SINGULAR BLADES 企業・教育機関等

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企業・NPO・教育機関など


※設定は随時作成・更新中のため、項目ごとに矛盾があったりします。

【ドレクスラー・コーポレーション】

 ナノマシナリーテクノロジーの最大手にして、現代における「三種の神器」のひとつ
汎用ナノアセンブラシステム“アゾット”の特許権を持つメーカー。銀河連邦議会への
影響力もトップクラスに強く、銀河系の実質的な支配組織の一角であると言える。
 企業でありながら惑星どころか星系レベルの委任統治領を保有しており、傘下の
グループ企業は工業・化学・製薬など多業種にわたる。取引相手ともなると
あらゆる業界がドレクスラーの技術に何らかの形で依存していると言ってもよく、
連邦経済の要石たる彼らに逆らえる権力主体は非常に限られていた。しかし
革命軍“ザナドゥ”にじわじわと技術を解析され、屋台骨が揺らぎ始めている。
 ドレクスラーに限らず、大企業の技術独占を保障していたのは連邦の技術管制法群と
それを強要するための軍事力である。武力でCJPOに対抗できる勢力が出現してしまえば、
秘伝の特許技術が拡散するのを止める術はない。それでも権力の味に慣れてしまった
彼らは、正々堂々と市場原理の下で競争に臨むよりも、連邦の支配体制を崩壊させまいと
全力で反動弾圧に加担する。

【マイクロフト・インダストリー】

 微小機械分野第二位の企業。ドレクスラーには業績上大きく水をあけられているが、
あえて対抗しようとせず独自路線を採ったところにマイクロフトの賢明さがある。
同社の主力法品であるマイクロマシンは、ナノマシンと比べて汎用性・
作業の精密度で劣るが、その分用途ごとに特化した高機能なモデルを作りやすく、
工作速度も格段に速い。シングラルの自己修復システムなどはドレクスラーの
ナノマシンとマイクロフトのマイクロマシンを組み合わせて構築されている。
大型構造物に強いことから、ゼネコンとの繋がりも太い。
 社名の由来は一般に「マイクロクラフト(細微の力)」だとされる。また、
地球時代のミステリ小説に登場するキャラクターの名であるとの説も存在する。

【ギブスン&スターリング】

 統合識覚投影システム<パーセプション・プロジェクター>の開発・販売元。
現在の人類文明を支える電脳技術の中枢とも呼ばれ、星間企業体群の中でも
ドレクスラーらと並んでトップクラスの権勢を誇るホールディングカンパニー。
 初代CEOアンソニー・クロームストライカーは天才的エンジニアであり、
地球時代の仮想現実技術を断片的なデータから再構築した。これが後に
パーセプション・プロジェクターをはじめとする重要製品の開発へと繋がり、
現在まで同社を支える秘伝の体系となっている。
 ルミナリスタ・コンピュータなどのハードウェアだけでなく、自社製品の規格で
動作するソフトウェアや、パースネットのサイト運営業務も展開する。系列企業に
通信関係も抱き込んでおり、グループ内での情報共有率は高い。
 第二種知性構造物の取扱い許諾を連邦政府より得ている、数少ない法人の
ひとつでもある。第二種は主に星系ネットの検索エンジンなどに組み込まれる。

【ティルトクラフト・エンタープライズ】

 「三種の神器」のひとつ、斥力干渉器<リパルジョン・インターフィアラー>の
製造・販売元。星間企業体群の中でも、外部公開情報が少ない謎めいた会社。
 斥力干渉器そのもののほか、重力工学に基づく商品・サービスはTEと傘下の企業が
一手にカバーしている。艦船や浮遊構造物の設計・建築も副業とは呼べない規模で
展開しており、外宇宙を航行する者がTE社の製品を用いないことはあり得ない。
 斥力干渉器の製造には希少元素レーンシウムが必要であり、これがなければ
反重力物質を縮退させておくための超電導コイルが十分な磁束強度を維持できない。
(※斥力干渉器の設定が再編中のため、この部分は改訂予定)
そしてレーンシウムはナノテクによる合成が不可能な物質であることから、
宇宙鉱夫などによる原始的な発掘作業がいまも行われている。TEはレーンシウムの
鉱床を自社で相当数押さえており、高価な資源の供給を外部に依存しなくてもよい
という大きなアドバンテージを保持している。

【限ヶ島ユニバーサルテクノロジー】


【ヴィンチェスター・クリークス・マティーリエ】

 地球時代からの伝統を持つ兵器メーカー。ヴィンチェスター財閥が抱える
数多のグループ企業を束ねる持株会社であり、業界第二位の大手。
 MAUS兵器や自律攻撃衛星の技術において右に出る同業他社はなく、手持ちの
武器も信頼性の高さから現場の兵士に好まれる。これは歴代社長が軍役経験者で、
実戦志向の武器作りを社是としているためである。高性能モデルが多く、値段は高め。
 シングラル本体の設計に関してはノウハウが少なく、連邦の募集で次期主力機の
コンペが始まってから本格的に着手したため、現状では実験機をいくつも製作して
データ収集にあたっている段階。いずれも自社の強みであるMAUS兵器を標準装備し、
単機で空間を制圧できる機体、というコンセプトのもと設計されている。

【ブラックスミス・システムアームズ】

 新興の兵器メーカー。新型のリパルサーアクセラレーションキャノンを開発した
ことで一躍有名になった。野心を持った若手の技術者が集まっており、設計する兵器は
独特の思想・技術に基づいているものが多い。一部では「変態企業」と陰口を叩かれている。
 連邦の次期主力機コンペにも参加している。提出した機体プランはそれぞれ砲撃戦や
白兵戦に特化したもので、前衛と後衛を分けての運用が前提となる。汎用性を捨てた分
得意レンジでの戦闘能力は絶大だが、乗り手や指揮官に掛ける負担は増大するため、
性能をマイルドに調節し直した量産仕様のプランも上がっている。

【アンダーワールド・オークション】

 異星文明の遺跡発掘事業を展開している会社。創業者の子孫が世襲で代表取締役を
継いでおり、現トップは7代目のルードヴィッヒ・ミットラード。
 業界最大手だが、内実は悪徳の権化。出土品をブラックマーケットに流すのは当たり前、
それどころか闇ブローカーとのコネクションを無数に持ち、盗品の買い取りや転売をも
請け負う、暗黒の古物流通業者である。
 遺跡からオーバーテクノロジーの産物が発見された場合などは、特に高い値を付けて
企業や国家、テロリストに売り捌いているともされ、禁制技術の流出源として
連邦警察にマークされている。しかし尻尾を掴ませないよう巧妙に立ち回っており、
これまで決定的な取り締まりの対象にはなってこなかった。

【ジャッジメント・インターセクション】

 情報評価会社の最大手。「銀河の情報中枢」を社是に掲げる。
 No.1だけあり情報の取扱量・評価の信頼性ともに高い。連邦に都合の悪い情報も
公正に評価するという点で、巨大企業には珍しい中立性があるように見えるが
それは本当に「ヤバい」情報は取り扱わないなどのしたたかさも備えた経営ゆえ。
 市民の求める情報だけを届けるという点では割り切ってビジネスをやっている。
エンターテインメント関連の批評は特に容赦がなく、そこが却って連邦市民に人気。
大量の情報を選別するため、金と時間のどちらかを犠牲にしなければならない時代に
あっては、市民が娯楽に向ける質的関心も高い。JIの評定の厳しさは、消費すべき
コンテンツを絞り込むための優良な指標のひとつと看做されている。

【ウェストリバーエンド遺跡調査財団】


【オーゲンブリック・ロジスティクス】

“時計仮面(タイマーマスク)”クロニス・オーゲンブリックが経営する非合法運送会社。
いかなる魔術を用いているのか、数千光年離れた星系にでも注文とほぼ同時に
荷が届くという超高速配達を売りとする。そのスピードから禁制技術使用の
疑いをかけられたことも一度ならずあったが、CJPOは未だ正体を掴めていない。
捜査の手が及ぶ寸前になって、彼らはいつも姿を消してしまうのである。

【ペンドラゴン・トランスポート】

 運輸業界最大手。輸送のみならず貨物の護衛も引き受ける点でPMCに近い。
その性質上、企業が有するものとしてはかなり大規模な私設軍隊を備える。
練度もCJPOと同等以上で、“解放星団”による本社襲撃を社有戦力のみで
返り討ちにした件は伝説となっている。
 軍事物資の輸送も請け負う関係上、CJPOや軍産との関係が深い。
ペンドラゴンの強力な兵士や装備はその伝で手に入れているものである。
 社風はガチガチの体育会系。軍隊式の教育によって、武力部門以外の
社員でさえ肉体鍛錬が義務付けられている。有事には彼らも戦力となる。

【ブルーゲイル運送】


【サンハイドライン・エレクトロニクス】

 電子工学系巨大企業。主星系アステロイドベルトに社有の小天体を数多く構える。
社章は黄色の円とそれを遮る一本の黒い横棒。社名通り、太陽を隠す小惑星帯を
黄道面上から見た構図となっている。
 市民に浸透するような有名商品は多くないが、にもかかわらず産業界での影響力は絶大。
同社の動的光電回路形成技術がなければ、パーセプション・プロジェクターも
軍用艦も、およそ先端機器類のほとんどが動かないのである。
 失われた基盤技術を継承し、復興させてきた彼らのルーツは、地球のパラオにあると言われる。
社章がパラオ国旗に似ていることから唱えられるようになった説だが、
社からの公式声明がないため、真相は不明。

【エピメテウス】

 文化の保護・保存を目的としたNPO。博物艦パンドラ号を本部とする。
 地球失陥の後に発足した団体が源流であり、有形無形を問わず数多くの貴重な
文化遺産を現代に伝えている。しかし多様性を認めるよりも中央の価値観で
銀河系を塗りつぶしたい、巨大企業群や連邦政府からは嫌われていた。そのため
革命義勇軍“ザナドゥ”が旗幟を掲げるといち早くその保護下に入り、各星系で
築き上げた草の根的情報ネットワークを連邦との戦いに役立てている。
 なお「エピメテウス」はプロメテウスの弟で、名の由来は「回顧、後ろ向き」を
意味するギリシャ語から。彼の妻として神々が作った女がパンドラである。

【ナムリス製薬】

 人類初の実用的な延命措置技術を完成させた老舗製薬会社。現在は後進勢力に
延命技術分野でのシェアを奪われているが、製薬業としては未だ大手。EAMの製造も
手がけており、“フェアリースケイル”や“ドラゴンブラッド”など、一時的に
筋肉のリミッターを外したり痛覚を麻痺させたりする「スーパーマンドラッグ」が人気。
 スーパーマンドラッグの応用で、前線の兵士用に調整された戦意高揚剤なども
製造している。副作用はないという謳い文句だが、過剰摂取は血圧の異常上昇を招く。

【エレボール】

 先天性寿命延長処理技術の特許権を持つ巨大企業。元はベンチャーからの成り上がりで、
社名は後に変更されたもの。旧社名は「ナインライヴズ・ジェネティクス」。現社名の
「エレボール」は、J・R・R・トールキンの小説に登場するドワーフの王国に由来。
同社の技術で幼形成熟化した人種を「矮星族<ドワーフ>」と呼ぶ文化に応じて改名した。
 遺伝子工学を中心としたバイオテクノロジーの研究と、それを応用した商品開発・製造・
流通・販売までを一手に請け負う。彼らの持つ技術が人間に与えられた時間を延ばし、
また支配階級の権力を盤石のものとした。間違いなく世界を変えた企業のひとつ。
 本社は主星系第六惑星に存在する。あえて恒星から遠い重力井戸の底に本社を据えたのは、
地代の安さとリスクヘッジの観点から(事故が起きても拡散しにくくリカバリーが効く)。

【エルフェンバイン研究所】


【ズィーテック】

 惑星ツェティを拠点とする総合メーカー。主力製品は同星固有の金属生命体を改造した
生体兵器「ジースト」。出力の問題でシングラルには及ばないが、強力な機動兵器となり得る。
ジェネレーターを増設した機体ともなるとシングラルに匹敵さえする。しかし乗り手と機体の
相性によって操縦性が大きく変わるため、兵器としての安定性を欠くのが難点。基本的に
シングラルより安価なため、辺境星域の自警団や中小の民間軍事会社が使っていることがある。
 ズィーテックは同惑星の希少な鉱物資源も輸出しており、精神感応金属ディオハルコンや
違法薬物の原料となるジオマグナイトはこの星が産地である。
 あからさまにZOITEC社なのだ!

【モダンインフォメーションズ】

 情報評価会社であると同時に新聞社。入ってくる情報の鑑定も、自社で配信する
ニュースの内容も、極端な右翼主義が露骨に見えるため常識ある市民は信用しない。
しかしスポークスマンが代々優秀なことや、ポルノ系コンテンツの異常な充実具合から
熱狂的な支持者が常に一定数いる。多くは中高年の男性。
 読者数が少なく、記事傾向から連邦警察のマークも甘いことを利用して、
革命軍“ザナドゥ”が秘密の暗号を伝える媒体に使うことがある。もちろん
MI社の方ではそんな事実は全く知らず、一方的に利用されているだけである。

【ノーヴァエ・テクニカ】

 孤絶文明圏や開拓地向けの“文明コーディネーター”を標榜するコンサルタント会社。
後進星域の社会体制や科学技術について、「合法的かつ健全」な発展のための
指導・助言を行う。科学的リスク管理の手腕には定評があり、統一銀河連邦領の
辺境星域では絶大な政治的影響力を有すると言われている。
 裏の顔として、連邦にとって危険な技術やイデオロギーを無害化していくための
文明矯正機関としての働きも大きい。そのノウハウゆえ、歴代CEOは“劫院”の一員である。

【クロニアム・サイエンス】

 地球時代の時計工房まで源流を遡れるという、職人気質の超老舗電子機器メーカー。
日用家電から機動兵器まで、精密機械の内装部品を取り扱う。人気商品は「対歪時計」で、
重力や速度による時空の歪みを感知して外部との時差を記録する時計。携帯端末や
宇宙船の時刻表示に使われるほか、兵器類の情報補助システムにも組み込まれている。
 この時代における業界シェア一位の企業としては珍しく、健全そのものの経営をしており
企業腐敗に詳しい有識者の間では「すべての経営者が範とすべき」と評されている。
 本社ステーションのフロントに置かれた四次元砂時計のオブジェ“クロニアム”は
1000年以上前に作られたものとされ、現在の社章デザインの元にもなっている。
由来は小松左京のSF小説『果てしなき流れの果に』に登場する同名の祭器から。

【ラグランジュ・コンピュータ・エンターテインメント】


【ヒノシタ重工】

 日系の重工業大手。旭日旗をモチーフとした社章や、社屋のいたるところに
設置された神棚がそのルーツを強烈に主張する。

【ヴェスプチア・プランシパルティー】

 かつて地球圏最大の航空機メーカーだった会社。
 欧州の小国・ヴェスプチア公国を代表する企業として重力下の空を支配したが、
“大喪失”の折に母国そのものが地球とともに消失。社の保有するスペースコロニーを
改造し、遥か銀河の中心へと旅立つ船団に参加した。
 現在はエアカーの製造・販売、及びTCS(交通管制システム)運営が主幹事業。旧公国系の
ラインを残した優美な車体デザインが人気で、TCSの処理精度も事故率がきわめて低く優秀。
 社屋は船団連邦時代からのコロニーシップをそのまま増改築しており、従業員はいまなお
旧公国民の子孫が半数を超える。「亡国の飛び地」と揶揄されることも。

【エピキュリアン・メディコープ】

 製薬業界最大手。栄養補助サプリメントから専門の医薬品までを開発・生産する。
 EAM(Emotion Adjustment Medicine/感情調整薬剤、イーム)と呼ばれる連邦公認
ドラッグのうち、最もポピュラーな“神丸<アムブロシア>”の製造元でもある。
これは副作用がほとんどなく、安全にトリップできることから、主星系の人々の
ライフスタイルを変えるほどのベストセラー商品となった。飲食物に混ぜて服用できる
手軽さも流行の一因。もともと絶滅しかけていた煙草はおろか、酒造業界にも大打撃を
与えたとされる。用法用量を守らず服用した場合は神経系に異常を来すことも。
 反EAM団体からは目の敵にされ、人類総白痴化を目論む悪の企業帝国と看做されている。
社の警備部門が一星系軍に匹敵する戦力を有していることも疑惑の一因。

【星華銀行】


【雷禅寺星間葬祭】


【魄電有限公司】


【ハーディマン・インタープラネタル・ロボティクス】

 軍事用ロボット開発の最大手。人型全領域戦闘機シングラルを最初に実用化した会社
であり、現在まで最も多く戦場に出回っている名機“グラディウス”の開発元でもある。
 後継機として開発した“シミター”や“シャムシール”はさほど普及しなかったが、
グラディウスのライセンス料だけでも莫大な利益となるため、経営は傾いていない。
 社是は「優秀な兵器は、シンプルかつ安くなければならない」というもの。製品も
これを体現しており、単純構造ゆえの頑丈さが現場の兵士に好まれている。
 シングラル開発のほか、対人オートマトンの設計に関しても優秀な技術者を
数多く抱えており、多脚歩行戦車“スタンドクラウン”は重力下の対テロ制圧作戦などに
大量投入され戦果を上げてきた。同社のオートマトンはナノ合成不可能な希少物質を
可能な限り使用しないことにより、極限までコストダウンと整備性の向上が図られている。
 現CEOはダグラス・ハーディマン。矮星族であり、“劫院”の一員。

【菱田工業】


【フィロストラトス】

 民間軍事会社。公権力との癒着があり、完全に連邦サイドの御用PMC。腐敗したCJPOでさえ
公には実行できないような汚れ仕事を任される、闇の外部武力機関のひとつである。
 所属する社員は人格破綻者か、高給に釣られた腕利きか、あるいは反連邦勢力に何らかの
個人的憎悪を抱く人間が大半。非人道的作戦をも決断的に遂行する冷徹さの持ち主ばかりで、
練度と戦意の質は連邦正規軍を大きく上回る水準にある。また危険を顧みない蛮勇も
ここの戦闘員の特徴で、正規兵が尻込みするような激戦区・死線への出撃さえ請け負う。
これは「そういう戦場の方が敵を多く殺せるから」であり、彼らの狂気が支えた戦線は数知れない。
 反面、人格的には問題のある兵士ばかり抱えてしまっているため、市民へのプレゼンスを
意識した軍事行動には投入しにくい。統制の取れた連携が重視されるような作戦も不向き。

【造園事業体<ガーデナント・コンソーシアム>】

 テラフォーミング技術を掌管する組織。常に移動するコロニーシップを本社とする。詳細不明。

【遷光船団】

 銀河系外の空間を亜光速で周回している船団。異星人の類ではなく、人類の子孫が乗り込んでいる。
彼らは相対論的時間遅延効果による「未来への航海」を志す者たちである。
 銀河核からの遠さとその速度ゆえ、外界の人類文明とはほとんど交流を持たない。
ただ未来を見に行くという、文字通りの向う見ずな情熱に人生を捧げた、風変わりな一団として
銀河市民からは認知されている。ごくまれに船団を抜けて通常の時空へ“減速”してくる者がおり、
彼らは過去の時代の生き証人として持て囃されることも多い。

 銀河連邦と革命軍“ザナドゥ”の戦争が始まって以降も、船団はその争いに関与することはなかった。
名目上は連邦の構成体であっても、固有速度が大きすぎて通常の通信は成立せず、
連絡船を往還させるには数カ月~年単位の時間が掛かる。船団側としても不干渉の態度を表明しており、
相争う両軍を尻目に亜光速の船たちはただ未来へと驀進していた。
 拝速教<ヴェロシティズム>においては「機動せる聖地」とされる。

【ロートヴァンク家】

 銀河貴族の一門。源流は旧く、地球時代に自動人形<オートマタ>の開発を手掛けた工房にまで遡る。
工房を開いた始祖たちは錬金術師の一族であったとも伝えられ、同家の技術基盤には現代まで不可解な点が多い。

 玩具の機巧人形や可動式フィギュアといった嗜好品から、最先端の人型ロボット、サイバネティクス部品まで
およそ人体を模した工業製品に関する市場はロートヴァンク・コンツェルンの支配下にあると言える。
補助脳や神経接続に関するノウハウも蓄積しているため、人型全領域戦闘機<シングラル>の
設計・製造にも関与しており、ハーディマンやヴィンチェスターといった斯業の大手とも太い取引がある。

 一般に知られていない機密ではあるが、ロートヴァンク財閥の中核組織は
グループ内で最大の事業規模を誇るロボット・サイバネ関連企業ではない。
 所在を秘匿された人工天体〈マリアの心臓〉に本社を置く、性愛玩人形専門の
オーダーメイド工房“シャルク・インダストリア”。巨大なコンツェルンのあらゆる情報と権限が、
最終的には一族の本拠たるこの小天体に集まってくる。
 統一銀河連邦が星間企業体群に超法規的特権を与えるのは今に始まったことではないが、
ロートヴァンク家は実際の経済的影響力に不相応なほどの治外法権を認められている節がある。
このような家系はきわめて危険な第一種禁制技術の封印を守っていることが多く、
詳細は知られていないものの、ロートヴァンク家も同様であると推測されている。

 事実、〈マリアの心臓〉の最深部には第一種禁制技術兵器〈天児〉のデータが眠っている。
それがどのような兵器であるかは、宗家代々の当主だけが受け継ぐ禁忌の知識とされる。

【星導派キリスト教】

 地球失陥により歴史に根差した教義が弱体化したキリスト教を立て直すため、
動的創造説を唱えて「神の御業は現世の変化を見守りながら常にアップデートされている」
とすることで、時代や状況の変化に対応する柔軟性を手に入れた恒星間時代の主流派キリスト教会。
大喪失を生き延びた法王庁の枢機卿団の中で、とくに開明的な一人の枢機卿が主導となって立ち上げた。

 特徴として、神の現世に対する権能は動的に拡張されているとし、旧世界には存在しなかった
新しい天使が随時生み出されている点が挙げられる。
 人間の愚行によって聖地もろとも地球が失われた事実そのものは神の御心に沿うものではないが、
それは人の子の自由意思を尊重した神の慈悲でもあり、また土地が消し飛んだ程度で子羊たちを見捨てるほど
キリストは無慈悲ではない。人がどれほど愚かであろうとキリストは見捨てない、という救済。
 電脳世界が広がりゆくならサイバースペースを司る天使を。解明不能な遺失技術があれば、
その根源たる力として反物質を生み出す天使や重力を象る天使を。人の世の求めに応じ、
教皇が神との高次精神接続を介して啓示を受け取り、新たな天使の降臨を教義に書き加えてゆく。
 実態として、テクノロジーが支配のツールとなった世界をディストピアと思わせないための
世界観の再定義を主眼とした宗教である。そしてそれこそが、迷える子羊たちの求めた教えでもあった。

 神と接続し、高次構造野から情報を引き出す力を持つ者(という建前だが、実際は創界樹<セフィラシル>深部に
アクセス可能な高位カーネリアン)が教皇を継ぐ。上級銀河貴族相当の禁制技術継承者として、
銀河経済を牛耳る影の議決機関〈劫院〉にも招聘される立場である。
 基本的に連邦ではカーネリアン因子が発見され次第、外科的に除去することが
義務付けられているが、異能者を公益のために管理し活用できると認定された一部の組織は
カーネリアンを自らの保護監督下に置いて働かせることが許されている。
 教皇に限らず、星導派はカーネリアンを“神に選ばれし者”として優遇し、教団運営に参画させている。
その能力を連邦の上層部もしばしば頼っており、主流派キリスト教会でありながら
銀河系最大の電子諜報機関として、六方全天に神智の網を張り巡らせている。

【エルフェンバイン大学】

 銀河系第一の名門大学。偏差値的にはもちろん超難関校であるが、一般試験は
オーソドックスな学力試験であるため、サブリミナル・エデュケーターの普及した現在では
財力さえあれば子供を入学させるのは難しいことではない。それゆえ入学者の90%は
上流階級に属する家庭の出身で、「金で買える最高学歴」と陰口を叩かれることも。
 風評はともかく、教育機関として質的にも連邦最高峰の大学であることは事実である。
規模も巨大で、大陸クラスの敷地面積を有するキャンパスに1~218号館(現時点)までの
校舎と、部活・サークル等の部室棟、大学病院(医学部の校舎でもある)、学生寮、
イベントホール、運動場、食堂、基地(連邦軍が常駐し防衛にあたっている)、
練兵場(軍事学部の授業などで使用)、ショッピングモール、レジャーランド、
職員居住区……といった施設を無数に抱える。学園都市ならぬ学園国家とも称される。
 校是として“全科大学”を目指しており、専門学校レベルの特殊な課程を多く持つ。
たとえば軍事学部は本来各星系の軍学校・防衛大・士官学校などで受ける教育を
非常に高い水準で受けることができ、士官課程を修了すれば連邦正規軍に曹長から
任官可能。ほか医大・農大・芸大・工大などの機能も非常に高いレベルで兼備する。
 敷地内にあるエルフェンバイン研究所もまた連邦最高峰の研究機関として有名。
著名な科学者を多く輩出しているほか、大学院生の筆頭バイト先でもある。
 キャンパスの中心には高さ20kmの白い塔が聳えているが、中に入ることはできない。
これは『アイボリータワー』というオブジェであり、初代学長マックス・ヴァイセンブルクが
「象牙の塔に籠ることなく、社会に開かれた学府であれ」との意図で建立させたもの。
 校名のElfenbeinとは古い地球の言語で『象牙』の意である。

【ブランスタッド大学】

 120年前にオーリック・ブランスタッドが設立した名門私立大学。主星系第五惑星に存在。
私大としては銀河系最高の教育水準を誇るが、総合一位はエルフェンバインに譲る。
 エルフェンバイン大の不合格者たち(通称『象牙落ち』)を吸い寄せる受け皿的な
ポジションにあり、キャンパスの雰囲気はあえて古風にすることで差別化を図っている。
 国家クラスとまではいかないものの、こちらもメガロポリス級の巨大学園都市。
敷地内には自然が多く、景観美ではブランスタッドこそ銀河系最高とも言われる。
また主星系第四ラグランジュ点に社会実験用のステーションを保有しており、直径18000mの
人工環境内で、様々な形態の共同体運営シミュレーションが行われている。
 ほか特徴として、部活動・サークルの多彩さではエルフェンバインを凌駕して全星系トップ。
私立ゆえか校規が緩く設定されており、通常では考えられない活動まで団体として承認される。
例としては「代替医療実践研究会」「定期的に集まってなんか美味いもんを食う会」「忍者部」
「帰宅部」「大学中退愛好会」「二進数で会話する人の集い」「ポルノグラフィ文化研究会」
「無礼部」「大艦巨砲主義の会」「暗黒魔天一〇八傑衆」など。

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