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CMです

高山 「矢ッ張り暖かい御飯にはごはんですよが一番ですね、父さん。」
高田 「おっ、良い物食ってんな~。俺にも分けてくれよ。」
目玉 「誰じゃ御前、ねずみ男では無いな!」
高木 「え?あっといけね、名前間違えてた。」
目玉 「気付くのが遅いわ!」
高木 「だってよぉ、ややこしーんだよなぁ~漢字が皆、微妙にかぶっててよ。」
目玉 「ばかもん、言い訳をするでない、見苦しいのう!鬼太郎、ごはんですよをぶつけてやれ!」
高山 「はい、父さん。」
高木 「ぎゃー痛い痛い!瓶ごとは痛い!」

投げるな危険!桃屋のごはんですよ!

これまでの御話 歴鬼太でウミガメ 序歴鬼太でウミガメ 問


富山 「いやあ、ホント流石は我が弟だね。目の付け所と云い発想と云い、血は争えねぇってな。」
高木 「いやもう一目見た時にきましたからね、ビビビ~ッと、この金儲けレーダーに。」
富山 「しかも具合の良い事に、今夜は年に数回の稼ぎ時ときたもんだ。
     これはもう天の思し召しよ。気合入れて稼ぐぜぇ~弟よ。」
高木 「ええもう任せて下さいよっ、富山の兄さん。」
富山 「…何だかアレだね、昔を思い出すやね。」
ねこ娘 「うわっ、ちょっと!危ない!もうっ、前見て歩きなさいよ、このとんちきーっ!」
高木 「おや、そこを行くのは猫娘四姉妹のチビッ子ねこちゃん。
     わりーわりー、チビチビ過ぎてこれの陰になってて丸っきし見えんかったわ。」
ねこ娘 「誰がチビチビですってーっ!」
富山 「あれ、なんか美味そうな物持ってんのね。饅頭か?」
ねこ娘 「御団子!今日の御月見の為に、お姉ちゃん達と作ったんだ。少し多めに出来たから、
     里子ママに御裾分けしてきたの。」
高木 「んじゃ、今持ってる分は俺達にくれちゃったり?」
ねこ娘 「あげませんー!これは、私が自分で丸めた分、鬼太郎に。
     それよりあんた達、何よ、そのでっかい籠。藤編み?立派な葛篭(つづら)ね。」
高木 「これはその、まあ、とある立派な葛篭と言いますか。」
ねこ娘 「背負う為の紐が付いてるのに、如何して前に抱えて歩いてるの?」
高木 「別に如何運ぼうが、俺の勝手だろ~。」
ねこ娘 「そうだけど、ちゃんと道を見て歩いてよね!それで、何が入ってるの?何だか重そう。」
富山 「何を仰る、何も入ってなんかござりやせんよ。」
ねこ娘 「嘘、絶対何か入ってる!そうやって蓋まで押さえて…ちょっと、見せなさいよっ。
     それにさっき、『気合入れて稼ぐ』だとかなんだとか、あれは一体何の話?」
高木 「んもー、おめーには関係ねっつの!これこれ、引っ張らない引っ張らない。」
富山 「ハイハイ、おチビのねこちゃんは大人の話に口出ししないで、
     一人でそこら辺で蝉の抜け殻でもね、集めてなさい。しっしっ。」
高木 「じゃあな~。」
ねこ娘 「何よ…感じ悪いんだから…。」

5ネコ 「う、うーん…」
野沢 「あっ、5ネコちゃんが目を覚ましたよ。」
3ネコ 「大丈夫?はい、お水。」
5ネコ 「んん、にゃあ~…よく寝た… って、ああっ!き、鬼太郎は!?」
松岡 「高山と父さんなら、まだ寝てるよ。5ネコちゃん、何があったのか教えてくれないか。」
5ネコ 「え、ええと… 今日、バイト先のコンビニで、処分する分の商品を譲ってもらったの。
     それで横丁の皆に御裾分けしようと思って、バイト帰りに横丁に寄ったんだ。
     姉さん達と一緒に月見団子を作る約束をしていたから、家に戻る前にと思って。
     それで、鬼太郎にも御裾分けしようと思って家に来て見たら、
     家中が滅茶苦茶に荒らされてて、床に鬼太郎と親父さんが倒れてて…」
戸田 「つまり、5ネコちゃんが来た時には、既にその状態だったのかい。」
5ネコ 「うん。それで吃驚して二人を助け起こそうとしたら急に眠気が襲ってきて、
     気が付いたら…。如何してなのかは、解らないんだけど…」
松岡 「それは恐らく、5ネコちゃんが家に来た時に、室内にこれが充満していた所為だと思うよ。」
5ネコ 「えっ?それって…眠り砂?あっ!そう云えば、意識を失う前に何とか換気をしないとって
     思って、無我夢中で窓を開けた気がする!」
3ネコ 「だから、一つだけ窓が開け放されていたのね。私達がここに付いた頃には、
     もうすっかり空気が入れ替わってたわ。ほんの微かに、残り香がしただけ。」
野沢 「そんな匂い、僕は全然気付かなかったよ。」
戸田 「ネコ娘達は妖怪の中でも嗅覚が良いからなあ。」
3ネコ 「でも、家中が荒らされていたのは、結局誰の仕業なの?」
戸田 「そして、何だって眠り砂が焚かれていたんだよ?」
松岡 「それは…ある意味、両方とも高山がやったと言えなくも無いんだけどね。」
野沢 「な、何だって!高兄が!?」
松岡 「何はともあれ、好い加減目を覚まして貰わないと話が先に進まないから、
     野沢、高山に水をブッかけてやりなよ。」
野沢 「よしきた!そぉい!」

ばしょーん

高山 「うわっぷ!な、何だ!?あれ、皆一体如何して…」
松岡 「目が覚めたかい。はい、お水。」
高山 「あ、ありがとう…今頭から被ったばかりだけど…あと何故か頬が痛いんだけどこれは…」
目玉 「うーむ、よく寝たのう… ハッ!いかん鬼太郎、例の物は!」
高山 「えっ?あ!つ、葛篭は!?」
戸田 「葛篭?何のことだよ、葛篭って。」
高山 「しまった!あいつ、何処へ持って行ったんだ、早く取り戻さないと!」
松岡 「あいつって、ねずみ男の事だね?
     とりあえず、僕達の留守中にここで何があったのか、順を追って話してくれないか。」
高山 「え、ええ…。午後を回った頃、一時位だったかな。
     父さんと遅い昼御飯にしようとしていたら、ねずみ男がやって来たんです。」

高木 「え~、ちょっくらゴメンなさいよ。」
高山 「何だ、ねずみ男か。僕に何か用か…僕に用事でも?」
目玉 「これ鬼太郎、何故言い直すんじゃ!妖怪ギャグが出来んじゃろうが!」
高木 「それがよぉ、これ、この籠なんですけんどね。」
高山 「へえ、立派な葛篭じゃないか。如何したんだい、一体。」
高木 「だろぉ?良い品だろぉ?それが何と、ゴミ捨て場に捨ててあったんよ。」
目玉 「最近の人間は、まだ充分に使える物を、平気で捨てよるからのう。」
高山 「ええ、困ったものです。…それで、如何してその拾った葛篭をここへ?」
高木 「いやね、捨てる神あれば拾う神あり、それが究極循環社会よって言うじゃねぇか。
     拾ったモンは俺のモンだってんで、一度持ち帰ったんだけどよぉ。
     ちょいと問題があってね。開かねーのよ、これ。」
高山 「開かない?」
高木 「ほらここ、赤い紐で十字掛けに結んであんだろ?これが解けなくてさぁ。
     力尽くで抉じ開けようとしたんだけど、如何やら何か霊的な力が働いている様でよぉ。
     で、ひょっとして強い妖力を持った鬼太郎ちゃんなら開けられるんじゃないかと思ってね、
     それでこうして持ってやって来たって訳なんよ。」
目玉 「ほ~。それは、珍妙な話じゃのう。」
高木 「ささ、頼むよ、ちょっとこの紐、解けないかやってみてくれよ鬼太郎センセイ。」
高山 「ええ~?でも、何が入っているかも分らない葛篭を…気が進まないよ、そう云うの…。」
高木 「まあそう言わないで、ね、この立派な葛篭とその中身が良い値で売れた暁には、
     おめえにも2パーぐれえはマージンを回してやるからさぁ。」
高山 「いや、そう云う問題じゃ…」
目玉 「まあ良かろう鬼太郎、わしも中に何が入っているのか見たいわい。」
高山 「父さんがそう言うのなら良いですけれど…」
高木 「は~、流石パパコン、親父の一言は鶴の一声ってね。」
高山 「じゃあ、開けますけど…。あれっ、引っ張ったら簡単に解けたぞ、この紐。
     …はっ!父さん、妖気を感じます!」
目玉 「い、いかん、鬼太郎これは… 折り畳み入道の葛篭じゃ!」
高木 「あらやだ何か出て来ちゃったよこれー!」



5ネコ 「折り畳み入道?」
目玉 「葛篭の中に紙の様に薄く折り畳まって潜んでいる妖怪じゃよ。」
高山 「落ち着かせようとしたんだけど、封印が解けた所為で暴れまくるのを止められなくて…」
戸田 「だから、家中が滅茶苦茶に散らかってた訳か。」
松岡 「でも、紐を解いて蓋を開けるまで、妖気を感じなかったのかい。」
高山 「釜鳴りの時だってそうでしたよ?」
松岡 「…ああ、そうだったっけ。」
野沢 「それで、如何したんだい。」
高山 「仕方ないから、戦って倒したんだけど…」

高山 「体内電気ー!!」
目玉 「良くやったぞ、鬼太郎!」
高山 「ふ~…」
高木 「はァ~、イヤもうびっくらこいた。くわばらくわばら。」
目玉 「何がくわばらじゃ!全く御前は、性懲りも無く碌でも無い物を持ち込んで来よるわい。
     もう入ってくるな、そうやって表に立っとれ、ばかもん!」     
高木 「な、何だよぉ、目玉の親父だって乗り気だった癖によ~。」
目玉 「全く、家の中が滅茶苦茶になってしもうたわい。」
高山 「とりあえず、もう一度折り畳み入道を封じないといけませんね。僕が墨を磨りますから、
     父さんが御札を書いて下さい。」
高木 「うん?ちょい待てよ…?折り畳み入道ってえと、確か富山の兄貴が…」
目玉 「そうじゃのう。これ鬼太郎、ちゃぶ台を起こしてくれ。」
高木 「な、なあ鬼太郎、目玉の親父、その折り畳み入道っての?ちょっと俺に貸してくれよ。」
目玉 「ねずみ男、御前、何を言っとるんじゃ。」
高木 「一日で良いんだよ、一日だけ!な!」
高山 「…何をしようと企んでいるのか知らないけど、それは出来無い相談だよ。」
目玉 「どうせ欲の皮の突っ張った御前の事じゃ、折り畳み入道を金儲けに使おうとでも
     考えておるんじゃろう。全く、相も変わらず心根の浅ましい奴じゃわい。」
高木 「まぁまぁ、そう言わずによぉ~。そもそも、俺が見つけた葛篭なんだから、所有権は俺に…
     ってあら?あらら?何、どしたの二人とも。」
高山 「と、父さん…何だか急に眠気が…」
目玉 「わ、わしもじゃ… ハッ、し、しまった…さっき狭い室内で体内電気を使った所為で、
     壷から零れた眠り砂が電気を帯びて効力を…い、いかん、これ、ねずみ男、窓を…」
高木 「あらー。二人とも眠っちまったよ。」



3ネコ 「そこで高山君と親父さんが気を失って、倒れた拍子に硯が落ちて墨が零れたのね。」
野沢 「なら、父さんが書き残したメッセージは、ねずみ男の『ね』だったのかい?」
目玉 「メッセージ?何の事じゃ?」
野沢 「ほら、ここのこれだよ。」
目玉 「そんな物、眠気と戦いながら無我夢中で手を動かしていただけじゃよ。」
野沢 「えーっ、何だい、何かを書き残そうとしていた訳じゃなかったのかあ。」
戸田 「じゃあ、僕が見つけたこの長い紐は。」
高山 「それは、葛篭を十字に縛ってあった紐だよ。」
松岡 「そして、ここの零れた墨が途切れている跡、ここにあったのは…」
高山 「そこには、葛篭の蓋を置いていた筈です。恐らく、ねずみ男が持ち去ったんだと思います」
戸田 「玄関口に居たねずみ男は、眠り砂の香を吸わずに済んだって訳か。」
3ネコ 「でもそれなら、一体何故ねずみ男は鉄パイプを外に放り投げて逃げて行ったのかしら?」
野沢 「僕の干物を盗って行ったのは、腹が減っていたからかあな。」
松岡 「それは、あくまで想像だけど、こう云う事じゃないかな。」

高木 「いやあ~それにしても、いきなり鬼太郎のやつと目玉の親父がその場に突っ伏して
     眠っちまった時には俺もおッ魂消たけど、ありゃ今思えば大ラッキーだったなあ。」
富山 「家の中に眠り砂なんて常備しとくもんじゃねーなー。」



高木 「おーい、鬼太郎ー。親父ー。おーい。…あっれー、こりゃ熟睡してんね二人とも。
     それにしても素ん晴らしいタイミングだ事。この折り畳み入道ってのは、昔富山の兄貴が
     誰かと一緒に大道芸に使って一儲けしたって話してた、例の妖怪じゃねーか。
     そんなおゼゼの生る木を目の前にして、黙って指を銜えてちゃねずみ男さまの名が廃る。
     これを持って行かない手は無いってな。」
高木 「然し、高山の鬼太郎と親父は当面目を覚まさないとして、他の連中が戻って来たら
     ちょいと厄介だな。今夜一晩で良いから、俺がこいつを持ってったてえ事を知られない様に
     しねーとなー。ん?んん?おお~っ閃いた閃いた、ビビビ~ッときましたよこれ!
     折り畳み入道と鬼太郎が揃って暴れてくれた御陰で、こんだけ家中が荒れてんだ。
     ここは一つ、物取りが這入った様に見せかけて、他の連中の注意を逸らすって手が
     あるじゃねぇですか。我ながら名案だよこいつは。」
高木 「さて、物取りが這入ったってなると、何か無くなってねえと不自然だわな。
     そうは言っても、こんなしみったれた家に盗るだけの価値の有るモンなんてなーんも…
     おっ。何だあこのピカピカした金ピカの缶、何か高級そうなオーラ纏ってんよこれ。
     こんな貧乏ボロ家にまあ随分と場違いだ事。どーせまた5ネコが高山の気を引こうとして
     貢いだんだろーけどよー。ま、これで良いかね、『盗まれた物』は。
     あとは、もう一寸何者かに荒らされた感を演出しておかねーとな…。
     あら、こんな所に鉄パイプが。物騒な家だね全く。まてよ、これを表に落としとけば…」



富山 「いやいや流石は我が弟、頭の回転の速さも、これまた血を争えねーってね。」
高木 「金ピカの高級そうな缶から貧乏くさい干物が出て来るとは予想して無かったですがね。
     とは云え、高山の鬼太郎と親父が目を覚ましちまったら、俺がこいつを持ち去った事は
     アッと言う間にバレちまうだろうからなぁ。連中、きっと探しに来ますぜ。」
富山 「いやあ、ここまでは探しに来ねぇだろうよ。連中が見当違いな場所を探しまわってる
     その間に、俺達は稼ぐだけ稼いで、その後はほとぼりが冷めるまで雲隠れよ。」
高木 「成る程~良いプランっすね、流石は兄さん。さて、着きましたよ。」
富山 「しかし、またこうして弟とこいつでひと稼ぎ出来る日が来るとはねぇ。」
高木 「えっ?弟って、千葉の兄さんですか?」
富山 「いやね。御前達は知らんだろうけど、俺には双子の弟がいてな…」

野沢 「くそーっ、あいつの工作だったのかっ!」
戸田 「すぐに見つけ出して、とっちめよう!」
高山 「でも、今頃一体何処に居るのか…」
ねこ娘 「御邪魔しまーす。…あれっ、お姉ちゃん達。如何したの、皆揃って。」
松岡 「ねこ娘、そこ、玄関口にまだ乾いていないごはんですよが落ちているから、踏むと滑るよ。
    気を付けて。」
ねこ娘 「えっ?あっ、本当。よいしょ…。はい、これ、御土産の御団子。」
3ネコ 「あーっ、こらっ、御団子は今夜、皆で御月見しながら食べるんでしょ!」
ねこ娘 「う、うん。でも、私が丸めた分を食べて欲しいなって、思って…」
松岡 「ありがとう、嬉しいよ。」
野沢 「ところでねこちゃん、高木のねずみ男を見なかったかい。」
ねこ娘 「えっ?高木と富山のねずみ男なら、ここに来るときに会ったけど。」
戸田 「ええーっ、本当かいそれ!」
ねこ娘 「うん、人間の町から戻って来る最中にすれ違ったの。大きな葛篭を抱えてたわ。
     中身は見せてくれなかったけど、何だか、ひと稼ぎする~だとか胡散臭い話をしてた。」
高山 「矢ッ張り人間の町の方へ…。でも、それだけじゃ範囲が広過ぎて探し様が無いですね。」
松岡 「他には、何か聞かなかったかい?」
ねこ娘 「ええ~っと、確か、『今夜は年に数回の稼ぎ時だから、気合入れて稼ぐ』とか言ってた。」
5ネコ 「年に数回の稼ぎ時…?一体何の事かしら?」
3ネコ 「人間の町で、今夜何かが…?あっ!そう云えば今夜は…」
松岡 「ありがとう、ねこ娘。御手柄だよ。」

富山 「さァ~寄ってらっしゃい見てらっしゃい。取り出したるは、この葛篭。」
男児 「『つづら』って何だよー。」
富山 「え?何だい、最近の御子様は葛篭も解んねーのかよ。これ、この籠、このでっかい箱ね。
     はいはい気を取り直して、取り出したるは一見、何の変哲も無い箱でありますが…」
女児 「何でその箱には、後ろに紐が付いてるのー?」
富山 「え?一々うるせぇなおい。これはね、こうしてリュックみたいに背負うように付いてんの。」
男児 「何で箱を背負うんだよー。背負うのは鞄だろー。」
富山 「はぁ~、もう学の無い御子様方だね。昔の人は背負ってたんだよ、葛篭を。」
女児 「えー、ダサーい!」
富山 「良いから横槍入れずに黙って見てろっつーの!え~一見ただの箱ですが、蓋を取れば、
     あんら不思議!飛び出したるは折り畳み入道!」
高木 「ひぇ~、こいつは吃驚仰天!」
男児 「…何だよ、クソつまんね…」
女児 「中身もダサーい…」
富山 「おいおいクソつまんねとは何だよ、こんな摩訶不思議な物を目の前にして。」
男児 「何処がだよーっ。どうせ、バッテリーとリモートコントロールで動いてんだろー。
     そんな下らない子供騙し、今時幼稚園児でもひっかからないよー。」
女児 「しかも動きがカクカクしてんじゃんっ、安物じゃんかー。とことんダサーい。」
富山 「はぁーイヤだねもう最近のおガキ様は可愛げが無くて。
     不可思議な物に素直に感動する心ってモンが無いかんね、ホント嘆かわしいったら。」
男児 「誰がガキだって、この浮浪者風情がー!社会のゴミがー!」
女児 「ゴミがー!」
高木 「ちょ、石投げんな!危ないからこらホント痛いから!」
富山 「イヤハヤおっかないねえ、ゆとり世代ってやつは。」
男児 「もー、秋祭なんてつまんない見世物ばっかだなーっ。行こう、チョコバナナ食べようぜ。」
女児 「うん!」
高木 「ちょ、ちょい待て!おーい!こんちくしょー!」
富山 「それにしたって、本物の妖怪がチョコバナナに負けるとは、こりゃ世も末だぁね。
     昔のガキはそりゃもう驚いて、手を叩いて喜んだモンだけどねえ。」
高木 「これが時代の移り変わりって奴で…おぶっ!痛え!だーから危ねえからもうホント、
     ごはんですよとか石とか投げんなって、ってこりゃ下駄じゃねえか。」
富山 「あんらー、これは嫌な予感。」
野沢 「見つけたぞーっ、ねずみ男ー!」
戸田 「こらーっ、覚悟しろーっ!」
高木 「き、来やがった!何故ここが…って、あ~ちょい待て、話せばわか…」

ギャー…

目玉 「妖怪を見世物にして金儲けに使おうとは、全くもって見下げ果てた奴等じゃわい。」
戸田 「いいかっ、人間から取ったお金は全部返すんだぞ!」
富山 「そ、それがよぉ~。実はまだ一銭も儲かってねえのよ。」
戸田 「嘘をつくなーっ!」 ビビビビッ
富山 「いや本当なんだよ!最近のガキはよぉ、葛篭から妖怪が飛び出してきた位じゃ、
     眉一つ動かさねぇみてえなんだよ。驚きもしなけりゃ感動もしねえんだ、あいつら。」
高木 「御陰で、折り畳み入道の奴もこの通り、意気消沈しちまってよ…」

       /|
       |/__
       ヽ| l l│<……
       ┷┷┷

目玉 「矢張りそのAAで表すのは無理があるのう」
高山 「そもそも顔の位置が違いますし。」
高木 「ってオメーが言うなよ!」
野沢 「おいっ、僕の干物は如何したんだよ。」
高木 「ああ、あれならもう食っちまったよ、結構美味かったぜ~。あの金ピカの缶なら、
     かわうそが拾ってると思うから、言えば返してくれると思うぜ?」
戸田 「こらーっ、反省しろ、ばか!」
目玉 「やれやれ、如何にも救い様の無い奴等じゃ。何はともあれ、折り畳み入道を再び
     封印せねばならんのう、ほれ鬼太郎、用意した札を出すんじゃ」
高山 「はい、父さん。」
高木 「あ、おいちょっと待ってくれよ!」
目玉 「この期に及んで待てとはなんじゃ。」
高木 「その、こいつ如何やら悪い奴じゃねえ様なんだよ。さっきは、久しぶりに封印が解けたもんで
     家の中で大暴れしちまったけどさ、慣れれば気の良い奴なんだよ。」
富山 「そーなんだよ。何だか俺達も、情が移っちまってよぉ。」
高山 「そんな、ペットか何かじゃ無いんだから。」
高木 「なぁ頼むよ鬼太郎、目玉の親父。俺達が面倒見るから、封印するのは勘弁してやって
     くれよ。親友のよしみに免じてさ、なっ。」
目玉 「しかし、折り畳み入道は、腹が減ればあらゆる物を喰らうぞ。」
高木 「食いモンは俺達で何とかするからよ。それにこいつは、富山の兄さんが生き別れた双子の
     弟との、思い出の品なんだよ。」
戸田 「…あっ。」
高山 「こんな事を言ってますけど、如何します?」
目玉 「まあ、決して悪さをせんと言うのならば、考えてやっても良いわい。」
高山 「但し、もしも良からぬ噂を耳にすれば、その時はどうなるか解っているだろうな。」
高木 「そりゃあモチのロンよ!流石は俺の親友だね、話が分る。」
野沢 「全く、調子の良い奴だなあ。こっちは御前達の御陰で、散々な一日だったんだぞっ。」
松岡 「さて、まだ横丁の御月見には少し時間があるし、一旦家に帰ろうか。」

高木 「如何したんだい兄さん、考えこんじゃって。」
富山 「いやね。目玉の親父の話だと、こいつは腹が減ればあらゆる物を喰らうってえじゃねえか。」
高木 「ああ、ええ、言ってましたねそんな事。」
富山 「そんでだな、前回やつらに邪魔された粗大ゴミ回収の事業だけどよ。」
高木 「あっ、成る程~!流石は兄さん。」
富山 「だろぉ~?くんだろ、こう、ビビビ~ッと!」