「M2」(2010/02/10 (水) 09:43:10) の最新版変更点
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前回までの『ミキオ』―
「さぁ戦闘フェイズ。出撃しなけりゃ何か廃棄だ」
「呼ばれなくても行ってやるぜ…シャイニングガンダムをリングに!」
交戦で羽鳥側のユニットのいろいろなテキストが起動しそうではあったが、ミキオは怯むことなくユニットを出撃させた。
「イナクトを防御に。交戦チェックでオーバーフラッグコインが発生だ」
「かまわねぇ、このまま勝負だ!」
ミキオはイナクトを指さす。格闘はアリーがセットされているから6と高いが、ドモンがセットされたシャイニングの耐久7には届かない。
「ダメージ判定ステップ」
「チッチッチッ、甘いよミキオちゃん。リングは決してさわれない場所じゃない…破壊!破壊!破壊工作をプレイ!」
第2話 不死身のジンクス
「破壊工作…」
「そう!このコマンドの2ダメージは、リング内にいるユニットも対称にできる」
ミキオは「…そうだったな」といいながら小さく舌打ちをする。
このターンはギンガナム軍を起動しため、5国力でありながらリロール状態のGは3枚しかなく、ディアナ帰還は3回しか使えなかった。
だから、ドモンが必要とする”ジャンク5枚”を満たせてなかったのだ。
「これもアリーが出撃を強要したからだ。さすがアリー!通常交戦でギッタンギッタンにしてやんよーッ!」
ドモンセットのシャイニングガンダムと、アリーセットのイナクトがダメージの押収で破壊状態になる。
イナクトの自動Dが起動し、羽鳥は2ドローしながらアリーのテキストを宣言しようと準備する。
「ユニットサイズの差を埋める手段はわかった。とりあえず、手札からゴッドガンダム《22》。破壊状態のシャイニングを入れ替えるぜ!」
「あ、生き延びやがった。ずりーぞ、ミキオ」
「うっせぇ。そっちもサーシェスをハンガーに、だろ?」
「お…おぅ」
羽鳥はイナクトの廃棄カットインでアリーをハンガーに移す。
「イナクトが廃棄されたからコーラジンクスのテキストが起動、今のイナクトをハンガーに回収」
「んなこともできるのかよ…」
「スゲーだろ。よし、あとはフラッグコインを廃棄して世界の歪みに2コイン。ローゼススクリーマーを撃つぜ」
ミキオの配備エリアにあるローズを指差す。
オーバーフラッグコインを廃棄したため、世界の歪みの上のコインは4枚。
3回起動するだけでローゼススクリーマーを破壊することが可能だ。
「了解だ」
ミキオは大人しくローゼススクリーマーを廃棄する。
「この火力…もしかしたら、シャイニングガンダムなしで突破するのはつらいかもな」という考えがよぎったが、ミキオはそれを振り払うようにターン終了を宣言した。
「俺様のターン、ドロー!イナクトをハンガーからプレイ。さらに一日の長を配備して…世界の歪みのコインに変換だ」
「今、5コインか」
耐久9のゴッドガンダムを破壊できるようになるころには、ディアナ帰還でジャンクヤードを貯めてドモンのテキストが起動できるハズだ。
「戦闘フェイズ。アリーをジンクスにセットして攻撃だ!」
「6点受けるぜ」
「帰還前にアリーをハンガーに移して、ターン終了だ」
ミキオはターンを開始して、手札にカードを加える。
―だめだ。キャラをセットしなければあっという間に世界の歪みの餌食だ。
「配備フェイズ。ディアナ帰還を3回使うぜ」
「うーん、仕方ない。これでドモンは起動できる状態か。とりあえず、イナクトにアリーをセット」
「おう」
ミキオはそれ以上カードを追加することなく戦闘フェイズを迎えた。
「来る?来る?」と挑発気味に聞いてくる羽鳥を無視して、ゴッドガンダムを見る。
現状、G以外のカードはゴッドガンダムのグループとディアナ帰還だけ。
出撃しなかったペナルティでどちらかを失うのはマズイ。だが、得意のリングエリアの戦闘で勝つことはできても、羽鳥はオーバーフラッグコインとイナクトのドロー、そしてジンクスのテキストでイナクトの回収をやってのける。
いずれ物量差で仕掛けてくるのは明白だ。
「でも、出撃しないわけにはいかない。ゴッドガンダムをリングに出撃させるッ!!」
「ハッハーイナクトでブロックだ!」
さすがにリング内で3点差をつめることはできない。 ミキオのゴッドガンダムの一方的な勝ちだ。
だが、羽鳥は発生したオーバーフラッグコインを世界の歪みで廃棄し、コーラジンクスのテキストでイナクトを回収した。もちろんアリーも廃棄カットインの時点でハンガーに。
「…長い戦いになりそうだ」
ミキオはターン終了と共にそうつぶやいた。
×××
ターンが経過したが、場は膠着していた。
変わったのは資源やダメージですり減ったお互いの本国と、世界の歪みの上のコインだ。
9枚になったコインの山を満足そうに見る羽鳥。それとは対照的に、ミキオは考えるように手札と場を交互に見つめた。
「さぁ、このターンも俺様は攻撃にでるぜ!」
羽鳥はアリーをジンクスにセットしながらそう言う。
前のターンに半強制的に出撃させられたミキオの場にはロール状態のゴッドガンダムしかおらず、羽鳥の攻撃は簡単に通る状態。そしてミキオはその猛攻をディアナ帰還でなんとか誤魔化すのが精一杯だった。
「地球にフラッグを、宇宙にコーラジンクスを出撃させる」
「了解だ。攻撃規定後…換装の効果を発動!」
「…!?」
ミキオはロール状態のゴッドガンダムと手札のユニットを置き換える。
同じ機体のカードではあるが、光る手を構えたイラストのカードだった。
「ハイパーモードッ!!」
「エクステ3のゴッドか…」
羽鳥はカードを確認して、「なんだ」という顔をした。
ゴッドガンダム(ハイパーモード)は国力に応じて、交戦中の相手にマイナス修正を叩き込むことができるユニット。
強力であるが、コストとしてロールを要求されるため、攻撃の貫通などには使うことはできないテキストだったからだ。
「オレはジンクス側の防御にゴッドハイパーを出撃させる!」
「いいぜ」
ミキオは頷いてゴッドガンダム(ハイパーモード)を出撃させる。
「ダメージ判定前に、交戦中のジンクスに修正だ!マイナスコインを6個乗せて破壊するッ!!」
「おー怖い怖い」
羽鳥はコインを乗せるまでもなく、カットインでアリーをハンガーに逃がし、ジンクスを廃棄後にハンガーに移した。
「交戦じゃかなわない」
「4点受けるぜ」
「おっけー。じゃあその後、世界の歪みでゴッドハイパーにダメージだ」
羽鳥は金属音と共に、世界の歪みの上からコインを1枚取る。
耐久9のゴッドガンダムを9コインで破壊しにきたのだ。
だが、ミキオもこれにはさすがに眉をひそめた。
-おかしい。こっちにはドモンがセットされ、ジャンクには大量のカードだ。
「なんだよ、何企んでやがる?」
「さぁな。オメーがカットインしないなら9回目まで宣言するぜ?」
羽鳥はカットインがないことを見越して、すべてのコインを一度につかむ。手元を確認しなかったせいか、綺麗に積み上げられていたコインが倒れ、甲高い音を立てた。
「あぁ。9回目にカットインだ。ドモンのテキストでな」
「だよなー!除去するカードは?」
「そこがポイントなのか…?よし、基本Gと宝物没収だ。メテオブレイカーならどの道だめだ」
ミキオは考えを巡らせて、メテオブレイカーに行き当たり、諦めて目に付いたカードを指定した。
それでもカムバックと出土品を考慮してハリケーンやキョウジは避けたが。
「…メテオブレイカー?なんだそりゃ。俺様のカードはこれだよ。高潔なる理想!」
「な…」
「指定された没収含む4枚のコマンドをゲームから除外、ミキオの本国に4ダメージだ!」
没収を指定したのが仇になったらしい。
ミキオにはどうも偶然にしか思えなかっだが。
「これでゴッドは破…」
「まだオレのカットインは終わってねぇ!明鏡止水。切り札だったが、ここで使わせてもらうぜ。」
「耐久がさらに5もアップ…!?」
羽鳥はそこで諦めた。
本国に有効な打点は当てたし、ゴッドガンダムハイパーは勝ち筋にはなり得ない。と考えて。
「ターン終了だ」
そう告げて、アリーの準備をする羽鳥に、ミキオはニヤリと笑う。
「炭酸。確かにおまえのジンクスはたいした性能だ…まさしく不死身。だが一つ忘れてるぜ」
「…あ?」
「資源で本国がガリガリだッ!!」
ビシリと羽鳥の本国を指さすミキオ。
羽鳥はぽかんとして彼を見る。
「つまり、一撃…一撃オレのMFが直接打点を入れれば間違いなく勝てる!」
「いや、そうだけどさ…その“ロールゴッド”で?」
羽鳥はミキオの意図を推し量るように、挑戦的な笑みで返す。
「あぁ。オレのゴッドガンダム(ハイパーモード)が決めるぜ!この一撃をな!!」
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初出:mixi (12月9日~12月10日掲載分)
前回までの『ミキオ』―
「さぁ戦闘フェイズ。出撃しなけりゃ何か廃棄だ」
「呼ばれなくても行ってやるぜ…シャイニングガンダムをリングに!」
交戦で羽鳥側のユニットのいろいろなテキストが起動しそうではあったが、ミキオは怯むことなくユニットを出撃させた。
「イナクトを防御に。交戦チェックでオーバーフラッグコインが発生だ」
「かまわねぇ、このまま勝負だ!」
ミキオはイナクトを指さす。格闘はアリーがセットされているから6と高いが、ドモンがセットされたシャイニングの耐久7には届かない。
「ダメージ判定ステップ」
「チッチッチッ、甘いよミキオちゃん。リングは決してさわれない場所じゃない…破壊!破壊!破壊工作をプレイ!」
第2話 不死身のジンクス
「破壊工作…」
「そう!このコマンドの2ダメージは、リング内にいるユニットも対称にできる」
ミキオは「…そうだったな」といいながら小さく舌打ちをする。
このターンはギンガナム軍を起動しため、5国力でありながらリロール状態のGは3枚しかなく、ディアナ帰還は3回しか使えなかった。
だから、ドモンが必要とする”ジャンク5枚”を満たせてなかったのだ。
「これもアリーが出撃を強要したからだ。さすがアリー!通常交戦でギッタンギッタンにしてやんよーッ!」
ドモンセットのシャイニングガンダムと、アリーセットのイナクトがダメージの押収で破壊状態になる。
イナクトの自動Dが起動し、羽鳥は2ドローしながらアリーのテキストを宣言しようと準備する。
「ユニットサイズの差を埋める手段はわかった。とりあえず、手札からゴッドガンダム《22》。破壊状態のシャイニングを入れ替えるぜ!」
「あ、生き延びやがった。ずりーぞ、ミキオ」
「うっせぇ。そっちもサーシェスをハンガーに、だろ?」
「お…おぅ」
羽鳥はイナクトの廃棄カットインでアリーをハンガーに移す。
「イナクトが廃棄されたからコーラジンクスのテキストが起動、今のイナクトをハンガーに回収」
「んなこともできるのかよ…」
「スゲーだろ。よし、あとはフラッグコインを廃棄して世界の歪みに2コイン。ローゼススクリーマーを撃つぜ」
ミキオの配備エリアにあるローズを指差す。
オーバーフラッグコインを廃棄したため、世界の歪みの上のコインは4枚。
3回起動するだけでローゼススクリーマーを破壊することが可能だ。
「了解だ」
ミキオは大人しくローゼススクリーマーを廃棄する。
「この火力…もしかしたら、シャイニングガンダムなしで突破するのはつらいかもな」という考えがよぎったが、ミキオはそれを振り払うようにターン終了を宣言した。
「俺様のターン、ドロー!イナクトをハンガーからプレイ。さらに一日の長を配備して…世界の歪みのコインに変換だ」
「今、5コインか」
耐久9のゴッドガンダムを破壊できるようになるころには、ディアナ帰還でジャンクヤードを貯めてドモンのテキストが起動できるハズだ。
「戦闘フェイズ。アリーをジンクスにセットして攻撃だ!」
「6点受けるぜ」
「帰還前にアリーをハンガーに移して、ターン終了だ」
ミキオはターンを開始して、手札にカードを加える。
―だめだ。キャラをセットしなければあっという間に世界の歪みの餌食だ。
「配備フェイズ。ディアナ帰還を3回使うぜ」
「うーん、仕方ない。これでドモンは起動できる状態か。とりあえず、イナクトにアリーをセット」
「おう」
ミキオはそれ以上カードを追加することなく戦闘フェイズを迎えた。
「来る?来る?」と挑発気味に聞いてくる羽鳥を無視して、ゴッドガンダムを見る。
現状、G以外のカードはゴッドガンダムのグループとディアナ帰還だけ。
出撃しなかったペナルティでどちらかを失うのはマズイ。だが、得意のリングエリアの戦闘で勝つことはできても、羽鳥はオーバーフラッグコインとイナクトのドロー、そしてジンクスのテキストでイナクトの回収をやってのける。
いずれ物量差で仕掛けてくるのは明白だ。
「でも、出撃しないわけにはいかない。ゴッドガンダムをリングに出撃させるッ!!」
「ハッハーイナクトでブロックだ!」
さすがにリング内で3点差をつめることはできない。 ミキオのゴッドガンダムの一方的な勝ちだ。
だが、羽鳥は発生したオーバーフラッグコインを世界の歪みで廃棄し、コーラジンクスのテキストでイナクトを回収した。もちろんアリーも廃棄カットインの時点でハンガーに。
「…長い戦いになりそうだ」
ミキオはターン終了と共にそうつぶやいた。
×××
ターンが経過したが、場は膠着していた。
変わったのは資源やダメージですり減ったお互いの本国と、世界の歪みの上のコインだ。
9枚になったコインの山を満足そうに見る羽鳥。それとは対照的に、ミキオは考えるように手札と場を交互に見つめた。
「さぁ、このターンも俺様は攻撃にでるぜ!」
羽鳥はアリーをジンクスにセットしながらそう言う。
前のターンに半強制的に出撃させられたミキオの場にはロール状態のゴッドガンダムしかおらず、羽鳥の攻撃は簡単に通る状態。そしてミキオはその猛攻をディアナ帰還でなんとか誤魔化すのが精一杯だった。
「地球にフラッグを、宇宙にコーラジンクスを出撃させる」
「了解だ。攻撃規定後…換装の効果を発動!」
「…!?」
ミキオはロール状態のゴッドガンダムと手札のユニットを置き換える。
同じ機体のカードではあるが、光る手を構えたイラストのカードだった。
「ハイパーモードッ!!」
「エクステ3のゴッドか…」
羽鳥はカードを確認して、「なんだ」という顔をした。
ゴッドガンダム(ハイパーモード)は国力に応じて、交戦中の相手にマイナス修正を叩き込むことができるユニット。
強力であるが、コストとしてロールを要求されるため、攻撃の貫通などには使うことはできないテキストだったからだ。
「オレはジンクス側の防御にゴッドハイパーを出撃させる!」
「いいぜ」
ミキオは頷いてゴッドガンダム(ハイパーモード)を出撃させる。
「ダメージ判定前に、交戦中のジンクスに修正だ!マイナスコインを6個乗せて破壊するッ!!」
「おー怖い怖い」
羽鳥はコインを乗せるまでもなく、カットインでアリーをハンガーに逃がし、ジンクスを廃棄後にハンガーに移した。
「交戦じゃかなわない」
「4点受けるぜ」
「おっけー。じゃあその後、世界の歪みでゴッドハイパーにダメージだ」
羽鳥は金属音と共に、世界の歪みの上からコインを1枚取る。
耐久9のゴッドガンダムを9コインで破壊しにきたのだ。
だが、ミキオもこれにはさすがに眉をひそめた。
―おかしい。こっちにはドモンがセットされ、ジャンクには大量のカードだ。
「なんだよ、何企んでやがる?」
「さぁな。オメーがカットインしないなら9回目まで宣言するぜ?」
羽鳥はカットインがないことを見越して、すべてのコインを一度につかむ。手元を確認しなかったせいか、綺麗に積み上げられていたコインが倒れ、甲高い音を立てた。
「あぁ。9回目にカットインだ。ドモンのテキストでな」
「だよなー!除去するカードは?」
「そこがポイントなのか…?よし、基本Gと宝物没収だ。メテオブレイカーならどの道だめだ」
ミキオは考えを巡らせて、メテオブレイカーに行き当たり、諦めて目に付いたカードを指定した。
それでもカムバックと出土品を考慮してハリケーンやキョウジは避けたが。
「…メテオブレイカー?なんだそりゃ。俺様のカードはこれだよ。高潔なる理想!」
「な…」
「指定された没収含む4枚のコマンドをゲームから除外、ミキオの本国に4ダメージだ!」
没収を指定したのが仇になったらしい。
ミキオにはどうも偶然にしか思えなかっだが。
「これでゴッドは破…」
「まだオレのカットインは終わってねぇ!明鏡止水。切り札だったが、ここで使わせてもらうぜ。」
「耐久がさらに5もアップ…!?」
羽鳥はそこで諦めた。
本国に有効な打点は当てたし、ゴッドガンダムハイパーは勝ち筋にはなり得ない。と考えて。
「ターン終了だ」
そう告げて、アリーの準備をする羽鳥に、ミキオはニヤリと笑う。
「炭酸。確かにおまえのジンクスはたいした性能だ…まさしく不死身。だが一つ忘れてるぜ」
「…あ?」
「資源で本国がガリガリだッ!!」
ビシリと羽鳥の本国を指さすミキオ。
羽鳥はぽかんとして彼を見る。
「つまり、一撃…一撃オレのMFが直接打点を入れれば間違いなく勝てる!」
「いや、そうだけどさ…その“ロールゴッド”で?」
羽鳥はミキオの意図を推し量るように、挑戦的な笑みで返す。
「あぁ。オレのゴッドガンダム(ハイパーモード)が決めるぜ!この一撃をな!!」
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