TRPGでよく使われる用語をまとめてみました。
以下の単語を知っておくと、原作ファンの人と楽しく話せるかもしれません。
基本用語
テーブルトークRPG(TRPG)
テーブルトークRPGは和製英語。TRPGの本家であるアメリカでは単に「RPG」と呼ぶ。
この場合、ドラゴンクエストやファンナルファンタジーなどのRPGは「コンピュータRPG」。
ゲームマスター(GM)
ゲームの進行役を務める、特別な参加者。トランプゲームなどでいう「親」、軍人将棋の「審判」のような存在。
主に物語の状況説明や、登場人物の台詞や演出、ルールに則った審判などを行う。
GMの仕事をコンピュータに代行させたのが、いわゆるコンピュータRPGの始まりだと言える。
プレイヤー(PL)
TRPGのセッション参加者のうち、ゲームマスター(GM)以外の人のこと。
プレイヤーキャラクター(PC)
ゲームに参加するプレイヤーが、ゲームの中の世界に自分の分身として登場させるキャラクター。
通常はプレイヤー1人に対しプレイヤーキャラクター1人を担当する。
ノンプレイヤー・キャラクター(NPC)
ゲーム中に登場する、プレイヤーキャラクター以外のキャラクター。ゲームマスターが描写を担当する。
敵のモンスターも、仕事の依頼人も、事件に巻き込まれて逃げ惑う一般人もすべてNPC。
NPCの中でもパーソナルデータが存在しないキャラクターはエキストラ(もとはトーキョーN◎VA用語)と呼ばれる場合がある。
セッション
TRPGを遊ぶこと、または1回のプレイ。
例:「今週の土曜日にセッションをしよう」「キャラクターが1回のセッションで3度も死にかけた」
ダイス
英語でサイコロのこと。一般的なサイコロは「6面ダイス」、略して「D6」などと呼ばれる。
ナイトウィザードでは6面ダイスのみを用いるが、4面や10面、20面などの変わった形状のダイスを使うゲームもある(例えばダブルクロスでは10面体ダイスを用いる)。
セッション進行ギミックの用語
シナリオ
TRPGはみんなで物語を紡ぐ過程を楽しむゲームであるが、その物語の方向性を決める指針のこと。
例えば「推理モノ」の物語であれば、「事件の発端」「登場人物(NPC)の設定」「犯人の動機」「犯行のトリック」などが記述されている。
ただしTRPGの性質上、あくまでも「物語の指針」であって、その通りにストーリーが進むとは限らない。
シナリオは、プレイ開始前に各ゲームマスター(GM)が作成するのが一般的。
ルールブックにサンプルが付属していたり、シナリオ集という形で出版される場合もある。
PC番号、PC○○番
プレイヤーキャラクター(PC)の、物語における重要度を示す数字。
番号が若いほどその物語において主役に近く、大きい数字のキャラクターは脇役になることが多い。(*1)
PC番号は、FEAR製ゲームではダブルクロスで初めて実装された。
今回予告
次回予告の今回版。
本編が始まる前に、重要なシーンや印象的なシーンなどを匂わせることで、期待感や盛り上がりを演出する方法。
ナイトウィザードでは定番のテクニックだが、実はルール第一版の時点では正式採用されておらず(*2)、最初期のリプレイ「星を継ぐ者」においてセブン=フォートレスEXのルールを持ち込んだのが定番化した(*3)。The 2nd Editionでは実装されている(基本ルールブックp240)。
他のTRPGでは「アクトトレーラー」「セッショントレーラー」と呼ぶ場合もある。
一部の放送局で、第1話のオープニングが本編のカットを使いまわしになっていたが、ファンの中にはこれを今回予告の演出ではないかと考えるものもいたようだ。(*4)
サンプルキャラクター
サンプルとして例示されたキャラクターのこと。
TRPGを遊ぶ時は、自分の受け持つキャラクター(PC)を各1人ずつ用意しなければならないのだが、ルールにのっとりゼロからPCを作るには、どうしても時間や手間が必要となる。
そこで、ルールブックには、最初から作成例ともいうべきデータを用意することで、その手間を大幅に削減することが出来る。また、データを書き写せばいいだけなので、初心者にも負担が少ない。またビジュアルイメージや簡易設定も付属する為(勿論、使用しなくとも構わない)ゲームがスムーズに進みやすい。
サンプルキャラクターを用いてPCを作成する事を「クイックスタート」と呼ぶ。これに対して白紙の状態からPCを作成する事は「コンストラクション」と言う。
柊蓮司(魔剣使い)、赤羽くれは(巫女)、緋室灯(強化人間)、マユリ=ヴァンスタイン(魔術師)は、ナイトウィザード(ルール第一版)のサンプルキャラクターから生まれたPCである。
ハンドアウト
広義には、ゲームマスター(GM)から手渡される資料、書類のこと。
学校などでよく使われる、「プリント」に近い。
近年ではそのシナリオにおける「役柄」などが書かれている場合が多く、セッションにおける齟齬を無くすための方策の一つ。
例えば柊の場合は「キミはアンゼロットから一人の少女を護衛するよう命令をうけた」だとか。
FEAR製ゲームでは、ブレイド・オブ・アルカナのシナリオ「輪廻の十字路」で初めて導入されたルールである(初版時は「因縁チット」と呼ばれていた)。
書籍など
ルールブック
ゲームの本体。実際にゲームを遊ぶには最低限コレが必要。略してルルブとも。
ゲームのルール、キャラクターの作り方、背景世界の設定、主要な人物リストなどが書かれている。
ちなみにナイトウィザードのルールブックは3000円台後半。本としては少し高いが、1本のゲームとして見るならそこまで高く感じないはず。
何せ計算上、一冊あるだけで無限に遊べるのだから。
サプリメント
ゲームの拡張キット。主にゲームの追加ルール、追加データなどが載っている本。MMORPGで言うところの追加パッチや新エピソードに近い。
ナイトウィザードでは「ソースブック」と呼ばれることが多い。「ファンブック」もサプリメントと呼ばれる場合があるが、こちらはリプレイ主体である。
リプレイ
プレイの様子を、読み物として文章に書き起こしたもの。劇の脚本や雑誌のインタビュー記事のような「ト書き」形式になっているのが一般的。
TRPGのチュートリアルとしてよく用いられる。リプレイの項も参照。
シナリオ集
TRPGのシナリオがメインコンテンツとして掲載されている本のこと。
サプリメントの一種。
ナイトウィザードでは基本的にソースブックやファンブックに1~2本のシナリオが収録されており、シナリオ集はルール第一版時代に出された「オーバーナイト」が唯一である。
行為判定(ジャッジ)に関わる用語
行為判定
TRPGは原則として会話で物語を紡いでいくゲームであるが、会話だけでは決着のつかない事柄もある。
これに対し、サイコロ/ダイスを使って結果を求めることがある。これを行為判定またはジャッジと呼ぶ。
行為判定が行われる例としては、部屋の中に隠されている手紙を発見できるか、攻撃が命中したか、与えたダメージはどれくらいか、など様々なものが挙げられる。
これら判定の方法、難易度の基準などについてはルールブックに書かれている。
ゲームによって百面体サイコロ(十面体サイコロ二個)を使ったパーセントロール、キャラクターの能力値とサイコロの出目を足すタイプのもの、そして両者の併用と、およそ三タイプの判定方法がある。勿論、その他の判定方法を使ったものも存在する。またトーキョーN◎VAのようにサイコロ/ダイスの代わりにトランプ/タロットカードを行為判定に用いるゲームもある。
クリティカル
決定的な成功、大成功を表す言葉。
例えば、料理の判定にクリティカルすれば海原雄山も唸る至高の一品が、攻撃の際なら「会心の一撃(クリティカルヒット)」となる。
ナイトウィザードでは毎セッションごとにPC各自のクリティカル値(ファンブル値)を決定するが、アリアンロッドのように6の出目(1の出目)が2個以上あれば、最終的な達成値に関わらず自動的にクリティカル(ファンブル)となるゲームもある。
ファンブル
致命的な失敗、大失敗を表す言葉。
例えば、料理の判定にファンブルすればエミュレイターもイチコロ(生命の危機的な意味で)、攻撃の際ならその場で足を滑らせて転倒してしまったりするだろう。
2ch卓上ゲーム板の用語、スラング
卓上ゲーム板用語辞典(別サイト)も参照してください。
鳥取
各プレイグループ、身内、自分のローカルなどを表す言葉。
カルテット
カルテットスレにて決められる「売れない、読めない、遊べない」の三重苦が揃ったTRPG4作の総称。
転じて、その三重苦が揃ったゲームのこと。(つまり駄作のこと)
ただし、「スタンダード議論」スレが活発化するに伴い、「スタンダードなTRPGとはいえないが、味のある作品」との意味も付加されている。
熱心な愛好家もいるが、基本的にはあまり良い意味では使われない。
きくたけ
デザイナー(制作者)の菊池たけしの愛称。
イラストで描かれる姿が腹に★印のお化け型なので「アメリカおばけ」とも(*5)。
困ったちゃん
基本的に文字通りの意味。ゲーム進行に支障をきたすようなPLやGMの総称。
自分の趣味や考えを押し付けたり、人の話を聞かなかったり、思い通りの展開にならないとゲームを放棄したりなど、種類は様々。
コミュニケーションが主体であるTRPGにおいて、色々な意味で厄介な存在である。
GMでは「吟遊詩人」とも呼ばれる自分の設定通りのストーリー進行しか許さないタイプも存在しており、結局は必ず世界の危機が発生するきくたけの事をそう揶揄する事もある(*6)。
念の為に記しておくと、TRPG作品の公式リプレイがともすれば「吟遊詩人」的になるのは仕方がない面がある。公式リプレイの主目的は「(TRPG作品やサプリメント、高レベルPCセッションなどの)遊び方の例示」にあるからだ。
分類に関わる言葉
ローファンタジー
ファンタジー物語の分類区分の一つ。ハイ・ファンタジーの対義として言われることが多い。
現実世界、あるいは現実世界と明確な関連性を持つ異世界を舞台とするもの。
物語では「はてしない物語」、TRPGシステムでは「ナイトウィザード」「輪廻戦記ゼノスケープ」などが該当する。