「#85」(2010/04/14 (水) 15:09:15) の最新版変更点
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*#85 2回戦のフラッグ
私は初手となる6枚のカードをチェックする。
2回戦の相手は中学生くらいの少年…だが全力で行かせてもらう。
「こちらは始められる」
「おれっちも大丈夫だぜ」
少年は手札をシャッフルしながらそう答えた。
「では私のターンから。緑基本Gをプレイ、さらに一日の長を貼らせてもらおう」
「へっへー、良い引きしてんじゃん」
少年は笑ってそう言う。
ふむ。たしかに一日の長を1ターン目から置くことができたのは良かった。…あとは相手の色だが?
「ターン終了だ」
「っしゃ!おれっちのターン。配備フェイズ、青基本Gをプレイすんぜ」
青…常に緑の対極に立ち、対峙してきた色。ガンダムの色だ!
単色にしろ”Oガンダム”にしろ厄介なことこの上ない。
「さらに陸戦型ジム(07小隊機)をプレイ!こっちも順調に引いてるんだよなこれが」
「了解だ」
「ターン終了だぜ」
私は静かにカードを1枚引き、「一日の長を起動する」と言った。
周辺警護を使われない今の内にアドバンテージを取らせてもらおう。
「緑基本Gを配備してターンを終了する」
「オーケー。おれっちのターン、雲散霧消をヴァリアブルにしてこのカード」
少年は自信満々でそのユニットを表にする。
1回戦に続き、またもこのカードか…。いや、このカードと戦わなければいけないのは、今の時代の必然か。
…ならば、それを倒すのも私の必然!
「Oガンダム、了解した」
私がそのカードの名前を復唱するのと同時に、少年は「陸戦型ジムを出撃させるぜッ!」と言ってジムのカードを手に取った。
「地球エリアに出撃して、そうだな…そっちのハンガーにはひとまず赤基本Gを送るぜ」
「了解だ。その攻撃は通る、Gはそちらのハンガーに送るよ」
少年はジムを帰還させてターンを終えた。
「では私のターン。ドロー後に一日の長でさらにドロー」
…ふむ。
「配備フェイズ。緑基本Gを配備、さらにイナクト(デモカラー)を戦闘配備」
相手が攻撃することでアドを得るなら、こちらも防御しながらアドを取るとしよう。
「ターン終了だ」
「ドロー前に急ごしらえ!ハンドは3枚以下だから2ドローするぜ。そして規定ドロー」
態度はともかく、いい引きだ。瞬く間に場がそろいつつある。
「ハンガーの赤基本Gを出して戦闘行くぜ~?」
ジムが地球に、Oガンダムが宇宙に出撃する。
ハンガーに送られたのは彼方からの来訪者…。
「では、攻撃規定後」
「ん?」
Oガンダムにカードは奪われるが、この早期で撃破する必要があるのは事実。
「防御ステップ規定、デモカラーでOガンダムを防御する」
「だろうな!じゃあダメージ判定ステップ行くぜ?」
私は頷く。
本国に2点のダメージが通り、Oガンダムとデモカラーは相打ちか?
「宇宙は相打ち。そんで先にOガンダムのテキストが解決な!」
私は「了解だ」と言って、相手にだけ見えるように自分の捨て山を3枚表にしようとした…。
しかし、それより早く、少年は私の捨て山を無造作に見始める。
…やれやれ。
「3枚のカードの中から…赤い彗星《20》をもらうぜ」
それに続いてジムのハンガー効果、イナクトの2ドローが解決される。
…2枚のカードは非常に良い。
「じゃあOガンダムの廃棄にカットインで生還を使うぜ?」
「む…やるな」
私はあごに手をあてながら了解する。
「ターン終了だッ」
「配備フェイズ」
私は対ガンダム調査隊を配備し、ターン終了を宣言した。
「なんだよ?イナクトの2ドロー入ったのに、反撃なし?」
「いや、準備してるところだ」
しれっと言う私に、少年は「ふーん」と言ってターンを開始した。
「配備フェイズ…っ遅せーんだよクソカード!アナハイム・エレクトロニクスを配備!そして1コストで青発生してガンダムヴァーチェを戦闘配備」
ガンダムヴァーチェか…しかし、私の手札にはすでに”揃っている”。渡り合う自信はある!
「戦闘フェイズ、地球にヴァーチェ、ジム。宇宙にOガンダムを出撃させるぜ」
「了解した…」
私は少し考えてから「全て通しだ」と宣言した。
手札に”このグループ”を最速でそろえた代わりに焼きカードがあまり引けてないんでね。
「じゃあ8点とOガンダムのテキスト…」
またも無造作に捨て山を見た少年は目を見開く。
何か良いカードでもあったのか…?
「グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをもらうぜ~!」
「了解」
私は淡々と答え、少年がユニットを帰還させたのを確認して手札のカードを表にする。
「帰還ステップ、グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをプレイしたいが?」
「2枚目か…だが残念!そいつは通らない…絶対的な力ァ!」
自軍ターン限定ではあるが、全ての種類のカードを無効にできる非常に強力なカウンターだ。
「帰還ステップに出すってことはハンドにグラハムってわけだな?おっさん」
「そうだ」
私はニヤリとして答える。
「君の引きもたいしたものだが、私の引きのほうが上だと言わせて貰おう。グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをプレイ。3枚目だ」
少年は口をあんぐり開けて「バカな」を連呼した。
実際、君がOガンダムで1枚持っていっただけで、私が自力で引いたのは2枚に過ぎんよ。
「チッ…ターン終了」
「私のターン、ドロー。配備フェイズは君が言うとおりグラハム・エーカーのセット」
戦闘フェイズを宣言して、グラハムのテキストを宣言、Oガンダムを宇宙で撃破する。
これで1枚。
「私のターンは以上だ」
「調子に乗りやがって、ド…」
ドローしようとする少年を遮り、私は手札を1枚表にした。
「リロールフェイズ、滅多打ちを。」
少年は舌打ちをして基本Gを出した後、「ターン終了」と言った。
「いいや。攻撃ステップ、グラハムのテキストでヴァーチェを」
「ハイハイハイ。グラハムゲーですねー」
少年はそう言いながらヴァーチェを廃棄する。
自分が有利なときは調子に乗るくせに、不利になると途端にこれか。
「そうかもしれないな。君達が”Oガンダムに依存する”ように、緑中…我々もエーカー上級大尉に頼りっぱなしかもしれん」
「ハッ!だろうなッ!つまんねーんだよ」
私は聞き流しつつ、ターンを開始する。
相手の残りユニットは陸戦型ジムのみ…どうくる?
「戦闘フェイズに入る。カスタムフラッグを宇宙に」
「7点通しだ」
私は帰還規定後に再び起きたカスタムフラッグをチラリと見て、ターン終了を宣言した。
「名称:ガンダム」が1枚ずつ増えるのは問題じゃない。プレイにカットイン滅多打ちで援護を封じてカスタムフラッグで撃破、そして滅多打ちを回収するこのサイクルを突破するのは容易ではないはず。
「リロールフェイズ、急ごしらえをプレイ」
「許可だ」
その後、規定の効果ドローを行って、少年は「ターン終了」と告げた。
私は前のターンと同じようにドローし、戦闘フェイズを宣言した。少年の本国は私の本国の2,3倍あるように見える。が、7点ずつのクロックならどうだ。
「宇宙エリアに カスタムフラッグを出撃させる」
「マズいな…やられる」
少年はうつむいてボソッと言った。
「…なーんて言うと思ったかよォ!?」
急に勢いよく喋りだす少年。
なにか対策を引いていたか…?
「ガンダムエクシアを攻撃ステップ中にプレイ…そしてガンダムエクシア(トランザム)に換装!」
「くっ…」
緑にとって最も危険なカードの1枚だ…!
”ステップ終了時まで速度2以外のダメージを受けない”というテキストによって、カスタムフラッグのセットグループすら圧倒する性能。
「ハッハー!ゴメンねェ強くってさァー!防御に出撃!!」
少年はなおも勢いよく喋り、ユニットを出撃させた。
「だが対応できないわけでは…ない!防御ステップ規定後、秘密基地潜入をプレイ」
「!?」
私は瞬時に思考して、手札を1枚表にする。
少年は私が出したカードのテキストを確認して、眉をひそめた。
「このカードの解決後、そちらは自動以外のテキストを使用できなくなる。つまりトランザムエクシアのテキストは…」
「フフッ…ハハッ!!バカかよ!それもグラハムフラッグと相打ちだぜ」
その通りだ。
…現状の手札ではこれが精一杯。
「グラハムフラッグが3枚落ちた緑中を倒すなんざ楽勝なんだよー!」
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:
更新日:10.04.14
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*#85 2回戦のフラッグ
私は初手となる6枚のカードをチェックする。
2回戦の相手は中学生くらいの少年…だが全力で行かせてもらう。
「こちらは始められる」
「おれっちも大丈夫だぜ」
少年は手札をシャッフルしながらそう答えた。
「では私のターンから。緑基本Gをプレイ、さらに一日の長を貼らせてもらおう」
「へっへー、良い引きしてんじゃん」
少年は笑ってそう言う。
ふむ。たしかに一日の長を1ターン目から置くことができたのは良かった。…あとは相手の色だが?
「ターン終了だ」
「っしゃ!おれっちのターン。配備フェイズ、青基本Gをプレイすんぜ」
青…常に緑の対極に立ち、対峙してきた色。ガンダムの色だ!
単色にしろ”Oガンダム”にしろ厄介なことこの上ない。
「さらに陸戦型ジム(07小隊機)をプレイ!こっちも順調に引いてるんだよなこれが」
「了解だ」
「ターン終了だぜ」
私は静かにカードを1枚引き、「一日の長を起動する」と言った。
周辺警護を使われない今の内にアドバンテージを取らせてもらおう。
「緑基本Gを配備してターンを終了する」
「オーケー。おれっちのターン、雲散霧消をヴァリアブルにしてこのカード」
少年は自信満々でそのユニットを表にする。
1回戦に続き、またもこのカードか…。いや、このカードと戦わなければいけないのは、今の時代の必然か。
…ならば、それを倒すのも私の必然!
「Oガンダム、了解した」
私がそのカードの名前を復唱するのと同時に、少年は「陸戦型ジムを出撃させるぜッ!」と言ってジムのカードを手に取った。
「地球エリアに出撃して、そうだな…そっちのハンガーにはひとまず赤基本Gを送るぜ」
「了解だ。その攻撃は通る、Gはそちらのハンガーに送るよ」
少年はジムを帰還させてターンを終えた。
「では私のターン。ドロー後に一日の長でさらにドロー」
…ふむ。
「配備フェイズ。緑基本Gを配備、さらにイナクト(デモカラー)を戦闘配備」
相手が攻撃することでアドを得るなら、こちらも防御しながらアドを取るとしよう。
「ターン終了だ」
「ドロー前に急ごしらえ!ハンドは3枚以下だから2ドローするぜ。そして規定ドロー」
態度はともかく、いい引きだ。瞬く間に場がそろいつつある。
「ハンガーの赤基本Gを出して戦闘行くぜ~?」
ジムが地球に、Oガンダムが宇宙に出撃する。
ハンガーに送られたのは彼方からの来訪者…。
「では、攻撃規定後」
「ん?」
Oガンダムにカードは奪われるが、この早期で撃破する必要があるのは事実。
「防御ステップ規定、デモカラーでOガンダムを防御する」
「だろうな!じゃあダメージ判定ステップ行くぜ?」
私は頷く。
本国に2点のダメージが通り、Oガンダムとデモカラーは相打ちか?
「宇宙は相打ち。そんで先にOガンダムのテキストが解決な!」
私は「了解だ」と言って、相手にだけ見えるように自分の捨て山を3枚表にしようとした…。
しかし、それより早く、少年は私の捨て山を無造作に見始める。
…やれやれ。
「3枚のカードの中から…赤い彗星《20》をもらうぜ」
それに続いてジムのハンガー効果、イナクトの2ドローが解決される。
…2枚のカードは非常に良い。
「じゃあOガンダムの廃棄にカットインで生還を使うぜ?」
「む…やるな」
私はあごに手をあてながら了解する。
「ターン終了だッ」
「配備フェイズ」
私は対ガンダム調査隊を配備し、ターン終了を宣言した。
「なんだよ?イナクトの2ドロー入ったのに、反撃なし?」
「いや、準備してるところだ」
しれっと言う私に、少年は「ふーん」と言ってターンを開始した。
「配備フェイズ…っ遅せーんだよクソカード!アナハイム・エレクトロニクスを配備!そして1コストで青発生してガンダムヴァーチェを戦闘配備」
ガンダムヴァーチェか…しかし、私の手札にはすでに”揃っている”。渡り合う自信はある!
「戦闘フェイズ、地球にヴァーチェ、ジム。宇宙にOガンダムを出撃させるぜ」
「了解した…」
私は少し考えてから「全て通しだ」と宣言した。
手札に”このグループ”を最速でそろえた代わりに焼きカードがあまり引けてないんでね。
「じゃあ8点とOガンダムのテキスト…」
またも無造作に捨て山を見た少年は目を見開く。
何か良いカードでもあったのか…?
「グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをもらうぜ~!」
「了解」
私は淡々と答え、少年がユニットを帰還させたのを確認して手札のカードを表にする。
「帰還ステップ、グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをプレイしたいが?」
「2枚目か…だが残念!そいつは通らない…絶対的な力ァ!」
自軍ターン限定ではあるが、全ての種類のカードを無効にできる非常に強力なカウンターだ。
「帰還ステップに出すってことはハンドにグラハムってわけだな?おっさん」
「そうだ」
私はニヤリとして答える。
「君の引きもたいしたものだが、私の引きのほうが上だと言わせて貰おう。グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをプレイ。3枚目だ」
少年は口をあんぐり開けて「バカな」を連呼した。
実際、君がOガンダムで1枚持っていっただけで、私が自力で引いたのは2枚に過ぎんよ。
「チッ…ターン終了」
「私のターン、ドロー。配備フェイズは君が言うとおりグラハム・エーカーのセット」
戦闘フェイズを宣言して、グラハムのテキストを宣言、Oガンダムを宇宙で撃破する。
これで1枚。
「私のターンは以上だ」
「調子に乗りやがって、ド…」
ドローしようとする少年を遮り、私は手札を1枚表にした。
「リロールフェイズ、滅多打ちを。」
少年は舌打ちをして基本Gを出した後、「ターン終了」と言った。
「いいや。攻撃ステップ、グラハムのテキストでヴァーチェを」
「ハイハイハイ。グラハムゲーですねー」
少年はそう言いながらヴァーチェを廃棄する。
自分が有利なときは調子に乗るくせに、不利になると途端にこれか。
「そうかもしれないな。君達が”Oガンダムに依存する”ように、緑中…我々もエーカー上級大尉に頼りっぱなしかもしれん」
「ハッ!だろうなッ!つまんねーんだよ」
私は聞き流しつつ、ターンを開始する。
相手の残りユニットは陸戦型ジムのみ…どうくる?
「戦闘フェイズに入る。カスタムフラッグを宇宙に」
「7点通しだ」
私は帰還規定後に再び起きたカスタムフラッグをチラリと見て、ターン終了を宣言した。
「名称:ガンダム」が1枚ずつ増えるのは問題じゃない。プレイにカットイン滅多打ちで援護を封じてカスタムフラッグで撃破、そして滅多打ちを回収するこのサイクルを突破するのは容易ではないはず。
「リロールフェイズ、急ごしらえをプレイ」
「許可だ」
その後、規定の効果ドローを行って、少年は「ターン終了」と告げた。
私は前のターンと同じようにドローし、戦闘フェイズを宣言した。少年の本国は私の本国の2,3倍あるように見える。が、7点ずつのクロックならどうだ。
「宇宙エリアに カスタムフラッグを出撃させる」
「マズいな…やられる」
少年はうつむいてボソッと言った。
「…なーんて言うと思ったかよォ!?」
急に勢いよく喋りだす少年。
なにか対策を引いていたか…?
「ガンダムエクシアを攻撃ステップ中にプレイ…そしてガンダムエクシア(トランザム)に換装!」
「くっ…」
緑にとって最も危険なカードの1枚だ…!
”ステップ終了時まで速度2以外のダメージを受けない”というテキストによって、カスタムフラッグのセットグループすら圧倒する性能。
「ハッハー!ゴメンねェ強くってさァー!防御に出撃!!」
少年はなおも勢いよく喋り、ユニットを出撃させた。
「だが対応できないわけでは…ない!防御ステップ規定後、秘密基地潜入をプレイ」
「!?」
私は瞬時に思考して、手札を1枚表にする。
少年は私が出したカードのテキストを確認して、眉をひそめた。
「このカードの解決後、そちらは自動以外のテキストを使用できなくなる。つまりトランザムエクシアのテキストは…」
「フフッ…ハハッ!!バカかよ!それもグラハムフラッグと相打ちだぜ」
その通りだ。
…現状の手札ではこれが精一杯。
「グラハムフラッグが3枚落ちた緑中を倒すなんざ楽勝なんだよー!」
つづく
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txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:09.07.07
更新日:10.04.14
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