※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

オロチ四天王総解散!


「全く! 下等生物は何を考えてるんだろうね? 僕たちをこんなところに呼び出すなんてさ」
可愛らしい顔に似合わず、第一声から微妙に辛辣な発言をしてくれるこの子どもの名前はクリス。
非常に残念なことに性別は男だが、女子としてもルックスランキング上位に属するであろう容姿はなかなか捨て難い。
何? 「男だからいい」? それは失礼しました。 

「つまり、恋人を五日以内に見つけないと社みたいなガチムチゴリラ君たちに夜な夜な○○を××されちゃう官能の一生が待ってるってことよね」
個性的な髪形とグラマラスなスタイルが印象的な美女・シェルミーがクリスに答える。
髪で目を覆い隠しはいるもののその他のパーツの完璧さと持ち前の色気で、美女だと断言できるのが素晴らしい。
ついでにこちらは正真正銘の女性なので安心だ。なにが安心なのかはよくわからないが。

「いや、そこまでひどくはないと思うけど。でも、社が一人いるだけでもむさ苦しいのに、野蛮な筋肉ゴリラどもの群れで囲まれて死ぬまで暮らすなんて考えただけでも気が狂いそうだよ」
「社と違って、ちゃんと働いてくれてあたしを養ってくれる社会性のあるゴリラ君たちかもしれないじゃない。それだけでも素敵よ」
「お前ら本人を目の前にして言うよなぁ」
クリスとシェルミーの好き勝手なやり取りに、約2メートル・約100キロの大男がふてくされる。
彼の名前は七枷社。顔はまあ悪くはないが、どうしてもその体格と豪快な雰囲気が『白髪ゴリラ』らしさを増幅させている。
ちなみに「俺は働く気がないわけじゃねえ。行く先々ですぐにクビにされちまうだけだ。だから俺はニートじゃねえんだ」が、最近の彼の口癖だ。

美少年と美女とゴリラ。一見何の共通点もない奇妙な組み合わせだが、実はこの三人、一言で片づけてしまえば、
『オロチ』という名の地球意志であり、神のような存在でもある者に仕える四天王なのだ。
人間のエナジーを集めて、クリスの中に眠る『オロチ』の魂を覚醒させて、傲慢な人類を滅亡させるのが四天王の役目だとか、
普段は抑えているが、社は大地の力を、シェルミーは雷の力を、クリスは炎の力をそれぞれ使えるだとか、
説明しなければならないことは色々ある気もするのだが、長くなるのでここでは割愛させて頂こう。
ついでに四天王なのに何故三人しかいないのかという突っ込みも無しである。

「同類の社には悪いけど、筋肉ゴリラの群れって言うのはやっぱり見苦しいよ。汗臭そうだし、醜いし、死刑に等しいね」
「同類にするなァァァァァァァ!! ついでに俺が臭くてグロいみたいな言い方はやめろォォォォォ!!」
「クリスはそう言うけど、アタシ、来るもの拒まず主義だし、ガチムチゴリラ君たちによる逆ハーレムで生きるのも悪くないとは思ってるのよね。
 筋肉質の男ってわりと一途だし。素直でバカ正直だから結構言うこと聞いてくれるし。可愛いものよ」
「そ、そうかな……へへっ」
シェルミーの言葉を自分への褒め言葉と受け取ったのか社が照れ臭そうに自分の顔をポリポリと掻く。
ポジディブシンキングもここまで来ると大したものだ。
「別に社のことじゃないと思うけど。でもまあ……ここにはたくさんのエナジーと生贄候補が集まってるんだ。オロチ四天王としては利用させてもらうよ」
クリスが口元に笑みを浮かべる。童顔にそぐわぬその冷酷な笑みは、人類を滅ぼす者に相応しいとも言えよう。
「でしょ。アタシも頑張っちゃう♪」
「オロチ復活のために頑張ってくれるんだね。ありがとう。シェルミー」
「やーね。クリスったら。アタシが頑張るのはれ・ん・あ・い! イケメン探しの方よ♪」
人類を滅ぼす者とは思えぬ発言にクリスが目を見開く。
社も目を見開いているが、クリスとは理由が違う気がしないでもない。

「は? シェルミー、正気なの? 自分が何言ってるかわかってるの!?」
「そうだ。考え直せ!!」
「私は正気よ。だって、考えてもみなさいよ。クリスたちだって失敗したら社軍団と毎日○○を××することになるのよ?
 それなら成功させてとびきりイイ人捕まえて華やかに楽しみたいとは思わないの?」
「なんだよ社軍団って! 俺を目の前にして失礼だとは思わないのかよ!!」
「社、論点がずれてるよ。ねえ、シェルミー。君は人間なんかと交わることで幸せになれると思ってるの?」
「交わるってガキのくせにストレートだなお前」
「社は黙ってて。ねえ、シェルミー。君はどう考えてるの?」
「幸せ? くりちゅったらお子ちゃまのくせに難しいことを聞くのね」
シェルミーがクリスを『くりちゅ』という時はクリスを子ども扱いして揄う時と相場が決まっている。
自分は真剣に訊ねているのに、揄われていることが腹立たしいクリスは「その呼び方やめて」と言いたげにシェルミーを睨んだ。

「昔から聞いてみたかったんだよね。シェルミーは僕たちオロチ四天王として人間を滅ぼす使命を背負った立場でありながら、
 人間に構い過ぎている節があったから。それは人間を欺くための演技だと今まで思ってたけど、この期に及んで、
 人間と恋愛がしたいだって? 楽しみたいだって? 自分が穢れるとは思わないの? 恥ずかしいとは思わないの?」
「別にぃ? それはそれ。これはこれ。よ。世の中楽しいことだってあるし、イイ男だっているしね。
 世の中や人間全部がダメだとはアタシは思ってないわ。『全部ダメだ……全部つまらないんだ』って最初からネガティブに
 考えて、楽しいことを経験するのを諦めて、血の宿命に囚われて生きるのなんてそれこそ恥ずかしいしダサいわ」
「ダサいだって!? 君は血の宿命を何だと思ってるの!?」
「イイ男なんて俺の顔見てれば満足だろうが!! 俺とだけ楽しいことを経験すればいいだろうが!!」
「社は黙ってて! 君が乱入するとまともな会話ができなくなるから!!」
「アタシは血の宿命全部を否定してるわけじゃないの。血の宿命に囚われて、人生を楽しもうとしない生き方がダサいって言ってるの。
 それに、クリスだって生きてて楽しいって思うことだってあるでしょ? 四六時中血の宿命に囚われてばかりじゃないでしょ?」
「僕は人間界で生きてきて楽しいなんて思ったことは一度も……」
「あら? 本当にそうなの?」
「……社とシェルミーといるとき以外に楽しいなんて思ったことは一度もないよ」
「素直じゃねえなお前」
「社、うるさい」
「あはっ! くりちゅ、カワイイ♪ ねえ。社は生きてて楽しいと思うことっていっぱいあるわよね」
「そりゃな。バンドやったり、旅行したり、酒飲んだり、風呂入りながら歌ったり、飯食ったりしてるときなんて最高だな。
 でもよ、シェルミー。なんで人間の野郎と恋愛したいんだよ? わざわざ人間としなくてもここに男前がいるだろうよ?」
「男前がいるかどうかは別として、僕も人間との恋愛が楽しいこととは思えないね。よければ何がいいのか説明してくれない?」
口ではそう言うが、説明してやっても納得する気は微塵もなさそうな男二人に詰め寄られるシェルミー。
しかしここで怯むようなシェルミーではないのだ。そもそもここで怯むようならオロチ四天王の紅一点はつとまらない。

「23時から恋愛バラエティ番組やってるでしょ。アタシあれが好きなの。で、人間もあれに夢中なんですってね」
「は? その時間には寝てるから知らないんだけど」
「くりちゅったら本当におこちゃまなのね。社なら知ってるでしょ?」
「あー。あのクソ下らねえ番組な。別名スーパー便所タイム」
「そんな下品な言い方するのやめてよ社! あなたって本当に女心がわからないのね」
「俺は男だ。女の気持ちなんざわかってたまるかよ」
「すぐそう言うんだから。まあ、いいわ。あなたたちはあの番組がウケてる理由がわかる? わからないだろうから教えてあげる。
 あの番組はね、他人の恋愛をのぞき見できる野次馬根性と背徳感と一緒に、女の子が持つヒロイン願望を満たしてくれるのよ。
 番組の出演者を通して、あれこれ思ってる内にいつの間にか自分が出演者になったかのような錯覚を感じちゃうわけ」
「俺はわかるぜ! グルメ番組見てるとヨダレが止まらなくなるのと同じ理屈だろ!?」
「ちょっと違うんじゃないのかな。っていうかもう社は黙ってた方がいいと思うよ。シェルミーも相当頭悪いけど、社はそれ以上にヤバいから」

「アタシだけじゃないわ。女はみんなヒロインになりたいのよ。その願望を満たしてくれる最高のチャンスにアタシたちは恵まれたのよ。
 テレビを見てるよりもずっと刺激的で官能的なアトラクションのヒロインになれるチャンスを逃すなんて出来ないわ。
 そして男たちも、テレビの前の人たちも、みんながアタシに注目するの。みんながアタシに夢中になるの。
 注目を浴びるのが大好きなアタシにとってはこれ以上の快感があるとは思えないわ。つまりアタシにとってうってつけの企画ってわけ。
 持って生まれたこの美貌と社交性とプロポーションを武器にして思い切り楽しまなくちゃ損じゃない。ね?」

自分を「相当頭悪い」と評したクリスを足で踏みつけながら、シェルミーが聞かれてもいないのに恍惚とした声色でべらべらと熱い胸の内を語りだした。
踏みつけられているクリスは勿論、社もシェルミーに何一つ反論することもできず、間抜けな表情で彼女の演説を聞いていた。

「兎に角、殺されない限りはどっちにしてもアタシにとってはそれなりに好都合なのよ。それにどうせ世界を滅ぼしたらこんな楽しい経験もできなくなるんだし」
「え?」
「シェルミー……」
「あはっ♪ なーに? クリス、社。意外そうな顔をして。女心がまだまだ理解できないのかしら?」
「ううん。そうじゃなくて世界を滅ぼすってこと忘れてなかったんだね」
踏みつけ地獄から生還したクリスの言葉にはシェルミーは答えなかった。
聞こえなかったのだろうか。それとも敢えてスルーしたのだろうか。

「それに、豪快なガチムチ君と生意気なおチビさん以外の男にもたまには触れておかなくちゃ。ね?」
「ちょっと、シェルミー! 僕は別に君とやましい関係じゃないんだけど! 勝手に自分の男リストに加えないでくれる!?」
「あら。いやぁね。くりちゅったら深読みし過ぎなんだから。やましい関係ってどんな関係?」
「!!」
クリスが頬を染めて俯く。ダメな大人二人に囲まれて思春期を送っているクリスだが、根は純情なのである。

「じゃあね。社。クリス。bon courage!」
シェルミーが独活の大木さながらに突っ立ったままの社と頬を染めたままのクリスに投げキッスを送る。

「ちょ、シェルミー、てめえ、俺たちを今ボンクラって言ったな!? ボンクラって言ったな!?」
「ううん。シェルミーはフランス語で『頑張ってね!』って言ったんだよ……」
「知るか! 日本語で『頑張れよ』って言えばいいじゃねえか。って……お、おい、シェルミーがいないぞ!!」
「わー。さすがシェルミー」
さっきまでシェルミーがいた方向を見つめながら、クリスが皮肉交じりに呟く。

新作のコスメやジュエリーが発売されたら例え其れが高額でも即座に買いに行くし、
美味しいと評判のスイーツの噂を聞いたら例え其れが高カロリーでも絶対に食べに行く。
シェルミーがそんな女だったことを、二人はすっかり忘れていたのだ。

「シェルミー……マジで行っちまったのかよ……」

絶望に打ちひしがれ、崩れ落ちる巨体。
その巨体を蹴りとばしたい邪な願望を抑えながら、クリスが意地悪な問いかけをする。

「ねえねえ。社。転生前からのパートナーにいきなり捨てられてどう思った?」
「どうもこうもねえよ!! つーか、俺たちの血の絆ってこんなに脆い絆だったのか!? おい、クリスもおかしいと思うだろ!!」
「シェルミーの性格的に社といつ縁が切れてもおかしくはないと思ったけど、オロチ四天王としての立場を忘れるのはおかしいよね」
「いやどっちもおかしいぜ! 女心は恋の空とは言うけどよぉ、ここまで心変わりするものなのか!?」
「それを言うなら秋の空ね」
「そうとも言うな」
「……まあいいや。せめて社はオロチ復活のためのエナジー集めと生贄集め忘れないでよね」
「うるせえ! 今はそれどころじゃないだろ!!」
「何? 社まで反逆する気!?」
「その台詞、そっくりそのままシェルミーに言えっつーの!!」
「だって言う前にシェルミーどこか行っちゃったじゃん」
「シェルミー……」
しゅん、と膝を抱え始めるゴリ、いや、社。
同じ男でもクリスがとれば可愛いかもしれない仕草も、巨漢の社がとるとえらく不気味である。
別に社だって可愛いと思われたくてとっているわけではないが。
社は基本的に体も心もビッグな男ではあるが、こういうことになるといきなり小さくなるようだ。

「ね。社。もうシェルミーのことは諦めたら?」
「ああ、そうするさ。シェルミーのことは忘れる!」
「流石社。リーダーたる者、やっぱり立ち直りが早くなくちゃね!!」
「おうよ。俺の魅力で最高にイイ女を数人侍らかして、あいつを見返してやる!」
「それでいいよ。そしてその女たちを生贄に……」
「いや、シェルミーの前でたっぷり俺とイイ女たちでいちゃついて、見せつけてやる!」
「ちっともシェルミーのこと忘れてないし、諦めてないんだね」
「で、シェルミーはそこで俺様の魅力を再認識するわけよ。『ああん、社。アタシが馬鹿だったわ。あなた以上の男はいないわ』ってな!」
「…………」
「そこですかさず俺がラーメン一年分と引き換えにシェルミーを許してやるわけだ! さすが俺! 心が広い上に男前!」
「……ばかばかしい……大体、社モテる自信あるの?」
「俺がその気になれば彼女の一人や二人や三人や四人や五人や六人や七人や八人ぐらいすぐに出来るさ!!」
「そしてゴリラの彼女の大群に修羅場の末に噛み殺されるんだね。わかるよ」
「わかってねえじゃねえか!!」
「わかってないのは社とシェルミーでしょ!? 大体自分たちを何だと思ってるの!? 選ばれしオロチ四天王なんだよ!!」
「うるせー! オロチ四天王だって恋はしてえし、ガチホモ地獄に堕とされるのは嫌なんだよ!!」
「わかった。そんなに言うなら好きにすれば? 僕もう知らないから、社一人で頑張ればいいじゃない。そっちの方が大切ならね!」
「マジ? さすがクリス。物分かりがよくて助かるぜ! じゃあ、俺は頑張ってくるぜ!!」

クリスは厭味で言ったつもりなのだが、どうやら社はクリスの言葉を快い承諾と受け取ったようだ。
社もまた、シェルミーのように瞬く間にどこかに消えてしまった。
そして、クリス一人だけがその場に残された。

「いいよ……。僕は一人でオロチ復活に向けて愚かな者たちのエナジーを集めてオロチを覚醒させてやるから。
 僕の可愛さを持ってすれば、人間だろうと宇宙人だろうと、生贄ぐらいたくさん捕まえられるんだから。
 みんなみんな後悔したって遅いんだからね! 何が恋愛だよ! そんなの人類滅亡させて全部吹っ飛ばしてやる!!」

可愛い顔には似合わないドス黒い野望を秘めながら、クリスも戦場へと旅立ったのだった。
黙っていい子にしてればすぐに彼女が出来そうなのに勿体ないものだ。

【B-2/1日目/午前1時】

【七枷社@THE KING OF FIGHTERS】
 [状態]:正常/軽い傷心
 [道具]:基本支給品一式、未確認のランダム支給品
 [標的]:イイ女ならなんでもいい
 [思考]:1:イイ女をゲットしまくってシェルミーに自分の魅力を再認識させる
     2:ついでに自分はゴリラではなく男前なことを世に知らしめる
3:オロチ関連の事柄は眼中にない

【クリス@THE KING OF FIGHTERS】
 [状態]:正常/オロチ未覚醒
 [道具]:基本支給品一式、未確認のランダム支給品
 [標的]:今のところ人間はオロチ復活のための生贄としか考えられない
 [思考]:1:恋愛に関しては否定的
     2:この場にいる全ての存在をオロチ復活のために利用させてもらう
     3:覚醒次第、この場にいる愚民どもに裁きを下す     

【シェルミー@THE KING OF FIGHTERS】
 [状態]:正常
 [道具]:基本支給品一式、未確認のランダム支給品
 [標的]:自分をあらゆる意味で楽しませてくれる人(但しイケメンに限る)
 [思考]:1:番組のヒロインになったつもりでイケメンとの恋愛を思う存分楽しむ
     2:ダメならダメでガチムチ先住民との生活も悪くないと思っている
     3:要は殺されなければオールオッケー
     4:オロチ関連の事柄は眼中にないはず

※それぞれ別行動をとっています




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー