あらすじ

 弓道大会が近付き鶴野先輩は俄然張り切っていた。今日は街の弓道倶楽部の人たちも見にきてくれての練習試合だ。大会の前のお披露目ということもあるし一年生たちにはいい経験を積ませることができる。県大会に勝って全国大会にも出たい、そんな気持ちの中、副部長が血相を変えて鶴野の元へと走ってきた。
「鶴野~! 大変、一人急病で入院だって!」「ええーっ!」

 放課後、練習試合が始まったが、団体戦では一人少ないため鶴野が二回射ることになった。相手は百戦錬磨の猛者だちだ、相手にとって不足はない。一年生たちは日が浅いためか、やはり中々命中には至らない。二年生、三年生は結構いいところまでいった。試合後、弓道倶楽部の部長のお爺さんが「なぜ部長さんが二回射ったのかね?」と聞いてきたので、部員がギリギリしか居らず、その部員の一人が急病で入院したことを話した。「…だから、団体戦はちょっと無理なんです」「それは困ったでしょう?」 老人はちょっと考えたようだったが、しばらくして膝を打つ。「もし差し支えなければ、うちの孫を使いませんか? かぐやならそこそこ出来る筈ですよ」「え? お孫さん? かぐや?…って月宮かぐやのことですか?」
 そのお爺さんは偶然にもかぐやのお爺さんだったのだ。話に聞くと幼い頃に武道のたしなみとして弓道の手ほどきをかぐやは受けたことがあるという。大会に出たりはしたことはないが、それほど悪くない腕前だとか。「ありがとうございます!」と鶴野は頭を下げた。
「かぐや、聞いたよ! 弓道部に入るんだって?」とまひる。
「お爺様の言いつけには逆らえないわ。助っ人ってだけよ」 かぐやがまひるの質問にちょっと渋い顔で答える。
「鶴野先輩が困ってるんだもん、助けてあげないとね」とまひる。
「分かってるわよ」とかぐや。渋い顔の原因は弓道部の朝練のため早起きしなくてはならないことらしい。

「月宮さん、すっごくいいじゃない! 助っ人といわず部員になってよ!」
 放課後、弓を射るかぐやの姿をみて鶴野が感心したように言った。
「ちゃんと基礎も出来てるし、皆中(全部的に当たること)だし、即戦力ね! この調子なら三的(三番目くらいの位置)は任せられるかも!」
 胴着を着て弓を構えるかぐやの姿は、ちょっと惚れ惚れするくらい美しい。こっそりのぞきにきたまひるが思わず「ほーっ」とため息をついてしまうほどだ。
 かぐやは最初他の人と弓を射ったことがなかったためか、雰囲気を掴むのに戸惑ったようだったが練習を積み重ねていくうちに慣れてきたようだ。そして大会当日。街の弓道場には多くの中学校の弓道部が詰め掛けていた。まひるたちも応援で来たが、会場内で騒ぐわけには行かないので気合だけで応援である。
 アリオル学園は順調に勝ち上がって来ていた。弓の上手いかぐやが入ったことで安心感が生まれ他の生徒も肩の力が抜けたせいかも知れない。そして決勝戦。昨年と同じくライバル校との一騎打ちだ。緊張のせいか最初のほうでミスがありライバル校に僅差で負けている。
 そしてかぐやが立った時だった。会場がぐにゃりと曲がったような気がした。会場の全員が一斉に眠り込む。闇の絶対空間が発生したのだ!
「かぐや!」 応援席からまひるが立ち上がる。かぐやも胴着のままキュアパストを構えている。
「プリキュア・エクスチェンジ!」
 二人がプリキュアに変身すると、クバートが弓道場内に現れる。
「今日こそ、シャイミーとプリキュアの力を渡してもらうぞ」
「鶴野先輩たちとかぐやの大切な試合の日なのに許せない!」 サンディが飛び掛る。サンディをひらりとかわしてクバートが仮面を的に投げつけた! 的クライナーが誕生する。
「クライナー!」 クライナーは弓もないのに闇の矢を発射してきた。矢が当たった所は闇色に沈んでいく。
「何て事を!」 ナイトが闇の矢を避けながらクライナーに接近し、一撃を与える。サンディは高く飛び上がり上空からの攻撃だ! しかし中々ダメージを与えることができない。「あぶない!」 隙を突いて闇の矢がサンディに向かって飛んでくる。「正射必中!」 ナイトの声が聞こえ、闇の矢が普通の矢によって跳ね飛ばされた。すばやく次の矢を番えて素早く発射する。ナイトの放った矢が的クライナーの真ん中に命中した。「クライナー!」 もだえ苦しむクライナー。
「プリキュアクロスライジング!」 必殺技を発射し、的クライナーに命中粉砕。クライナーが消え、シャイミーのカードが残った。クバートの姿は消えていた。
 何事も無かったかのように試合が続行された。三本までは全部命中し四本目をかぐやが放とうと弓を引いた時だった。いきなり弦が切れた。はっとするかぐや。
戦闘時にプリキュアの姿で引いたのが悪影響を及ぼしたのだろうか? すぐに作法に乗っ取って処理し、新しい弦を張った弓を取ったが、それが悪影響だったのか外してしまった。
 鶴野先輩は全て命中させたが、一歩及ばずアリオル学園は優勝できなかった。試合後の弓道場にたたずむ鶴野先輩。その姿に後ろからそっと近付くと肩がかすかに揺れている。
「ごめんなさい、助っ人になれなくて」 謝るかぐや。鶴野先輩が顔の目のあたりをゴシゴシ擦ると笑顔で振り返る。
「仕方ないわよ、弦が切れるなんて滅多にないし。運が悪かっただけよ」
「でも…」「悪いと思うなら部員として明日から頑張って! 来年は優勝よ」
「……はい」

ストーリー設定メモ

(作品内にこんなシーンが欲しいという設定やイラストを記載します)
09.03.24設定

09.03.26設定
  • 24日に投下されたあらすじ案に対して、スレ停滞の原因という指摘があり、投下者があらすじ案の廃棄を希望したため、新たにあらすじ案を作り直すことになりました。

09.03.28設定
  • 再度、参加者の意見により投下されたあらすじ案が再採用されました。
  • かぐやが自分から新しい世界に積極的に飛び込んでいく(まひるの影響)
最初助っ人という引いた形で入る(今までのかぐや)。負けた悔しさからクラブに加入することを決意する(これからのかぐや)という対比でみせるといい。
15話が終わって、かぐやも少しは変わったし、その地続きでって感じに。充分、今までにまひるに影響されたから、今度は私が自分の意思で…って感じで。
  • かぐやがまひるに対して本格的にデレる?
かぐや「私、部活とかやってみようかしら・・・そしたら、まひる応援してくれる?」
まひる「あったりまえじゃない! 私、かぐやの応援団長だよ!」
そして、顔真っ赤にしてうつむいて照れてるかぐや・・・(そしてそんなかぐやをみてにへらっと笑う、または気付かない鈍感なまひる)。
  • かぐやの祖父母への態度
部活にはいったら、かぐやは祖父母にも「聞いて聞いて、私部活に入ることにしたの」とか得意そうに話しそう。
  • クラブ活動を開始したことによりクラスメイトともつながりが深まる。
左京、右近や委員長からも「えー!?月宮さん、部活はいったのー!?」「応援するよ、きっと大活躍だね」「これは驚いたわ」とか、徐々に違和感なく打ち解けれる種になる


次回予告

まひる「おっ昼だ、おっ昼だ、お弁当!」
かぐや「まひるのお弁当っていつも自分で作ってるの?」
まひる「うん、うちはお母さん家事苦手だし」
かぐや「偉いわね。私は今日、一人で留守番だから買って済ませたわ」
まひる「え? かぐや一人で留守番なの?」
かぐや「お爺様もお婆様も旅行なのよ」
まひる「へー……、ねねね、今日は私の家に泊まりにこない?」
かぐや「へっ?」
ま&か「冒険! プリキュアデイズ、『味付けは友情! 一泊二日のお料理合宿』」
まひる「ピカピカ輝き見つかるかも!」
かぐや「荷物が嵩張るけど良いかしら?」
まひる「もしかして、かぐやって枕が変わると眠れないタイプ?」


第17話のタイトル候補
  • 「かぐや部活に入る? 貫け、矢に込めた思い」
から話し合いで「かぐや部活に入る? 貫け、矢に込めた思い」が選ばれました。

第17話の話合いの際に出された全体の設定メモ

  • この作品の後、「かぐや限界! チョー忙しいある日」という話があってもいいかも。
  • 夏はホラー話が見たい(キャンプで行う? それとも合宿)
のりこ「・・・え、なに?ヤダ!」
みか「どうしたの!?則子!」
のりこ「目の前がぼんやり・・・視界が曇って・・・」
まひる「オバケ嫌ッーー!?」

ゆきな「私の眼鏡かけてるからだろ、返せ」

のりこ「・・・頭良く見えると思って・・・」
  • 海辺で水着コンテストの話があって、スゥさんが参加するとか

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最終更新:2009年04月07日 00:29
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