「#84」(2010/04/14 (水) 15:08:51) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*#84 あたしのペースで
1回戦目のあたしの相手は「自爆ジオ」。
最速でコンボを決められそうなところをギリギリで突破したあたしは、コンボ殺しのカード、ブロックワードをプレイしてゲームを積へと持っていった。
見かけゲームは続いてるけど、レイでブロックワードを毒牙から守れる現状、相手はジオと毒牙2枚を引かなきゃ勝てない。
2ターンで翻意は6+8=14もの”打点”を出す。その間にそのカードたちを引くのは到底無理じゃないかしら?
黒い覇道みたいな古典破壊カードがあればブロックワードを1枚で落とせたでしょうけど。
「ターン終了です」
ハンガーに基本Gを送ったバックホームを帰還させつつ、あたしはそう告げる。
相手さんは内部調査を使っては首をかしげ、6資源で翻意を維持した。
「ターン終了デス」
「はーい」
なかなか粘るわね…。
まあいいわ。あと数回あたしが「ターン終了」と宣言すれば終わるんだから。
断然あたしのペースだ!
「ドロー」
あたしは手札にカードを加える。
このターンもバックホームは”今は役に立たないカード”をハンガーに送って帰還した。
異分子で手札を見た後、相手さんは2ドローしかしてない。
次のターンのドローを合わせても、3枚中3枚が必要なカードの可能性?ないない。
あたしは考えをめぐらせながら首をかしげてターンを終了する。
すでに相手のコンボの成功率はかなり低いはず。
「待ッテクラサイ。帰還ステップ規定後でサラサ再臨ヲプレイシマス」
「あ、了解です」
あたしは相手さんがカードを選んだのを確認して、再びターン終了を告げた。
「リロールフェイズ、内部調査使イマス後ニ…踏ミニジラレタ思イヲプレイシマス」
「…!?」
また翻意の維持からターンを始めるとばかり思っていたあたしは虚を突かれる。
「この短い期間で3枚とも引いたっての…?」
「3マイ?No No」
指を振る相手さん。あたしはとりあえず手札を本国の上に移す。
ありえないわ。だって毒牙2枚とジオだよ?
「ドロー。配備フェイズデ、ブロックWordニ尊キ御言葉をプレイシマス」
「あ゛」
あたしは肩を落とす。
移動が無理ならテキストを無効化…か。
「終始ソチラノ引キガ悪クテ助カリマシタ。キミノオカゲデ綺麗ニ自爆デキマシタ」
「…」
そう言ってるうちに相手は手札からジオを出し、ハンガーのイリアをセットした。
…つまり、あたしの負け。
終わってみて気付いたけど、あたしは最初の一撃以降本国に打点を入れてないね。
そう考えると、ずっと相手のペースだったのかも…。
「ありがとうございました」
あたしは悔しさが顔に出てしまう寸前に頭を下げた。
オワリだ。
×××
「どうだった?」
空いている椅子に座っていた武志を発見して、あたしは声をかける。
向かい側の椅子に陣取り、荷物を置く。
「ははっ、瞬殺されたぜ!赤Gがこないうちにな」
「あはは…あたしもコンボデッキ踏んでさぁ」
あたしは肩をすくめる。
運が悪かった。相性では勝てない相手ではないはずだったんだけどね。
「まあお互い2回戦頑張ろうぜ」
武志の言葉にあたしは一瞬キョトンとする。
「2回戦あるの?負けたのに?」
「そりゃースイスドローだからな」
武志は知った風な口調で言う。
聞くに「スイスドロー」とは、勝ちは勝ち同士、負けは負け同士で戦っていって、最終的な勝率を出す対戦形式…みたいなものらしい。
「つまり、まだ戦えるってこと?」
「何回聞いてんだよ」
武志は眉をつり上げる。
いや、だってこの悔しい感じのまま終わるのかと思ってたからさ。
「やあ少年少女。どうだい?調子は」
公旗がむこうから歩いてくる。
「あー、はい。微妙ッスね」
武志が頭をかいて答える。
じゃああたしは「運がサイサク」とでも答えようかな。
「公旗さんはどうだったんですか?」
「私か?無論ガンダムには負けないさ」
答えになってねー…。
あたしは苦笑して会場のほうに目を向ける。
いつのまにか1回戦の試合時間が終わって各自フリプレや雑談をしていた。
司会の人が「2回戦の対戦表を発表します」と勢いよくアナウンスする。
「…ふぅ」
あたしは気持ちを切り替えて立ち上がった。
×××
「さて、我々も行くか」
私は、先に立ち上がったお嬢さんの後姿を見てそう言った。
藤野少年も立ち上がり「事故ら無ければ俺はそれで満足なんですけどね~」といった。
「頑張れよ。少年」
「公旗さんも」
私は少年とそう言葉を交わし、自分の対戦相手を確認すべく、対戦表へと向かった。
つづく
----
[[前へ>#83]] / [[SeasonTOP>あたしのガンダムウォーSeason3]] / [[次へ>#85]]
----
txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:
更新日:10.04.14
----
*#84 あたしのペースで
1回戦目のあたしの相手は「自爆ジオ」。
最速でコンボを決められそうなところをギリギリで突破したあたしは、コンボ殺しのカード、ブロックワードをプレイしてゲームを積へと持っていった。
見かけゲームは続いてるけど、レイでブロックワードを毒牙から守れる現状、相手はジオと毒牙2枚を引かなきゃ勝てない。
2ターンで翻意は6+8=14もの”打点”を出す。その間にそのカードたちを引くのは到底無理じゃないかしら?
黒い覇道みたいな古典破壊カードがあればブロックワードを1枚で落とせたでしょうけど。
「ターン終了です」
ハンガーに基本Gを送ったバックホームを帰還させつつ、あたしはそう告げる。
相手さんは内部調査を使っては首をかしげ、6資源で翻意を維持した。
「ターン終了デス」
「はーい」
なかなか粘るわね…。
まあいいわ。あと数回あたしが「ターン終了」と宣言すれば終わるんだから。
断然あたしのペースだ!
「ドロー」
あたしは手札にカードを加える。
このターンもバックホームは”今は役に立たないカード”をハンガーに送って帰還した。
異分子で手札を見た後、相手さんは2ドローしかしてない。
次のターンのドローを合わせても、3枚中3枚が必要なカードの可能性?ないない。
あたしは考えをめぐらせながら首をかしげてターンを終了する。
すでに相手のコンボの成功率はかなり低いはず。
「待ッテクラサイ。帰還ステップ規定後でサラサ再臨ヲプレイシマス」
「あ、了解です」
あたしは相手さんがカードを選んだのを確認して、再びターン終了を告げた。
「リロールフェイズ、内部調査使イマス後ニ…踏ミニジラレタ思イヲプレイシマス」
「…!?」
また翻意の維持からターンを始めるとばかり思っていたあたしは虚を突かれる。
「この短い期間で3枚とも引いたっての…?」
「3マイ?No No」
指を振る相手さん。あたしはとりあえず手札を本国の上に移す。
ありえないわ。だって毒牙2枚とジオだよ?
「ドロー。配備フェイズデ、ブロックWordニ尊キ御言葉をプレイシマス」
「あ゛」
あたしは肩を落とす。
移動が無理ならテキストを無効化…か。
「終始ソチラノ引キガ悪クテ助カリマシタ。キミノオカゲデ綺麗ニ自爆デキマシタ」
「…」
そう言ってるうちに相手は手札からジオを出し、ハンガーのイリアをセットした。
…つまり、あたしの負け。
終わってみて気付いたけど、あたしは最初の一撃以降本国に打点を入れてないね。
そう考えると、ずっと相手のペースだったのかも…。
「ありがとうございました」
あたしは悔しさが顔に出てしまう寸前に頭を下げた。
オワリだ。
×××
「どうだった?」
空いている椅子に座っていた武志を発見して、あたしは声をかける。
向かい側の椅子に陣取り、荷物を置く。
「ははっ、瞬殺されたぜ!赤Gがこないうちにな」
「あはは…あたしもコンボデッキ踏んでさぁ」
あたしは肩をすくめる。
運が悪かった。相性では勝てない相手ではないはずだったんだけどね。
「まあお互い2回戦頑張ろうぜ」
武志の言葉にあたしは一瞬キョトンとする。
「2回戦あるの?負けたのに?」
「そりゃースイスドローだからな」
武志は知った風な口調で言う。
聞くに「スイスドロー」とは、勝ちは勝ち同士、負けは負け同士で戦っていって、最終的な勝率を出す対戦形式…みたいなものらしい。
「つまり、まだ戦えるってこと?」
「何回聞いてんだよ」
武志は眉をつり上げる。
いや、だってこの悔しい感じのまま終わるのかと思ってたからさ。
「やあ少年少女。どうだい?調子は」
公旗がむこうから歩いてくる。
「あー、はい。微妙ッスね」
武志が頭をかいて答える。
じゃああたしは「運がサイサク」とでも答えようかな。
「公旗さんはどうだったんですか?」
「私か?無論ガンダムには負けないさ」
答えになってねー…。
あたしは苦笑して会場のほうに目を向ける。
いつのまにか1回戦の試合時間が終わって各自フリプレや雑談をしていた。
司会の人が「2回戦の対戦表を発表します」と勢いよくアナウンスする。
「…ふぅ」
あたしは気持ちを切り替えて立ち上がった。
×××
「さて、我々も行くか」
私は、先に立ち上がったお嬢さんの後姿を見てそう言った。
藤野少年も立ち上がり「事故ら無ければ俺はそれで満足なんですけどね~」といった。
「頑張れよ。少年」
「公旗さんも」
私は少年とそう言葉を交わし、自分の対戦相手を確認すべく、対戦表へと向かった。
つづく
----
[[前へ>#83]] / [[SeasonTOP>あたしのガンダムウォーSeason3]] / [[次へ>#85]]
----
txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:09.07.03
更新日:10.04.14
----
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: