今回は前回の続き(ネットワーク解析)とそれを用いた課題があります.
皆さん締め切りを守って提出してください.

ネットワーク解析

0.使用するデータ

(a) evac : 三重県大紀町錦地区の避難所19カ所の位置
(b) road : 同地区内の道路の中心線

補足データ
(c) coast : 同地区の海岸線
(d) house : 同地区内の建物

1.ネットワーク解析の準備

まず,QGISを立ち上げ,前回作ったロケーション[Network]を開きます.

前回取り込んだevac,road,coast,houseをそれぞれ色を変えて,見やすいように表示させます.
また,evacについてはカテゴリー番号を表示させます.
  1. 凡例のevacを右クリックし,Propertiesを選択
  2. 「レイヤプロパティ」のラベルを選択
  3. 「レベルを含むフィールド」のプルダウンメニューから「cat」を選択
フォントや色,ラベルの表示される位置を見やすいように調整してください.

2.各避難所から隣接道路までの最短距離を求める

まず,[GRASS Tools]の[GRASS shell]を立ち上げてください.
各避難所から隣接道路までの最短距離を求めるには[v.distance]というコマンドを使います.
v.distance -p from=evac to=road upload=dist column=dist
ここで,オプション[-p]は計算結果を表示させるという意味です.
出力結果から,どの避難所も隣接道路から60m以内にあることが分かります.

3.避難所から近接道路までのアクセス道路を計算する

2.でアクセス道路を表示させましたが,まだ実際にはデータを作成していません.
ここでは,避難所をノード(点データ)として道路ネットワークに組み込みます.
ネットワークの生成には[v.net]というコマンドを使い,新しい道路ネットワーク[road_evac_net]を作ります.
v.net road points=evac out=road_evac_net op=connect thresh=60
ここで,thresh=60というのは,2.で避難所と近接道路の距離が60m以内であるということでこの値を入力しています.

では,[road_evac_net]を表示してみましょう.
画像はevacをオーバーレイしていますのでご注意ください.
実際には,ラインしか表示されないはずです.
見難かったので,特に分かりやすいところを拡大してみました.
避難所と道路をつなぐラインが表示されています.
すべての避難所がネットワークに組み込まれたことが分かると思います.

<<前回の授業の訂正>>
前回v.category やv.patchを使って少しややこしいやり方をやっていますが、今回上に書いた方法でやるのが一番簡単です。
したがって、本Wikiの「1.避難所と道路をつなぐ」で書いて貰っている内容はそのうち削除します。

レポート課題について

  1. 最小スタイナー樹(Minimum Steiner Tree)問題
    錦地区の全避難所を専用のインターネット回線で結びたい。回線ケーブルを道路に沿って敷設するとき、最も距離が短い経路を計算せよ。
    v.net.steiner in=road_evac_net out=steiner tcats=1-19
  2. 巡回セールスマン(Traveling Salesman)問題
    避難所番号16は「錦タワー」(http://www.kankotaiki.jp/others/nishiki-tower.html)である。ここから時計回りに徒歩で、全避難所に連絡用書類等を配布したい。どのような経路を取って、どの順番で避難所を巡回すれば、最も距離が短くて済むか求めよ。
    v.net.salesman in=road_evac_net out=salesman ccats=1-19
  3. 上の課題1,2を実際に計算し、他の情報等とともにできるだけ美しく分かりやすく描画する。これらの図からどのようなことが分かるか(もし余裕があれば、当該地区の実態等を少し調べて)コメントせよ。

課題提出締切:2月7日(木) 12:00

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最終更新:2008年01月30日 20:09