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えーと投下行きます。自己満で、前後にプロローグとエピローグをつけました。
エロ的には蛇足かと思いますけど、ご容赦ください。
エロに入るまでがちょっと長いです。すいません…

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 悟空と新居を構えたばかりの頃、近くを散歩していると、切り立った崖に可
憐な野草が群れているのを見つけた。きれいだな、と見とれているチチへ、悟
空は不思議そうに尋ねた。
「けど、食えねえぞ。あんなもんが好きなのか」
「花は見て楽しむもんだ」
 そうか、と悟空は頷いて、ふい、と浮かび上がり、花を摘んで戻ってきた。
「ほらよ」
 彼の意外な気配りに、す、すまねえだ、とお礼を言いながらも、チチはちょっと
だけ寂しい気持ちにもなった。嬉しいけれど、花は摘んでしまえばそれっきり。
そのままにしておいて、季節が変わるごとにここで見るのもいいなと思っていた。
 胸の奧でそっと呟く。
 来年も、さ来年も… ずっと一緒に…。
 見上げれば、遠い空を眺めていた夫はチチの視線に気づいて、にかっと笑った。

 今日こそ… とチチは、自分の作った山のような夕食をがっつく悟空を目の前
にして、決意を固めていた。料理上手のチチが出す食事に、夫は夢中になっている。
初めて手料理を食べたときには、オラ、こんなうめえもん食ったことねえと感動
していたものだ。
 最初はなんだか新婚夫婦らしいだ、と喜んでいたチチだったが、そうも言って
いられない。というのは、つまり…。
 まだ、2人は本当の意味で夫婦とは言えなかったのだ。
 予測しておくべきだったかもしれない。女の方が早熟だとはよく言われることだし、
さらに相手は、新妻を放り出して修行に明け暮れる格闘バカなのだ。
 とはいえ、チチも男とつきあうこと自体が初めて。結婚前に「How To SEX」や「妻と
なるあなたのために」といった本を熟読しておいたが、いざ実行となると話が違う。
「はーっ。腹いっぺえになったぞ」

 大量の皿をすっかりカラにしてしまうと、悟空は満足そうに腹を叩いた。
じゃあ、風呂にでも入ったらどうだ、とチチは努めてさりげなく提案した。
「そうだなぁ」
 気乗りしない彼に、チチは、汗だくで汚ねえだぞ、と付け加えた。それもそっか、
とあっさり納得した悟空は、すんなりと風呂場に向かった。
 よし!
 急いで食器を台所に突っ込んで、チチは風呂場の外で様子をうかがった。すぐに
湯船に浸かって、気持ちいいなぁ、と呟く夫の声が聞こえてきた。
 チチはチャイナを脱いで、タンクトップ姿になると、中の夫に声をかけた。
「ゆ、湯加減はどうだ?」
 んー? ちょうどいいぞーと、機嫌の良い声が聞こえる。
「チチも入るかぁ?」
 ドキ、とチチの胸が高鳴った。ご、悟空さがこんな大胆なことを…。
「ど… どうするべ… そんな、おら、まだ… でも」
「…? オラ、そんな長風呂はしねえぞ。出たら、おめえもあったまれよ」
 そうだ、そういう男だった。チチはぎゅっと握り拳を作った。が、ここで
くじけてはいけない。彼女は優しい声を作った。
「疲れただろ、悟空さ。背中流してやるべ」
「なんだか、わりぃな」
「い、いいんだ、夫婦なんだから」
「そおかぁ?」
 からからと戸を引いて、チチは風呂場に足を踏み入れた。
「湯船から出て、座ってけろ」
 悟空は恥ずかしさの欠片も見せず、素直に立ち上がった。鍛え上げられた若
い男の身体を目の前にして、チチは、ぱっと顔を赤くした。彼の裸を間近で見
るのは、ほとんどこれがはじめてだ。
 ま、前はあんなちっこかったのに… 男は急に成長するだな…。
 はち切れそうなほど盛り上がった大胸筋の上を水滴が流れる。2つの胸の間
から、腹筋に伝わり、そして…。彼女は、慌てて視線を逸らす。

「つ、つっ立ってねえで、椅子に座るだ」
 湯桶にお湯を汲んで、チチは手ぬぐいを濡らした。石鹸を取って泡立てる。
十分に泡を作っている間に、悟空は背中を向けて風呂椅子に腰掛けていた。
 広い背中に手ぬぐいを当てようとして、チチは一瞬ためらった。くまなく全身を
鍛えている彼の身体は、背中であっても惰弱なところがない。彼の素肌に触れる
のは、まだ数えるほどだったことを思い出して、彼女の心臓は高鳴った。
「どうしたぁ?」
「な、なんでもねえべ」
 気を取り直して、背中を洗い始める。気分を落ち着かせようと、彼女は彼に話しかけた。
「なあ、こんな風に洗ってもらえるなんて、夫婦っていいもんだべ?」
「そうだなぁ。前はじっちゃんとよく風呂に入って洗ってもらったっけなあ」
 うんうん、とチチは頷く。家族とはそういうものだ。
「そういや、ブルマにも風呂に入れてもらったぞ」
 なに!
 チチの手が止まる。
「ななな、ブルマさって、天下一武道会に来てた色っぺえおなごだべ!」
「ああ、そうだ」
 彼女の強ばった声にも気づかないで、悟空は平然と答える。
「そのあと、ブルマの風呂を覗いたら怒られっちまったっけなぁ」
 彼にとっては懐かしい思い出だ。
 ぱんっ、と、勢いよく、チチは手ぬぐいを悟空の頭に叩き付けた。
「てっ。なにすんだ、おめえ」
「お、おらは悟空さ以外に、こんなことをしてやった男はいねえだ!
それなのに、それなのに、悟空さは…」
 チチの剣幕にびっくりした悟空は息を呑んだ。なんだかよくわからないが、
誤解があるらしい。わからないなりに、ずっと前のことだぞ、と説明しようとした。
「不潔だべ! 最低だ!」
 顔を真っ赤にして怒鳴ると、チチは風呂場から出て行こうとする。
「お、おい。チチ」

「もうごめんだ! ブルマさにでも、洗ってもらったらいいだ!」
 捨て台詞を残して、チチはさっさと行ってしまった。
「…なぁに、怒ってんだぁ?」
 しばらく当惑顔をしていた悟空だったが、根は楽観的な彼のこと。明日にな
れば、彼女の機嫌も良くなるだろうと、風呂に入り直すことにした。
 しかし。
 チチの怒りは解けなかった。三日後、重苦しい雰囲気の流れる孫家に一本の
電話がかかった。
「悟空さが出てけれ!」
 テレビの前で、チチが叫ぶ。相変わらずの調子に、うへえと思いつつ、悟空は
電話を取った。
「ハーイ、元気ィ? あたし。ブルマよー」
 自分が出てよかったと、悟空はほっとした。またチチがへそを曲げるところだ。
「どう? 新婚生活はー?」
 にやけた笑いが目に浮かぶようなブルマの言い草に、どうもこうもねえぞ、
と言いかけた彼は、いいことを思いついた。
「ブルマに聞きてえことがあったんだ」
 悟空は、手短に今回のことを話して、どうにかなんねえか、と相談した。
「もう三日、飯も作らねえんだ。ぷりぷり怒ってるしよー」
 ああ、と電話の向こうでブルマのため息がした。
「そりゃ、怒るわよ…。孫くん… はっきり言って、あんたが悪いわ。デリカ
シーなさすぎよ!」
 わっかんねえなあ、と首を傾げる悟空に、ブルマは、いいからチチさんと代
わりなさいよ、と促した。
 最初は、なんでおらが、と不満そうに電話に出たチチだったが、ブルマと話
しているうちに、自分の勘違いがはっきりして、態度も柔らかくなっていった。
「孫くんのこと、もっと子どもだと思ったのよ。ほら、昔はチビだったでしょ?」
 そ、そうだったのけ… とチチの肩から力が抜けた。
「とにかく、2人は夫婦なんだし… うふ、ラブラブなんでしょ?」
「そ、それが…」

 チチは口ごもった。ちらっとソファに腰掛ける悟空を見る。なにかをいじって
いて、こちらには注意を払っていない。
 いっそのこと、ブルマに聞いてみようか、という考えが頭をもたげてくる。
会場で見たブルマは、経験豊富そうで、こういう問題には頼りになりそうだった。
けれども、乙女の恥じらいが、自分の悩みを口に出すことを躊躇させる。
「…もしかして、まだ、ほんとには夫婦じゃない… とか…?」
 彼女の沈黙を察して、ブルマは電話口でずばりと言い当てた。チチの中でこらえて
きたものが崩れていく。目尻に浮かんだ涙を拭きながら、チチは、実は、と打ち明けた。
「悟空さは、なんにもしてくれねえし… おら、女としては魅力がねえのかと…」
「そーんなことないわよ!」
 ブルマは強く否定した。
「あのね、孫くんはね、すっごく鈍… じゃなくて、純粋な人なのよ! ずっと
おじいさんと2人っきりだったし、その後は修行ばっかでしょ? 奥手なのよ。
女の方から、ちょっと押してやんないと」
「だども、おらもそんな経験ねえし…」
「ベッドは1つ? 別々?」
 別だ、と答えるチチに、それはダメよ! とブルマは言った。
「寝るときにね、風が怖ーいとか、怖い夢を見たの、とか言って、孫くんの方に
もぐりこんじゃうのよ。でね…」
 ブルマとチチの作戦会議は、その後一時間にも及んだ。がんばって、と激励
されて、居間に戻ってきたチチを、ほっとしたように悟空は見つめる。
 あんなにブルマと長話したってことは、仲良くなったみてえだな。
 自分のことを話していたとは露知らぬ悟空を一瞥して、チチは髪をまとめた。
「さて、洗濯ものでも、たたむだ」
 その夜、寝室でそれぞれのベッドに入ったあと、チチはこっそりと、ブルマに
アドバイスしてもらった通りの格好になった。布団の中でしばらく時間を測る。
数百数えたところで、これ以上時間が経つと悟空が本当に眠ってしまうと、意を
決して立ち上がった。

「ご、悟空さ…」
 悟空は、んあ? と目を開けた。
「あ、あのな…」
 言い訳を考えていなかった! チチは、ブルマとの会話を猛スピードで再生した。
「あ、あの。そうだ、怖い夢を見たんだ!」
 悟空は、はぁ? と気の抜けた返事をする。
「まだ布団に入って、そんなにたってねえぞ」
 うっと言葉を失いかけるが、チチは強く言い張った。
「で、でも見たんだ!」
「だっ…だから、今日は一緒の布団で寝てえんだ…」
「えー? 狭くなんだろ」
 そ、そんな嫌そうに言うことはねえべ。あまりの素っ気なさに、チチの心は
折れそうになった。
 だが、言葉とは裏腹に、悟空は布団をめくった。
「仕方ねえなあ。入れ」
「…うん」
 彼女は、ころんと彼の脇に横になった。日向のような悟空の匂いがする。胸一杯に
吸い込むと、チチの心臓は早鐘を打ち始めた。おずおずと彼の腕に指をつける。
やっと自分から素肌に触れた。幸せだった。
 だが、ここで終わっては作戦を立てた意味がないのだ。
 チチは悟空の腕をひっぱって自分に腕枕させると、身体をぴったりと押し当てた。
ちゃんとキャミソール一枚になっている。柔らかい胸が、悟空の脇にぴたりとつく。
 なにしてんだ? 黙ってチチのしたいようにさせていた悟空は、一連の動作が
終わってから口を開いた。
「チチ… おめえ…」
 真面目な声に、彼女はびくっとする。なにかまずいことでもしたのだろうか。
「おめえの身体って、やわっこいなあ…」
 はぁ。チチは息をつき、小さく笑った。
「女の身体は、みんなそうなんだ」

「へえ… なあ、ちょっと触ってみてもいいか?」
 興味を持ったらしく、悟空が手を伸ばしてくる。
「ふ、夫婦なんだから、もちろん、いいだ…」
 と言いつつも、きゅっと目をつぶってしまう。どこを触るかと思っていたら、
彼は彼女の二の腕に手を置いた。さわさわ、と無骨な手が彼女の肌を滑る。
「ひゃー、ほんとにやわっこいな… それに、こんな薄着で寒くねえか?」
 い、いいんだ…と答えるので、彼女はせいいっぱい。緊張のあまり、呼吸も
苦しくなってきて、身体が強ばる。もっと余裕を持つだ、と彼女は身じろぎして、
筋肉をほぐそうとした。
「あ」
 悟空の手はするりと落ちて、チチの乳房をつかんだ。
「あっ、すまねえ」
 いったんは手を引っ込めかけた悟空だったが、途中で思いとどまって元の
位置に戻る。彼は、チチの胸をぱふぱふと軽く押した。
「ここはもっとやわっこいな…」
 不思議なものを見るかのようだ。確かに、彼の身体にはこんな場所はひとつもない。
「…そういうもんなんだ」
「でも、オラの胸はもっとかてえぞ」
 彼はシャツをぺろっとめくると、チチに触ってみろ、と言った。数日前に風呂
場で見た、逞しい胸が目の前に現れる。
「え」
 で、できない…。しかし、そこで彼女はブルマの助言を思い出した。
 ―ためらったり、消極的になっちゃダメよ。孫くんは引いたら、押してくる
タイプじゃないわ。
 チチはゆっくりと悟空に手を伸ばした。盛り上がった筋肉を指先で押すよう
にして、次に手のひらをつける。肌の下にある、信じられないほどのパワーを
生み出す筋肉を感じる。
 こ、この胸に抱かれるんだ…。
 そのことに気づいて、彼女の頭に血が上った。とても落ち着いていられない。

「な?」
 悟空は無邪気に同意を求めた。
 ほんとに、子どもみてえだな…。
 ふ、とチチは微笑んだ。悟空の方はといえば、胸のふにふにとした弾力が
珍しくて仕方ないようだ。掴んでみたり、押してみたり、くるっと撫で回して
みたりしている。
「あっ」
 ぞくっと快感が流れる。小さな声だったので、悟空はそれを聞き逃し、なあ、
とチチに尋ねた。
「女の乳って、どうして出っ張ってるんだ…?」
 …そっ、そったらこと、おらに聞かれても困るだ!
 でも、この雰囲気を壊したくない。なんとか答えなくては、とチチは一生懸命考えた。
「あ、赤ちゃんにおっぱいをやるためだべ… たぶん」
「ふーん…。でも、亀仙人のじっちゃんは赤ん坊じゃないけどよ、乳が好き
だぞ? 男はみんな好きなもんなんだってさ」
 他人事のように言いつつ、チチの乳房から手を離さない悟空も、その分類に
入っているのだが、彼は気づかない。
 お互いに胸をまさぐりあう妙な時間が過ぎていく。一向にムードは出てこない。
 ああっ。それで、おらはこれからどうしたらいいだ?
 ブルマは、そこまで持ち込めば、あとは孫くんが切れるわよーなどと言って
いた。切れるってなんだ? 後はなにが足りねえだ、と困るチチに、さきほど
よりももっと真剣に、悟空が話しかけた。
「なあ」
 チチは、顔を悟空に向けた。ぎょっとするほど接近していて驚く。
「オラ、なんか変な気分になっちまったみてえだ…」
「う…うん」
 来たっ、とチチは身構える。きっと、これに違いない。

「だから、わりぃんだけどよ。あっちのベッドに戻ってくんねえか」
「ええっ!」
 思わず、彼女は大声を出した。そ、そんなぁ…。泣きそうな気分になる。
まさか、戻れと言われるとは、予想もしていなかった。
 やっぱり、おらには魅力がねえから、悟空さは…。
 ずうんと暗い気持ちになる。
「なっなんで…」
 問うともなく呟くと、律儀にも悟空は理由を口にした。
「このまま、おめえがここにいると、なんかひでえことしちまいそうな気がするんだ…」
 チチはきっと顔を上げて、悟空の瞳を捕らえた。
「お、おら、それでも構わねえだ。だって、夫婦になったんだから… おら、
悟空さのことはなんでも知っておきてえし、見ておきてえんだ…!」

 彼女はそれだけ言うと、必死で彼にしがみついた。遠慮のある抱きつき方では
ない。乳房を彼の胸板に押しつけ、太ももを彼の脚に絡ませ、手を背中に回す。
応えるように、その華奢な身体に悟空の両腕が添えられ、次第に力がこめられていった。
「ご、悟空さ…?」
 息づかいが荒い。彼は無言でキャミソールをめくり、女の柔肌に直接触れた。
「あっ」
 直接乳房を握られる。さっきまでの遊びではなく、もっと欲望に忠実な力強さで、
もみしだかれた。
「ああっ」
 快感よりも驚きで、チチは声をあげた。それにも構わず、悟空は桜色の乳首に
唇を当てる。食事のときと同じように、一心に彼は彼女の乳房を味わった。
吸い上げ、舐め回し、口の中で転がす。唇が当たると、ちりちりとした刺激が
彼女の神経を高ぶらせた。
「あ、あ、あ…」
 初めての刺激に、チチはあえぎを抑えることができなかった。感触より、むしろ
それが悟空のものであるということが、彼女に喜びを与えていた。
 身体の奥から歓喜とともに、泉がわき起こってくる。彼女は自分の下半身が
潤ってくるのを感じた。

 自分が自分でなくなっていくような気がする。これが女になるってことなん
だ… チチは一心に悟空の愛撫に応えた。
 脱がすつもりで引っ張ったキャミソールは、力加減ができなくなった悟空の
手で、破り取られる。布の切れ端をまとう以外、チチは生まれたままの姿になった。
「あんっ」
 ぐいっと強く引っ張られて、彼女は彼の下に組み伏せられていた。暗がりに
白い肌が浮かび上がる。ほっそりとしていて、けれど、つくところには女らしい
豊かさのある躯だ。
 悟空さは…?
 彼女は顔を上げ、夫の顔を見る。薄暗い部屋の中では表情は見えない。
「そんなに見ねえで…」
 最後まで言うことはできなかった。悟空は、彼女の口をふさいで、足を押し広げた。
「んんっ」
 恥ずかしさで、脚を閉じようとするが、悟空の強い力に阻まれる。いつもと違う
悟空の強引さにとまどいながらも、チチは嬉しかった。
 男としての、悟空さを知ってるのはおらだけなんだ…。
 悟空の唇は、再びチチの乳房に戻る。舌先でくすぐるように乳首を舐める。
「あんっあっ…はぁっ」
 びくん、と身体が揺れる。その隙をついて彼は彼女の両脚を押さえ込んだ。
左右に、しっかりと大きく開いて、隠された場所を露わにする。朝露に濡れた
花びらのように、艶やかに桃色にぬめった箇所が彼の前に差し出された。
「いやっ… だめだ… そんなっ」
 つい叫び声になる。
 悟空は、身体をずらすと、ひくひくと震える彼女の花弁に唇を当てた。
「ああ!」
 びくっびくっと身体が痙攣する。強い電流のような快感が彼女の脳を麻痺させる。
彼は舌先をとがらせ、輪郭をなぞっていく。たっぷりと湛えられた泉に舌を浸し、
少し中に差し入れて、くるりとひだを舐めると、敏感になった花芯へとまた戻ってくる。
 それをつまむように、ちゅっちゅっと吸い上げた。
「ん…はぁっ…あっ」

 びりびりと神経がしびれる。彼が身体を起こしたので、とろんとした目つきで、
彼女は悟空に視線を投げた。
 快感を求めて小刻みに震える彼女の、その場所へ悟空は張りつめたものを
ぴたりと当てた。
 悟空さの… 熱いだ…。
 きゅっと、彼女の下半身が緊張する。本能的に、身体がそれを求めている。入れて
欲しい… でも怖い。こんな大きさのものが入るのだろうか。ふと不安になる。
「ま… 待って…」
 彼女は彼を止めようとした。しかし、優しい夫は消えて、雄に変貌した悟空は、
まだ誰も到達したことのない彼女中に切っ先を押し込んだ。
「あ!」
 チチはシーツをつかんで、のけぞった。痛い。
「ん… くっ」
 悟空も苦しそうだ。狭く閉じられた道を無理矢理に拓いていく。
「んっ!」
 チチは、唇をかみしめた。全身を覆っていた快感は消し飛んで、下半身を襲う
痛みだけが、彼女の心を支配する。
 でも…。
 これで、本当に彼の妻になれる、と彼女は思った。息を深く吸って、男を
最後まで受け入れる覚悟を決める。
「ご、悟空さ…ぁ」
 その声に招かれるように、彼は、ずぶずぶと根元まで彼女の中に収めた。
彼の額にも汗が浮かんでいる。そのまま、彼女の上にかぶさった。
 お互いに息を整え終えると、視線が合った。優しく唇が触れる。
「…動いてもいいか?」
 彼女の瞳に浮かんだ涙に、彼は気づいていた。チチは、こくんと頷いた。
 身体の中で、彼の分身が前後に動き始めた。痛みは、少し和らいでいる。
「あっ」
 ときどきゆるやかな悦びに近い感覚が走って消える。硬いものが、自分に
出し入れされているのがわかって、彼女は興奮した。

「んっ」
「っはぁ…ん」
 彼の息遣いも荒くなり、動きも速くなってくる。ぱんぱん、という肉体を弾く
音に気づいて彼女は顔を赤らめた。羞恥で下半身が引き締まり、彼女の中にいる
悟空を締め上げる。
「う…なんか出てきそうだ…」
 低い声で、彼は告げた。チチは、うん…、と答えて、ぎゅっと彼を抱きしめた。
「あっ」
 彼はさらに激しく動いて、容赦なく彼女を突き上げた。男を迎え入れることを
覚えたばかりの瑞々しいひだが彼に絡んで、巻き付く。
 悟空さが、おらの身体に夢中になってる…。
 彼は全身で、彼女に向かってきていた。誰も来たことのない奥地へ、彼だけが
自分自身を突き立てている。
「あんっ、あっ」
 せつなくなって、チチは声を出した。
「ん、んっ」
 身体が小さく震え、彼は低く呻いた。彼女を抱く腕に、力が加わる。
「…あ」
 彼女は、どくどくとなにかが注ぎ込まれて来るのを感じた。同時に、彼の身体
から力が抜けていく。
 いま、悟空さの… おらの中に入ってるんだ…。
 誇らしい気持ちで、彼女はぐったりしている男の背中に手を回した。びっしょりと
汗をかいている。自分に、それほどの力を使ったということが嬉しい。
 チチは、悟空の頬に口づけた。
「なんだ」
「ふふ」
 視線を合わせて、また唇を合わせる。それから、悟空は彼女から身体を離して、
ごろんと横になった。
「…なあ、夫婦って、こんなことするもんなのか」

 落ち着くと、悟空はまた世間知らずな質問を始めた。
「…ていうか、夫婦とか恋人とかの間でしかしねえもんだ」
 へえー、知らなかったなーと悟空が感心する。ほんとにピュアな人だな、と
チチは呆れつつも、愛おしかった。
「なんで、こんなことするんだ」
 そったらこと、おらに聞くでねえ!
 しかし、彼女は無垢な目で尋ねる夫に、そう答えることはできなかった。
「こ、これは夫婦の修行…みてえなもんだ」
「ふーん」
「…んっ」
 そこで、チチはつい声をもらした。ほとんど無意識だったが、彼が乳房をもて
あそんでいたからだ。彼は、それを聞いて彼女の細身を引き寄せた。
「あっ」
 彼女の柔らかい腹に、熱くて硬いものが当たる。
 いいか? と彼は彼女の瞳を覗き込んで、にっと笑った。いつもの太陽のような笑顔で。
「今度はそっとやっからさ」
 返事の代わりに、彼女は自分から彼の唇にキスをした…。

 それから数ヶ月が過ぎて。第一子を妊娠したチチは、臨月近くになり、遠出も
ままならなくなっていた。多少の不都合は我慢できたけれど、お気に入りの
コースを散策できないことはちょっと不満だった。
「おい、チチ。ちょっと出てみろ」

 その日、朝早くからどこかに行っていた悟空は、昼過ぎに戻ってくると、家の
周りでごそごそと何か作業をしていた。変なものを拾ってきたり、勝手に木を
切り倒したりする夫に慣れてしまったチチは、また新しいおもちゃでも見つけた
のだろうと考えて、放っておいたのだった。
「まったく、行き先も言わねえで出て行ったと思ったら… 一体なんだべ…」
 外から呼ばれて、チチは重い腰を上げた。扉を開けて、庭に出る。そこには。
「な。これ、いいだろ」
 庭の周囲に、たくさんの可憐な野花が植えられていた。それは、見かける度に
チチが好きだと言っていたものばかりだった。
「これ…」
 よく夫を見ると、彼は泥だらけになっていた。
「まだしばらく、遠出はできねえだろ? おめえ、花が好きだって言ってたからさ」
 チチは言葉をなくして、もう一度庭を眺めた。
 ときおり、散歩の最中に見かける気まぐれに咲いている花。それをこれだけ
集めるのは、いくら彼でも大変なことだっただろう。
 涙が浮かんで、一筋落ちた。
「ど、どうしたんだ? お、怒ったのか?」
 悟空は予想外の反応におろおろしはじめた。
「バカ言うでねえ… これは嬉しいんだ」
 彼女は、夫の身体に腕を回した。
「おい、汚れっちまうぞ」
「いいんだ… ちょっとだけ、こうさせてけろ…」
 そよそよと、風が野草をなびかせる。
 来年も、さ来年も… この人となら、いられる。
 そう、ずっと一緒に…。

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