ATAGUN@Wiki
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「それでは今から、1回戦の対戦を発表していきます」
裏側にしたスコアシートを、組にしてテーブルにおいていく常連らしき青年。
参加者が偶数でよかった、と思いながらタンサンはミキオたちとテーブルに向かう。
参加者が偶数でよかった、と思いながらタンサンはミキオたちとテーブルに向かう。
「オレに当たらないように祈ってな」
ミキオは自分のスコアシートを見つけたようで、席に着く。
タンサンも自分のスコアシートを探す。
タンサンも自分のスコアシートを探す。
今日のデッキは、前回ミキオを破ることに成功した「緑黒紫ジンクスデッキ」
スローネヴァラヌスと報復行動の性質上、自分より遅いデッキはもちろんのこと、ある程度早いデッキにも対応できる。
タンサンの最近のお気に入りだ。
スローネヴァラヌスと報復行動の性質上、自分より遅いデッキはもちろんのこと、ある程度早いデッキにも対応できる。
タンサンの最近のお気に入りだ。
「おれっちは…ここだな」
自分のスコアシートを見つけ、席に着くタンサン。
相手はすでに座っており、デッキを軽くシャッフルしていた。
合図で1回戦が始まる。
相手はすでに座っており、デッキを軽くシャッフルしていた。
合図で1回戦が始まる。
「赤基本Gを配備」
相手が先攻だ。
色は…赤。タンサンにとって、対戦経験が少ない色だ。
姉さんの白赤カウンターフリーダムにボコボコにされたことはあるのだが。
色は…赤。タンサンにとって、対戦経験が少ない色だ。
姉さんの白赤カウンターフリーダムにボコボコにされたことはあるのだが。
「おれっちのターン!」
最初の手札は緑基本G、対ガンダム調査隊、激突戦域《23》、ジンクス、スローネヴァラヌス、報復行動。
加えてドローは王留美…!
加えてドローは王留美…!
さすが”府釜高校のエース”羽鳥タンサン!完璧だ、4ターン目におれっちの勝ちが決まる!
タンサンは内心そう確信し、緑基本Gを置いた。
タンサンは内心そう確信し、緑基本Gを置いた。
だが…。
7ターンが経過した現在、彼の場には緑の国力が5枚、黒の国力が1枚…つまり、国力が”2色しか”ないのだ。
緑指定と紫指定を持つデュアルユニットを満載したタンサンのデッキには、致命的な事故。
緑指定と紫指定を持つデュアルユニットを満載したタンサンのデッキには、致命的な事故。
苦し紛れにプレイした報復行動はあっという間にカウンターされ、いつの間にか相手の大型ユニットが出た。
異形のMSが書かれたパズルカードだ。
異形のMSが書かれたパズルカードだ。
「攻撃ステップ、ユーリディス・シニストラ・ディキトゥスとリーベルダス・デクストラ・ディキトゥスで攻撃です」
「な、なんじゃこりゃー」
「な、なんじゃこりゃー」
響き渡るタンサンの悲痛な叫び。
この会場で一番最初に負けが決まったのは、もちろん彼だった。
この会場で一番最初に負けが決まったのは、もちろん彼だった。
第8(14)話 数字合わせ
ミキオをは本国のカードを9枚捨て山に送りながら、ゴッドガンダムにつけられた紫色のオペレーションを見る。
危険分子の収監…このカードがセットされたユニットは、リロールフェイズ規定の効果はおろか、いかなる効果でもリロールすることが出来ない。
危険分子の収監…このカードがセットされたユニットは、リロールフェイズ規定の効果はおろか、いかなる効果でもリロールすることが出来ない。
「ケルディムとデュナメスを帰還させてターン終了だよ」
「オレのターン…」
「オレのターン…」
ミキオはドローフェイズ規定の効果で、手札にカードを加える。
相手のユニットはデュナメスにケルディム。双方のダメージ効果で、攻撃に出撃した時点で防御力4以下のユニットを破壊できる。
ウント・ドランクを配備したとしても、サポートカードが無い現状では…1回攻撃して、返しのターンで狙い撃ちにされる。
相手のユニットはデュナメスにケルディム。双方のダメージ効果で、攻撃に出撃した時点で防御力4以下のユニットを破壊できる。
ウント・ドランクを配備したとしても、サポートカードが無い現状では…1回攻撃して、返しのターンで狙い撃ちにされる。
「ACE…ゴッドガンダム&ドモンの第1効果を使用するぜ」
ミキオは3枚の手札を確認させ、ロールコストとして茶の基本Gを2枚ロールする。
24弾「宇宙を駆逐する光」収録のACEは、6種類共通で「ドローフェイズに手札が3枚以下の場合、カード1枚を引く」という第1効果を持つ。
24弾「宇宙を駆逐する光」収録のACEは、6種類共通で「ドローフェイズに手札が3枚以下の場合、カード1枚を引く」という第1効果を持つ。
「1ドロー」
違う、この手札じゃ勝てない。と、ミキオは難しい顔で場を見る。
ジュンは手札が無いが、場のユニットの性能は高く、オペレーションを毎ターン破壊することが可能。
この状況を切り抜けるには…まだ枚数が足りない。
ジュンは手札が無いが、場のユニットの性能は高く、オペレーションを毎ターン破壊することが可能。
この状況を切り抜けるには…まだ枚数が足りない。
「ディアナ帰還をプレイ」
「オペレーションカード?いいよ。こっちは手札切れだから」
「見えてる。回復させてもらうぜ」
「オペレーションカード?いいよ。こっちは手札切れだから」
「見えてる。回復させてもらうぜ」
ミキオは、リロール状態のGでディアナ帰還を3回起動した。
捨て山にローズガンダム(ローゼスハリケーン)とドモン・カッシュ、ギンガナム軍が落ち、本国が3回復。
捨て山にローズガンダム(ローゼスハリケーン)とドモン・カッシュ、ギンガナム軍が落ち、本国が3回復。
「ACEで引きまくってる割に、いいカード引けないの?」
「あぁ…全然揃わない。ターンエンド」
「あぁ…全然揃わない。ターンエンド」
ジュンは「なら、終わらせるよっ」と言ってユニットを起こし、カードを手札に加える。
「ディアナ帰還は惜しかったね。こっちのオペレーション破壊のほうが1枚上手さ」
危険な任務をロールして、今引いた1枚の手札…紫基本Gを廃棄するジュン。
ディアナ帰還はACEのせいで回復量が落ちるように見えるけど、それ自体をロールコストとして使えるから、回復量がガタ落ちってほどでもない。
むしろ一戦級のオペレーションが多い茶には、ロールコスト自体が有利なルールにも思える。”ACEのために増えた”オペレーションを端から破壊できる危険な任務を持ってきて正解だった。
ジュンはそんなことを考えながら、戦闘フェイズを宣言する。
むしろ一戦級のオペレーションが多い茶には、ロールコスト自体が有利なルールにも思える。”ACEのために増えた”オペレーションを端から破壊できる危険な任務を持ってきて正解だった。
ジュンはそんなことを考えながら、戦闘フェイズを宣言する。
「宇宙にデュナメス、地球にケルディムを出撃。デュナメスの効果はもちろん本国で」
ガンダムデュナメスは火力が高いカードだ。本国に攻撃するだけなら、同世代の00系ユニットの中で一番の攻撃力を誇るといってもいい。
ジュンは発売時のブースタードラフトでこのカードを手に入れて以来、何かにつけては愛用していたのだった。
ジュンは発売時のブースタードラフトでこのカードを手に入れて以来、何かにつけては愛用していたのだった。
「ダメージ判定ステップに9ダメージ…通しだぜ」
ミキオはこの数ターンの猛攻ですっかり薄くなってしまった本国を目で数えた。
ミキオが目算していることはジュンにもわかったが、その枚数を聞こうとはしなかった。
デュナメスとケルディムが1ターンに出せる威力を考えれば、もはや数枚の誤差は関係が無いのだ。
ミキオが目算していることはジュンにもわかったが、その枚数を聞こうとはしなかった。
デュナメスとケルディムが1ターンに出せる威力を考えれば、もはや数枚の誤差は関係が無いのだ。
「ターン終了」
「オレのターン。ドロー規定前に、ACE第1効果」
「オレのターン。ドロー規定前に、ACE第1効果」
ミキオは3枚ぴったりの手札を確認させ、カードを引く。
続いて規定の効果のドロー。これで手札は5枚。
続いて規定の効果のドロー。これで手札は5枚。
「…あとはこの1枚」
ミキオは呟いてカードを表にする。宝物没収だ。
捨て山から2枚カードを引くことが出来る。これで手札は6枚。
捨て山から2枚カードを引くことが出来る。これで手札は6枚。
「さて、その6枚の手札から何がくる?」
加わったカードを見て、しばしの間。
何を計算してる…?とジュンは考えをめぐらす。
その直後、「よし」という声と共にミキオはジュンの顔を見る。
何を計算してる…?とジュンは考えをめぐらす。
その直後、「よし」という声と共にミキオはジュンの顔を見る。
「見せてやるぜ!」
ミキオは威勢の良くそう言ったかと思うと、手札からギンガナム軍…6枚目のGを出した。
場にはリロール状態のGが4枚、ロール状態のGが2枚。
場にはリロール状態のGが4枚、ロール状態のGが2枚。
「6国力のユニット?」
「いいや。オレのアタッカーはこいつだっ…ガンダムシュピーゲル(シュツルム・ウント・ドランク)!!」
「…もしかして、すぐ撃墜されるからしばらく手札に持ってた?」
「いいや。オレのアタッカーはこいつだっ…ガンダムシュピーゲル(シュツルム・ウント・ドランク)!!」
「…もしかして、すぐ撃墜されるからしばらく手札に持ってた?」
ミキオはうなずき「このカードで決めるぜ」と、残り4枚の手札のうち1枚を引き抜く。
確かにウント・ドランクは前のターンに引いた。だが、たとえキャラをセットしたとしても、この状況を打破できるとは限らなかっただろう。
揃うのを待っていたのはこっち、だ。
確かにウント・ドランクは前のターンに引いた。だが、たとえキャラをセットしたとしても、この状況を打破できるとは限らなかっただろう。
揃うのを待っていたのはこっち、だ。
「豪熱マシンガンパンチ!」
「!?」
「!?」
ミキオはペチリと音を立て、オペレーションを配備した。
MFが出撃した際に、合計国力の合計が10になるように手札を表にして、表になった枚数+2のダメージを敵軍ユニットに与えるカード。
ミキオ曰く「必殺技オペレーション」カード。
MFが出撃した際に、合計国力の合計が10になるように手札を表にして、表になった枚数+2のダメージを敵軍ユニットに与えるカード。
ミキオ曰く「必殺技オペレーション」カード。
「攻撃ステップ、残り4枚のGとオペレーションをロール!ゴッドガンダム&ドモンは出撃権限を得るっ!」
「余計なGはそのためか…オーケー受けて立つよ!」
「リングにウント・ドランク!地球にゴッドガンダム&ドモンが出撃だ!」
「余計なGはそのためか…オーケー受けて立つよ!」
「リングにウント・ドランク!地球にゴッドガンダム&ドモンが出撃だ!」
ミキオはユニットを戦闘エリアに移す。
ゴッドガンダム&ドモンはACEの中でも屈指の戦闘力を持つカード。後半においては立派な戦力だ。
ゴッドガンダム&ドモンはACEの中でも屈指の戦闘力を持つカード。後半においては立派な戦力だ。
「そして、これがオレの…」
残り3枚の手札を置き、端から表にするミキオ。
「豪熱ゥ!」
合計国力3のキャラクターカード、風雲再起が表になる。
「マシンガンッ!」
続いて合計国力4のコマンドカード、明鏡止水。
「パンチだーッ!」
最後は合計国力3のコマンドカード、ディアナ排斥計画。
「3+4+3…合計10ちょうどだ。表にするカードの合計国力の合計は10以上でも10以下でもダメ…苦労したぜ」とデュナメスを指差し、宣言する。
「3+4+3…合計10ちょうどだ。表にするカードの合計国力の合計は10以上でも10以下でもダメ…苦労したぜ」とデュナメスを指差し、宣言する。
「デュナメスを撃破!さらに、ディアナ排斥計画をプレイし、オレのゴットガンダムとそっちケルディムを捨て山に!」
「う…っ」
「う…っ」
ディアナ排斥計画は、お互いにコストの合計値が一番高い自軍ユニットを捨て山の下に移す除去コマンド。
ミキオはゴッドガンダムを捨て山に戻し、ジュンはケルディムを捨て山の下に送った。
ミキオはゴッドガンダムを捨て山に戻し、ジュンはケルディムを捨て山の下に送った。
「さらにオレの攻撃は続くぜ?ウント・ドランクに風雲再起をセットして、明鏡止水!これで戦闘力は11まで上昇、ACEの6点をあわせて17打点だーっ!」
「ボルジャーノン以来の本国ダメージがこれって…」
「ボルジャーノン以来の本国ダメージがこれって…」
ジュンの本国は何とかダメージを耐え切る。
が、残りは数枚…形勢は逆転した。
が、残りは数枚…形勢は逆転した。
「最後のドローまで勝負はわからない、よね?…ドロー!」
「ターンエンド」と宣言するミキオに、ジュンは晴々とした顔でそう言ってカードを引く。
引いたカードに少し驚いた表情になるが「投了だね」と諦め、その1枚を表にした。
表になったカード…ガンダム(ラストシューティング)を見て、今度はミキオがギョッとする。
引いたカードに少し驚いた表情になるが「投了だね」と諦め、その1枚を表にした。
表になったカード…ガンダム(ラストシューティング)を見て、今度はミキオがギョッとする。
「紙一重…だな。あと1ターン先に引かれたら負けてたぜ」
「おっしいなぁ。ま、楽しかったよ」
「おっしいなぁ。ま、楽しかったよ」
ジュンは笑ってそう言うと、頭を下げた。
ミキオも習って頭を下げる。
ミキオも習って頭を下げる。
「ありがとうございました」
つづく
txt:Y256
初出:mixi(10.03.18-19)
掲載日:10.03.19
更新日:10.04.01
掲載日:10.03.19
更新日:10.04.01