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RY2 到着!キリマンジャロ


「さ、行こうか」

公旗が車の鍵を閉めながら促した。
あたしは目的地、ショップの前に立ち、見上げる。

「キリマンジャロ…」

武志がつぶやいた。
このカードショップの名前だ。

「行くわよ?」
「おう」

あたしは扉に手をかける。
カランカランという鈴の音と共に、扉が開く。

「いらっしゃい」

明るい店内の一角、ガラスケースのカウンターに立った、20台後半(…公旗と同じくらいかな?)の店員さんが言った。

「おや、見ない顔だね?」

店員さんはあたしたち3人を確認して言った。
へー。大きい店でもやっぱ見る顔見ない顔はわかるのかな?

「はい。ちょっと遠くから遠征しに着ました!」

武志が言った。

「遠征か~歓迎するよ。何のプレイヤーさんなんだい?」

店員さんは聞いた。
確かに。ひとえにカードゲームと言っても今や星の数ほどある。
あたしがポンと手を叩いてるはしから、公旗と武志はカウンターまで行って話していた。

店の奥、といってもここから見えるところなんだけど、そこには何卓かのテーブルが並べられており、デュエルスペースって感じだ。
デュエルスペースではあたしたちより小さい子供(小中学生くらい?)がカードをやっていた。
カキヨの空き家とは大違いね。

「京子ーシングル見るか?」

そう言って武志はファイルをあたしに差し出した。
前にブードラしたカードショップ『CKG』とは違ってシングルも良心的な価格。
何か買おうかな。

「じゃあ…これと、これで」
「こんな古いの買うわけ?」

あたしが選んだカードに文句をつける武志。

「いいんじゃん!だってイラストかっこいいし!」

あたしはカードの代金を出す。店員さんは「毎度あり」と言った。
その時、カランカランと言う音と共にキリマンジャロの扉が開いた。

「だから~それはギラ助が悪いんだってば~」

一番最初に入ってきたのは、中学生くらいの女の子。
なんか軽く怒ってた?
で、次にあたしたちと同じくらいか一個上くらいの男の子二人。鋭い目つきの子がくってかかる女の子と話してるとこから察するとギラ助くん?
もう一人は、人のよさそうな感じのこ。

で、最後に大学生くらいのメガネの男性。
開けっ放しになっていたドアをちゃんと最後に閉めるとこらへんが、4人の中で引率者みたいな雰囲気を出していた。

「あ、ハロ」

あたしは女の子の帽子に付いたハロのバッジを見て、思わず言った。
『ハロ=ガンダム=ガンダムウォー』の図式が頭の中で勝手に生まれたからだ。
それに気付いた彼らは「誰だ?」という風な視線を向ける。

「あっと…。あたしは本田 京子。ちょい遠めのろこから遠征に来ました」

ここに来て初めてガンダムウォーのプレイヤーに会ったからか、いつもより口が回るなあたし。

「そうなんだ~。僕、青井ガン太。よろしく」

手を差し出したガン太くんにあたしは手を出す。

「赤木 ギラ助」
「緑野 ザク美よ。こっちは兄貴のゲル男」

そう言ってザク美ちゃんは大学生くらいの”引率者”の腕を引いた。
あたしらの自己紹介に気付いた武志もカウンターから振り返り、「俺は藤野 武志」と言った。

「あの人は?連れ?」

ザク美ちゃんがデュエルスペースを指差して言った。
言われて振り返るあたしと武志。デュエルスペーズにはさっきの子供たちに話しかけている、いかにも怪しげな男…公旗がいた。

「ちょっと公旗さん、バカやってないでこっち来てくださいよ!」
「あ?あぁ」

公旗はやれやれという風にこっちに来る。
やれやれなのはあんただって…。

「じゃあ、せっかくだから対戦しようよ?」

公旗が来たのを見て、ガン太君が口を開いた。

「そうね。いいわね対戦!」

そう言ってあたしは4人を見る。
こういうのは指名したもん勝ち!せっかく対戦するんだから、強そうな人がいいな。

「では、私は君と対戦させてもらおうかな」

公旗がガン太君を指差した。
レディーファーストの精神はやっぱりないみたい…。

「あたしはあなたと戦いたいわ!」

負けないようにあたしも声を上げ、指名した。


つづく




txt:Y256

初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.07.09
更新日:10.04.14