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鋼鉄のシンデレラ」(2009/05/02 (土) 11:01:19) の最新版変更点

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771 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/04 22:39 ID:NDw6YwRd 世界名作劇場『鋼鉄のシンデレラ』 昔々の中世っぽいヨーロッパの今で云うドイツらしきところの金持ちくさい家。 そこでは毎日美しい(?)少女(!?)が働かされていました。 継母「シンデレラ!早く掃除しろ!」 姉1「シンデレラ!洗濯はしたのか?」 姉2「シンデレラ~!ご飯まだー?」 「うっせーぇ!この馬鹿どもがっ!!そんなにいっぺんにできるかぁあ!」 憐れな薄幸の美少女(!??)シンデレラことミューラーは、毎日継母のSGGK若林源三と、その連れ子の姉其の壱シェスターと、姉其の弐マーガスに、これでもかとこきつかわれています。 可哀想なミューラーは毎日お屋敷の裏手で、岩を素手で砕いてストレスを発散していました。 「ちっくしょーー!若林・・・もとい、お義母さま!いつか殺す!!」 今夜もミューラーは月に向かって勇ましく吠えるのでした。 その様子は”灰かぶり姫”と云うよりも”月を見て興奮する狼男”のようでした。 「しぇすー・・・ミューラーがうるさくて眠れないよー・・・」 「・・・我慢しろ。寝坊すると母様が怖いぞ・・・」 772 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/04 22:40 ID:NDw6YwRd そんなある日、お城で皇帝の花嫁を決める舞踏会をひらくと云う御触れが国中に出されました。 そのパーティには、若く美しい乙女なら国中の誰でも行けると云うのです。 あっというまに国中その話題で持ちきりになりました。 なにしろ、この西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーは、性格にやや難があるものの、顔と実力はヨーロッパで一番。 当然、継母につれられていじわるな姉達もパーティーに行くのです。 そしてパーティー当日。 姉達の身支度を手伝いながらミューラーは云いました。 「俺もつれて行けェェエ!」 なんと身のほど知らずにも、ミューラーは西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーにゾッコン☆LOVEだったようです。 継母SGGK若林源三と、シェスターとマーガスはその瞬間、確かに凍りつきました。 773 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/04 22:43 ID:NDw6YwRd 「鏡を見てから、云え」 「なっ、なにィ!!」 ミューラーはいともたやすく抜きさられたザコDFのような声を出しました。 「貴様ら・・・・・・まさか、俺に立派なドレスがないからって!?」 そうじゃねぇだろっ!??と云うツッコミを必死で飲み込み、ミューラーに掃除を言いつけると、3人は馬車に乗って疾風のように去ってゆきました。 「まてぇ――ぇ!若林ー――!!俺も連れてゆけぇー――!」 「我が家の恥だからくるなー――ぁ!」 フルスピードで走る馬車には流石のミューラーといえど追いつけません。 ドップラー効果で三人の叫び声はだんだん遠くなっていきました。 「太陽のバカ野郎――――っ!」 見当違いなセリフをはくミューラーでした。 784 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/05 22:12 ID:kpRnJRlj 『鋼鉄のシンデレラ 「中編 で、魔法使いは誰なのよ?」』 お屋敷の裏手の岩をあらかた砕き終え、脱力してミューラーはすわりこんでしまいました。 散々悔し泣きをしたので、目の前がボケています。 「ドチクショ――!俺もパーティーに、いきてぇ――――っ!!」 もう何度目か、同じようなセリフを叫んだ時です。 「その願い・・・叶えてやるぜっ!!」 振り返ると、さっきまで誰もいなかったはずなのに、なぜか魔法使いのような格好をした2人の少年達が立っていました。 片方の少年は、少しテンパっぽい髪をしていて偉そうに腕組みをしています。 もう一人は二人分の・・・いわゆる魔法ステッキを持っていて、片目は髪でかくれています。 二人並んだ姿は、さしずめ某日曜名作劇場。 785 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/05 22:13 ID:kpRnJRlj 「なっ・・・、貴様何者だっ!」 「ふはは、聞いておどろけ!俺は天才魔法使いファン・ディアス!!あわれでかわいそーでなさけない、そんなお前の願いを叶えてやるぜ!な、パスカルv」 「いや、たんにおまえは魔法の修行をサボって遊んでんだろ・・・」 ミューラーはすぐには信じられませんでした・・・目の前の某日曜名作劇場なコンビが魔法使いだなんて。 なにしろ、自分で天才とかいってるんで怪しさ大爆発です。 「・・・・・本当か?本当に俺の願いを叶えてくれるのか?!」 「おう!天才に不可能はないぜっ!」 ほんのちょっぴりミューラーは考えました・・・「こうなったら駄目元でいっちゃえ!」。 「よしっ!俺をパーティーにつれて行けぇええええええええっつ!!!」 さすがのミューラーのあつかましさに、態度のデカサには定評のあるディアスくんも、ほんのちょびっとばかしびびりました。 ですがそこは天才、パスカルくんからステッキを受け取って呪文を唱え始めました。 「よし!恋の呪文はスキトキメキトキスっ☆!!」 「ヤバッ!!!?」 怪しいピンク色の光に包まれてとおざかる意識の中で、いくらなんでもヤバ過ぎだとミューラーは後悔しましたが、すでにアフターカーニバルでした。 786 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/05 22:14 ID:kpRnJRlj 「・・・・・・、っ俺は一体?」 気がついたときには、あの某日曜名作劇場な二人組はもういませんでした。 「あっ!!」 ミューラーは豪華なドレスを身にまとってる自分に気がつきました。 「こ、これが・・・俺・・・・・・?(ウットリ☆)あ、ありがとう魔法使いさん!!」 その場に誰もいないのをいいことに、好きなだけ少女漫画MODEになるミューラー。 目には星まで入ってます。 「ヒヒィイーーン!」 「おおうっ!馬車まで!!」 「シンデレラ!さぁ、早く!武道怪・・・じゃなくて舞踏会が終わってしまいます!」 金ぴかの馬車の中から、『SGGK(すーぱーがんばりごーるきーぱー)』とかかれた帽子をかぶった気弱そうな従者スタイルの少年と、ヒト科よりもサル科に近いような眉毛のつながった御者の少年が出てきてミューラーを馬車に詰め込みました。 「よぉおおおしっ!今行くぜっ!王子様・・・もとい!皇帝さま――――ぁ!!」 「し、静かにしてくださー――い!」 「黙れ!」 「きゃあー――!」 あわれな森崎くんの悲鳴を乗せて、馬車はお城へ向かってゆきました・・・。 871 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/13 22:36 ID:SosPxWr3 『鋼鉄のシンデレラ 後編1/2』 パーティが始まって数刻後。 ミューラーの継母、SGGK若林源三はハッキリ云って暇でした。 パーティーに来てる娘たちは皆、皇帝にお目どうりする為に並んでいて、列の最後尾はなんと城の外まできているそうです。 いくら源三の座右の銘が『女は度胸』でも、バツ2子持ちであの列には並べません。 て云うかむしろフツーに並びたくない。 というわけで暇だったので、酔いざましにバルコニーによっかかって源三は星を見ていました。 今宵の星はファンタスティックな並び方をしていて、見れば見るほど源三には死んでしまった二人の夫の顔に見えます。 「三上さん、カルツ……どうしてみんな俺を置いて逝ってしまうんだっ!」 三上さんは年だったから、まぁ仕方がない(?)。 しかし、カルツ……楊枝を三分間くわえないでいるだけで死ぬなんて…バカな奴…。 思い出に浸りながら、源三が滝のような(not滝asシュウテツトリオ)涙を流していると… ガシャ――――――――ン!!! それはそれはもう凄い音がして、一瞬パーティー会場が静まりかえりました。 「は、まさか・・・この気配は?!」 嫌な予感がして若林はバルコニーから下をのぞき見ました・・・そこには大破した馬車と瀕死の少年×2。 バター―――――ン!! 次の瞬間、先程にも負けないほど大きな音がしてドアが開かれ…、いいえ蹴り破られました。 872 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/13 22:38 ID:SosPxWr3 「騒々しいな、一体なんだ?」 騒ぎの中心である大広間から離れた、謁見室にいた西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーは、とうの昔にお妃候補を探すのに飽きて、どうにかしてこの退屈な作業を終わらせるか考えていました。 「たいしたことではございません。お妃候補の扮装をしたテロリストが一人入り込んだだけです」 このくだらないパーティーの企画を考えついた大臣のピエールすら、すでに自分が何を言ってるかよくわかってません。 「…おもしろそうだな。よし、ピエール」 「はい、陛下」 「あとはお前がテキトーにやっとけ」 「はい……って陛下!!!??」 面倒くさいことをピエールに押し付けて、シュナイダーは「隼 新田瞬」よりも早く走り去ってしまいました。 「ま、まってください閣下――――――!!(泣)」 天下一のプレイボーイと呼ばれたピエールも、国中の年頃の娘全てのうち、あと5分の4も残っていているとなると、もう顔を見るのにも食傷気味です。 「オレ一人でどうしろって言うんだ―――――!!!?」 とりあえず泣いてみるピエールでした。 ピエールが泣き入ってるそのころ。 ざわざわ。ざわざわ。 「お、お前は……」 「ふははははははは!どうだ!若林!!見違えただろう!?」 「…………こんな人知りません」 ドアをブチ破って入ってきた進入者=ミューラーにたいして、源三が白々しく他人のフリをしていた。 「コラまて!継母!!俺だ!ミューラーだ!あんまり美しくなったから俺が解からないのか?!」 「寝言は寝ながら言いやがれ!!このボケがっ!!!」 119 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:48 ID:GOpw8LG9 なぜか前スレから続いてしまった怪奇長編(?)小説…。 『これで最後だ! 鋼鉄のシンデレラ完結編』 「ミューラー!帰るぞっ!」 本当はホットだけど普段はクールな継母SGGK若林源三は、耳まで真っ赤になりながら、ミューラーを引っ張ろうとしました。 しかし少しもミューラーの巨体は動きません。 「イヤだ!!俺は皇帝様に会うんだっ!!」 「会わせてたまるか!キサマのような、家の恥をぉ~~~!!」 あまりに激しくケンカをする二人を押さえようと、パーティーの警備をしていたボッシくんとアモロくんが駆けつけました。 「君!パーティーを騒がせた罪、およびテロ行為の疑いで逮捕す…」 「ザコはすっこんどれぇー――――――っ!!!」 「ぐはぁ!」「がはぁ!」 ミューラーの岩をも砕くダイナマイト☆パンチでボッシくんとアモロくんは仲良くゴゥ・トゥ・ヘヴンしました。 「ミューラー…貴様、日向よりも早く殺人者になりやがって!」 憐れな警備員二人に、仏教徒のクセに十字を切ると源三はミューラーの前に立ちふさがりました。 120 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:50 ID:GOpw8LG9 「どうやら貴様を止められるのは、もはや俺だけのようだな」 そういうと、源三は腰に大和撫子の嗜みとしてさしていた日本刀を抜き放ちました。 するとミューラーもゲルマンレディの嗜みで常に持っている斧を振りかざしました。 「若林…死にたくなくば、そこをどけぃ!!」 「させるか!若林源三をなめるなぁ!」 衆人環視のど真中、ついに二人の戦いが始まってしまいました。 そのあまりに激しいバトルっぷりに、隣国の心臓の弱い貴公子はタンカで運ばれ、怪しい中国人針師などには鳳凰が見えたそうです。 二人はまったく互角に一進一退の攻防を繰り広げていました。 しかし、 「しまった!?」 「もらったぁ!若林、死ねぇ!!」 散々酒をかっくらって、半酔っ払いだった若林は自分のドレスの裾を踏んで、バランスをくずしてしまい大ピンチ。 (あぁ、三上さん、カルツ、源三は今お側に参ります!。シェスター、マーガス、俺がいなくても強く生きるんだぞ……) 源三が走馬灯エンド遺言モードに入る、わずか0.5秒前。 「な、なにィ!?」 突如投げつけられた、一本の剣によってミューラーの斧は弾き飛ばされていました。 122 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:50 ID:GOpw8LG9 そう、其処に立っていたのは、ミューラーの斧を弾き飛ばした剣の持ち主……西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダー!! 「ヘイ!そこの美しいご婦人!…名前は?」 「ハイ、皇帝陛下…私はミューラーと申しま……ってオイ!」 シュナイダーは駆け寄るミューラーを完全にアウトオブ眼中して通り過ぎ、倒れていた若林を助け起こしました。 「ご婦人…名前は?」 「わ、若林源三…です…」 「源三、美しいな。俺の后になれ」 そう云うが早いか、シュナイダーは源三をお姫様抱っこして御持ち帰り態勢に入りました。 事態のまずさに気づき、じたばたと暴れる源三。 ゴハッ!という音とともに大理石の床にめり込むミューラー。 「ま、まて!!俺は、バツ2で、二人の娘の母だ!!」 「未亡人なのか。期待しているぞ」 「何をだ――――っ!?」 抵抗空しく源三はシュナイダーに連れて行かれ、パーティーに出席していた人々も一緒にぞろぞろと行ってしまいました。 一人取り残される、大理石の床にのめりこんだミューラー。 「クソぉー―――――!あの、インチキ魔法使いが――――!ブッ、殺す!!!」 斧を拾うと、凄まじい形相と勢いでミューラーは城を出て行きました。 123 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:54 ID:GOpw8LG9 「おい、ディアス」 「なんだ、パスカル?」 魔法学校の廊下で、授業をサボった罰として廊下で雑巾がけしているディアスくんと、その手伝いをしているパスカルくん。 「あの魔法って12時になったりしたら、とけるとかないのか?」 「なーに云ってんだよ!この俺がそんなヘマをするわけないだろー?」 「ふーん、ならいいけどな」 「まぁ、良いことをした後は気分が良いぜー♪」 (ディアス~、ディアス~♪魔法の力でミューラーに、哀と笑いを振り~まくの~♪ディアス~、ディアス~、魔法使いディアス~~♪♪) ミューラー「これの何処が、シンデレラだぁああああ!!!!!(滝涙)」
771 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/04 22:39 ID:NDw6YwRd 世界名作劇場『鋼鉄のシンデレラ』 昔々の中世っぽいヨーロッパの今で云うドイツらしきところの金持ちくさい家。 そこでは毎日美しい(?)少女(!?)が働かされていました。 継母「シンデレラ!早く掃除しろ!」 姉1「シンデレラ!洗濯はしたのか?」 姉2「シンデレラ~!ご飯まだー?」 「うっせーぇ!この馬鹿どもがっ!!そんなにいっぺんにできるかぁあ!」 憐れな薄幸の美少女(!??)シンデレラことミューラーは、毎日継母のSGGK若林源三と、その連れ子の姉其の壱シェスターと、姉其の弐マーガスに、これでもかとこきつかわれています。 可哀想なミューラーは毎日お屋敷の裏手で、岩を素手で砕いてストレスを発散していました。 「ちっくしょーー!若林・・・もとい、お義母さま!いつか殺す!!」 今夜もミューラーは月に向かって勇ましく吠えるのでした。 その様子は”灰かぶり姫”と云うよりも”月を見て興奮する狼男”のようでした。 「しぇすー・・・ミューラーがうるさくて眠れないよー・・・」 「・・・我慢しろ。寝坊すると母様が怖いぞ・・・」 772 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/04 22:40 ID:NDw6YwRd そんなある日、お城で皇帝の花嫁を決める舞踏会をひらくと云う御触れが国中に出されました。 そのパーティには、若く美しい乙女なら国中の誰でも行けると云うのです。 あっというまに国中その話題で持ちきりになりました。 なにしろ、この西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーは、性格にやや難があるものの、顔と実力はヨーロッパで一番。 当然、継母につれられていじわるな姉達もパーティーに行くのです。 そしてパーティー当日。 姉達の身支度を手伝いながらミューラーは云いました。 「俺もつれて行けェェエ!」 なんと身のほど知らずにも、ミューラーは西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーにゾッコン☆LOVEだったようです。 継母SGGK若林源三と、シェスターとマーガスはその瞬間、確かに凍りつきました。 773 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/04 22:43 ID:NDw6YwRd 「鏡を見てから、云え」 「なっ、なにィ!!」 ミューラーはいともたやすく抜きさられたザコDFのような声を出しました。 「貴様ら・・・・・・まさか、俺に立派なドレスがないからって!?」 そうじゃねぇだろっ!??と云うツッコミを必死で飲み込み、ミューラーに掃除を言いつけると、3人は馬車に乗って疾風のように去ってゆきました。 「まてぇ――ぇ!若林ー――!!俺も連れてゆけぇー――!」 「我が家の恥だからくるなー――ぁ!」 フルスピードで走る馬車には流石のミューラーといえど追いつけません。 ドップラー効果で三人の叫び声はだんだん遠くなっていきました。 「太陽のバカ野郎――――っ!」 見当違いなセリフをはくミューラーでした。 784 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/05 22:12 ID:kpRnJRlj 『鋼鉄のシンデレラ 「中編 で、魔法使いは誰なのよ?」』 お屋敷の裏手の岩をあらかた砕き終え、脱力してミューラーはすわりこんでしまいました。 散々悔し泣きをしたので、目の前がボケています。 「ドチクショ――!俺もパーティーに、いきてぇ――――っ!!」 もう何度目か、同じようなセリフを叫んだ時です。 「その願い・・・叶えてやるぜっ!!」 振り返ると、さっきまで誰もいなかったはずなのに、なぜか魔法使いのような格好をした2人の少年達が立っていました。 片方の少年は、少しテンパっぽい髪をしていて偉そうに腕組みをしています。 もう一人は二人分の・・・いわゆる魔法ステッキを持っていて、片目は髪でかくれています。 二人並んだ姿は、さしずめ某日曜名作劇場。 785 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/05 22:13 ID:kpRnJRlj 「なっ・・・、貴様何者だっ!」 「ふはは、聞いておどろけ!俺は天才魔法使いファン・ディアス!!あわれでかわいそーでなさけない、そんなお前の願いを叶えてやるぜ!な、パスカルv」 「いや、たんにおまえは魔法の修行をサボって遊んでんだろ・・・」 ミューラーはすぐには信じられませんでした・・・目の前の某日曜名作劇場なコンビが魔法使いだなんて。 なにしろ、自分で天才とかいってるんで怪しさ大爆発です。 「・・・・・本当か?本当に俺の願いを叶えてくれるのか?!」 「おう!天才に不可能はないぜっ!」 ほんのちょっぴりミューラーは考えました・・・「こうなったら駄目元でいっちゃえ!」。 「よしっ!俺をパーティーにつれて行けぇええええええええっつ!!!」 さすがのミューラーのあつかましさに、態度のデカサには定評のあるディアスくんも、ほんのちょびっとばかしびびりました。 ですがそこは天才、パスカルくんからステッキを受け取って呪文を唱え始めました。 「よし!恋の呪文はスキトキメキトキスっ☆!!」 「ヤバッ!!!?」 怪しいピンク色の光に包まれてとおざかる意識の中で、いくらなんでもヤバ過ぎだとミューラーは後悔しましたが、すでにアフターカーニバルでした。 786 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/05 22:14 ID:kpRnJRlj 「・・・・・・、っ俺は一体?」 気がついたときには、あの某日曜名作劇場な二人組はもういませんでした。 「あっ!!」 ミューラーは豪華なドレスを身にまとってる自分に気がつきました。 「こ、これが・・・俺・・・・・・?(ウットリ☆)あ、ありがとう魔法使いさん!!」 その場に誰もいないのをいいことに、好きなだけ少女漫画MODEになるミューラー。 目には星まで入ってます。 「ヒヒィイーーン!」 「おおうっ!馬車まで!!」 「シンデレラ!さぁ、早く!武道怪・・・じゃなくて舞踏会が終わってしまいます!」 金ぴかの馬車の中から、『SGGK(すーぱーがんばりごーるきーぱー)』とかかれた帽子をかぶった気弱そうな従者スタイルの少年と、ヒト科よりもサル科に近いような眉毛のつながった御者の少年が出てきてミューラーを馬車に詰め込みました。 「よぉおおおしっ!今行くぜっ!王子様・・・もとい!皇帝さま――――ぁ!!」 「し、静かにしてくださー――い!」 「黙れ!」 「きゃあー――!」 あわれな森崎くんの悲鳴を乗せて、馬車はお城へ向かってゆきました・・・。 871 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/13 22:36 ID:SosPxWr3 『鋼鉄のシンデレラ 後編1/2』 パーティが始まって数刻後。 ミューラーの継母、SGGK若林源三はハッキリ云って暇でした。 パーティーに来てる娘たちは皆、皇帝にお目どうりする為に並んでいて、列の最後尾はなんと城の外まできているそうです。 いくら源三の座右の銘が『女は度胸』でも、バツ2子持ちであの列には並べません。 て云うかむしろフツーに並びたくない。 というわけで暇だったので、酔いざましにバルコニーによっかかって源三は星を見ていました。 今宵の星はファンタスティックな並び方をしていて、見れば見るほど源三には死んでしまった二人の夫の顔に見えます。 「三上さん、カルツ……どうしてみんな俺を置いて逝ってしまうんだっ!」 三上さんは年だったから、まぁ仕方がない(?)。 しかし、カルツ……楊枝を三分間くわえないでいるだけで死ぬなんて…バカな奴…。 思い出に浸りながら、源三が滝のような(not滝asシュウテツトリオ)涙を流していると… ガシャ――――――――ン!!! それはそれはもう凄い音がして、一瞬パーティー会場が静まりかえりました。 「は、まさか・・・この気配は?!」 嫌な予感がして若林はバルコニーから下をのぞき見ました・・・そこには大破した馬車と瀕死の少年×2。 バター―――――ン!! 次の瞬間、先程にも負けないほど大きな音がしてドアが開かれ…、いいえ蹴り破られました。 872 名前: ラテン某 投稿日: 02/04/13 22:38 ID:SosPxWr3 「騒々しいな、一体なんだ?」 騒ぎの中心である大広間から離れた、謁見室にいた西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーは、とうの昔にお妃候補を探すのに飽きて、どうにかしてこの退屈な作業を終わらせるか考えていました。 「たいしたことではございません。お妃候補の扮装をしたテロリストが一人入り込んだだけです」 このくだらないパーティーの企画を考えついた大臣のピエールすら、すでに自分が何を言ってるかよくわかってません。 「…おもしろそうだな。よし、ピエール」 「はい、陛下」 「あとはお前がテキトーにやっとけ」 「はい……って陛下!!!??」 面倒くさいことをピエールに押し付けて、シュナイダーは「隼 新田瞬」よりも早く走り去ってしまいました。 「ま、まってください閣下――――――!!(泣)」 天下一のプレイボーイと呼ばれたピエールも、国中の年頃の娘全てのうち、あと5分の4も残っていているとなると、もう顔を見るのにも食傷気味です。 「オレ一人でどうしろって言うんだ―――――!!!?」 とりあえず泣いてみるピエールでした。 ピエールが泣き入ってるそのころ。 ざわざわ。ざわざわ。 「お、お前は……」 「ふははははははは!どうだ!若林!!見違えただろう!?」 「…………こんな人知りません」 ドアをブチ破って入ってきた進入者=ミューラーにたいして、源三が白々しく他人のフリをしていた。 「コラまて!継母!!俺だ!ミューラーだ!あんまり美しくなったから俺が解からないのか?!」 「寝言は寝ながら言いやがれ!!このボケがっ!!!」 119 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:48 ID:GOpw8LG9 なぜか前スレから続いてしまった怪奇長編(?)小説…。 『これで最後だ! 鋼鉄のシンデレラ完結編』 「ミューラー!帰るぞっ!」 本当はホットだけど普段はクールな継母SGGK若林源三は、耳まで真っ赤になりながら、ミューラーを引っ張ろうとしました。 しかし少しもミューラーの巨体は動きません。 「イヤだ!!俺は皇帝様に会うんだっ!!」 「会わせてたまるか!キサマのような、家の恥をぉ~~~!!」 あまりに激しくケンカをする二人を押さえようと、パーティーの警備をしていたボッシくんとアモロくんが駆けつけました。 「君!パーティーを騒がせた罪、およびテロ行為の疑いで逮捕す…」 「ザコはすっこんどれぇー――――――っ!!!」 「ぐはぁ!」「がはぁ!」 ミューラーの岩をも砕くダイナマイト☆パンチでボッシくんとアモロくんは仲良くゴゥ・トゥ・ヘヴンしました。 「ミューラー…貴様、日向よりも早く殺人者になりやがって!」 憐れな警備員二人に、仏教徒のクセに十字を切ると源三はミューラーの前に立ちふさがりました。 120 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:50 ID:GOpw8LG9 「どうやら貴様を止められるのは、もはや俺だけのようだな」 そういうと、源三は腰に大和撫子の嗜みとしてさしていた日本刀を抜き放ちました。 するとミューラーもゲルマンレディの嗜みで常に持っている斧を振りかざしました。 「若林…死にたくなくば、そこをどけぃ!!」 「させるか!若林源三をなめるなぁ!」 衆人環視のど真中、ついに二人の戦いが始まってしまいました。 そのあまりに激しいバトルっぷりに、隣国の心臓の弱い貴公子はタンカで運ばれ、怪しい中国人針師などには鳳凰が見えたそうです。 二人はまったく互角に一進一退の攻防を繰り広げていました。 しかし、 「しまった!?」 「もらったぁ!若林、死ねぇ!!」 散々酒をかっくらって、半酔っ払いだった若林は自分のドレスの裾を踏んで、バランスをくずしてしまい大ピンチ。 (あぁ、三上さん、カルツ、源三は今お側に参ります!。シェスター、マーガス、俺がいなくても強く生きるんだぞ……) 源三が走馬灯エンド遺言モードに入る、わずか0.5秒前。 「な、なにィ!?」 突如投げつけられた、一本の剣によってミューラーの斧は弾き飛ばされていました。 122 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:50 ID:GOpw8LG9 そう、其処に立っていたのは、ミューラーの斧を弾き飛ばした剣の持ち主……西ドイツ帝国(仮)の若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダー!! 「ヘイ!そこの美しいご婦人!…名前は?」 「ハイ、皇帝陛下…私はミューラーと申しま……ってオイ!」 シュナイダーは駆け寄るミューラーを完全にアウトオブ眼中して通り過ぎ、倒れていた若林を助け起こしました。 「ご婦人…名前は?」 「わ、若林源三…です…」 「源三、美しいな。俺の后になれ」 そう云うが早いか、シュナイダーは源三をお姫様抱っこして御持ち帰り態勢に入りました。 事態のまずさに気づき、じたばたと暴れる源三。 ゴハッ!という音とともに大理石の床にめり込むミューラー。 「ま、まて!!俺は、バツ2で、二人の娘の母だ!!」 「未亡人なのか。期待しているぞ」 「何をだ――――っ!?」 抵抗空しく源三はシュナイダーに連れて行かれ、パーティーに出席していた人々も一緒にぞろぞろと行ってしまいました。 一人取り残される、大理石の床にのめりこんだミューラー。 「クソぉー―――――!あの、インチキ魔法使いが――――!ブッ、殺す!!!」 斧を拾うと、凄まじい形相と勢いでミューラーは城を出て行きました。 123 名前: 風と木の名無しさん 投稿日: 02/04/26 20:54 ID:GOpw8LG9 「おい、ディアス」 「なんだ、パスカル?」 魔法学校の廊下で、授業をサボった罰として廊下で雑巾がけしているディアスくんと、その手伝いをしているパスカルくん。 「あの魔法って12時になったりしたら、とけるとかないのか?」 「なーに云ってんだよ!この俺がそんなヘマをするわけないだろー?」 「ふーん、ならいいけどな」 「まぁ、良いことをした後は気分が良いぜー♪」 (ディアス~、ディアス~♪魔法の力でミューラーに、哀と笑いを振り~まくの~♪ディアス~、ディアス~、魔法使いディアス~~♪♪) ミューラー「これの何処が、シンデレラだぁああああ!!!!!(滝涙)」

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