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#82 力押しでは無理?


いろんな面子と顔を合わせる中、ついに開場した「ガンダムウォーツアーin伊達」。
会場は伊達会館のイベントホールを丸々使う形で、東壁側にはステージが設けられ、目の前のCS参加者に司会の人がなにやら喋っている。かと思えば、反対側ではガンスリンガーだのサブイベントの受付も始まっていた。

まさに「お祭」って感じね。



「本田京子か。ちょうどいいところに来た」
「ん?」

武志たちがいる席に戻ろうとしたあたしを、剣治が呼び止めた。
それだけなのに内心何か期待してる自分に気付く。

「これを藤野に渡してくれ」

そう言って剣冶は1枚のカードを差し出した。
なんだ。そういう”用”か。

「はいよ」

あたしはそのカードを受け取る。
武志これ何に使うんだろ?

「そのカードは私のストックなんだけどねェ」

剣冶の隣に座ったメガネの人…金田持継がそう言ったからあたしは「はぁ、それはどうも。伝えておきます」と会釈した。
そこであたしは剣冶のもう片方の席があいているのを見つける。

「この席…空いてるの?」
「そうだ」

あたしの問いに剣冶はそっけなく答える。





『座るか?』

剣冶はあたしの考えなどお見通しというように笑う。

『いい…の?』

声がうわずる。

『もちろんだ。本田京子なら、問題ない』

予期せぬ反応に高鳴る心臓。
あたしはニッコリ笑って彼の隣に…





「…おい。この席がどうした?」

剣冶の声で、あたしは妄想を振り払った。

「なんでも~。じゃあ、またね」

そう言いながら、軽く手を振ってあたしは足早に立ち去る。
顔、赤くなってないかしら…。

そんなこととを考えながら、武志にカードを渡したりデッキリスト書いたりして時間が流れる。
座ればよかったかな…。

あたしはデッキリストの基本Gの項を書き終えた時にそんなことを”また”思った。
この席についてもう3回目。

でも大胆なことを考えるのは頭の中だけ。
そういうことを口に出してきちんと伝えられる詩織や武志は本当にすごいと思う。

「では第1回戦の対戦表を張り出します。各ブロック…」

司会の人がマイクを手に、アナウンスする。


んなことばっかり考えてるとプレミするよ。本田京子。
あたしはそう自分に言い聞かせて頬を軽く叩いた。

「よっしゃ。行きますか!」


×××


「配備フェイズ、白基本Gを配備します」

あたしはいつもより気持ち丁寧な口調でそう告げて、ターンを終えた。
1回戦のテーブルについて数分。じゃんけんで後攻になったあたしの最初のターンだ。

「ドロー、黒基本Gヲ配備。ソシテ…内部調査配備サセテマス」
「はい」

対戦相手の人は白い肌と青い瞳で日本人じゃないのは一発わかった。
日本の学校に行ってる人かな?

デッキは1ターン目の赤基本Gと合わせて、どう見ても赤黒だー。
となると先攻をとられたのは、なかなかマズいかも…。

「ターン終了デス」

返しもあたしは白基本Gを出しただけでターンを終える。
あっちも戦力の大半を00ユニットで固めているだろうから、始動は4T前後。序盤はお互いにGとサポートカードの配備だけに終わるはず。

「赤基本Gヲ配備サセテ、ターン終了シマス」

相手さんも内部調査を捻る以外は特に変わったこともなし。

「あたしのターン、ドロー」

あたしはカードを1枚手札に加えて、小さくガッツポーズをする。

「OZを配備」
「了解デス」

相手さんはニコニコと笑って答える。
ヴァーチェが戦闘配備できなければ先攻の優位性は無くなるはずなのに。気付いてない?

「さらにこのカード、ガンダムアストレイ・アウトフレーム(バックホーム装備)をプレイ」

フルネームで呼称しターンを終了する。
長いからやっぱり今後は略称で行こ…。

「ドロー。配備フェイズ、密約ヲ私デ」
「了解です」

パチン、パチンと音を立ててカードをドローする相手さん。
4枚目のGを配備して…ユニット来る?

「4コスツ、木製圏カラノ出発プレイシマス」
「え…?」

思わず声が漏れる。
たしかに次のターンからノワール配備でバックホームのドローが起動するからって、なにも木製圏張ることなんて。

「ターン終了デス」
「…はい。あたしのターン、配備フェイズにハッキングをプレイします」
「了解デス」

あたしは手早くカードを1枚手札に移す。

「4枚目の白G。次にストライクノワールを配備するわ」
「ハイ」
「そして、ディオ・マックスウェル《DB》をセット。場に出たので木製圏を破壊します」

相手さんが「Oh…」と小声をもらし許可を出す。
これで攻撃に移れるし、バックホームでドローもできる。
木製圏を急いで貼ったのは、対ユニット戦の用意ができてない証拠。行ける!

「戦闘フェイズに入ります、ノワール、バックホームを地球に」

ハンガーにカードを移しながらあたしは宣言する。
移ったカードはロゴスの私兵とフリーダムハイマット。

「コチラハ、防御アリマセン。ダメージハ8点でオーケー?」
「はい。おーけーです」

相手さんは本国の上のカードを捨て山に移す。
先手は打った。内部調査があろうともこの差は大きいはず。

「ターン終了です」

あたしの終了宣言を聞いて、相手さんは内部調査を使って本国を見つつ、「上デ」と言ってドローする。
相手の手札にユニットが無いとしても、あの枚数だ。陶酔や刹那とかサポートは充実している可能性は否定できないわね…。

「戦場のロンドベルヲプレイシマス」
「はい」

ドローされるのはあれだけど、引いたカードが見えるからまだ…。

ハンガーに移ったカードを見てあたしはホッとする。
って…

「えぇ!?」
「ハイ?」

あたしはそのときになって初めて気付いた。
あたしが戦ってるのは赤黒00なんかじゃない!


ハンガーに移ったカードは、隠された翻意とイリア・パゾム《1》。
これは…

「外人さんの…自爆ジオ」

あたしは頭を抱えてそうつぶやいた。


つづく


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txt:Y256

初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:09.07.01
更新日:10.04.14