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あらすじ

 秋の気配も見えてきた学園の掲示板に生徒会選挙の告知ポスターが貼られはじめた。文化祭を挟んで新旧の生徒会が引き継ぐのが慣わしで、その前に新たな役員を決めなければならない。学園内が、誰が立候補するのかという話題で持ちきりな中、生徒会長である天城先輩が一人溜息をついていた。
「どうして、誰も立候補しないんだろう……」 立候補者名簿に目を落とす、役員への立候補はかなりあるにも関わらず、生徒会長への立候補者名が空欄のままだったのである。このままでは、選挙を行うわけにも行かず、引継ぎもできなくなってしまう。
 天城先輩は思わず溜息をついた。

「どうだ、闇の仮面の強化は?」 妖しげな機器が並ぶ部屋にガトールが踏み入る。そこには闇のオーラを発している仮面を前にしたモークライが怪しげな笑みを浮かべていた。
「ガトールさんとアンコチョウチョウさんのデータを着実に反映してますよ。これでエクリプス様のための計画も上手くいきそうです」「それは良かった。どれ、新作を試してやるか」「では、今度はこのような形で……」 モークライがガトールに耳打ちすると、ガトールはニヤリと笑う。
「それも良かろう」 ガトールの姿が仮面と共に消えた。

「どうやら原因は僕にあるらしいな……」 溜息をつきながら天井を仰ぐ天城先輩。先生や生徒たちにいろいろと事情を聞いたところ、現生徒会長以上の人材が見当たらないということらしい。『普通にみんなのために努力してきただけなんだけどな』 生徒会長として当然の職務を全うしてきただけと思っていたので、この原因は天城先輩にとって頭の痛い問題だった。
「先輩、どうしたんですか?」 聞き覚えのある声が聞こえる。ふと振り返るとまひるの姿があった。「何だか元気がないような感じがしたので」「ちょっと考え事をしてただけだよ」 まひるはドキドキしながら天城先輩の隣に座る。遠くでエールを送っている娘たちがいるが、もうそんなことは頭の隅に行ってしまっている。
 まひるは、以前にかぐやのことで落ち込んでいた自分を励ましてもらったことがある。それを思い出して何か力になりたいと思ったのだ。その気持ちが通じたのか、天城先輩が珍しくまひるに悩みを話してくれた。聞くことはできる、でも自分がそれにどう答えたらいいのか分からない。ましてや、どう力になれるのか……。まひるのそんな戸惑いに気付いたのか、不意に天城先輩が立ち上がる。「ごめん、こんなこと話して。でも朝日奈さんに話してすっきりしたよ」 天城先輩の顔に笑顔が浮かんでいた。少しは力になれたようだ、とまひるは思った。
 数日後、生徒会室にクラブの代表が何人か訪れて騒がしくなっていた。クラブから請求のあった物品を生徒会が学校を通じて手配したのだが、どこかで行き違いがあったらしく問題が発生したらしい。秋の大会や文化祭での展示などを控えてクラブの代表者もピリピリしている。詰め寄る生徒たち、対応する天城先輩。かぐやも鶴野先輩と一緒に生徒会室にいる一人だった。そしてまひるも。あーだこーだと話し合うが一向に埒があかない。そんな中でかぐやが「まず、各クラブで出来る所は対応してみてはどうですか? 直接、業者と交渉するとか」と提案した。
 彼女の言葉に最初は「難しい」とか「生徒だけじゃ無理だ」とか言っていた他の生徒たちも一生懸命説明するかぐやの意見に一理あると思ったらしい。その意見を元に天城先輩が意見をまとめ、学校側の対応と同時に行うことになった。ようやく落ち着きを取り戻す生徒会室。
「かぐや、すごーい!」 まひるが尊敬のまなざしでかぐやを見つめる。「口だけじゃ誰もついてこないわ。次は、行動よ」と言って、鶴野先輩とかぐやは出て行った。まひるも桜園先輩と一緒に生徒会室を後にする。一人残された天城先輩の顔には、何か思いついたような表情が浮かんでいた。
 天城先輩がかぐやにリーダーシップの素質があると考えたようだ。翌日、すぐにかぐやを生徒会室に呼んで口説いたらしい。しかし、かぐやは天城先輩の願いを受け入れなかった。「私にはやらなければならないことがありますから」 
「朝日奈さんって月宮さんと仲良かったよね」 天城先輩がまひるに声を掛けてきた。生徒会長としてかぐやがふさわしいと思っていること。しかし、かぐやからは拒否されたこと。それらを素直にまひるに話した。「僕は、月宮さんが会長になってくれればと思っている。できれば、君からも話してみてくれないか」 まひるは、天城先輩の話を聞いてかぐやが何となく機嫌の悪かった原因がわかった。まひるは、生徒会の仕事がかぐやの世界を広げるのに役に立つだろうし、また天城先輩の役にも立てるかと思うと嬉しかった。
「分かりました、先輩。かぐやに話してみます」 まひるは力強くうなずいた。
 が、実際は天城先輩とか生徒会の話をしただけで、かぐやが拒絶するのには困った。理由を聞くと「クラブやプリキュアをするので精一杯だし、まひるとの時間も減ってしまう」とばっさり。まひると過ごす時間が減るから嫌、と言われてしまってはどうしようもない。
 そんなある日、以前に問題になった出来事が予想よりもスムーズに解決した。生徒が直談判したことで事態が変わったらしい。あの時、生徒会室に詰め掛けていた人たちは、かぐやの功績を忘れてはいなかった。次々にお礼を言われ恐縮するかぐや。そんな中、かぐやはある日のお爺さんの姿を思い出していた。それは、雨風が強い夜のことだった。地域の会合に出かけるというお爺さんをお婆さんが「無理しなくたって、断っても誰も文句を言わないでしょうに」と止めたが、お爺さんは「会合の責任者が出なくてどうする。地域のことを思うから責任のある仕事をしてるんだよ」と言って会合に出かけていった姿だった。
 お爺さんのように自分も学校のために何かできるんだろうか? かぐやの心の中で何か変化が生じていた。
「まひる、私生徒会長に立候補してみようと思うの」「え!」 あれほど嫌がった生徒会長への立候補を急に持ちかけられてまひるは目が点になった。「どうしたの、急に?」 まひるの問に、この間の騒動を例にあげて自分がプリキュア以外に何か人のためになれればいい。まひるが皆をチアリーディングで応援しているみたいに、学校の皆の力になりたい。……そんな事を話すかぐや。まひるも彼女の思いを感じて熱くなる。「私、応援するよ。頑張ってね」
 かぐやの申し出に同じく喜んだのは天城先輩だった。早速、候補者名簿に登録された。生徒会長の候補は、かぐやだけだったので信任投票という形になる。立会演説会の当日がやってきた。体育館にイスを並べて全校生徒が座っている。書記や会計など、普通に投票される候補者が演壇に上がり演説を行う。副会長候補が終わり、次はかぐやの番だ。緊張しながらも演壇に立つかぐや。「月宮さん、頑張れ!」 則子たちから声があがる。
「皆さん、こんにちは。私が会長に立候補した月宮かぐやです」
 その時だった。体育館の中がぐにゃりと曲がったような感じがした。「!?」 生徒たちが一斉に眠り込む。次の瞬間、ガトールが姿を現した。「ダークネス!」「さーて、これから実験の開始だ」 ガトールが闇の仮面を投げ、体育館の壁面に掛ける。次の瞬間、体育館ごと闇の空間に転移した。生徒の姿が消え、がらんとした空間にまひるとかぐや、そしてさくらの三人だけが残される。「いつもと違うレジ!」 鞄から顔をだしたパープルが叫ぶ。「逃げた方がいいプル」 パープルの意見に従って体育館の扉を開けようとしたが開かない。天井に仮面の顔が現れ、体育館が球体の空間に変わる。
「ほほう、面白い。クライナー空間を内側に作れるのか」 ガトールが空中で浮かびながら関心したような声をあげる。「やれ、クライナー」
 パイプイスや演壇が二人に向かって飛び掛ってくる。「変身よ」 キュアパストにカードをスラッシュさせて変身する。飛び交うイスや演壇、ボールや跳び箱などを避けながら、壁に向かって攻撃するが、たいしたダメージは与えていないようだった。振り払っても振り払ってもきりがない。
「ここはブレスの力で一気にやっつけるピピ」 さくらがピンクに戻って叫んだ。アドベンタルデイズキーを召還し、演奏を始めるオレンジ、パープル、ピンク。その演奏に導かれて、アドベンタルブレスが二人に装着される。「デイーズ!」 必殺技を発射する。しかし反応がない。二人が力をなおも込めるとブレスが輝き出し、技の威力が増していく。そして必殺技の力がクライナー空間の一点を切り裂いた。そのまま上に向かって一気に切り開く。「ハヴァナイスデー!」 切り開かれた穴から巻き取られるようにクライナーが消滅し、シャイミーのカードが残された。
「この仮面の機能は作戦次第で充分に使えるな」 ガトールは成果に満足するとそのまま姿を消した。

 かぐやの演説が何事もなかったかのように始まる。そこでかぐやは学校で自分がどのように力になり役に立てるのかを自分の考えたまま話した。飾り気のない言葉が却って生徒たちの心を打ったようで、演説終了後には大きな拍手と歓声で迎えられた。
 そして、投票日。開票の結果、かぐやは過半数を大きく上回る信任投票を得て会長に当選した。万歳三唱でかぐやを取り囲む山桜組の一同。まひるはかぐやに花束を渡す。「おめでとう、かぐや」「ありがとう、まひる」「これから忙しくなると思うけど、何か手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」「じゃあ、肩を揉んでくれるかしら」「もー、そんなんじゃなくって!」
 かぐやとまひるのやり取りにクラス一同、笑いが起こった。

ストーリー設定メモ

(作品内にこんなシーンが欲しいという設定やイラストを記載します)
09.07.29設定
  • ストーリー構成案の際に出されたアイデア
 先輩が進路になやんで、その相談に乗ってるうちに生徒会入りをする。積極的になったかぐや。あとはまひるたちが応援合戦

09.08.17設定
  • 天城先輩の進路について
最終的にはどうするか決めてしまうのではなく、かぐや(次の候補)に生徒会長の後を継いでもらったら、卒業するまでの間ゆっくり考えてみるっていうことで保留
  • ストーリーの流れについて
  1. 次期生徒会の進路を決める立候補者の募集期間が始まる
  2. 生徒会長の候補者が誰も居ない→先輩の苦悩始まる
  3. 理由を探っていくと今の会長並みの人材が居ない
  4. ある日、何かのトラブルが起きて、それを解決しようとした先輩の目の前でかぐやがテキパキ処理するのを目撃→問題のイベントを何にするか検討!
  5. この子だ! この子こそ生徒会長にふさわしい子だ!
  6. 先輩、かぐやを説得しようとアタック→玉砕続く
  7. では、方法を変えて「将を射んと欲すればまず馬を」ということでまひるに相談
  8. まひる「先輩のためにかぐやを説得します!」→まひるが天城先輩のことを話すということについて、かぐやは無意識に不機嫌
  9. まひる、かぐやを説得→分かったわ、まひるが言うなら生徒会長になる(※単純に説得されるのではなく、かぐや自身が生徒会長を目指すような動機付けを検討する)
  10. かぐや、自分なりに生徒会長について考える
  11. いよいよ立会い演説会→クライナー乱入
  12. かぐやの邪魔はさせない!→クライナー粉砕
  13. かぐやの演説に生徒が感動
  14. めでたく、かぐや生徒会長に就任
  15. で、エピローグ(または、オチ)

09.08.21設定

次回予告

まひる「則子たちが旧校舎を見に行こうって」
かぐや「取り壊されるから立入禁止って話でしょ?」
まひる「壊される前に七不思議を確かめに行くんだって」
かぐや「七不思議って何?」
まひる「深夜の音楽室でピアノが鳴るとかー」
かぐや「えええ、そんな話なの」
ま&か「冒険! プリキュアデイズ、『鬼の目にもナミダ!? 思い出の旧校舎』」
まひる「ピカピカ輝き見つかるかも!」
まひる「初代校長の銅像が走り回るとかー」
かぐや「いやー、もう聞きたくなーい」

第32話のタイトル候補
  • 「悩める天城先輩 かぐやのドタバタ生徒会選挙」
  • 「かぐや生徒会長就任」(仮題)
  • 「悩める天城先輩 かぐやが生徒会長!?」
から話し合いで「悩める天城先輩 かぐやのドタバタ生徒会選挙」が選ばれました。

第32話の話合いの際に出された全体の設定メモ

添付ファイル