第2章第4話「兄妹の悩み/影の初めの接触…失敗」


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作者・サイショ

AM 08:25 ボード学園高等部2年A組・教室。
そこではHRが終わるのを今か今かと生徒たちは予鈴が鳴るのを待ちづけていた。

それは風瀬 列もまた同じであり何処かワクワクしていた。
最も新聞部としての特ダネゲットかそういう喜びではなく単純にアイドルと一緒の学校に通う事に対してだが。

「しかし、あのキャナ☆が転入なんて……すげぇよな晃輝!」

「ん、あぁ。そうだな……というか列。何でお前テンション高いんだよ」

普段よりもやけにテンションが高い列をみながら晃輝はどこか上の空だった。
その理由は三日前の戦いが原因なのは言うまでもないだろう。

「嬉しそうにするのはいいがキャナ☆がいるクラスには命李と華枝ちゃんがいるぞ……大丈夫か?」

「そ、そういや…………まぁ、さすがにマナーとかは弁えるから大丈夫だろ…すっごい不安だけど」

「HRが終わったら行ったらどうだ? さすがに全員飛び出すのはまずいだろうから俺は残るが」

あぁ、そうだな。とうなづく列。
が、どこかうれしそうなあたりキャナ☆を間近で見れる機会という思いも強いのだろう。
そんな列を見ながら晃輝は考え事をするのであった。

AM 08:45 ボード学園高等部2年A組・教室

HRが終わった瞬間大半の生徒は教室を飛び出した。
目的はもちろん『キャナ☆』がいる中等部 3年A組である。

しかし、騒いでいた人物の一人であるはずの晃輝はなぜか自分の教室にいた。
妹の教室が騒がしくなるのは少し不安だったが何よりも彼には優先する事があるのだ、それは……。

「志熊 京……か」

そう、少し前。助けようとしていた彼を余所に彼女はライダーへと変身した。
最も晃輝はあの変身が初めての変身だと確信していた、あの危機的状況で変身をしない理由など無いからだ。

『どうした、さっさと話せばいいだろ?『お前は実はライダーだったんだ!』っとな、きっと『なんだってー!?』というぞ?』

突如と彼の横から声が聞こえた、そこにはなぜか力説するようにギルファリアスが手を広げ、晃輝へと広げた手を向けていた。

「お前またネットで変な漫画見たな……今度はなんだよ」

『MMRだったか、まぁどうでもいいだろ。それよりもどうするんだ? このまま一時間目が始まるまでに決めないと今度は放課後位しか時間が無いぞ』

それは晃輝だって分かっている。
だがどう言えば分からないのだ、当たり前だがギルファリアスの告白は却下である、もし言えば間違いなく頭がイッテる人というレッテルが付き纏う事だろう。
そしてギルファリアスもそうなる事を分かって言っているのだろう、隠すことなく笑っているのだから。

「……よし、当たり障りなく言ってくる」

『ふむ、気をつけてな玉砕しないように事を祈ろう』

悪魔風味が祈るな、そう晃輝は言いたくなったがそれを堪えて彼は志熊 京の机へと歩いて行った。

「よ、よぉ志熊! えっとその……今日はいい天気だな」

「……え? あ、うん。そう……だね」

突然声をかけられた京は困惑しながらも賛同し愛想笑いをする。
そりゃ編入したての同級生である彼女にナンパをするような人物とは思えない晃輝が声をかけたのだ、誰だって愛想笑いをするしかない。

『馬鹿か貴様、なんで天気が出てくる。貴様の会話は天気から始まるのか? 男ならばさっさといえメンドクサイ』

「(黙れギルファ! まだ生徒がいるってのにストレートに言うわけにも……まて、まだ人がいる? しまった!)」

慌てて彼は周りを見る。
そこにはなぜか彼を睨む女性陣がいた。

「護矢君……っ!」

一人の女子生徒が地面をならし晃輝へ近寄る。
気がつけば彼は足を一歩後ろに進めていた。

「貴方ねぇ……流石に生徒会長として見過ごせないわよ」

更に雅菜が立ち上がる。
もう逃走手段は殆ど無いと彼は悟った。

「一つ言っていいか?」

『何?』

その場にいた女性陣の声が連鎖して一つに聞こえる。
そんな中晃輝はただ諦めた顔で上を見上げながら呟いた。

「反省はしてな「しなさいっ!」

雅菜の鉄拳が飛んだのは言うまでもなかっただろう。
そしてその一撃を皮きりに晃輝は正座をさせられてその上で女子たちから「入ったばっかりで不安だとおもうのになんで…」とか「それでも男っ!?」とか言われ続ける羽目になったのである。
当たり前だが京はそれを見てただ呆然としていた、多分思考が追い付いていない。

「えっと……あの……私は迷惑だと思ってないのでそれぐらいに……っ!?」

何かを感じた、それは圧倒的な闇。
だが敵意を感じない、どこか感じた覚えがある闇だった……そう彼女がライダーへ変身した時に、その少し前に……助けてくれたライダーから感じた優しい闇だった。

『まぁ、奴の話に付き合ってやれ。貴様以外のライダーを知りたいのならば……な。そこは己しだいだ仮面ライダーシグマ』

何かが笑う、それは京以外には聞こえていないようだった。
なぜならいまだ女性陣はナンパをしたと勘違いをして晃輝へ説教を続けていた。
特にそう言う事に割と敏感な雅菜は人一倍強い、
もっとも晃輝が「……お前だって列に言われたら喜ぶ…ゲェブゥハァッ!?」と言ったのが最もな原因だが。最後のは彼女の回し蹴りがさく裂したからである。

その時の彼女の顔がどう見ても赤くなっていたのは言うまでもない、合唱。

「馬鹿でしょ、アンタ」

そんな光景を見ながら水野 水美は倒れている晃輝を見て呟いた。


AM08:50 ボード学園中等部3年A組・教室。
そこは異質と化していた。
そりゃ一人の少女に人が集中して、教室の廊下側のガラスには人の顔、顔、顔。あとカメラモードにしてある携帯がこれでもかっと言うほどだった。

そんな中、命李はそんな光景を見ないように、友人の華枝と目を合わせないようにうつ伏せになっていた。

親友である彼女、だが今は何処か話しづらかった原因は……言うまでもない。

『……命李。彼女に打ち明けた方がいいのでは。このままでは貴方の心が……』

天使のような女性が彼女の横に現れる、だがその光景を見てだれも驚かない。
見えないのだ、正しくは触れない。現に机でうつ伏せになっている命李の横を人が通りすがっても女性を素通りするだけだった。

彼女の名前はネクシアス。光の精霊にして仮面ライダーネクスのパートナーである心強い味方……なのだが命李がこの様子では困惑しながら慰めるのが限界だった。

「だけど…、それで華枝ちゃんを巻き込みたくないよ……」

それが彼女の答えだった。
分かり切った事だ、この少女はどこまでも友達思いで友達を巻き込みたくないと必死なんだろう。

ネクシアスはその思いが痛いほどに理解できた。
だがそれで彼女が倒れるのは逆に友達を苦しめることも分かっている、だから何とか告白をしてくれるように説得をしているのだ。効果は見ての通りだが。

「……華枝ちゃん」

ポソリと呟く命李。
その声は届くか、届かないか……それはネクシアスにもわからなかった。

『……伝わらないのは分かっています、だけど華枝さん……もし、貴方が良ければ命李の力になってください。私では……その役は重すぎるのです……』

届くわけがない、彼女は普通の人間なのだから。
そう思いながらも彼女は念じる、それが届くか届かないかは別として。

もしここで彼女がギルファリアスのように彼女を少し探れば気付いただろう。
彼女が普通ではない事に、だが彼女はそれを良しとしなかった。だから特に調べることもなかったのだ。

彼女は光、全てを明かそうとはしない何処までも甘い光なのだから。

そしてその光景は予鈴が鳴りガラスごしから『キャナ☆ちゃん』を見る者がそれぞれの教室に戻るまで続くのであった。




PM08:35 繁華街。
そこにはまだ夏が抜けきっていないというのに蒼みがかかったコートを羽織っている青年がいた。
目的は特には無い。

しいて言うなら人ならざる者の組織とのコンタクトにある。
だがそのコンタクト方法が分からなかった彼はこうして異変を察知しながらコンタクトを取ろうとしていた。

効果は割とないが、そう何度も戦いがあったらたまったものでもないから当然と言えば当然だが。

「……さすがに、そう簡単に見つからないか」

笑う、どこがおかしいのか彼は笑っていた。
だがしばらくした後、手にしていたフランクフルトを噛みながら再び歩く。

だが見つからない、異変すら見つからない、ましてや事件など無い。

もう諦めようかと思い踵を返したその時。

『ウゥゥゥゥゥッ!』

「ん?」

彼が振り返るとそこには何かがいた。
甲殻類のような外骨格に覆われた漆黒の体、禍々しい目、血に濡れた鉤爪。
誰もが見れば叫び逃げ惑うそれを見ても彼は特に驚かなかった、いやむしろ呆れていた。
何に? 言うまでもない

『キシュゥゥゥゥゥッ!』

己に攻撃をしてきた事に……だ。

空を舞った、飛び上がるように木の葉のように彼は空を飛ぶ。
だが、怪物は気付いた。今空を舞った男は自分の攻撃で舞ったのではないと。
なぜなら……男はある程度飛んだ時、近くにあった信号機へと更に飛んで乗ったのだから。

「唐突だな、まぁ……いい。おい貴様、私の言葉がわかるか? 分かるならば貴様等の組織と競合したいのだが……」

『……キュゥゥゥゥ!』

だが返事は攻撃だった。
それでも彼にはかすりもしない。
当然だ、彼はネームレスの最高幹部であるフリーディア。
ネームレス・ソードブレイダーなのだ。雑魚の攻撃程度ならば人間体でも避けるのは容易い。
無論倒すのには変身をしなければいけないのだが、彼はやる気は無かった。

「言葉を理解できないほどの下っ端か、なら用は無い別の奴を探すだけだ。後は勝手にしろ三下」

少し残念そうにした後彼は姿を消す。
タン、タンと聞こえる辺り誰もが黙視できないようなスピードでここから離れているのだろう。

そんな光景を見て一度は止まる化け物。
だが直ぐに動き始めた、追う気は無い。いや……追えば確実に殺されていると野生の感が告げていたから追おうとする事は無かった。

『キシュゥゥゥゥゥ!』

惨劇が再び開始されるのであった。

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