」
「そして暴かれた秘密でコスモ・バビロンをユニットにします」

タンサンはたまらずテキストを確認する。
オペレーションをユニットとしても扱うようにする一風変わった茶色のコマンドで、コスモ・バビロンはこのターン中5/3/5のユニットとなる。

「そして攻撃ステップ、未来への彷徨で差し上げましょう。コスモ・バビロン」
「な、なんじゃそりゃ~」

また知らないテキストのカードか。とタンサンは薄々嫌な予感を感じつつも、未来への彷徨を受け取ってテキストを確認する。
互いのユニット1枚を交換する効果だ。タンサンの場にはコスモ・バビロンが置かれ、代わりにジンクスIVが取られてしまう。
ジンクスIVの自動Aで戦闘力を補強していたジンクス2枚が一気に縮む。しかし、問題はそこでないことは、タンサンにもわかった。

「おれっちの場に…コスモ・バビロン」

場から離れると即敗北となるデメリットを持つ、ユニット兼オペレーション。
残り1枚となった相手の手札を見て、タンサンはどきりとする。
この5ターン、虎視眈々と内部調査でコンボパーツを集めていたのだ。このターンで仕掛けるに決まっている。


「奪われた獣です。バウンスです」

コスモ・バビロンを指差してそのカードを表にする対戦相手。
単純なバウンスカードだが、ブリッツクリークからの迫撃!トリプル・ドムに全てを賭けていたタンサンにそれを防ぐ手立ては残されていなかった。


つづく


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txt:Y256

初出:Yの遺伝子-Y256の創作置き場-
掲載日:11.06.27
更新日:11.06.27