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高山出所記念(?)の、5期妖怪大裁判の後日談です。ほのぼのシリアス目指したのに多少ギャグになってます…。






高山が妖怪大裁判で判決を受けてからもうじき一週間。無罪にはなったものの、地獄の炎を使用した件に関してはまだ罰が残っていた。
黒鴉共々石積みの刑を受けていたが、それもようやく終わろうとしている。
刑を終える高山と黒鴉の為、早速お祝いのパーティーをしようと言う話が持ち上がった。
鬼太郎兄弟と猫娘姉妹の元に宴会好きな横丁の面々も集まり、にぎやかに準備が開始された。
2猫「会場って…ただの野原だけど。ここでいいの?」
5ネコ「横丁で宴会する時はいつもこんな感じよ。蒼さんが来た時も毎回こうなの。」
4ねこ「天気もいいし気持ち良さそうだね!ピクニックみたい。」
3ネコ「じゃ、おババの所で料理作ってここに持ってきましょ。」
野沢「へへ、ごちそう楽しみだな。猫ちゃんの料理美味しいから早く食べたいよ!」
戸田「ははは、野沢は高兄が戻って来る事より、料理が食べられる事が嬉しいのか?」
野沢「そ、そんな事ないよ!」
松岡「ほら、そろそろ時間だよ。高山と黒鴉さんを迎えに行かなきゃ。…5ネコさんも一緒に行きますか?」
5ネコ「あ、でも料理の準備が…。」
2猫「気にしないで行ってらっしゃい。後は私達がやるから。」
3ネコ「そうそう、早く高山さんに会いたいでしょ!?」
4ねこ「昨日から5ネコお姉ちゃんワクワクしてたもんね。料理は私達にまかせて!」
5ネコ「ありがとう…。じゃあお願いね!」
松岡「さ、父さん行きましょう。」
目玉親父「うむ、一週間が待ち遠しかったわい。」


横丁のつるべ火の灯籠を使い移動した一行は、早速高山と黒鴉のいる牢屋へ向かった。
戸田「おーい高兄、黒鴉さーん、迎えに来たぞー!生きてるかー!?」
高山「…やあ戸田、相変わらず元気そうだね…。」
黒鴉「…これはご兄弟の皆様に目玉親父殿…。それにネコ娘殿も御足労です。」
元気な戸田の大声が一帯に響き渡ると、牢屋の中で巨大な石を頭上に掲げたままの高山と黒鴉が顔を上げた。
野沢「おつとめご苦労様でしたぁ!」
高山「…なんだいそれは。墓場小父さんの真似かい?」
任侠映画のようなセリフ回しの野沢の挨拶に、高山が苦笑する。
ネコ娘「鬼太郎…!それに黒鴉さん…。大変だったでしょ?」
目玉親父「よく頑張ったのう、二人とも…。」
松岡「父さん。こんな大きな石をかついだままのんきに挨拶してたら、二人とも大変ですよ。早く石をどかしてもらいましょう。」

ようやく巨大な石から開放され、牢屋から出て来た高山と黒鴉。二人して肩や首を回したり、おじいちゃんの様に腰をポンポン叩いている。
高山「いたたたた、肩と腰がバッキバキ言ってる…。」
5ネコ「鬼太郎…鬼太郎ぉ!大丈夫だった?一週間もこんな大きな石を支えて…。ぐすっ…。」
高山「ネコ娘…そ、そんなに強く抱きついたら苦しい…。げほっ。
黒鴉さんもいたからだいぶ楽だったよ。本当に大丈夫だから…。ありがとう。」
高山に駆け寄り抱きついてワンワン泣いてる5ネコを、兄弟と目玉親父は微笑みながら見つめていた。
黒鴉は何とも言えないような顔つきで二人を見ていたが、すぐにいつもの真面目な表情に戻る。そして深々とみんなに頭を下げた。
5ネコ「黒鴉さん…色々ありがとうございました。あなたのお陰で鬼太郎の無実が証明されて…。なんてお礼を言っていいのか。」
涙でいっぱいのネコ娘の瞳に見つめられた黒鴉は、眩しい光を見たように少し目を細めた。
黒鴉「いえ…私一人の力ではありません。ねずみ男殿の協力無しでは解決出来ませんでした。」
目玉親父「本当に真面目なお人じゃのう。さあ、横丁で二人の帰りを祝うパーティーの準備をしとるんじゃ。早く帰ろう。」


高山達が横丁に戻って来ると、すでにパーティーが始まってる事が遠目からもすぐに分かった。
お祭り好きな横丁メンバーは酒を飲みながら踊ったり歌ったり。すっかり出来上がってるようだ。
みんなして高山と黒鴉の肩をバンバン叩きまくり、酒や料理をすすめたり、どこから調達したのか謎なハンディカラオケのマイクを差し出して来る。
高山「もう…みんな単に宴会したいだけじゃないの?」
苦笑しながらもいつもと変わらぬ横丁の仲間に、高山がほっとした表情を浮かべる。
高山の隣にはひときわ騒がしいねずみ兄弟達が陣取り、一升瓶を抱えて楽しそうに大笑いしていた。
大塚ねずみ「いやいや高木に弁護士の才能があったとはねえぇ!驚いちゃったよぉ。」
高木ねずみ「へへっ、そんなにおだてんなよ。」
富山ねずみ「こうなりゃうちら兄弟で『ねずみ弁護士事務所』でも開くか!?」
千葉ねずみ「かーっ!いいねえ。かっちょいい!異議無し!」
大塚ねずみ「待った!!ゆさぶる!」
千葉ねずみ「くらえっ!みぬくっ!つきつけるうぅぅっ!」
高山「(…ゲームのやりすぎだろ。)」

ふと何かを思い出した高山が、高木ねずみに声をかけた。
高山「牢の中で黒鴉さんから詳しい話を聞かせてもらったよ。…色々大変だったらしいな…。」
高木ねずみ「へっ、な、なんだよ!しおらしくて気持ちわりいな。ほれ黒ちゃんも酒飲め!」
照れ隠しなのか高山にそっぽを向くと、高木ねずみは黒鴉に酒の入ったコップをグイグイ押し付けた。
黒鴉「は、頂戴します。」
黒鴉は頭を下げるとうやうやしくコップを手に取り、少しだけお酒を口にした。
黒鴉はしばらく横丁のにぎやかな面々の話を聞いていたが、すっくと立ち上がると皆に向かって頭を下げた。
黒鴉「…宴たけなわの中申し訳ありませんが、仕事が残っておりますので私は戻らせて頂きます。」
高山「えっ!もう仕事ですか?早すぎませんか。」
5ネコ「そうですよ。もうちょっとゆっくりしていって下さい。」
黒鴉「お気持ちはありがたいのですが、牢に入ってる間に色々仕事が滞っておりまして…。それにぬらりひょんが現れた形跡があり、そちらの調査も始まる予定です。
では失礼いたします。後日改めて挨拶にうかがわせて頂きますので…。」
黒鴉は再び皆に頭を下げると横丁を去って行った。
小さくなって行く黒鴉の姿を見ながら、戸田が関心したようにつぶやいた。
戸田「高兄と違って勤勉な人だなあ。」
高山「なんで僕と比べるんだよ!!」
松岡「ふふ…。ほら高山、早く料理を食べないと野沢がみんな食べてしまうよ。」
野沢「このお寿司おいひいね!はむはむ…。お鍋も熱々ではふはふ…。」
5ネコ「はい鬼太郎、ジュースよ。料理もどんどんおかわりしてね。」
高山「ああ、ありがとう…。」
5ネコ「黒鴉さんて本当にいい人ね。礼儀正しいし真面目だし強いし!」
高山「…まあね。僕のために一緒に石積みの刑を受ける事になったのに、『一人より二人の方が辛くありません。仲間がいた方が楽ですよ』って言ってくれたよ。」
5ネコ「…仲間って本当にいいね。黒鴉さんに横丁のみんなに、兄弟や姉妹、…あの、それに…ねずみ男も…。」
高山「(…何でねずみ男の名前を言いながら赤くなるんだ…。)」
野沢「高兄、何変な顔してるのさ?あ、そういえばカメレオンの術使ったのに、めちゃめちゃあっさり捕まったって本当?」
戸田「相変わらず高兄とろいなー!あそこはカッコ良く逃げるのが見せ場じゃないか!」
高山「う、うるさいなもう!」
弟達の容赦無いツッコミに、高山が赤面してしどろもどろになる。
松岡「ほら、あまりいじめたら駄目だよ。今は子供の裸を映すとPTAの苦情が来るから、仕方なくあっさり捕まったんだよ。」
野沢「…本当かなあ。」
戸田「あまりツッコむと久々に地獄流しされそうだから黙ってよう…。」

にぎやかなパーティーは続き日が傾き始めた頃。どんちゃん騒ぎの中、一人静かになった高山に5ネコが気がついた。
5ネコ「…鬼太郎具合でも悪いの?…あれ、寝てる?」
ジュースの入ったコップと料理の盛られた皿を持ちながら、高山はコックリコックリ船をこいでいた。
2猫「あらあら…。高山さん!ジュースがこぼれて洋服にかかってるわよ。」
3ネコ「お皿の醤油もこぼれてるう!」
4ねこ「口の端からよだれも垂れてるよ!」
高木ねずみ「とてつもなくだらしねぇ有様だなオイ。」
5ネコ「食べながら寝ちゃうなんて赤ちゃんみたい。」
5ネコがクスクス笑いながら、タオルで高山の服についた汚れを拭いてやる。
目玉親父「一週間ほとんど不眠不休で巨大な石を支えておったからのう。疲れがどっと出たんじゃろう。」
松岡「高山は寝るのが趣味みたいなものだからね。ゆっくり寝かせてあげよう。」
松岡は高山をゴザの上に寝かせると、自分のちゃんちゃんこを掛けてやった。
その時寝ぼけまなこの高山の口元が少し動き、かすかな声で何かをつぶやいた。
松岡「ん?何だい?」
一旦離れかけた松岡が、高山の口元に耳を近づける。

「……とう…。みんな…ありが…とう…。」

すっかり夢うつつの状態の高山は、それだけ言うと完全に深い眠りに落ちた。
松岡「…みんなありがとう、だって。」
戸田「…へへっ、高兄もいつもこんな風に素直なら可愛いのにな!」
戸田が自分の鼻をこすりながら言うと、すかさず野沢が「そんな事言って。後で高兄に言っちゃお!」とはやし立てた。
告げ口するなよー!とわめく戸田の口を、松岡の手がガバッとふさぐ。
松岡「しーっ!高山が起きちゃうよ。」
騒いでいた横丁のみんなも、高山を起こさぬよう静かになった。
高山を見つめていた目玉親父が、ふっと空を見上げた。
目玉親父「…おお、いつの間にやら空に月が出てるのう。」
2猫「…綺麗な月ね。静かに月見酒でもしましょうよ。」
夜空を眺めながら2猫がどこか艶っぽい声で囁くと、みんなも一斉に美しく光る月を見上げた。柔らかい月の光がみんなを照らし出す。
ちびりちびりと酒を飲みながら、静かに月見酒を始めた。
高山の寝息と虫達の鳴き声をバックミュージックにしながら…。

おわり