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#53 戦いは終わり…?


「まぁこんなもんかね」

ブースタードラフトの全試合を終え、あたしたちは8人分のレアカードを分配し終える。
21弾で足りてなかった白のカード、アスラン・ザラがGETできたから良しとしますか♪

「そういやさ、詩織何色使うか決まった?」

あたしは、ドラフトでGETした白以外のカードをトントンとならしながら詩織に聞く。

「うん。赤使うことにする♪」
「赤?」

松岡が教えるんだったら黒かな?とボンヤリと頭の中でイメージしてたから、赤は予想外だ。

「何で唐突に赤なわけ?」
「うーん…相手の人に、私側のカード好き勝手破壊とか移動されるのいやなんだよね。だからかな」

あーカウンターのことかな?
なんと意欲的な御発言。見えてるもんが違うわ…。

「じゃあ、はい。これあげるわ」
「いいの?」

あたしは今しがたブードラで取った、クァバーゼ(ギリ機)を詩織にあげる。

「いいのいいの。なんとなく取ったやつだからさ」
「ちょ!だったら俺にくれよ!」

横から武志が唐突に言った。
さっきまで公旗と話してたと思ったのにいつの間に…。

「ハァ?バッカ、なんであんたにあげなきゃなんないのよ!?あたしは詩織にあげたの!」
「じゃあ、私が武志君にあげればいいんだ?」

詩織はそう言って、ギリバーゼを差し出す。
なぜそうなる!?
あたしがぽかんと口を開けて見てたところに、松岡が口を開く。

「いいんだって、武志は00ユニット使うから。ほら、持っとけよ」
「そうそう。俺も”詩織さんからは”もらえないよ」

手のひらを返したような対応の武志。
あたしからは奪えるってのかい!

「はいはいはい!丸く収まったようですね!」
「なんで機嫌悪いんだよ…あ、そうだ。京子、このデッキ試させてくれよ!」

そう言って武志は、トップにさっきのSPカードのGNアームズが見えるデッキをぶんぶんと見せる。

「いいわよ。かかってきなさい!」

×××

「じゃあGNアームズが付いたエクシア(セブンソード)を宇宙に出撃させるぜ?」
「うっ…いいわ!」

さーて、ゲームは終盤。
武志の場のGNアームズを攻略できないあたしのデッキが一方的に負けそう。
大体GNアームズが出たあと、1ターンに1体ユニットが葬られるとか、アホくさ。

「じゃあインジャのリフターを出…すとアームズで本体が破壊される、か」
「だぜ!かと言って、京子の本国ももうないみたいだけどなっ」

くっそ~。

「負けね。もう1戦いい?まだ中途半端なんだけど、作ってるデッキあるの。部屋から取ってくるわ」
「オッケ。GNアームズ強いだろ?」
「Gの供給を前提としてる以上、脆いがね」

あたしに向けられた言葉に、公旗が答える。
てか、いつから見てたんだ…この人は。

「そうですか?…あれ、煉さんは?」

あたしは部屋を見渡して言った。
さっきまで皆いたと思ったのに、あたし達の他はテーブルで話している信ちゃんと菊池さんしかいない。

「わからないな。部屋じゃないのか?」
「勇達もいないな」

武志が気付いたように言った。
いや、それは別にいいんだって。

「バッカ。”そういうもん”でしょうが」
「なにがだよ?」

合宿とかイベントとかでカップルが”蒸発”するのなんて日常茶飯事。
外でも歩いてんじゃない?

あたしは男部屋を出て、隣の女子部屋の前に立つ。
煉さんひとりがいる可能性が高いけど、なんて言って入ろうか?

「…おし」

あたしは、ちょっと気合を入れて襖を開ける…。

「って…あれ?」

部屋には煉さんと…詩織と松岡!?

「投了だな。ん?本田か?」

煉さんはデッキを片付けながら、あたしのほうを見た。
向かい側に座って同じくカードを片付けているのは、詩織だ。

「え…何?詩織勝ったの!?」

あたしはスリッパを脱ぎながら、詩織に駆け寄る。

「なんかそうみたい」
「へ~、やるじゃん!」

あたしは素直に驚く。
どんな風な対戦だったのか、見たかったな~。

「ふふ。カマかけのタイミングがつかめれば形にはなるかも、だ。それと…いい札を握ってるときに、『えっと…』って言うのはやめな?バレる」
「あ…はい。ありがとうございます」

煉さんは楽しそうに、アドバイスする。

「お前や松岡よりは、なかなか素質があるぞ?」

煉さんは不意にこっちを向いて口を開く。
あたしや松岡の対戦まともに見たことあるわけ?

「じゃあ、本当にあたしのほうが弱いかどうか試してみます?」

カチンと来たあたしはデッキを取りに来たのも忘れて、対戦を申し出る。

「…くだらん。まあいいさ、来な」

煉さんは、今片付けたのとは違うデッキを出す。

「お前にはこっちのほうが”面白い”」
「…?」

あたしは武志に負けたばかりの白中を出す。
作り途中の新しいデッキでもいいけど、せっかく煉さんと対戦できるんだ。万全を。

じゃんけんで、あたしが先攻。
白基本Gを出してターン終了を宣言した。
さて…何が来る?

「配備フェイズ、白のジェネをだして、まずはこのカード…」
「白…?」

あたしは煉さんがはじめに出したカードに目を疑った。
白黒の絵柄でわかりづらいけど、白の基本Gだ!
”こっちのほうが面白い”ってミラーマッチのこと?
ミラーマッチだと、プレイヤーの差がモロに出る。
…どうする?
いや、落ち着けあたし。まだミラーって決まったわけじゃない。白系の混色かも。

「いいか?」
「はい…」
「ジェネ1枚でそんなに驚くなよ?ザクウォーリア(アスラン機)をプレイ。さらに、ミゲル・アイマン《BB3》をセット、テキストが起動し、リロールする」

煉さんは手札から次々にカードを出し、気付いたときにはすでに攻撃に移る段階だ。

「白…ウィニー?」
「そうだ。白は元々万能な色なんだぞ?低速デッキ以外もな」

…んな無茶な。
ともかく、こっちはまだ1Gしか置けていないから、ザクの4点は受けるしか。

「ターン終了だ」

あたしのターンは白基本Gを出すだけで終わる。
煉さんは予想通りという顔をして、ターンを開始した。

「配備フェイズ。ジェネを追加して、ダガー《16》とサポートユニットのグゥルをプレイする」

そして前のターンと同じく、ザクを出撃させる煉さん。
ウィニーは最初が肝心。こっちが動き出す前に、本国を薄くするのが目的なら…。

「ドロー。配備フェイズ、白基本Gとプラント最高評議会をだしてターン終了です」
「いや、帰還ステップにブレイズザクウォーリアをプレイさせてもらう」

煉さんはターンを開始し、1枚のコマンドを出す。

「救難信号。このカードで私の捨て山の上5枚からキャラを抜き出して手札に移す…この1枚だけだな」

ラスティー・マッケンジーを手札に移した煉さんは、そのまま配備フェイズにカードの追加もなく、あたしの本国を8点も削る。
でも、”たったの”8点だ。あたしの手札と場の最高評議会を駆使すれば、巻き返しは十分ありえる!

「帰還してターン終了だ」
「最高評議会を使った後にドロー、そして配備フェイズ、中東国の支援をプレイ」

あたしは最高評議会で資源、ドローもコントロールし、意中のカードを手札に収める。
白基本Gを出して、このカード!

「ダメージ判定ステップ、マルチロックオン!煉さんの全てのユニットに3ダメージを与えます!」
「ほう…」

これで全滅。
本国はちょっと多めに削られたけど、なんとか大丈夫。

「ターン終了です」
「ドロー、白ジェネとリーオーアーリータイプを出してターン終了だ」

ほら、もうあんなユニットしか残ってない。
ウィニーは勢いが命。それさえ削いでしまえばこんなもんよ。
もしかして煉さん、ネタデッキ使ってあたしをからかってるの??

「配備フェイズ、白基本Gを出してフリーダム(ハイマットモード)をプレイ。宇宙に出撃します」
「6点通しだ」

あたしは本国を6点回復してターンを終了する。
まずはマルチロックオンの資源を回収っと。

「本田…今、”ウィニーは勢いを殺せば余裕だわ♪”とか思ったろ?…ところが」

煉さんは意地の悪い笑みを見せて、手札からカードを出した。


つづく


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初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.11.05
更新日:10.04.14