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オタク少年は魔女っ子の夢を見るか?


異世界に連れてこられて、いきなり知らない人と恋愛をしなさいだなんて。
なんだか自分はライトノベルや漫画の世界に紛れ込んでしまったみたいだ。
突然恋愛をしなさいって言われても、俺、まだ恋なんてしたことないからよくわからないよ。
突然殺し合いしなさいって言われるよりは、ずっといいけど。
あれ……? 俺、何物騒なこと言ってるんだろう?
自分でもよくわからないや。

そんなことよりも、恋愛ってどうやってすればいいんだろう。
うちのクラスの三村君や七原君ぐらいモテる男子だったらそれぐらい朝飯前だろうけど、
俺にとっては定期テストで全教科95点以上とるのよりも難しいよ。

うーん……。

あ、そうだ!

こんな時こそ、漫画に相談だ!
漫画は人生の参考書って言葉もあるぐらいだしね。

あまり今まで読んだことなかったけど、少女漫画でも読んでみようかな?

少女漫画だったら、きっとロマンティックだし恋愛を勉強するには一番だよね。
友達は「エロゲこそ恋愛の教科書!」って言ってるけど、俺はまだ中学生だからやらないって決めてるんだ。
ギャルゲなら中学生でも出来るけど、なんとなく高校生になるまでは我慢するつもり。
そうなるとやっぱり少女漫画しかないよね。

とりあえず俺は地図を確認しながら漫画喫茶に向かったんだ。
この世界にも漫画喫茶があることにちょっと驚いちゃった。
この世界でもやっぱり漫画は文化であり財産なのかな?

漫画喫茶の中には色々な少女漫画がありすぎて、どれを手に取っていいのか分からなかった。
直感で手に取ったのは、眼の大きな女の子が表紙の雑誌。
表紙には『こんな体験してみたぁい★究極の激アマLOVE特集』って煽り文句も書かれている。
雑誌なら色々な話が載ってるし、『究極の激アマLOVE特集』っていうぐらいだし、たぶんこれで正解な気がする。

よしっ。早速読んでみよう。

うん。

ん?

あれ……?

えっ……?

………………。

「嘘だッ!!」

俺、思わず叫んじゃったよ。
だって、そこに載ってたのは、俺が考えてた少女漫画とは全然違う、成人向けの漫画みたいな過激な世界だったんだ!!
確かに俺は少女漫画を手にしたはずなのに、どれもこれも少年漫画でも見ないような過激な性描写が載っている。
ひどいものなんて、こっちが反応に困るようなレイプシーンまである始末。
全部ハッピーエンドで終わってるのはいいんだけど、これが純愛なんて、究極の激アマLOVEなんて納得がいかないよ。
……こんないやらしいことから始まる恋なんてないって俺は思うけど、もしかしてこれが普通なの!?
恋愛も少女漫画も全然知らなかった俺にとっては衝撃的すぎて、どうすればいいのかわからないよ。

色々な意味でドキドキするけど、もう一度その雑誌を読みなおしてみた。
すると、読者投稿ページに「彼氏に言われてみたぁい★最高の口説き文句」というコーナーがあったんだ。

「こ、これなら俺でも使えるかも。えーっと……」

『お前の運命はもう決まってる。そうだ、俺の女になるんだ。←こんな風に強引に言われてみたいO(*>▽<*)0/東京都・ゆうか・15歳』

え? 女の子ってこんなセリフで口説かれたいの? 意外だなぁ。
でも東京都在住のゆうかさん15歳がそう言ってるんだからそうなんだろうね……。
恥ずかしいけど、すぐそこにかかっている鏡を見ながら俺も練習してみよう。

「えーっと、おっおっお……お前の運命はもう決まってるっ! そうだ、俺の女になるんだあああああああ!!!」

やることはやったけど……どうしよう。すごく恥ずかしいや。
これでいいのかな。もう一回やった方がいいのかな。

鏡に向かってもう一度例のセリフを叫ぼうとしていて気付いた。
鏡の端に呆れ返った表情の女の子がいたんだ。
赤い大きなリボンで柔らかそうな金髪を結んだ、ちょっと気が強そうでかわいい女の子。
この子に今の痴態を見られてたんだと思うと恥ずかしくて情けなくて気を失いそうになる。

「ちょっとあんたぁ、頭大丈夫ぅ? もしかしてそれって告ってるつもりなの?」

う……いきなりキツいこと言われちゃったけど、でもそう思われても仕方ないよね。

「違うんだ! 今のは告白じゃないんだ! お願いだから信じて!!」
「そんなに否定されるとそれはそれでムカつくんだけど。あたいじゃ不満ってこと?」
「そういうわけじゃなくて……。俺はただ告白の練習してただけなんだ。君がいたことにも気付かなかったんだ……」
「なんとなくわかってるけど。あんた恋愛経験なさそうだもんね」
「どうしてそれを!?」
「見てればわかるわよ。あんなダサいセリフを使って告白の練習なんて、恋愛経験がある男がする行動とは思えないし」

はっきりと言われちゃった……。そうなんだ……やっぱりこのセリフダサいんだ……。

「でもここ、魔法の本がないかと思ったけど何もないのね。ちょっとガッカリ」
「魔法の本!? 君、魔女っ子なの!?」
「うん。あたいはミリアム。こうみえても魔術師としてはそれなりに有名なんだけど、知らない?」
「は、初めて知ったよ……」

ミリアムさんの存在自体どころか、魔法やそれを使える人が実在すること自体初めて知ったよ。
でもここは異世界だから、どんな人が居てもおかしくないのかもしれない。
もしかすると俺みたいに魔法が使えない人の方が少数なのかも?

「そういうあんたの名前はなんていうの?」
「お、俺は優一郎。滝口優一郎」
「ふーん。優一郎ね。覚えといてあげる」

ミリアムさんがじーっと俺を見つめてくる。どうしよう。こんな風にされると照れちゃうよ。
アニメの女の子キャラを三次元化させたのかってぐらい整った顔立ちの女の子に見つめられるなんて。
これって現実なのかな? それとも俺の都合のいい妄想?

「へえ、結構かわいい顔してるじゃん。あんた」
「ええ!?」
「あははっ、マジになってる」

なんだ……からかわれただけか。……だよね。

「あ、あの、ミリアムさんって魔女っ子なんだよね! やっぱり恋の魔法も使えるの?」
「そういう魔法の本がないかと思ってここを調べてたんだけど。ないみたいね」
「やっぱりないんだ……」
「うん。恋の魔法なんてなくてもあたいはかわいいから大丈夫……っていいたいところだけど」
「だけど?」
「助けてあげたいヤツがいるのよ」
「誰?」
「ガラハドって言うんだけどね」
「ガラハド……さん?」

……どうやら男の人の名前みたいだ。

「うん。ちょっとこの前、ガラハドが昼寝してる間にガラハドには内緒で魔法をかけてあげたの」
「それっていたずらじゃないの?」
「人聞きの悪いこと言わないで! あたいはガラハドをかっこよくしてあげたくて、変身の術を親切心でかけてあげただけ」
「そうなの?」
「そう。せっかくかっこよくしてあげようと思ったのにハゲ河童になっちゃったの」
「あちゃあ……」
「ガラハドにはあたいのせいだって言えなかったの。ガラハド、怒りながら泣いててすごく怖かったから」
「魔法の解除ってできないの?」
「ガラハドがフテ寝してる間に試してみたんだけど、何度やってもダメだったの」
「それじゃ今もガラハドさんはハゲ河童のままなの?」
「うん。だからせめて、恋の魔法でも習得してガラハドに彼女を作ってあげようと思ったんだけど、やっぱりそんな都合のいい魔法はないみたい」
「そうだったんだ……」

フィクションでしか魔法を知らない俺は、魔法って都合のいい存在だと今まで思ってたんだ。
でもそれは間違いで、やっぱり魔法には魔法のデメリットもあるんだね……。

「そうだ! 優一郎。あんたも彼女欲しい? 変身の術ならかけてあげられるけど……」
「う、ううん!」

せっかく本物の魔法をかけてもらえるチャンスだけど、中学三年生という若さでハゲ河童になっちゃったら嫌だよ……。

「そう? でもせっかくだし、あたいの魔法見てみない?」
「見るだけなら……」
「やったぁ! じゃあ、あたいが特別に変身してあげる!」

え。

アニメとかによくある魔女っ子の変身って、一瞬裸になっちゃうあれだよね?
ミリアムさん……恥ずかしくないのかな……?
っていうか、俺が見ちゃっていいの!?

「ピロリン、ラブリン、パープリン! ロマンシングパワーでマジカルミリアムになあれ!」

ミリアムさんがかわいい声で魔法を唱えた。
別に裸になるなんてことはなく一瞬にして、黒いとんがり帽子に派手なコスチューム、金髪ツインドリルヘアーという、
所謂魔女っ子アニメの萌え系ヒロインそのものの格好になっていた。
でも、魔女っ子アニメのあのシーンは、制作者の人たちが生み出した妄想なんだね……。

「お待たせ。……ねえ優一郎。一瞬あんたがっかりしたでしょ!?」
「え!? し、し、してないよ!?」
「本当? 嘘ついたら燃やしちゃうんだからね」
「嘘じゃないよ!!」
「ふーん。そうだ、優一郎。さっきのあたいと今のあたい、どっちがかわいい?」
「え!?」
「何よその顔。どっちもかわいくないなんていうんじゃないでしょうね?!」
「ううん、そうじゃなくて。どっちとかなくて……」
「?」
「両方……素敵だと思う……」
「あはは! ありがとう、優一郎。あたい、素直な人って嫌いじゃないよ」
「!!」


どうしよう。俺、おかしくなっちゃったのかな。
ミリアムさんは俺にお礼を言ってくれただけなのに。
それだけなのに、今まで感じたことがないぐらい胸がドキドキしてる。

これも、魔法の一種なのかな?


【街の中にある漫画喫茶/1日目/02:00】
【滝口優一郎@バトルロワイアル(小説版)】
 [状態]:健康
 [道具]:基本支給品・ランダム支給品
 [標的]:……。
 [思考]:1:なんだか胸がドキドキする
     2:俺、おかしくなっちゃったのかな?

【ミリアム@ロマンシングサガ】
 [状態]:健康/魔女っ子モード
 [道具]:基本支給品・ランダム支給品
 [標的]:フィーリングが合う人
 [思考]:1:優一郎って素直でかわいいかも
2:自分のせいでハゲ河童になったガラハドの恋を応援してあげたいけど……

※ミリアムは変身呪文を唱えることでSFC版(ノーマルモード)とPS2版(魔女っ子モード)に
 自由自在にイメージチェンジできます。あくまでイメージチェンジであり、能力に差は出ません。
 他の人を変身させることもできますが、ガラハドをガラハゲにした前例があるように成功の保証はありません。




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