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「わぁー!2回戦、赤音ちゃんとだね☆」

2回戦の対戦組み合わせをスコアシートで確認したナツキは、そう言って跳ねる。
赤音はややってスコアシートを確認すると「どうやら、そのようだな」と静かに言った。

「がんばるぞー」

同じ17歳の少女としては気質が違いすぎる2人。
その2人が向かい合うように席に着き、2回戦が始まった。


第5(61)話 ナツキ+



「青基本Gプレイ!」
「ガチ党を配備」

先攻のナツキ、後攻の赤音。
互いに、デッキのメインとなる色の国力を配備する。

「ウチのターン。周辺警護をヴァリアブルして、可能性の獣を置くよっ」

ナツキはそのオペレーションを置くなり、「コマンド!」と勢いよく本国のカード1枚を表にする。
表になったカードは確固たる一歩…オペレーションだ。
可能性の獣は、指定した種類のカードかACEが表になった場合、本国の上か下に移し、それ以外は本国の下に移す効果を持ったカードである。

「ターン、エンド」

赤音はカードを引き、緑基本Gを配備してターン終了を宣言する。
彼女の愛用デッキが緑と黒の混色なのはナツキも知っていた。

「ドロー前に可能性の獣で見てみようかな…コマンド!」

表になったのは、急ごしらえ。的中だ。
ナツキは嬉々として本国の上に急ごしらえを戻し、指を離すことなくドローする。

「ホワイトベース隊をプレイ。これで急ごしらえは2ドローだね」

ナツキは急ごしらえをプレイして手札を増やし、少し考えるような仕草をとる。
青3国力…ユニットか?と赤音もその間に考えを巡らす。

「んー。なんで皆、女キャラのタメG欲しがるんだろうね。効果は一緒でしょ?」

ナツキが疑問そうにそう言ったのを聞いて、赤音は「は?」と眉をひそめる。
ブースタードラフト大会の上位賞として配布されている、女性キャラの勲章Gの事を言っているらしかった。

「わからなくもない。ヒロインのイラストのほうが”視覚的に”良いだろう」
「ふぅ~ん」

ナツキは小さく頭を振って、ターン終了を宣言した。
「…男性バージョンなら少し欲しいが」と、聞き取れないくらいの声で赤音は呟き、ターンを開始した。

「ニタ研、そして浅からぬ因縁を配備」
「なんだっけ?」

赤音は無言でそのオペレーションをナツキに見えるように差し出した。
敵軍コマンドがプレイされればカードを1枚引き、自軍ユニットがコマンド以外の敵軍効果でやられた場合に敵軍ユニットを破壊する効果を併せ持つオペレーションだ。

「そして…ACEカード、ゴトラタン&カテジナ」
「あ、それ新しい奴?」

ナツキは聞き覚えの無いACEカードに見入る。
28弾『絶対戦力』に収録された、格闘重視の戦闘力を持った黒いACEだ。

「戦闘フェイズ、4ロールでゴトラタン&カテジナは地形適正を得る」

3枚のGとオペレーションをロールして、出撃してくるACE。
その格闘力は6。攻撃出撃時のロールコストが4のACE中では最高の値だ。

「うーん、受けるよ」
「ターン終了だ」
「ドロー。よーし、2枚目のホワイトベース隊…これで4国力」

ナツキは並べた4枚のGカードをトントンと並べ直し、笑った。
手札から1枚のカードを抜き出し、ペチンと場に出す。

「デルタプラスを配備☆」


ナツキが出したユニットは、27弾『雷鳴の使徒』に収録された4国力ユニット。
1枚制限である代わりに、戦闘配備と5国力並みの戦闘力を持っている。

「攻撃に出撃して、可能性の獣ー」

捨て山の上のカード1枚を手にとって「ユニット!」と叫ぶナツキ。
表になったのは、青いカードフレームに不釣合いな純白のMSが描かれたカード…ユニコーンガンダムだ。
デルタプラスは本国の上のカード1枚を廃棄し、そのカードがユニットであれば部隊に組み込むことが出来るテキストを持っている。
単体ではランダム性の高い効果であるが、本国の上を操作できればユニットを展開できる能力として機能するのだ。

「うは☆ラッキー!上に戻すよ?」

ナツキは赤音が防御しないことを確認し、デルタプラスの効果を宣言した。
デルタプラスの前の順番に組み込まれたのは、もちろんユニコーンガンダム。
これで部隊戦闘力は6。

「6点受ける」

ナツキはユニコーンガンダムを手札に移す。
デルタプラスで展開したユニットはターン終了時に手札に移るが、プレイ時に最大の効果を発揮するユニコーンガンダムにはむしろ都合が良かった。
次の5ターン目に出せる。ナツキは確信を持って「ターン、エンド」と言った。

「ガチ党を配備して、リグ・シャッコー(カテジナ機)」
「可能性の獣破壊かぁ」

赤音が出したそのユニットの効果は、ナツキも知っている。
コマンドでは破壊できない可能性の獣もこれには破壊されてしまう。
さらに戦闘配備と格闘力4、ユニット単体の性能もデルタプラスに引けをとらない。

「攻撃規定、地形適正を得たゴトラタン&カテジナとリグ・シャッコーで攻撃」

ロールコストが1枚増えたため、第3テキストであるハンデスも起動する。
ナツキの手札は5枚…そのうち1枚はユニコーンガンダム。
ロールコストだけで起動するハンデス効果を、そう何度も使わせるわけにはいかない。ナツキは手札をぎゅっと握る。

「そんなに叩かないでよねっ。有事の判断!」
「!」

ACEを含む自軍ユニット1枚をリロールで移動させるコマンド。
――現状、ナツキの唯一のユニットである――デルタプラスがリロール状態でゴトラタン&カテジナの前に移動する。
ゴトラタン&カテジナは攻撃力も高く、ハンデスも強力だが、防御力だけは4と比較的低いのだ。

「…コマンドがプレイされたからドロー」
「うん!交戦したからデルタプラスの効果使ってみるね?」

奇襲防御で一瞬ひるんだ赤音だったが、気を取り直してカードを引く。
デルタプラスの効果は今度は失敗し、ACEとの相打ちがほぼ決まる。

「ダメージ応酬前にゴトラタン&カテジナは第3のテキストを得る」

ダメージが応酬され、ナツキの本国に4ダメージ、ゴトラタン&カテジナとデルタプラスが相打ちだ。
裏にしたナツキの手札から1枚を選んで廃棄する赤音。
ジャンクヤードに落ちたカードは、ユニコーンガンダム。

「げ!」
「アタリ。ターン終了」

嬉しさを顔に出さず、静かに言う赤音。ナツキの5ターン目が始まる。
ドローしたカードを含め手札は4枚、場は4枚のGカード。

「もぅ!ハンデスが無かったら今頃ユニコーンなのにー!」

青基本Gを配備しながらジタバタするナツキ。
そうは言っても後の祭り。彼女はターンを終えるしかなかった。

「ドロー。Gカードに続けて、捲土重来をリグ・シャッコーに」

捲土重来を即座に廃棄し、手札に戻るリグ・シャッコー。
ナツキは「揃ってる?」と半ば確信して切り出す。

「…まぁ。シャッコーをもう1度プレイして、戦闘フェイズ」

すっと伸ばした白い手にはゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)のカードが握られている。
ジャンクヤードから捲土重来をセットし、宇宙エリアに出た。地球にはリグ・シャッコーが出撃する。

「青でツヴァイを越えられるか」
「まだ…全然余裕だもんっ」

初めて余裕の片鱗を見せる赤音に、ナツキは口を尖らせてそう言った。


つづく


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初出:Yの遺伝子-Y256の創作置き場-
掲載日:11.06.27
更新日:11.06.27