ATAGUN@Wiki
#3
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y256
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#3 あたしの初陣
あたしも、まだ対戦が終わっていない松岡のテーブルに向かった。
松岡の対戦相手は白単色のデッキかな?場には白Gとフリーダム(ハイマットモード)が出ていて、本国の枚数から終盤だとわかる。
「フリーダム(ハイマット)を宇宙に出撃させます」
相手が宣言した。松岡の場にはロール状態のリグシャッコー(カテジナ機)しかいない。この攻撃が通れば相手に回復を許してしまうし、本国的に敗けは濃厚ね…。
「ダメージ判定ステップ、ハイマットを対象にザンネックキャノンをプレイ!」
松岡は手札から黒のコマンドカードを出す。それを見た対戦相手は、投了を宣言した。
「あぶね~。ザンネックキャノン直前で引いててマジ助かったわ~」
対戦を終え、松岡が片付けながら振り返り藤岡に言った。その時になってあたしの存在に気付いたようで、「京子は?一回戦どうだったんだ?」と言った。
「不戦勝なの。次もう準決勝よ♪」
「ずりーなぁ。まぁおまえの白デッキじゃ、一回戦敗退がいいところだろうからよかったじゃんかよ。じゃ俺これ出してくるわ」
「ずりーなぁ。まぁおまえの白デッキじゃ、一回戦敗退がいいところだろうからよかったじゃんかよ。じゃ俺これ出してくるわ」
そういって松岡は鼻で笑って、スコアシートをひらひらさせた。ムカつく!!
「ちょっと!!」
「はいはい、そこまでで。大会の進行を妨げないでくださーい」
「はいはい、そこまでで。大会の進行を妨げないでくださーい」
松岡に怒りを露にする私を、藤野が止める。周りを見ると、他の試合はもう終わっており松岡たちの試合が終わるのを待っていた。松岡が二人分のシートを出し、信ちゃんがトーナメント表の松岡の名前を上へと上げる。
「それでは勝者が出そろいましたので、第2回戦を開始してもよろしいでしょうか?」
信ちゃんは、よく通る声で参加者にそう言った。誰も異議はないようである。それを見た信ちゃんは各テーブルにスコアシートを置いていく。あたしのは自分のシートを探そうと、テーブルに寄る。探すといっても、4枚しかないんだからすぐに見つかった。
「なんだ、お前かよ」
自分のスコアシートを取ったあたしに、テーブルの向かい側から誰かが声をかけた。…松岡だ。
「もしかして、あたしの相手あんた…?」
というか、間違いない。松岡はすでにイスに座りデッキケースからデッキを取り出していた。
…松岡 勇
あたしたち3人の中で、たぶん最初にガンダムウォーを始めたのはこいつ。始めたころはあたしたちはお金がなかったから、買うたびに色ごとでカードを分配していた。
藤野は青と赤、あたしは白と緑、そして松岡は黒と茶。だからあいつが愛用するのは、破壊カードをたくさん入れた黒のデッキ。
でも、今日はあたしついてる!前に3人で遊んだときに入れた破壊対策カード、シン・アスカ(13)と残された希望があるから、松岡相手にはかなり役に立つわ!!
あたしたち3人の中で、たぶん最初にガンダムウォーを始めたのはこいつ。始めたころはあたしたちはお金がなかったから、買うたびに色ごとでカードを分配していた。
藤野は青と赤、あたしは白と緑、そして松岡は黒と茶。だからあいつが愛用するのは、破壊カードをたくさん入れた黒のデッキ。
でも、今日はあたしついてる!前に3人で遊んだときに入れた破壊対策カード、シン・アスカ(13)と残された希望があるから、松岡相手にはかなり役に立つわ!!
「それでは、2回戦をはじめてください」
信ちゃんの声と共にあたしは頭を下げる。藤野がイスを持ってあたしたちのテーブルの横に陣取る。一回戦で敗退した人は観戦やフリープレイに移っていた。
さぁかかってきなさいよ!!…じゃんけんであたしのパーは見事に負けた。
「毎回じゃんけんの最初にパー出すのやめろよな」
そういいながら松岡は手札をチェックする。引き直しはなし。あたしもだ。
×××
お互い序盤はGを張るだけでターンを終了し、あたしは白基本Gを場に出し2ターン目の終了を宣言した。松岡はドローし、黒基本Gをプレイする。3G…なにもなしで終わってくれないかなぁ…。
「攻撃ステップ、このカードをプレイする」
松岡は手札からシロッコの眼を出す。やっぱりありましたか…。あたしは6枚あった手札を見せる。内容は白基本G、ロゴスの私兵、中東国の支援、デュオ(BB3)、LOブースター(19)、ハイマット…。
「ハイマットを取り除きだな」
ハイマットを取り除いて松岡はターンを終了する。あたしのターンだ。
「ドロー。配備フェイズ、白基本Gをプレイ。中東国の支援をプレイするわ」
1資源を払い、カードを2枚手札に加える。来た、バックホーム。このカードがあればカードの枚数で優位に立てるわ!
「ガンダムアストレイ(バックホーム)をプレイするわ」
松岡は許可を出す。いつもは「バックホームうぜぇ~」とか言うのに今日は無表情。うざがられるよりはいいけど、なんか調子狂うなぁ…。あたしはターン終了を宣言する。
「ドロー。不平分子の拘束をヴァリアブル展開し、戦場の鈴音をプレイ。」
ハンガーに2枚のカードが移る。いいのか悪いのか、2枚とも黒基本Gだ。
「そして…ガンダム(ティターンズ仕様)をプレイだ。」
松岡はいやに冷静に黒のユニットカードを出した。あれ?そのカードなんだっけ?高機動の奴?
「このカードは、プレイされて場に出ればキャラクターの乗ってない敵ユニットを破壊できる。まぁ、対象はバックホームだ」
「あ」
「あ」
そういや、前に発売されたタクティカルスターターでそんなカードあったっけな…。あたしはしぶしぶバックホームをジャンクヤードに移す。
「ターン終了だ、京子」
松岡は言った。しゃべり方が「余裕」って感じだ。あたしはターンを開始し、ドローする。
「白基本Gをプレイしてターン終了するわ」
本当ならバックホームでハンガーにカードを送っていたはずのターンを、何もできずにあたしはターン終了を宣言した。
つづく
txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.05.15
更新日:10.04.14
掲載日:08.05.15
更新日:10.04.14